2020年10月26日月曜日

牧場を散策する



アメリカン・ファーム




 紅葉が真っ盛りのニューヨーク州郊外。行楽シーズンもいよいよピークを迎えています。

 深まりつつある秋を満喫するなら、今週末しかないと思っていました。天気予報は連日曇天であまり陽光は期待できなかったのですが、このチャンスを逃すと、美しい秋の紅葉を見逃してしまうと思い、思わずカメラ抱えて車を出してみました。

 直前までどこに行こうか迷ったのですが、ふと十年余り前に行った農場のことが頭をよぎりました。きっと前夜に観たNETFLIXのセミドキュメンタリー「TTINY CREATURES」の影響です。アメリカの古き良き面影を残す牧場への憧憬が車をその農場に向かわせました。

 その名も、「MUSCOOT FARM」




 こちらムスクート牧場は1900年代初頭に建てられた農場で、年間を通して営業しており、家族向けのプログラムのほか、グループツアー、農場見学、予約制のヘイライドなど、充実したスケジュールを提供しています。毎週末の朝にはファーマーズ・マーケットが開催され、新鮮な野菜や果物、牛乳、チーズなどが販売されます。

 7マイル以上に及ぶハイキングトレイルでは、畑、森林地帯、湿地帯など、777エーカーの敷地内を散策できます。



 この牧場には百年以上前の歴史的農場建造物が多く残っていますが、そのうちのいくつかは
ムスクート貯水池のために移設されました。訪問者は乳牛舎、ミルクハウス、アイスハウス、鍛冶屋、その他いくつかの納屋や建物の中を歩くことができます。家畜と家禽は20世紀初頭に育成されたこの農場独自の品種で、その多くはマイナーな希少品種です。メインハウスでは、地元のアーティストによるアートショーなどが毎月開催され、芸術文化の振興にも貢献しています。



 2011年、ムスクート牧場は、全米の非営利団体であるヘリテージ・プリザベーション(Heritage Preservation)と博物館図書館サービス協会(IMLS)が主催するヘリテージ・アドヴォケイト賞を受賞しました。



 秋たけなわということで、牧場は結構な行楽客の群れで賑わっていました。はじめソーシャルディスタンディングが保たれるのか、不安でしたが、さいわい牧場が広大なおかげで、人はそこそこ分散されて、とくに密集することはありませんでした。それでもかわいい子ヤギや人懐っこいドンキーの周りには人が集まりがちで、順番を待って近づかなければなりませんでした。


 さすが遠方からも多くの観光客が訪れる人気の牧場。見たこともない珍種のニワトリや、水牛、四本角のヤギなどが目を引きました。この農場にはいくつかの人気者というか名物キャラクターの動物がいるのですが、そのひとつ、体長190センチ、体重460キロ余りもあるという巨大なブタ君を探しに行きました。しかし残念ながら、納屋でお昼寝中とのことで、網戸ごしに黒いシルエットしか見えませんでした。


 しかし他の牛たちなどもじつに見事に育成されていて、普通のホルスタインに交じって、いろんなタイプの牛を見ることができます。
 干し草を積んだトラックがそれぞれの飼育場を巡回する餌やりのシーンに遭遇したのですが、ヤギたちが一斉に歓声を上げるのを目にして、家畜たちのとって食事の時間がいかにうれしいものかが伝わってきました。



 毎日観光客と接しているせいか、この牧場の動物たちはみんなおしなべて、人見知りせず近寄ってきます。ドンキー君などは柵の網に体をすりすりして、スキンシップをアピールするので、みんなついなでなでしたくなります。でも、入り口の注意書きには、動物たちに餌を与えない、さわらないでくださいとしっかり描かれていますので、くれぐれも注意してください。
 愛らしい動物たちに目を奪われていましたが、帰るころになって、ふと周りを見渡すと、とても美しい秋の光景が広がっていました。緑の牧草地と、黄色く染まった森の樹々が華麗なコントラストをつくり、とても平和で心休まる穏やかな時間を過ごすことができました。 
 来て本当によかったと思える小旅行でした。





2020年10月25日日曜日

小さな生き物たち

かわいい冒険者たち


 NETFLIXで今めちゃめちゃハマっている番組があります。

TINY CREATURES」というのですが、アメリカでもあまり話題にならなかったようです。しかしこれを埋もれさせるのは勿体ない! 私はそう思いました。NETFLIXは常に大作、話題作がひしめいていて、ともするとささやかな、しかしよく作られた名作が埋もれてしまいがちです。そういったものに限ってまた気が付くとリストからなくなっていたりするので、今のうちにご紹介しなければと思いました。

 今回ご紹介するのは、ペットを飼っている方、動物好きの人にはたまんない愛しさにあふれる番組「TINY CREATURES」です。もう全力で「激おススメ」としてご紹介します。



 オムニバス形式の短編ドキュメンタリーで、どの話から観てもいいのですが、まず第一話が必ずアナタの胸に刺さります。私は予備知識もなく、ただの動物ドキュメンタリーだと思って見始めたのですが、予想外の展開に思わず笑ってしまいました。

 主人公はARIZONAに棲むカンガルーラット。体長は約7〜8cm、尾長8〜10cm。体の半分近くが頭で、しっぽが体長より長いのです。カンガルーのような長い後ろ足が一番の特徴で、自分の体長の10倍ほどのジャンプ力があるそうです。このちっちゃな生き物がアリゾナの砂漠地帯で数々の脅威にさらされながらも、けなげに生きていく生態がじつにドラマ仕立てで、リアルに描かれています。このような動物の生態を追ったセミドキュメンタリー仕立ての映画は昔からたくさんありました。日本ではかつて「子猫物語」が大ヒットしました。「TINY CREATURES」では、一貫して人のナレーションとバックグランド・ミュージックだけでドラマを盛り立てていきます。英語がわからなくても、ストーリーは一目瞭然。カンガルーラットに降りかかる災難が観る者の心をつかんで離しません。



 驚くのはそのカメラワークです。

 ガラガラヘビ、サソリ、サラマンダー、タランチュラ、鷹、さらには人間までがこの子の命を脅かします。圧巻はスコーピオンマウス対サソリの対決。カンガルーラットがサソリに襲われあわやというところで、劇的に月光を背にしたネズミが登場します。これがサソリの天敵スコーピオンマウスで、こいつが命を懸けてサソリとバトルするシーンがすごいのです。この戦いのすさまじさ、スローモーションによる戦闘描写はまさに圧巻の一語です。いったいどうやって撮影したのかと目を疑うような迫真の映像なのです。


 ここ以外でも、鷹が空から急降下してあわやカンガルーラットを鷲掴みか? というシーンも信じがたいカメラワークで描写されています。どうみてもCGなどではなく、本物の動物のビデオです。どのシーンもできすぎというか、あまりにも人間臭いドラマチックな演出なのが笑えてしまいます。でも本当に面白い。

 第二話の舞台はニューヨーク、マンハッタンに移り、大都会の摩天楼で暮らすハムスターの冒険になります。快適なマンションの一室から逃げ出したハムちゃんが都会の片隅で猫やネズミに追われる大災難の一日を追います。

 第三話はミネソタのゴルフ場の地中で暮らすアナホリフクロウと、毎回小さな可愛い生き物が主人公を務めます。などなど毎回主人公を変えてハラハラドキドキの展開となります。


 いずれも実際の動物の生態をベースにしながらも、ちょっとありえない事件の連続で観るものを引っ張っていきます。昭和の昔に「野生の王国」という素晴らしい動物ドキュメンタリーがあって毎週欠かさず観ていた頃を思い出しました。アメリカに来てからは「プラネット・アース」やナショナル・ジオグラフィックのシリーズを観まくりましたが、いずれもビデオカメラの描写の素晴らしさに感動したものです。

 いったいどうやってあんな動物たちの生態を描写できるのか、想像するだけで、カメラマンの仕事に感服します。その一方で、今回のTINY CREATURES」シリーズは動物愛護の観点から、やりすぎとの批判が出ることも想像に難くありません。でも私の観た感想では、動物に対する愛しさがにじみ出ているので、こういうものありかなと思いました。

 今回のTINY CREATURES」はシナリオありきで、それに実際の動物たちのリアクションを見事に組み合わせてできた新機軸としてもっと評価されてもいいと思います。ただ家族向けではありますが、小さいお子さんにはちょっとリアルすぎるので、小学生以上のご家庭ににお勧めです。もちろん大人一人でも、カップルでも十分楽しめます。日常からちょっと抜け出したいときは、こういう無垢な動物の健気さをみて、心洗われるのがいいのではないでしょうか。


2020年10月24日土曜日

日米リアル・ロボット対決

現実のロボットについて 

  


 今回はアメリカ人に向けて、日本のロボット制作の現状を、アメリカのそれと比較した英文を日本語に逆おこししたエッセイを掲載いたします。題して、

「The Real Life of Robot」です。

 約1世紀の間、人と共存するロボットのアイデアは、世界中の人々の想像力を刺激してきました。ロボットは常に大衆文化の中で人気のあるテーマであり、SFのサブジャンルから徐々にメーンストリームへと想像の翼を広げてきました。しかし、近年では実在のロボットが登場し、かつてのSF作家が描いたハイテクな未来像に近づいてきています。

 特に日本は、ロボットとの関わり方が様々な意味で独特です。今日は、日本の現実のロボットの世界と日本文化との関係を見てみましょう。

 ロボットとは、一般的に定義されているように、自律的に作業を行うことができる機械のことで、高度なコンピュータコードや機械工学に基づいて動作します。このように、ロボットとは何かということがよくわかる一方で、解釈の余地も多く残されています。ロボットは、金属とワイヤーの抽象的な塊から、不気味なほど実在の生き物に似ているものまで、様々な姿をしています。そのため、誰が何のためにロボットを作っているのかによって、ロボットのデザインは大きく変わってきます。また、ロボットのデザインからは、その国の文化を知ることができます。

 一般的に日本はヒューマノイドロボットと呼ばれる、人間に似せて作られた機械が発達していることで知られています。ホンダのASIMOは、世界で最も人気のあるロボットの一つです。人間に似た形をしており、二本足で直立し、歩いたり、走ったり、踊ったりすることができます。また、簡単なジェスチャーをすることができる多関節の腕を持っています。

 流れるように動く技術もさることながら、そのビジュアルデザインにも注目です。丸みを帯びた外観と清潔感のある白を基調とした、ぽっちゃりとした宇宙飛行士の姿をしています。その可愛くて親しみやすい姿は、人間と親しみやすく丁寧に接することを重視する日本のロボットデザインを象徴しています。

 それに比べて、ボストン・ダイナミクス社の「アトラス」のようなアメリカのロボットを見てみましょう。走ったり跳ねたりできる二足歩行のヒューマノイドで、デザインや機能はASIMOと似ている部分が多いです。しかし、頭のない胴体、むき出しのケーブル、手のない腕など、見た目の印象は明らかに劣っています。アメリカのロボットは、人間との関わり方よりも、何ができるかに重点を置いた、工業的で実用主義的な傾向があることがわかります。ASIMOは公共の場で群衆に挨拶をする姿が多く、Atlasは箱を拾ったり、実験室の中で文字通り蹴りまわされたりする姿が映し出されています。

 ロボットのデザインの違いは、見た目だけではありません。アメリカのロボット研究は、軍の資金援助を受けていたり、産業用に設計されていたりすることが多く、より実用的なデザインになっています。日本では、公共サービスや医療、エンターテインメントなど、幅広い用途を想定しているようです。日本に行けば、ショッピングモールでの挨拶や配膳などの日常的な仕事をしているロボットを見かけることは珍しくありません。

 また、日本のフレンドリーなロボットの例として、ソニーのAIBOというロボットがあります。AIBOはASIMOとは異なり、犬などのかわいい動物をイメージした小型のロボットです。市販用に設計されたこのロボットは、高度で生命体のような動きをするだけでなく、人間との対話ができるようにプログラムされている。最近のモデルでは、おもちゃで遊んだり、周囲を探索したりすることができ、人間との接触やその他の外部からの入力にも信頼できる反応を示します。その結果、自分の心を持っているかのようなロボットが登場し、見た目は可愛くて魅力的だが、不気味さを感じさせないほどリアルではないです。

 日本には他にも数え切れないほどのロボットの例があり、もちろんすべてのロボットが同じような流れをたどっているわけではありません。大きな機械的な腕に似た産業用ロボットは、日本の自動車の製造にもよく使われており、海外でもその傾向が強まっています。また、人間に限りなく近いアンドロイドを作ろうとする試みもあります。ロボット外科医や警備員、レスキュー隊員の試作品もあります。これだけ多くの分野でイノベーションが起きてわけですから、なぜ日本がロボット先進国と言われているのか、その理由がよくわかります。

 ロボットはすでに現代の生活の中で大きな役割を果たしており、日本だけでも25万台以上のロボットが活躍しています。この数は、今後15年で100万台を超えると推定されており、その影響力は非常に大きく、広範囲に及ぶと考えられています。日本の多くの人がロボットを近い将来の生活を変える希望だと捉えているようです。鉄腕アトムのようにロボットを肯定的に受け入れる日本ならではのポジティヴ志向ではないでしょうか。


2020年10月23日金曜日

2020 ベスト・スニーカー in USA



アメリカで人気のスニーカー




 スポーツの秋。でも今年は観客が密集する、あるいはアスリート同士が接近しすぎるスポーツは自粛の傾向にあります。アメリカでどこでも見られた地域コミュニティでのアマチュア・バスケットボールもあまり見られなくなりました。街頭で人だかりが集まったスケボーや自転車のアクロバット競技もすっかり下火です。

 しかしこういう状況で、走る人は走り続けています。サイクリング、ハイキングもいまだ盛んです。この不況下そんな人のために売れ続けているのがスニーカーです。

 今日は2020年、日米で人気のスニーカーを較べてみました。日本とアメリカではスニーカーに対してどのような差異が見られるのでしょうか。そこからあぶり出されるスポーツ文化、ファッション性の違いとは?




 まずは、いまや日本のメンズ・ファッション・トレンドを的確に分析、紹介し定評のあるウェブサイト、OTOKOMAEが独自の調査で決定した「スニーカー」から引用させていただきます。


2020:メンズ ・スニーカーの人気ランキング


1 アディダス オリジナルス スタンスミス

 スタンスミスは「世界で一番売れたスニーカー」としてギネスブックに登録されているほどの高い人気があるアディダスの定番スニーカーです。

 このスニーカーの特徴は、「ベロ」にプリントされている米国のテニスプレイヤー「スタンスミス」の顔写真と、ベンチレーション・ホール(通気穴)のあるレザーです。

 履く人を選ばないシンプルに仕上げられた美しいモデルで、1971年の発売以来、今でも人気が落ちない驚異的なロングセラーです。






3 コンバース・チャックテイラー70
        




4 VANS OLD SKOOL


5 コンバース・オールスター・ハイカット


6 ニューバランス 990番台


7 VANS クラシック・スリッポン


8 HOKA ONE ONE BONDI 6


9 ナイキ エアジョーダン・ワン


10  ニューバランス(ローテクタイプ) 574/576/M996/1300等





 アメリカからは人気商品ガイド・ウェブサイト、「GIVING ASSISTANT」から、
Best Sneakers for Men (2020 Review)です。



1. Nike Air Zoom Pegasus



Nike Men's Air Zoom Pegasus 37 Running Shoes (White/Black, Numeric_12)


 ナイキ史上最も売れているランニングシューズであるエアズームペガサス。十分なアーチサポートと優れたマルチサーフェストラクションにより、ジム、ランニングトレイル、CrossFitワークアウトによるコンディショニングなど、自信を持って走ったり、ジャンプしたり、運動したりできます。
 ペガサス37はさらに軽量化し、テキスタイル・アッパーメッシュを備えています。また、弾力性があり、応答性の高いミッドソールがあり、前足の下にクシエラン用のエアズーム・ポケットが増えています。スポーツを愛するすべての人に最適のスニーカーです。



2. Adidas ZX 2K 4D Shoes

3. Saucony Liberty ISO 2

4. Tread by Everlane


5. Nike LeBron 17


6. Vans Old Skool Sneakers


7. Adidas UltraBoost 20


8. Nike Air Force 1 GTX


9. ASICS Metarun 


10. Stan Smith Originals


 いかがでしょうか。近年スニーカーも厚底ブームだったので、ランキングにも反映されてるとは予想しましたが、意外にも日本はやや保守的な、というか原点回帰的なクラシカルな定番が人気のようですね。たいしてアメリカは、合理主義的な側面がよく出たランキングに思えます。店頭を賑わすのは、装飾過多で派手なデザインのものが多いのですが、ランキングで高位を占めるのはいずれも無駄を省いた軽量と新しい材質、質感のものばかりです。
 今回のランキングを見ると、ファッション性重視の日本、機能美優先のアメリカ、私はそんな印象を受けるのですが、あながち的外れではないような気がします。

 スニーカーは長時間使用するマラソンや、激しく動くバスケットやテニスその他のスポーツに対応するため、タフで頑丈、柔軟性、通気性など様々な対応が要求されます。それだけに作る側も多角的な観点から、毎年のように多彩な新作を生み出しています。
 デザインも競技に合わせて、最良の形状や色合いを日々追求しており、現代では極めて多彩なセレクションが用意されるようになりました。通販、オンラインショッピングがもてはやされる現代でも、靴だけは実際に店頭で履いてみないと、サイズ表示だけでは測れない相性があるものです。

 流行の靴を求めるのもいいですが、時代に流されないクラシックなスニーカーも各社から出されており、そんなビンテージ感を楽しむのも、醍醐味のひとつ。この秋にふさわしい、あなた好みの一足を探してみてはいかがでしょうか?

2020年10月22日木曜日

大人気ピックアップ・トラック

 アメリカならではのトラック文化

王者の貫禄。一番人気のフォードF-150


 アメリカに来た方なら、大きなピックアップ・トラックがやたらと町や高速道路にあふれていることに気が付くでしょう。それもそのはず、アメリカで車の売り上げ上位はセダンでもなく、SUVでもなく、ましてや廉価な小型車でもありません。一番人気は常にピックアップ・トラックなのです。

 そうアメリカで一番売れている車はここ10年余り、フォードのピックアップトラックF-150だってご存じですか。これはもう絶対王者であり、いかに日本車が売れているアメリカでも、このF-150には及びません。さらにこのトラック人気が牽引力となって以来、GMやシボレーなども今まで以上にこのクラスのピックアップトラックに力を入れています。それらはライバル車として常に売り上げ上位を独占しています。近年この傾向はますます顕著になり、不動の地位を気づきつつあるといえます。

GMCの人気者、SIERRA


伝統を引き継ぎ進化するDODGE RAM


 なぜアメリカではこんなにトラックが人気なのでしょうか。いや昔から米国ではピックアップトラックは一定のファン層がありました。商業目的だけではなく、そのスタイルとパワー、さらにダイナミック感が魅力なのです。日本人から見ればただのおっさん臭いトラックが、アメリカの若者にはマッチョなプロレスラーのようなカッコよさに映ったのです。

 その支持を受けるようにピックアップトラックは年々洗練されて行き、アメリカ車独自の進化を遂げました。近年のフォードFシリーズも様々なグレードが追加され、外装のゴージャスさはもとより、インテリアも座ってみると、とてもトラックの中とは思えないほどの気品にあふれています。なによりサイズ感が素晴らしく、後部座席もアメリカのでっかい大人が三人ゆったりと座れる空間を確保しています。運転座席から見るフロント部ももはや高級SUV車に伍するほどの充実ぶり。こんな車をを荷台に何か載せて行き来するだけではもったいないと思わせるような素晴らしさです。

 そういうわけで、アメリカ人の車購入の選択肢としてはピックアップトラックはまったく理にかなったものです。日常のちょっとした買い物や、子供の送り迎えでもごく普通の主婦が、あの巨大な車体を軽々と操って行き交う、それがアメリカの日常風景なのです。

 もちろん大きさに見合うように、エンジンや足周りも乗用車とはけた違いのパワフルなものになっています。2020年のF-150にはなんと6種類ものエンジンバリエーションが揃っています。3.3リッターのエンジン用には6速オートマチック、V8エンジン用には10速オートマが用意されています。日本ではこのクラスの小型トラックは鈍重のイメージがありますが、いやいやF-150クラスのピックアップトラックはいずれもパワフルで機動性に富み、高速道路ではブンブン加速して乗用車を追い抜く姿が当たり前です。

近年ぐっと洗練されたシボレーのSILVELADO


高級SUV並みのインテリア

 

ゆったりくつろげる五人乗り


 このピックアップトラック人気の秘密はもう一つ、仕様の割にはとても安い値段設定なのです。アメリカでは商用車販売は税金が安めに設定されており、かつまた保険料もスポーツカーなどより安いのが普通となっています。フォードで言えば、人気の中堅SUVエクスプローラーが標準価格$32,765であるのに対し、より大きなエンジン、車体を持つF-150は$28,745と40万円近くも安いのです。昔は燃費の悪さが足を引っ張っていましたが、いまはそれもかなり改善され、もともとガソリン代の安いアメリカではそれほどネックにはならないのですね。それでいてゆったり5人乗りですから、家族向けとしても、とても魅力的な車なわけです。

 このように日本とアメリカでは車に対する人気、評価もぜんぜん違います。広大な大地、広い道路事情など環境要因も小さくありません。低燃費、コンパクトさがウリだった日本車も徐々に大型化されています。今後のアメリカでの車事情がどうなっていくのか、注意して見守りたいと思います。

2020年10月21日水曜日

ハロウィーンがやってくる

みんな大好き、かぼちゃのお祭り

 


 日本でも近ごろは都市部を中心に、ハロウィーンのお祭り騒ぎが定着してきつつあるようですね。ハロウィーンとはちょっと違いますが、ずっと前から日本の若い世代はアニメや漫画キャラクターのコスプレという文化がありましたから、いまさらハロウィーンがブームになっても臆さず取り入れて、独自のスタイルにアレンジしてくのでしょうね。古くはクリスマスから始まって、バレンタインデーなどもみんな日本人は上手に自国の文化に取り入れて、それなりにアレンジしてきましたからね。ハロウィーンもこれから徐々に日本流のスタイルを確立していくのでしょう。


 日本のハロウィーンはまだその日限りの祭典ですが、本場米国では、ハロウィーンまでの数週間は、常に刺激的で思い出に残る時間です。この時点で、数えきれないほど多くのハロウィンの伝統があり、特に装飾、衣装、そして子供のためのトリック・オア・トリートがあります。当日に向けて、幼い子供をもつ多くの家族は一生懸命コスチュームのアイデアを練っていきます。みんなそのプロセスを楽しんでいます。
 これらの伝統は、米国外ではあまり一般的ではありません。近年では日本を含む世界中の人々がハロウィンを真似るようになりました。しかし、予想されるように、これらの伝統がどのように取り入れられてきたかによって、いくつかの興味深い違いが生まれています。


 最近まで、日本が
ハロウィーンを知る手立ては、アメリカからのメディア報道が頼りでした。若い世代に多いのはおそらくホラー映画からでしょう。ハロウィーンを題材にした映画もたくさんあるので、ビジュアルな参考資料としては好適です。
 アメリカから輸入された本や雑誌の中には、ハロウィーンの季節に言及しているものが多く、それが徐々に日本人のハロウィーンに対する意識を高めていったと思われます。その結果、日本のハロウィーンは、基本的なレベルではアメリカと共通点が多いです。ハロウィーンは、奇妙で不気味なものの祭典であり、思いつく限りの奇抜なキャラクターに仮装する変身願望実現の機会でもあります。

 店頭では
ハロウィーンをテーマにした商品が登場したり、時期に合わせて公開されたホラー映画やその他のメディアへの注目度が高まったりと、この季節に期待されることは他にもたくさんあります。しかし、ハロウィーンの日を詳しく見てみると、最も重要な違いが見えてきます。

 最も注目すべきは、人口統計学的な違いです。
ハロウィーンはあらゆる年齢層の人々に楽しみを提供する傾向がありますが、アメリカでは主に子供たちに焦点が当てられています。 
 家から家へとお菓子を集めに行くことは、アメリカで育った多くの人が共有する思い出です。対照的に、日本ではトリック・オア・トリートはほとんど行われていません。日本の子供たちは、学校や家でハロウィーンをテーマにした活動に参加するかもしれませんが、お菓子を探しに、一軒一軒未知の家を訪ね歩く行為は広く行われておらず、珍しいものと考えられています。

 その代わりに、日本の
ハロウィーンのお祝いは主に10代の若者や若い大人を中心に行われています。仮装パーティーは、日本では、特に東京のような都心部で、ますます一般的になっています。これらのイベントは個人的に開催されることがありますが、最も顕著なのは、バー、クラブ、コミュニティが主催する巨大な屋外の集まりです。
 ハロウィーンの夜には、仮装パレードも人気があります。コスチュームは、吸血鬼やゾンビのようなお決まりのモンスターから映画、ビデオゲーム、アニメなど人気のあるキャラクターまで、幅広く取り入れられます。日本では比較的新しいアニメ・キャラクターなども見かけるようですが、本場では極めて独創的なアートしてるものから、小さいキッズたちはスーパーヒーローやプリンセスに化けることが大人気です。

 これらのお祭りはここ数年でどんどん大きくなってきており、日本人による
ハロウィーンの大騒ぎは今後ますます広まっていくことでしょう。
 多少解釈の違いはあっても、多くの人が新しい伝統を楽しみ、独自の方法でお祝いするのは良いことだと思います。日本のクリスマスも本来の意味を知ることなく広がって定着したのですから。(ある意味、日本人おそるべし)
 ともあれ今年は世界中ちょっと異例の自粛ムードで、これまでのような大規模なお祭りは期待できません。
 しかし長い目で見て、今後も人々が何年にもわたって楽しめるような、世界的祭典に成長することを願っています。

2020年10月20日火曜日

オンラインでお買い物

 気が付けばBASICS



 わが応接間の周りを見ると、時たま、あれこんなのいつからうちにあったっけ? と思うものを目にします。大抵は家内が必要に応じて、オンライン・ショッピングで入手したものばかり。たまに私自身で買っておいて忘れていたものもあります。その内訳ですが、よく見ると、AmazonBasicsの商品がけっこう幅を利かしてることに気づきます。

 私はかつでウォルマーターを自称するほど、日常の買い物はWalmartに依存しすぎて、まさにWalmart漬けショッパーだったのですが、近頃は態度を改めて、できるだけ多様性のある店選びを心掛けようとしてきました。

 しかしいざネットでの買い物となると、こちらはどうしてもAmazonの比重が圧倒的に大きかったのです。なるべくたくさんの選択肢から商品を選ぼうとは思うのですが、とりあえず最初の検索はやっぱりAmazon行っちゃいます。そんな人は多いのではないでしょうか。

 私にとってその大きな要因が、AmazonBasicsの存在です。とにかく同じジャンルの商品を探していると、かなりの比率でAmazonBasicsで買いたくなる商品に遭遇します。

 平等に商品の内容を見ながら比較しても、あ、これならAmazonBasicsでいいや。となることが実に多いのです。よほど商品とブランドにこだわりがなければ、たいていそんな感じで身の回り品はAmazonBasicsから選ばれてきます。私一人ではなく、家内も同様らしく、意識してはいなくとも、自然にそうなっちゃうようです。そんなわけでAmazonBasicsはもはやうちには欠かせないメイン・ブランドと化してきてしまいました。

 ちょっと部屋を見まわしただけでも、以下のものがAmazonBasicsです。


AmazonBasics High-Back Executive Swivel Office Desk Chair with Ribbed Puresoft Upholstery - White, Lumbar Support, Modern Style


うちの家内が去年の誕生日に買ってくれたオフィスデスクです。ずっとぐらぐらする古い椅子を惰性で使っていて、腰を痛めてしまいました。それを見かねたかみさんが、ちょっとレベルアップした座り心地のいいものを探し出してくれたのです。同様のタイプのブランド物は倍近い値段がします。正直、作りはやや華奢な感じですが、日常使いに問題はありません。このAmazonBasicsの椅子は、極めて高品質な素材を使い、人間工学的にも、背中や首に負担のかかりにくいデザインを採用しています。使ってみると、前の椅子とは歴然の差で、長時間のデスクワークでも疲れにくく、背を後ろに傾けてくつろぐこともできます。多少値は張っても、こういった毎日使うモノは使い心地がとても大事です。そういった意味で、このAmazonBasicsチェアはとても満足のいく一品です。



AmazonBasics 8-Sheet Capacity, Cross-Cut Paper and Credit Card Shredder, 4.1 Gallon


 アマゾンブランドのシュレッダーなんてあるとは知りませんでした。しかし同様の商品で、家電メーカーから出ているものと、一切遜色ありません。普通に紙を刻めます。固いクレジットカードも粉々です。数枚一挙刻みも試しましたが、5~6枚なら問題なし。ちょっと音が大きめに響きますが、普通のメーカー品でも同じではないでしょうか。デザインもすっきりしており、部屋のインテリアとしてうまく溶け込んでると思います。買って後悔なしの品です。



AmazonBasics Laptop Computer Backpack - Fits Up To 17 Inch Laptops


 たしか家族旅行で急にバックパックが必要になり、息子用に買ったものですが、今は自分が使用しています。生地はデニム風でしっかりしていて、重いものをたっぷり詰め込んでも余裕があります。ちょっとしたハイキングにも軽く背負っていけます。15インチ程度のラップトップをいれても厚めのクッション仕切りがあるので安心して収納できます。学生なら本やノートを10冊あまり詰め込んでも余裕があり、肩に重みが食い込まないよう工夫されたデザインと素材を使っています。日常使いにもってこいのバッグです。



AmazonBasics Stainless Steel Digital Kitchen Scale with LCD Display, Batteries Included


 料理用の計量器です。家内は料理の時の秤として使いますが、私はカメラやレンズ、そのアクセサリーがどのくらいの重さになるのか図ったりしています。小さくてステンレス製でとてもすっきりしたデザイン。他社メーカーのものよりずっと洗練されていてお求めやすいお値段です。



AmazonBasics 3-Button USB Wired Computer Mouse (Black), 30-Pack


 パソコンのマウスですが、何個もあるのになぜかAmazonBasicsののものが紛れ込んでいました。購入した時驚いたのは、付属の単三バッテリーまでAmazonオリジナルのものだったこと。アマゾンはいつの間にか、身の回りの品々に浸透しつつあるのですね。



AmazonBasics Extra Thick Exercise Yoga Gym Floor Mat with Carrying Strap - 74 x 24 x .5 Inches, Black


 私も家内も、ともに愛用するヨガマットはAmazonBasics。ごく普通のウレタンマットレスですが、程よいクッションに質感です。くるくる巻いて持ち運びも簡単。野外でこれに寝転がって、使い倒してきましたが、なかなか表面はしっかりしていて、長持ちします。似たようなものが出回っていますが、コスパはこれが最高。買って損はありません。


 まだこれらはほんの一部です。物置や、子供部屋にもAmazonBasicsはごろごろしているはずです。記憶に残る限り、Basicsで変なもの買わされた、がっかりした、なんてものはないと思います。競合する商品がたくさんあって迷ったときは、とりあえずAmazonBasicsにしてみる。そんな買い方もありだと思いますよ。