2020年10月26日月曜日

牧場を散策する



アメリカン・ファーム




 紅葉が真っ盛りのニューヨーク州郊外。行楽シーズンもいよいよピークを迎えています。

 深まりつつある秋を満喫するなら、今週末しかないと思っていました。天気予報は連日曇天であまり陽光は期待できなかったのですが、このチャンスを逃すと、美しい秋の紅葉を見逃してしまうと思い、思わずカメラ抱えて車を出してみました。

 直前までどこに行こうか迷ったのですが、ふと十年余り前に行った農場のことが頭をよぎりました。きっと前夜に観たNETFLIXのセミドキュメンタリー「TTINY CREATURES」の影響です。アメリカの古き良き面影を残す牧場への憧憬が車をその農場に向かわせました。

 その名も、「MUSCOOT FARM」




 こちらムスクート牧場は1900年代初頭に建てられた農場で、年間を通して営業しており、家族向けのプログラムのほか、グループツアー、農場見学、予約制のヘイライドなど、充実したスケジュールを提供しています。毎週末の朝にはファーマーズ・マーケットが開催され、新鮮な野菜や果物、牛乳、チーズなどが販売されます。

 7マイル以上に及ぶハイキングトレイルでは、畑、森林地帯、湿地帯など、777エーカーの敷地内を散策できます。



 この牧場には百年以上前の歴史的農場建造物が多く残っていますが、そのうちのいくつかは
ムスクート貯水池のために移設されました。訪問者は乳牛舎、ミルクハウス、アイスハウス、鍛冶屋、その他いくつかの納屋や建物の中を歩くことができます。家畜と家禽は20世紀初頭に育成されたこの農場独自の品種で、その多くはマイナーな希少品種です。メインハウスでは、地元のアーティストによるアートショーなどが毎月開催され、芸術文化の振興にも貢献しています。



 2011年、ムスクート牧場は、全米の非営利団体であるヘリテージ・プリザベーション(Heritage Preservation)と博物館図書館サービス協会(IMLS)が主催するヘリテージ・アドヴォケイト賞を受賞しました。



 秋たけなわということで、牧場は結構な行楽客の群れで賑わっていました。はじめソーシャルディスタンディングが保たれるのか、不安でしたが、さいわい牧場が広大なおかげで、人はそこそこ分散されて、とくに密集することはありませんでした。それでもかわいい子ヤギや人懐っこいドンキーの周りには人が集まりがちで、順番を待って近づかなければなりませんでした。


 さすが遠方からも多くの観光客が訪れる人気の牧場。見たこともない珍種のニワトリや、水牛、四本角のヤギなどが目を引きました。この農場にはいくつかの人気者というか名物キャラクターの動物がいるのですが、そのひとつ、体長190センチ、体重460キロ余りもあるという巨大なブタ君を探しに行きました。しかし残念ながら、納屋でお昼寝中とのことで、網戸ごしに黒いシルエットしか見えませんでした。


 しかし他の牛たちなどもじつに見事に育成されていて、普通のホルスタインに交じって、いろんなタイプの牛を見ることができます。
 干し草を積んだトラックがそれぞれの飼育場を巡回する餌やりのシーンに遭遇したのですが、ヤギたちが一斉に歓声を上げるのを目にして、家畜たちのとって食事の時間がいかにうれしいものかが伝わってきました。



 毎日観光客と接しているせいか、この牧場の動物たちはみんなおしなべて、人見知りせず近寄ってきます。ドンキー君などは柵の網に体をすりすりして、スキンシップをアピールするので、みんなついなでなでしたくなります。でも、入り口の注意書きには、動物たちに餌を与えない、さわらないでくださいとしっかり描かれていますので、くれぐれも注意してください。
 愛らしい動物たちに目を奪われていましたが、帰るころになって、ふと周りを見渡すと、とても美しい秋の光景が広がっていました。緑の牧草地と、黄色く染まった森の樹々が華麗なコントラストをつくり、とても平和で心休まる穏やかな時間を過ごすことができました。 
 来て本当によかったと思える小旅行でした。





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