2020年10月7日水曜日

英語も習慣化せよ

 洋書絵本で「ひとり」読み聞かせ



「習うより慣れよ」という故事がありますが、それは英語の学習にも当てはまります。

 とにかく、英語と親密に付き合うことが英語上達への近道です。いやそうはいっても、いろいろ試すがうまくいかない。とか、いつもいい教材を見つけては意気込んで始めるが、長続きしない。その繰り返しではありませんか? 

 はい、だけどそれはあなただけの問題ではありません。私も含め、じつに多くの英語学習者がおんなじ壁にぶち当たり、悩んできました。多かれ少なかれ、語学というものは熱意と根気、粘り、しつこさがないと前へ進めません。しかし誰もが望むのは「楽しんで学んで実になるやり方」です。はたしてそんな虫のいい英語学習法があるのでしょうか?

 受験勉強にはタイムリミットがあって、狭き門に対して鎬を削る強烈な競争心理が働きます。だから短期決戦でいい結果も出しやすいのです。

 しかしただ漠然と英語がうまくなりたいなあ、では勉強するための動機、モチベーションといったものが決定的に不足しているのです。ゴールの明確でない長距離走と一緒で、根源的なやる気が出てこないのは当然のことでしょう。

 そこで私が推奨するのは、「習慣化」というメソッドを英語学習に応用する、というやり方です。習慣化に関しては、いろんな人が著作で強く勧めていて、かなりメリットのある実践法なので、これはまた機会をみて、まとめてみたいと思います。

 今回は、「とにかく英語とうまく付き合いたい」人のために、英語を生活の一部として習慣化させる方策をご紹介します。

 これは私がデザインの勉強をしていたころ、ある先生から私のデッサンに偏りがあることを指摘され、それを直すためのトレーニングを受けたことから知った方法です。

先生「君はデッサンの練習量を増やしたほうがいい。君の絵はある角度からの描き方が不正確なんだ。気づかないのかい?」

私「はい、斜め上からの視点で描く人物がどうもうまく描けないです」

先生「素材は何でもいいから、毎日ペンや鉛筆でスケッチする習慣をつけなさい。そのとき必ずトレーシング・ペーパーを使うこと。描いたら裏返してみてごらん。歪んでいるのがわかるはずだ」

 言われた通りトレーシング・ペーパーで鏡を見ながら自画像をスケッチしてみました。裏返すとなるほど、なんかいびつな自分が描かれています。そう私は正確に自分を見ず、思い込みで勝手に目や鼻の角度を変えてしまっていたのです。ひごろ漫画のようなイラストの落書きばかり描いていたので、実物を見て描いたつもりでも、顔のパーツは不正確な位置関係になっていたのです。

                                     

 それ以来、観察の重要性を肝に銘じ、それまで軽視していたデッサンを徹底的に見直す練習を始めたのです。でもがむしゃらなやり方では長続きしませんでした。はじめは「いつでもどこでもスケッチしよう」のスローガンを掲げ、小さなメモ用紙とペンを持ち歩いたのですが、なかなか実践には移れませんでした。

「先生、ぼくは根気がないので、どうしてもデッサン練習を継続できません」そう悩みを打ち明けると先生は、「習慣とくっとけてごらん」とアドバイスしてくれました。はじめは何のことかわからなかったのですが、読んで字のごとし、やってみると割と簡単でした。デッサンを習慣するなら、すでに日常で習慣化したものの直前か直後にセットとしてスケッチを組み込むというやり方です。

 たとえば、だれでも朝晩歯は磨きます。私は就寝前、歯磨き後に、洗面所に置いたメモ用紙に想像上のキャラクターを描き、そのあと裏がえして、ゆがみをチェックする、そんなことを始めました。わずか5分程度の作業です。しかしこれがけっこううまく続きだしたのです。視界の範囲にある歯ブラシや、ヘアドライヤー、シャンプーの容器など、目につくものをスケッチ、スケッチ。数か月続けると、メモ用紙の裏も表も均等な絵が描けるようになってきたのです。スケッチ・トレーニングを、すでに習慣化された歯磨きとセットにすることで、挫折せずに続けられたわけです。

                                  

 英語学習にこれを応用してみてください。たとえば歯磨きあとに単語を覚えるべく洗面所内に単語帳などを常備しておくのです。一回につき10単語とか、歯磨きの後3分間発音練習する、とか習慣化しやすい超短めなもので結構です。それがだんだん定着しだすと、1 0単語が20,30単語に、3分だったものが、5分、6分と伸びてゆくのです。

 こういった初歩的なものでもいいのですが、より効果を確実に高められるものと言えば、私の一番のお勧めは、就寝前の「ひとり読み聞かせ」です。これは私の娘が幼いころ、私ではなく家内が実践していたものです。とにかく家内はほぼ毎晩、娘を寝かしつけるために、絵本の読み聞かせを続けていました。娘はそれがないと眠れなかったのです。

 これを英語学習に応用していただきたいのです。就寝前のほんの10分か20分でいいのです。読みやすい絵本を枕の上に常備しそれを声を出して、自分自身に読み聞かせてください。あくまでも人に聞かせるように、やや演技的読み方で英語を発声するのです。(もしその部屋にお休み中の誰かがいる場合は、リビングのソファに戻るとか、トイレに引きこもるとか、臨機応変にお願いします。ささやき程度でもいいですが、とにかく声を出すことが重要なので)

 もちろん活字だけの本でもいいのですが、習慣化しやすいのは絶対絵本です。はじめはかならず絵本にしてください。視覚に訴えるぶんだけ理解が深まり、脳内にイメージが定着しやすいのです。イコール継続も容易ということになります。さらに絵本の利点は、早く読み切れるので、達成感が得やすいということ。次々と読みこなし、またローテーションで、なんども読み返すことで、「慣れ」が自信にもつながっていきます。

                                      

 この「習慣セット法」を試してみて、三か月でも続けられればしめたもの。あなたはそのとき、英語との付き合い方を会得したという自信をつかめるはずです。

 実践あるのみですので、ぜひお試しください。

 以下に、「英語で読み聞かせ」にちょうどいい絵本をリストアップおきました。ほんの一例ですが、まずは読んで楽しい、やさしいものからという観点からのリストです。




声に出して読みたい「読み聞かせ英語絵本)


Where the Wild Things Are (Maurice Sendak)


Goodnight Moon (Margaret Wise Brown)


3Cloudy With a Chance of Meatballs (Judi Barrett)


The Very Hungry Caterpillar (Eric Carie)


The Lorax (Classic Seuss) (Dr. Seuss)


6  Brown Bear, Brown Bear, What Do You See?. by Bill Martin, JR.


The Going-To-Bed Book (Sandra Boynton)


8  Don't Let The Pigeon Drive The Bus! (Mo Williams)

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