2020年10月11日日曜日

アメリカ新車情報

 2021車が変わる?



 ちかごろアメリカで見る自動車の形が変わってきたな、と感じています。車のデザインには流行りすたりがつきものですが、いまのトレンドは多角形を多用したものになりつつあるようです。私見ですが、2020年代はますます鋭角的な切込みデザインの入った車が主流になると思われます。

 その兆しは2010年代に既にありました。2014年に出たJEEP CHEROKEEの細い切れ長のハロゲン・ヘッドライトは、すこぶる斬新なデザインで、これまでもっさりして垢抜けなかったおっさん向け自動車メーカーが生まれ変わるきっかけになりました。

 2016年にはホンダ・シビックがフルモデルチェンジで目の覚めるような切れ味の良いデザインになりました。細いシャープなヘッドライトまわりのデザインもそうですが、テールライトの形状はかつてない新しさで話題となりました。

 トヨタも負けてはいません。去年出た第4世代の新しいRAV4はまさに鋭角多面体を駆使した極めて未来的なデザインとなり、かつサイズもがっつり幅広で、アメリカの道路を意識したつくりとなりました。

 こうしてアメリカ市場をリードしセダンに取って代わり、もはや主流となった感のあるミッドクラスSUV。アメリカではクロスオーバーと呼ばれることの多いこのジャンルの車は、去年あたりからますます未来志向のデザインで生まれ変わりつつあります。


 来年、日産からは超売れ筋SUVのROGUEが久々のフルモデル・チェンジを果たします。公道をテスト走行する同車らしきものを目撃したことがあります。アメリカでは大体こんな姿で正体を隠して走る未発表車をたびたび見かけます。

 


数年前のモーターショーで次世代ローグのコンセプトカーとしてだされたモックはこんなすごいデザインで、「うわ、未来先取りしてるー」と思ったものです。



 2021年モデルは、先代ローグと同様に2.5リッター4気筒エンジンを搭載しますが、出力は181馬力に若干アップしています。CVT(無段変速機)と前輪駆動が標準装備され、全輪駆動はオプションとなります。先代ローグは、加速の悪さやハンドリングの悪さを批判されてきましたが、2021年モデルではその両方の面で改善されています。時速60マイルまで8.2秒という高速走行を記録し、より安定的なハンドリングと、クルージング時の静粛性が増したことをアピールしています。

 

 正式発表されたのは、すこぶる洗練されたボックスタイプで、かつ精悍な面構えの新世代ローグでした。ヘッドライトがダブルになっていて、なかなかカッコいいです。長らくマイナーチェンジが続き、売り上げも低迷していただけに、これなら先行するライバルのトヨタRAV4やホンダCR-Vにも対抗できそうです。


 しかしここへきて来年、このローグの対抗馬となるかもしれないニューウェーヴが登場します。それはKIAの新型SORENTOです。日本では無名のKIA自動車ですが、侮るなかれ、アメリカでは小型車を中心にじわじわと売り上げを伸ばし、もはやヒュンダイに並ぶメジャー自動車メーカーとして成長著しいブランドです。ラインアップの中枢を担う2021年型ソレントはかつての地味なスタイルからマッチョなスタイルにシェイプアップされました。


 

 スクエアなシルエットと、より強調されたエクステリアのディテールで、新世代のソレントは先代のものとは大きく異なって見えます。キャビンデザインも先代に比べて改善されており、洗練されたデジタルインターフェースや、スタイリッシュな外装が随所に施されています。しかも3列目シートでサイズもアップ、281馬力のターボチャージャー付き4気筒エンジンと、ハイブリッドモデルを含むパワートレインの多様な選択を持っています。仕様だけをみれば、日本勢の中型SUVをしのぐスケール、パワーで来年の目玉商品となりそうです。


 新時代のデザインはほかの車にも見られます。例えばシボレーのブレイザー。こちらも以前の同車とは見てもみつかぬ変わりよう。次世代を見据えて、かなりアグレッシブかつシャープ感のあるデザインに仕上がっています。ここ数年パッとしなかったシェビーもこれでぜひ巻き返しを図りたいところでしょう。

シボレーのブレイザー。パワーも大きさもワンランク上のSUVです。


  同様に今年フルモデルチェンジして、見違えるようになったのはフォード・エクスプローラー。全米の警察が同車を導入して以来、パトカーの代名詞となった感のある大型SUVです。すこぶるシャープで獰猛感さえ備えたパワーみなぎるモデルです。


 ごらんのように、アメリカ自動車市場におけるクロスオーバー車は軒並み新時代のデザインに移行しつつあります。今後、十年近くはこういったどっしりかつ鋭利な細部を兼ね備えた多角形のモデルが主流となるでしょう。来年どんな新しい車が発表されるのか、今から目が離せません。


 


 

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