2020年10月24日土曜日

日米リアル・ロボット対決

現実のロボットについて 

  


 今回はアメリカ人に向けて、日本のロボット制作の現状を、アメリカのそれと比較した英文を日本語に逆おこししたエッセイを掲載いたします。題して、

「The Real Life of Robot」です。

 約1世紀の間、人と共存するロボットのアイデアは、世界中の人々の想像力を刺激してきました。ロボットは常に大衆文化の中で人気のあるテーマであり、SFのサブジャンルから徐々にメーンストリームへと想像の翼を広げてきました。しかし、近年では実在のロボットが登場し、かつてのSF作家が描いたハイテクな未来像に近づいてきています。

 特に日本は、ロボットとの関わり方が様々な意味で独特です。今日は、日本の現実のロボットの世界と日本文化との関係を見てみましょう。

 ロボットとは、一般的に定義されているように、自律的に作業を行うことができる機械のことで、高度なコンピュータコードや機械工学に基づいて動作します。このように、ロボットとは何かということがよくわかる一方で、解釈の余地も多く残されています。ロボットは、金属とワイヤーの抽象的な塊から、不気味なほど実在の生き物に似ているものまで、様々な姿をしています。そのため、誰が何のためにロボットを作っているのかによって、ロボットのデザインは大きく変わってきます。また、ロボットのデザインからは、その国の文化を知ることができます。

 一般的に日本はヒューマノイドロボットと呼ばれる、人間に似せて作られた機械が発達していることで知られています。ホンダのASIMOは、世界で最も人気のあるロボットの一つです。人間に似た形をしており、二本足で直立し、歩いたり、走ったり、踊ったりすることができます。また、簡単なジェスチャーをすることができる多関節の腕を持っています。

 流れるように動く技術もさることながら、そのビジュアルデザインにも注目です。丸みを帯びた外観と清潔感のある白を基調とした、ぽっちゃりとした宇宙飛行士の姿をしています。その可愛くて親しみやすい姿は、人間と親しみやすく丁寧に接することを重視する日本のロボットデザインを象徴しています。

 それに比べて、ボストン・ダイナミクス社の「アトラス」のようなアメリカのロボットを見てみましょう。走ったり跳ねたりできる二足歩行のヒューマノイドで、デザインや機能はASIMOと似ている部分が多いです。しかし、頭のない胴体、むき出しのケーブル、手のない腕など、見た目の印象は明らかに劣っています。アメリカのロボットは、人間との関わり方よりも、何ができるかに重点を置いた、工業的で実用主義的な傾向があることがわかります。ASIMOは公共の場で群衆に挨拶をする姿が多く、Atlasは箱を拾ったり、実験室の中で文字通り蹴りまわされたりする姿が映し出されています。

 ロボットのデザインの違いは、見た目だけではありません。アメリカのロボット研究は、軍の資金援助を受けていたり、産業用に設計されていたりすることが多く、より実用的なデザインになっています。日本では、公共サービスや医療、エンターテインメントなど、幅広い用途を想定しているようです。日本に行けば、ショッピングモールでの挨拶や配膳などの日常的な仕事をしているロボットを見かけることは珍しくありません。

 また、日本のフレンドリーなロボットの例として、ソニーのAIBOというロボットがあります。AIBOはASIMOとは異なり、犬などのかわいい動物をイメージした小型のロボットです。市販用に設計されたこのロボットは、高度で生命体のような動きをするだけでなく、人間との対話ができるようにプログラムされている。最近のモデルでは、おもちゃで遊んだり、周囲を探索したりすることができ、人間との接触やその他の外部からの入力にも信頼できる反応を示します。その結果、自分の心を持っているかのようなロボットが登場し、見た目は可愛くて魅力的だが、不気味さを感じさせないほどリアルではないです。

 日本には他にも数え切れないほどのロボットの例があり、もちろんすべてのロボットが同じような流れをたどっているわけではありません。大きな機械的な腕に似た産業用ロボットは、日本の自動車の製造にもよく使われており、海外でもその傾向が強まっています。また、人間に限りなく近いアンドロイドを作ろうとする試みもあります。ロボット外科医や警備員、レスキュー隊員の試作品もあります。これだけ多くの分野でイノベーションが起きてわけですから、なぜ日本がロボット先進国と言われているのか、その理由がよくわかります。

 ロボットはすでに現代の生活の中で大きな役割を果たしており、日本だけでも25万台以上のロボットが活躍しています。この数は、今後15年で100万台を超えると推定されており、その影響力は非常に大きく、広範囲に及ぶと考えられています。日本の多くの人がロボットを近い将来の生活を変える希望だと捉えているようです。鉄腕アトムのようにロボットを肯定的に受け入れる日本ならではのポジティヴ志向ではないでしょうか。


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