2021年2月21日日曜日

富士フィルムの中判カメラ

GFX 100S:モンスター級のカメラ

 


 先ごろ富士フィルムから発表され、来る「CP + 2021 ONLINE」でも大々的に宣伝されるであろう最新中判カメラ、GFX 100S。これがいま予約注文で予想を上回る反響だそうです。
 ちょっと前までは中判センサーなんてプロの中でも特殊な撮影時のみ必要なカメラだと認識していましたが、時代は変わりつあるようです。
 大きなトレンドが一眼レフのAPS-C機からフルサイズ・ミラーレスに移行しつつある中、全体のスペック底上げが著しく、さらなる高みへ向けて、カメラファンは中判カメラも普通に視野に入るようになったという事でしょうか? 
 この富士フィルムGFX 100Sの少し前には、SONYからフラッグシップ機「a1」が発表され、そのすさまじいスペックと値段に、カメラファンの間ではどよめきが起こったばかりです。
 
 富士フィルム渾身の最新鋭中判カメラとはどういうものなのでしょうか?
 
 GFX 100Sは、富士フイルムの4台目のミラーレス中判カメラで、102メガピクセルのセンサー、4K/30p動画撮影、6ストップの5軸手ブレ補正(IBIS)を搭載しています。

 驚いたのはサイズ感です。前期種のGFX 100はいかにも中判カメラといういかつい形状で、一眼レフ機に比べて小型化を図ったと謳われていた割には、そこそこ重たく、かさばるプロ専用機という印象でした。(もっとも2017年に発表された
GFX 50も中判としては十分インパクトのある小ささでしたが)
 今回は35mmフルサイズのデジタル一眼レフカメラよりもさほど重くもなく、-5.5EVの低照度下でも0.18秒でピントを合わせられ、天板にはPASMダイヤルと1.8インチのサブ液晶モニターを搭載したスタンダードなザ・カメラといった形状です。巨大なセンサーを積んでよくもここまでコンパクトにできたなと感服します。
 携帯性のために性能を犠牲にすることなく、世界で最もコンパクトで高性能な大判カメラのひとつを生み出した、ということでしょうか。
 じっさいこれまでのどのGFXシステムカメラよりも進化しており、富士フイルムの最高のイメージング技術を結集して、わずか900gのカメラに仕上がっています。また、フルサイズカメラと同等のサイズながら、フルサイズセンサーの1.7倍※2の102万画素センサーを搭載し、最大6段の5軸手ブレ補正機能(IBIS)、驚異的な高速・高精度オートフォーカス、世界に誇る色再現性など、富士フィルムの技術の粋が結集した最高機種と言えるものです。
 また先代GFX 100の画期的なアイデアをベースに、「機動性」と「携帯性」をコンセプトに、大判カメラの可能性を超えた、これまでにない大判映像制作の可能性をクリエーターに提供するカメラ、とメーカーは謳っています。

 なお本機には、1970年代に登場したアメリカのニューカラー写真を彷彿とさせるといわれる「ノスタルジック・ネガティブフィルム・シミュレーション」を初めて搭載しました。

 
GFX100Sは2021年3月4日から発売され、本体の価格はアメリカで6000ドルから。





GFX100Sの主な特徴

 富士フイルムの高性能クアッドコアCPU「X-Processor 4」を搭載したGFX 100Sは、102メガピクセルの裏面照射型大判CMOSセンサーを搭載し、圧倒的な画質を実現しています。従来のフルフレームのデジタル一眼レフカメラやミラーレスカメラに一般的に搭載されている小型で低解像度のセンサーと比較して、富士フイルムGFX 100Sの撮像センサーは約1.7倍の大きさで、光に対する感度が非常に高くなっています。これにより、信じられないほど浅い被写界深度、素晴らしいダイナミックレンジ、忠実な色再現、優れた高ISO性能を持つ画像を生成するという点で、小型センサーに比べて大きなアドバンテージを得ています。

 富士フイルムの色再現の専門知識は、画像メーカーの間では伝説的な存在です。富士フイルムは86年以上にわたり、世界中で象徴的な写真や映画を生み出してきました。GFX 100Sは、世界で最も広く評価されているデジタルカラー処理エンジンを搭載しており、ボタンを押すだけで、この豊富な色再現を実感できます。
 本機にはFUJIFILM独自の19種類のフィルムシミュレーションモードを搭載しているので、カメラから撮って出しで素晴らしい色を表現することができます。GFX 100Sには、新しいフィルムシミュレーションモード「ノスタルジック・ネガ」が搭載されています。1970年代に登場したアメリカのニューカラー写真を彷彿とさせ、この色を意図的に使うことで写真の創造性の境界線を広げることになりそうです。その独特の色調は、ハイライト部分に琥珀色のトーンを加えてソフトな印象を与え、シャドウ部分の彩度を高め、ディテールを維持したまま、画像に叙情的な雰囲気を与える、ということです。


低照度下でも優れた高性能ミラーレスAF

 他の多くの大判カメラや中判カメラとは異なり、センサー上の位相差画素がGFX 100Sの撮像素子のほぼ100%をカバーしているため、これまでの大判デジタルカメラでは実現できなかったオートフォーカス性能を実現しています。これにより、-5.5EV*4という低輝度下でも、最短0.18秒でピントを合わせることができ、汎用性が高く、精度が高く、驚くほどの高速性を実現しました。また、「X-Processor 4」を搭載し、「トラッキングAF」や「顔・目AF」を使用した場合にも、最新のフォーカストラッキング・アルゴリズムを効率的に活用し、ピントを合わせやすくしています。


最新の手振れ補正

 GFX 100Sは、新設計のボディ内手ブレ補正機構(IBIS)を搭載し、写真家の手ブレ補正能力を飛躍的に向上させました。GFX 100SのIBIS機構は、FUJIFILM GFX 100に搭載されているユニットと比較して、20%の小型化と10%の軽量化を実現しています。しかし、このような小型化にもかかわらず、5軸システムはCIPA規格の手ブレ補正機能を6段分搭載しており、GFX 100と比較して0.5段分の手ブレ補正効果を実現しています。


携帯性を考慮した高性能

 900g、幅15cm、高さ10.4cm、奥行き8.7cmのコンパクトなボディは、多くのフルフレームカメラに匹敵するサイズです。しかし、そのコンパクトなボディにもかかわらず、高性能なIBISと、一般的なフルサイズの約2倍の102MPの撮像素子を搭載しています。GFX 100Sは、シャッターユニットとIBISユニットを一新し、小型ながらも高効率なリチウムイオン電池を採用しました。これにより、GFX 100よりも約6cm短く、500gの軽量化を実現し、小型化しながらも、静止画や動画の性能を維持しています。そのため、GFX 100Sの小型化は、手にしっくりと馴染む堅牢性の高いグリップによってバランスが取れており、長時間の撮影でも非常に持ちやすくなっています。

 GFX 100Sは、-10℃という低温での使用を想定し、防塵・防湿性を備えています。また、マグネシウム合金製のケースを採用し、GFX 100と比較してレンズマウント周りを1mm厚くしているため、大型のGマウントレンズにも対応できます。


慣れ親しんだ操作性

 富士フイルムGFX 100Sは、GFXシステムを初めて使う人にも、既存の写真家にもなじみのある操作系を採用しています。例えば、6つのプログラム可能なカスタムオプションを備えたPASMダイヤルは、頻繁に使用する設定に素早くダイレクトにアクセスできます。人間工学に基づいて改良されたフォーカスレバーは、フォーカスポイントの選択を簡単かつスムーズにします。

 背面には3.2型液晶モニター、天板には1.8型サブ液晶モニターを搭載し、シャッタースピード、絞り、ISO感度、露出補正などの主要なEXIF設定の表示や、主要機能のステータス表示、ストレージメディアの容量表示などのカスタマイズが可能です。3.2型のタッチ対応液晶ディスプレイは236万ドットで、3方向(上90度、下45度、右60度)に傾けることができ、100%のカバー率を実現しています。


動画:スムーズな4K30Pを実現
  
 大型の撮像素子を搭載したGFX 100Sは、浅い被写界深度、高ISO性能、広い階調性など、映画のような4K/30p動画を撮影することができ、他の追随を許さない画質を実現しています。映像は、内部でSDカードに記録する10ビット4:2:0 F-logから、HDMIポートを介して12ビット4:2:2 ProRes RAWまで、さまざまな品質レベルで400Mbpsのビットレートで記録することができます。

 GFX 100Sは、4K映像を16:9のアスペクト比で記録できるほか、デジタルシネマでよく使われる17:9のアスペクト比にも対応しています。H.264やH.265のような最も一般的に使用されている圧縮コーデックも利用できます。さらに、REC.2100サポートのハイブリッドガンマログ(HLG)やF-Logのようなプロ仕様の規格を選択して、クリエイティブなコントロールを完全に行うことができます。H.264のような一般的な圧縮コーデックを使用する場合と比較して、F-LogやHLGで映像を記録することで、編集やカラーグレーディングプロセスを経て、輝度、彩度、その他の画像属性の調整が行われるため、ポストプロダクションの柔軟性が向上します。

 画像ベースの調整やカラーグレーディングのオプションで最大限の柔軟性を実現するために、GFX 100Sは、4K/30Pの映像をHDMI経由でAtomos Ninja V Recording Monitorに直接12ビットRAWで記録し、後でProRes RAWとして出力することもできます。これにより、カメラ内の処理にとらわれず、制作後のポストで映像に関するすべての判断を行うことができます。また、RAW映像とフィルムシミュレーションモードを適用したF-LogやHLG(Hybrid Log Gamma)の映像を同時に出力することも可能です。

 というわけですべてが型破りなカメラですが、ちょっと前に発表され、話題を独占したソニーのフラッグシップ機a1と比べるとどうなるのでしょうか?




フジフィルムGFX100S 対 ソニーa1

 まずはその価格から。Digital Camera Worldによると、ソニーa1は6,499ドルで、キヤノンEOS R5と比較し、a1はキヤノンを凌ぐカメラと評価しています。一方、富士フイルムGFX100Sは5,999ドルで販売されています。格上とされる中判の富士フイルムGFX100Sの方がかなり安いというのは注目に値します。

ボディサイズ、センサー、モニター、EVF
 サイズ的には、富士フイルムGFX100Sの方がソニーa1よりも大きめです。ソニーが厚さ80.8mm、幅128.9mmなのに対し、富士フイルムは厚さ87.2mm、幅150mm。高さでは、ソニーの96.9mmに対し、富士フイルムは104mmと高い。

 センサーについては、ソニーが35.9×24mmであるのに対し、富士フイルムは43.8×32.9mmとかなり差があります。メガピクセルでは、a1の50.5MPに比べてGFX100Sは102MPと2倍の解像度を誇ります。
 
モニターの違い
 ディスプレイは、どちらもチルト式で光軸に沿って素早く上下に向けられるのが素晴らしいです。ただ富士フィルムのモニターは、さらに右に傾けたい場合は、45度または60度に傾けられ、縦位置撮影もある程度対応可能です。
 またa1は800×600ピクセルで3インチの画面ですが、GFX100sは3.2インチで1024×768ピクセルでより高い画面解像度を持っています。
 EVF(電子ビューファインダー)、a1は0.9倍の拡大撮影が可能な0.64型の有機ELパネルを搭載しています。a1のピントは2048×1536ピクセルと、フルHD以上の完成度を誇ります。一方、GFX100sは0.77倍の倍率で、解像度は1280×960ピクセルの720pしかありません。暗い場所での撮影が好きな方は、モノクロモードの有機ELを搭載したフジフイルムの方に関心が湧くかもしれません。

オートフォーカス、バスト性能、バッテリー
 GFX100Sは、5fpsのトップスピードで3秒間のバースト撮影ができます。一方、ソニーは30fps。メカニカル・シャッターを使用したい場合は、10fpsになります。a1は238枚のRAW写真をバッファに入れることができるので、バースト性能を重視するならソニーに軍配が上がります。
 スピードに関してはa1のほうがフジよりも優勢です。ソニーのミラーレス用オートフォーカスは、やはり業界最高水準です。また、759点の位相差はフレームの9%を占めています。一方、フジのオートフォーカスは425点の位相差までしか届きません。

 バッテリー寿命については、静止画で530回、ストレート動画で150分撮影できるので、ソニーa1の方がはるかに優れています。GFX100Sは1080pで静止画460枚、動画110分しか撮影できません。4K動画を撮影したい場合、フジは95分しか撮影できません。

総括
 どちらのカメラも現代持ちうる最高のテクノロジーを駆使しており、なおかつプロや専門家にとどまらない、一般向けをアピールした機種となっています。使い勝手の良さ、ユーザーフレンドリーがひと昔前のカメラとは大きく違い、誰もが簡単にハイレベルの写真を撮れる時代になったものです。どちらが良いか優劣はつけがたく、それぞれの用途に応じて選ぶことになるでしょう。


2021年2月20日土曜日

無料のフォトエディタ

タダで使える写真編集ソフト



 プロから趣味で写真を撮る人まで、いま一番勢いのある写真編集ソフトと言えば、Lightroomでしょう。大量に撮った写真をまとめて一括管理しやすく、RAWで撮った写真を思うように編集できるのが人気の秘密です。細かい色調調整なども多彩な機能で自在にできるので、本格的に写真編集する人には欠かせないソフトです。


 こちらはAdobeのサイトから月額1078円のフォトプランでPhotoshopと抱き合わせでサブスク購入できます。
 しかし初心者にとってはいささか荷の重いソフトでもあり、頻繁に使う人でなければ他のオプションも検討したいところです。そこで今回は、Lightroomに行く前に試しておきたい無料の写真編集ソフトを集めてみました。いずれもそれぞれのサイトか、Microsoft StoreやApp Store、Google Playなどでダウンロードできます。これらをいくつか試してみて、使い勝手が良いものがあれば、儲けものです。中には有料版への撒き餌のようなソフトもありますが、そこは長く付き合えると確信したうえで、アップグレードすればよいことです。これらのソフトでどうしても満足できなければ、やはりLightroomがおススメです。それには及ばないものの、人によっては十分すぎるほどの無料ソフトもあります。ぜにご自分の手で確かめて、一番合ったものをマスターしてみてください。


1. Canva

 Canvaはウェブブラウザ上で動作するフォトエディタで、お気に入りのスナップをカード、ポスター、招待状、ソーシャルメディアの投稿にするのに最適です。洗練されたオンラインプレゼンスを維持することに興味がある方にぴったりのツールです。

 Canvaには無料と有料の2つのレベルがありますが、無料レベルはホームユーザーに最適です。メールアドレスを入力してサインアップするだけで、スナップやデザイン用の1GBのクラウドストレージが無料で利用でき、8,000種類のテンプレートを使用して編集することができ、仕事を整理しておくための2つのフォルダが用意されています。

 クローンブラシやスマートセレクタのような高度なツールはここにはありませんが、色合い、ビネット効果、シャープネス、明るさ、彩度、コントラストの調整などを適用するための便利なスライダのセットなどがあります。テキスト編集ツールは直感的で、背景やその他のグラフィックも豊富に用意されているので、デザインを初めて間もない人でも、テンプレやガイドに従って、容易に作品を完成させることができます。



2. Fotor

 Fotorは、あなたの写真を素早くブラッシュアップさせるのに最適な無料のフォトエディタです。クローンブラシやヒーリングツールを使ってレタッチする必要がある場合は、要求に応えられません。しかし、あなたのニーズがシンプルな場合、つまり込み入った編集をしないという人には、ハイエンドのフィルターを使って素早く編集を終えることができます。

 初めてでも使いやすいチルトシフトツールや、ビンテージ感のある鮮やかな色調の調整など、Fotor の賢いメニューシステムを使って簡単にアクセスできます。カーブやレベルを手動で変更することもできますが、ハイエンドのツールのような複雑さはありません。

 Fotorの特徴的な機能で、多くのフリーのフォトエディタに欠けているのは、バッチ処理ツールぐらいでしょう。



3. Paint.NET

 多機能ソフトが必ずしもベストというわけではありません。Paint.NETのシンプルさは、それ自体が主なセールスポイントの一つです; それは、迅速かつ簡単に操作できるフリーのフォトエディタです。

 しかし、名前に騙されてはいけません。これはマイクロソフトの超基本的なペイントの安っぽいコピーではありません。それは、 曲線の基本的な操作も上手く習熟できる、 正真正銘のフォトエディターです。

 Paint.NETのインターフェイスは、その名前の由来を思い起こさせますが、何年もの間に、レイヤー、元に戻す履歴、たくさんのフィルター、無数のコミュニティ作成のプラグイン、画像を再構成するのに便利な素晴らしい3D回転/ズーム機能などの高度な編集ツールが追加されました。


4. GIMP

 GIMP (GNU Image Manipulation Program) は最高の自由なフォトエディタです。プレミアムソフトウェアで見かけるような画像を強化するツールが満載で、 毎日さらに多くのツールが追加されています。

 写真編集ツールキットは無料とは思えない洗練された美しさで、レイヤー、マスク、カーブ、レベルなどの機能を備えています。優れたクローンスタンプとヒーリングツールで簡単にキズを除去したり、カスタムブラシを作成したり、遠近法の変更を適用したり、スマートな選択ツールで孤立した領域に変更を適用したりすることができます。

 GIMP はオープンソースのフリーフォトエディタで、 ユーザーや開発者のコミュニティはその実用性をさらに高めるために膨大なプラグインのコレクションを作ってきました。これらのプラグインの多くはプリインストールされていますし、 公式の用語集からダウンロードすることもできます。それだけでは物足りない場合は、Photoshopプラグインをインストールすることも可能です。



5. Adobe Photoshop Express Editor

 Adobe Photoshop Express Editorは、その名の通り、世界をリードするAdobeの写真編集ソフトウェアの縮小版、ブラウザベースのバージョンです。驚くべきことに、ダウンロード可能なPhotoshop Expressアプリよりも豊富なツールキットを備えていますが、16MB以下のJPG形式の画像のみをサポートしています。

 これもFlashベースのツールですが、アドビはすべてのプラットフォームに対応した便利なモバイルアプリを提供しているので、スマートフォンやタブレットを使っていても見逃すことはありません。

 この無料のオンラインフォトエディタは、アドビに期待するような素晴らしい機能を備えており、ライバルのいくつかほど多くのツールを誇っているわけではありませんが、そこにあるすべてのものが完璧に洗練されています。間違いなくAdobe Photoshop Express Editorは楽しく使えます。唯一の欠点は、アップロードできるファイルサイズと種類に制限があることと、レイヤーのサポートがないことです。



6. Ashampoo Photo Optimizer

 急いで編集しなければならない写真がたくさんある場合、Ashampoo Photo Optimizerはあなたのためのツールになるかもしれません。そのインターフェイスは、きれいで散らかっていないと、多くのユーザーから評価されています。
 写真のインポートは簡単で、プールに追加されたら、貴重な時間を節約して、回転させたりミラーリングしたりするために、一度にいくつかの写真を選択することができます。また、ソフトウェアのワンクリック最適化ツールを使って、個々の写真を選択して強化することもできます。風景写真には特に効果があるのですが、他の被写体には必ずしも優れているとは言えません。

 手動で色や露出を補正したい場合は、6つのスライダを使って正確に補正することができます。同じ色の変更を写真全体に一度に適用できないのは残念ですが、それ以外は素早い補正を行うための素晴らしい無料フォトエディタです。

 より高度な編集をしたい場合は、Ashampoo Photo Optimizer 7、最適化ツールが強化されたプレミアムバージョンをチェックして
みてください。



7. Photo Pos Pro


 Photo Pos Pro は Paint.net や GIMPほど知られていませんが、Photo Pos Pro も最高品質のフリーフォトエディタで、高度な画像処理ツールを満載しています。

 このフリーのフォトエディターのインターフェイスは、GIMP のメニューやツールバーの配列よりもスマートで使いやすく、すべてが論理的で一貫性のある方法で配置されています。それでもまだ威圧感があるという方には、Fotor のフィルターベースのアプローチに似た「初心者用」のレイアウトもあります。選択はあなた次第です。

 エキスパート版レイアウトには、洗練された編集のためのレイヤーとレイヤーマスクの両方があり、カーブやレベルを手動で調整するツールもあります。メインメニューからワンクリックでフィルタにアクセスすることもできますが、より細かい編集に重点が置かれています。
 Photo Pos Proの無料版では、最大1,024 x 1,024ピクセルでしかエクスポートできないのが残念です。オンラインで共有するために画像を準備している場合は問題ないかもしれませんが、作品を印刷したい場合はソフトウェアの有用性が制限されてしまいます。


8. PhotoScape


 PhotoScapeはシンプルな無料フォトエディタのように見えるかもしれませんが、メインメニューを見てみると豊富な機能を見つけることができます。
 PhotoScapeのインターフェイスは、私たちがここで見てきたすべてのアプリの中で最も難解なものの一つで、ツールは奇妙な構成のページにグループ化されています。確かに独創性はあり、Photoshopの真似をしようとはしておらず、機能も少な目です。
 PhotoScapeのフィルタはかなり高度なので、写真を素早く水平にしたり、シャープにしたり、スナップでマイルドなフィルタリングを追加したりする必要がある場合には良い選択だと思います。



9. Pixlr X

 Pixlr X は、Pixlr Editor の後継バージョンです。Pixlr Editor は、長年にわたって私たちに愛されてきた無料のオンラインフォトエディタの 1 つでした。
 Pixlr X では、前身の Pixlr Editor にいくつかの改良が加えられています。まず、Pixlr X は Flash ではなく HTML5 をベースにしているため、最新のブラウザでも動作します。また、Photoshop Express を彷彿とさせるインターフェイスと、ダークまたはライトのカラースキームを選択できるようになっています。

 Pixlr X では、色や彩度を細かく変更したり、画像をシャープにしたりぼかしたり、ビネット効果やフレームを適用したり、複数の画像を結合したりできます。また、多くの無料オンライン写真エディタにはないレイヤーもサポートされており、ペイントや描画のためのさまざまなツールが用意されています。高度な作業にも最適です。



10. PiZap

 無料のオンラインフォトエディタPiZapは、HTML5とFlashの両方のエディションで利用できるので、どのデバイスにも適しています。ハードドライブ、Facebook、Google Photos、Google Drive、Google Search、またはストックイメージのカタログから写真を選んで作業することができます。ストックイメージの一部はプレミアム購読者にのみ利用可能であり、Googleイメージズから直接写真を使用する場合は著作権の問題に注意する必要がありますが、これは印象的な選択肢です。

 piZapの編集インターフェイスは、迅速な調整のためのスライダーを多用する暗い, モダンなデザインを持っています - あなたがタッチスクリーンデバイスを使用している場合は、トリッキーなアイコンやドロップダウンメニューよりもはるかに優れた動作するシステム.

 作成したものは、最大手のソーシャルメディアネットワークや、piZap独自のサーバー、Dropbox、Google Driveで共有することができます。また、ハードドライブに保存したり、電子メールで送信したり、埋め込みコードを取得したりすることもできます。あなたがプレミアムエディタのために財布を開いている場合にのみ、高品質であなたの作品をエクスポートすることができますが、愚かなソーシャル共有のためにそれが問題になることはほとんどありません。



その他のフリー・フォトエディタ

Ashampoo Photo Commander Free

 Adobe Lightroomに代わる無料のソフトウェアで、ワンクリックで画像のバッチを修正できるフィルターを使って、写真を編集して整理することができます。

IrfanView


 Lightroomに代わるもう一つの可能性を秘めたIrfanViewは、写真を一括で編集したり、タグ付けしたり、整理したりするためのシンプルながらも効果的なツールです。


フォトエディタの選択肢

 無料のフォトエディタを選ぶ際、まず最初に考慮すべきことは、自分の自信と経験のレベルです。単純にいくつかの調整(例えば、シミの除去や色の改善)をしたい場合は、シンプルなオンラインツールが最適で、オプションに圧倒されることなく作業を行うことができます。

 一方、より高度な編集に興味があるのであれば、レイヤーやマスクなどのツールを提供し、プロセスを完全にコントロールできるデスクトップソフトウェアを選ぶとよいでしょう。

 デスクトップソフトウェアは、編集する写真が複数ある場合にも適しています。無料のフォトエディタの中には、写真を一括で編集できるものもあり、膨大な時間を節約することができます。

 また、エクスポートした写真を何に使用するかを考慮する価値があります。オンラインのフォトエディタは、多くの場合、JPG形式で比較的低い解像度でしか画像をエクスポートできません。オンラインで表示したい画像には良いかもしれませんが(多くのフォトエディタにはFacebookやTwitterに直接画像を送信するツールが含まれています)、プリントしたい場合は、GIMPやPaint.NETのようなツールの方が、あらゆるフォーマット、高解像度でのエクスポートが可能です。


 以上、今現在アメリカで流通しているフリーの写真編集ソフトをご紹介してきました。まだまだこの分野の編集ソフトには未知の可能性を秘めたソフトやアプリがたくさんあります。またいいものが見つかったらご紹介していきたいと思います。

2021年2月19日金曜日

写真の撮り方とコツ 2

初心者用:写真を上手く撮る方法




上手くなる写真:後編


2. 必要十分な光を確保

 撮影に際し、周りの環境を見て光量の多寡を確認することは、重要な要素であり、経験の浅いカメラマンがしばしば見落としがちなものです。最初のステップは、被写体が見えるように十分な光があることを確認することです。十分な光がない場合、カメラは露出関連の全機能を駆使して少ない光を補わなければいけません。

 

3. 照明器具を手に入れる


 限られた光の中でいかに上手く撮るかは写真家の腕の見せ所です。でも初心者はなかなかそこまで上手く撮れません。利用可能な光だけに頼るのは、撮影のための正しい方法とは限りません。プロのカメラマンは、照明について多くの時間を費やし、ありったけの照明機器を使うことも厭いません。しかし、ビギナーならまずは最小限の設備でいかに光を補えるのかを知るべきであります。


レフ板を試してみる

 レフ板のレフはreflexつまり光の反射のことをいいます。影ができる側に光を反射するレフ板を使うことで、光をあてて被写体を明るくできます。レフ板というのは、光を反射する色や材質を持っているので、被写体に陰影をつくりすぎないように光を調節する撮影補助器具なのです。
 汎用性の高いレフ板は、通常反射材料の異なるタイプから作られたリバーシブルカバーが付属しています。例えば、明るい光に対応した銀色のカバー、柔らかい光を反映する白いカバー、そしてシーンから光を除去するための黒のカバーなどもあります。


フラッシュとディフューザー

 写真をプロっぽく見せるためには、ライティングが重要な要素です。スタジオ用のストロボなどのライティング機材はかなり有効な手段です。でもその前にカメラのフラッシュも忘れてはいけません。
 フラッシュは人工的な仕上がりで嫌だという人もいます。もし、光がキツイと感じて使用をためらっているのであれば、いくつかの解決策があります。その中でも特におすすめなのが、外部ストロボです。カメラのホットシューに取り付けて使用するか、オフカメラで使用するかにかかわらず、外付けフラッシュは、はるかに柔軟性を持っています。
 ひとつは、被写体に直接光を当てるのではなく、バウンスと言って、光を壁や天井に向けて反射光を利用する手法です。光がより均等に広がり、光の強さを感じにくくなります。また、外部フラッシュ用の様々なフラッシュ・ディフューザーも販売されており、光を表面に反射させずに光を和らげることができます。
 

 また、多くの写真家は、さまざまな半透明の白いプラスチック容器などを利用して、それぞれ手作りのデフューザーを作ったりします。



光の効果を試してみる
 
 ファインダーを覗くのに慣れると、光が被写体に与える影響の大きさがわかってきます。光の射し方ひとつで写真の雰囲気はガラッと変かわります。また様々な方法で光を味方につけると写真が面白くなります。

 例えば、以下のようなシチュエーションは撮影効果絶大なので、試してみてください。

ゴールデンアワー
 ゴールデンアワーとは、日の出直後から日没前までの時間を指しマジックアワーとも呼ばれます。まるで魔法にかかったような、黄金色の光に包まれた写真が撮れる時間帯です。また、太陽が低くなっているので、影が長くなり、ドラマチックな写真が撮れます。

シルエット
 沈みゆく太陽のような明るい光の前で被写体を撮影し、カメラの設定を手動で調整して、光の背景に暗いシルエットが残るようにしてみましょう。影絵のような被写体。それををつつむように光の背景を淡くファンタジックに演出すると、とてもアートな写真が出来上がります。

複雑な光の応用
 明るい光と影がたくさんある場所や時間帯に撮影すると、コントラストのある面白い写真が撮れます。なにも考えず下手に撮ると、ただごちゃごちゃしたスクラップのような写真になりがちですが、全体を支配する色調を意図的に統一すると、見違えるように変身させることができます。以下がその一例です。

 




4. 写真の編集

 デジタルフォトの時代、プロの写真家もRaw画像で撮影して、パソコン上で編集する時代です。写真に細工を施すのを潔しとしない時代もありましたが、過度の特殊効果をしなければ、撮影の意図を損ねることはありません。むしろ光と撮影の関係を学ぶため、積極的に写真の編集に挑むべきです。
 ライトルームやフォトショップはプロの写真家御用達の編集ソフトです。トリミング、明るさの調整、色の補正、その他の調整など、どんな画像でも自在に編集することが可能です。
 多機能なため、操作を学ぶのに時間を要しますがそれだけの価値があります。アドビのウェブサイトには、オンラインで学べるチュートリアルもたくさんあります。

 無料の編集ソフトをのぞむのであれば、いま最も人気があるのはGIMPです。アドビのソフトに劣らないくらいの豊富な機能がたくさんあります。

 

5. カメラの設定を学ぶ

 カメラのオート設定に頼っていると、いつまでたっても良い写真の撮り方を理解することができません。ステップバイステップで、シャタースピード優先や絞り優先を試していき、焦らずオールマニュアルに至るまでの操作法を試していきましょう。

 一つの方法として、Pつまりプログラムモードを参照しながら撮るやり方があります。ご存じのようにPモードはどのカメラにも搭載されたモードで、カメラが最適な露出を設定してくれます。このカメラの判断と自分のマニュアル設定とを対決させるのです。同じ被写体を同じ場所同じアングルで二度撮ります。一度目はPモードで、次にマニュアルモードで自分が最適と思う設定にして撮るのです。すべての撮影をこうしてペアで二枚ずつ撮って、あとで見較べてみましょう。Pモードはほとんどの場面でそつなく撮れているはずで、いいお手本になります。
 ここでただ勝った負けたにこだわるのではなく、こんな場合にカメラはこう判断した、という数値的検証を怠らないことです。カメラは極めて論理的な装置なので、撮影の際の絞り値、シャッタースピード、ISO値、露出補正何段などはすべてデータとして役に立ちます。ときとして人の判断の方がいい場合もありますが、初心者の場合は、Pモードで撮った写真の結果は重く受け止めて、今後の反省材料として活用してください。 
 



6. 三脚を選ぶ

 すでにいくつかの照明機材について説明しましたが、プロの写真を撮る方法を知りたいのであれば、写真機材を追加することを検討してみてはいかがでしょうか。
 カメラやレンズに手振れ補正がついていて、手持ち撮影に慣れているのであれば、三脚は必要ないと思うかもしれません。しかし三脚があれば、三脚なしではできない様々な撮影テクニックを試すことができます。例えば
長時間露光、テザリング撮影、暗所撮影などに役立ちます。もちろん家族や集合写真に自分を加えることもできますね。
 


7. カメラ選び

 初心者が買うべきカメラに関しては様々な意見があります。Canon EOS Kiss シリーズのビギナーガイドのように図解で被写界深度やシャッタースピードを解りやすく示してくれるものもあります。まさに至れり尽くせり、写真の知識がなくても、カメラ任せで簡単にきれいな写真が撮れます。

 一方で、初心者こそハイグレードで高性能なカメラを持つべきという意見があります。こちらは初心者だからこそ、すべての機能が詰まった高いスペックのカメラでその恩恵を受けるのが妥当だという意見です。たしかにエントリークラスのカメラでは上手く撮り切れない被写体も、ハイエンドカメラなら易々と撮れることはあるでしょう。
 そういったことを踏まえると、どちらも一理あるのですが、つまるところカメラはその人との相性を第一に考えるべきかと思います。いかに高スペックのカメラでも重たくて持ち出さなくなったでは宝の持ち腐れです。逆に安くて評判のいいカメラだったけど、使い勝手が悪くて、思うように撮れない、などとカメラのせいにする話もよく耳にします。
 メーカーごとのカラーもあります。またカメラそれぞれに固有の特徴・特性があり、使ってみなければ見えてこない部分も多いものです。そういうことから、まずは自分が店頭で手に取ってみて、しっくりくるものを選んでみてください。スペックや巷の評判よりも、自分の感覚を信じてみましょう。相性は決して侮れないものです。



まとめ

 以上がカメラ初心者の「写真を上手く撮る方法」です。まだまだ申し上げたいことはたくさんあるのですが、細かい部分は各論的に別の機会にお話しさせていただきます。カメラは買ったときのワクワク感がたまらない素敵な趣味です。すぐにでも外に飛び出して何かを撮りたい衝動に駆られるものです。それも自然な感情で、その感情、感性に任せて撮るのもいいですが、ビギナー脱却を図るならば、ぜひカメラやレンズの仕組み、構造などへの興味を傾けてみてください。知れば知るほど撮影の手助にはなります。
 もう一つ、上手くなるコツは撮った写真を誰かに見せることです。できれば同じ志を持つカメラ好きの仲間とかサークルに入るのがいいです。人は誰かに何かを見せるときは少しでも見栄えの良いように心がけるものです。自分の撮った写真を公に出すことは自己を成長させるのに役立つ行為なので、ぜひ勇気をもって作品をみんなに披露してくださいね。

2021年2月18日木曜日

写真の撮り方とコツ

ビギナー向け:写真を上手く撮る方法



 カメラで写真を撮り始めたころは、いろいろ設定が難しそうで、ついカメラ任せのオートですべて済ましがちです。近頃のカメラはオート設定もかなりカメラの判断の精度があがってきて、本当に余計な事をしないほうがいいシチュエーションも多々あります。


 しかしせっかくいいカメラを買ったのなら、できるだけ自分がコントロールして狙ったとおりに撮りたくなるものです。はじめはなかなかうまく撮れずにイライラします。なんでこんなピンボケなんだろう? 白飛び、黒潰れがひどすぎる? 見たままに色にならない!
 そんな悩みが膨れ上がり、挙句は「このカメラ初期不良?」などと疑ってみたりもします。でもやがて経験をこなせば自分の設定が如何に間違いだらけであったかに気付くはずです。
 今回はそんな遠回りをせず、できるだけ効率よく撮影が上達するテクニックや心がけを網羅してみました。私自身が昔カメラ講座で学んだことや、勤務先の撮影スタジオで自明のごとく行っていたルーティンを見て得たものをヒントに書き改めてみました。またいくつかのネットの情報も参照にさせていただきましたので、一部以前書いたものとの重複もありますのでご了承ください。


上手くなる写真:前編

・構図の基礎

主題を選ぶ

 写真の焦点とは、興味を引く主要なポイントのことです。それは空でも、建物でも、人でも何でも構いません。フォーカルポイントを見つけることは、写真を撮るための基本ステップの一つです。撮影を計画したり、撮影の準備をしたりするときには、立ち止まって「何に注目してほしいか」と自問してみましょう。

 何に焦点を当てたいのかがわかれば、それをできるだけ強くなるよう心掛けるようになります。以下の構図のルールを参考にして、見る人の注意を引きつけるフォーカルポイントを作ってみましょう。


3分の1の法則に従う



 フォーカルポイントを写真の真ん中に配置するのではなく、3分の1の法則に従えば、より面白い構図を作ることができます。このルールでは、写真の中で最も重要な要素を中心から外れるように配置する必要があります。

 フレームを縦横9つのブロックに分割し、これらの線に沿って、またはそれらが交差する4つのポイントのいずれかに配置する必要があります。
 これは、プロの撮影方法を学ぶ最も簡単な方法の一つです。このガイドラインは、メインの被写体と背景の間のより良いバランスを見つけるのに役立ちます。


リーディングラインを使う

                                      


 リーディングラインとは、見る人の目をフォーカルポイントに誘導するのに役立つ、写真の中の線の形のことです。道路、フェンス、建物、長い廊下、木、影など、写真の中に線を作るものなら何でも構いません。
 要は見る人の注意をあなたの狙ったポイントに引き寄せることです。これには、見る人の目をまっすぐに被写体に引き寄せたり、構図の中で視覚的な旅をするように誘導したりすることが含まれます。

 また、導線の方向によっても構図の雰囲気を変えることができます。例えば、垂直方向の導線は力強く、堂々としたムードを伝えることができますが、水平方向の導線は静けさや静けさを連想させる傾向があります。



遠近法で考える

 遠近感は、写真の構図に大きな影響を与えます。撮る角度や距離を変えるだけで、写真の雰囲気や意味を大きく変えることができます。
 簡単に言えば、同じ被写体を上から撮った場合と下から撮った場合です。鳥瞰図で撮影すると人物が小さく見えますし、下から撮影すると同じ人物がそびえ立っているように見えます。遠くから撮影すると人物が小さく見えますし、近くで撮影すると迫力が伝わってきます。
 撮影する際には、遠近法を考えることに時間をかけてみてください。被写体の周 りを歩き回って面白いアングルを探し、それが構図の雰囲気をどれだけ劇的に変えることができるかを確認することです。そうすれば、プロの写真の撮り方に一歩近づくことができます。



奥行きを作る

 深みを伝える方法を見つけることは、プロの写真の撮り方を学ぶ上でもう一つの重要なステップです。このルールを無視すると、あなたの写真は非常に平坦で退屈なものになってしまいます。奥行きを伝えるための最良の方法は、前景、中景、背景にいくつかの要素を含めることです。例えば、壁を背にして人物を撮影するのではなく、カメラに近づけたり、背景に奥行きを持たせたりしてみましょう。



ボケを使って被写体を浮かび上がらせる

 あなたの写真に深みを加えたい場合、ボケ効果を追加することが有効です。ボケとは、多くのプロの写真に見られる、意図的なボケ効果のことです。多くの場合、写真家はこの効果を使用して、背景がソフトでぼやけているかわりに、被写体を鮮明でクリアに浮き上がらせます。
 最も簡単な方法は、被写体をカメラに近づけて、遠くの背景の前で撮影することです。ズームレンズがあれば、さらに良いでしょう。焦点距離を最大にして使うことで、被写界深度を小さくし、より強いボケ味を出すことができます。


写真を額縁化する

 フレーミングは、プロの写真を撮るのに役立つもう一つのテクニックです。これは、額縁効果といって、被写体がまるでその枠の中にあるように撮影することです。例としては、出入り口、アーチ、葉っぱ、壁の穴などがあります。このようなフレーミングは、見る人の注意をフォーカルポイントに向けるのに役立ちます。

 また、フレームがカメラの比較的近くにある場合は、前景レイヤーとして機能し、画像に奥行きを加えることができます。背景にボケ味を出すのと同じように、手動でフォーカスを合わせて中間地点の被写体にズームインすると、フレームの焦点がずれてしまうことがないので、ピントが合っていない状態を保つことができ、ピントが合わなくなることがありません。


フレームを埋める

 写真教室の学生がプロの写真の撮り方を教わるとき、よく「フレームを埋めろ」と言われます。メインの被写体の周りにスペースを空けすぎると、背景に気が散って構図が崩れてしまうので、これはとても良いアドバイスです。

 例えば、ポートレートを撮るときには、腰から上の人だけを入れてもいいですし、顔だけを入れてもいいかもしれません。不要で余分なスペースを切り取ることで、より魅力的でプロフェッショナルな写真になります。



パターンとシンメトリー

 写真にパターンや左右対称の要素を入れると、より目を引く写真になります。人間はパターンを見抜く傾向があり、それが写真にパターンを含める理由の一つでもあります。最初のステップは、あなたの被写体が見えるように十分な光を持っていることを確認することです。十分な光がない場合、カメラはシーンの詳細をキャプチャするのに苦労するかもしれません。

 
 

 以下、後編に続きます。












2021年2月17日水曜日

Nikonの逆襲はあるのか?

 よみがえるニコン



 ミラーレスカメラのシェア争いで老舗ニコンの苦境が取り沙汰されていますね。早くからデジタルカメラの将来性を見極めて軸足をミラーレスにシフトしていたソニーとは対照的に、ニコンはなかなか本格的なミラーレスカメラの開発を急ぎませんでした。世間一般でもミラーレスはミラーレス、一眼レフ主流の流れは当分変わらないだろうと思っていました。でもソニーが次々とフルサイズミラーレスの新製品を投入し、a7 IIIの大ヒットあたりから潮目が変わってきました。目の肥えたカメラファンも、「お、ミラーレス。しっかり使えるようになってるよ」と見直しはじめ、使い勝手の良さもあいまって、新しくカメラを求める層にもミラーレスの宣伝攻勢にぐらりと心を持っていかれました。

 これはいかんと、キャノンもAPS-Cの土俵でEF-Mマウントのミラーレス、EOSシリーズを出してきましたが、カメラファンの話題の中心はすでにフルサイズへと移っていました。いまかいまかと待ちわびるキャノン贔屓、ニコン贔屓のユーザーたち注目の中、2018年、キャノンはEOS Rを、ニコンはZ6、Z7を登場させました。ここに堂々のミラーレス三国志時代の到来かと思われたのです。

 ところがそれからまだ二年余りですが、三大メーカーの明暗ははっきり分かれてしまいました。やはり出遅れ感のあるキャノン、ニコンは技術面での半歩遅れがつきまとい、いまでも総合力でソニーaシリーズの先進性が抜きんでています。とりわけオートフォーカスやISOのデジタルテクノロジー開発の勢いはすさまじく、新製品が出るたびに性能の自己更新を繰り返し、他社の追随をゆるさない状態です。二年たってキャノンはようやく大御所の意地を見せ、描写能力の優れたEOS R5、R6で大きく巻き返しを果たしました。

 一方のニコンはというと、Z7 II、 Z6 IIという意欲作をだしたものの、目玉となるような追加機能に欠け、単なるマイナーチェンジのような印象を与えてしまったのは残念でした。決してライバルに見劣りするようなカメラではないのですが、王者ニコンに名に相応しいような圧倒的な一台がいまだ表れていない、そんな感じがしてしまうのです。加えてニコンの製造工場が日本からなくなるなどの寂しいニュースが「劣勢」というイメージを決定的に与えてしまっている、そんな現状です。

 しかし天下のニコンです。このまま黙ってずるずると万年三位の座に安住するつもりでは決してないでしょう。というか、一眼レフ機ではしっかりとD780という鉄板シリーズの最新鋭機をしっかり予定通り出しています。

 オールドカメラファン、と言っては失礼ですが、長年付き合ってきたカメラの使い手をないがしろにしてまで、ミラーレス一辺倒の時流に流れて行かないのが、トップメーカーとしての矜持だと思います。ニコンはこれからも最高の一眼レフ機を出し続けるでしょう。それと並行しながら、ミラーレスでも最高水準のカメラを出していくのは至難のことかと思います。でもその挑戦をやめないのが王者ニコンだと思うのです。

 ニコンは今後必ずミラーレスの市場でも盤石の布陣を敷いていくと思われます。確かにカメラが売れない時代になって財政的な苦境は免れないでしょう。それでもニコンはたとえ他社より開発ペースが遅くとも、着実にミラーレスのノウハウを蓄積し、ニコンらしい、と言われるような独自のミラーレス機を打ち出してくれるはずです。なにより基本性能は今出ているZシリーズでも十分堪能できる性能になっています。多くの人がニコンの色を再現するZに好感を持っています。


Nikon:待たれるフラッグシップ機と格安エントリー機

 ここからは希望的予測ですが、ニコンからもフラッグシップ機を早く見たいという声が多いのですが、これはまだ先の話になりそうです。キャノンのR5に相当する、Zシリーズの最高峰ということになるでしょうが、これはもう少し時間を要する模様です。そのかわり2021年は超高感度機が出るのではとの噂ですね。ソニーのa7S IIIのような圧倒的ISO値を誇るハイアマチュア向けカメラは市場にとってもいい刺激剤になるでしょう。

 一方、個人的にはフルサイズでなおかつ初心者にもやさしい、無敵の入門カメラが出てほしいと期待しています。例えば、APS-C機 Z50のようなやさしいインターフェースにCANON RPのような軽量小型ボディをくっつけてみる、とかです。一眼レフのD3000、D5000シリーズが旧機種扱いになったのは、エントリー機登場のサインともとれるので、期待は大です。

 いずれにせよニコンはライバル二社に後れをとっている現状を見過ごすはずはありません。今年後半以降に、必ずや新たな戦略を打ち出してくるはずです。


いまNikon Z6が買い



 Nikon初のミラーレスZ6のキットレンズ付きが安くなってきました。いまが買いごろかもしれません。eBayの中古市場では$1600前後で出回ってきており、状態がよければすごいお買い得です。このキットレンズ付きZ6、新品の平均価格はいま$2300ぐらいです。日本では新品で27万円ほど、中古でもまだ20万円前後ではないでしょうか。

 二年前の機種ですが、現役として十分すぎる高性能なフルサイス・ミラーレスです。


Nikon Z6主なスペックは以下の通り

撮像画面サイズ : 35.9×23.9mm(フルサイズ)

映像素子型式 : CMOSセンサー

有効画素数 : 2450万画素

オートフォーカス方式 : ハイブリッドAF

測距点 : 273点

常用ISO感度 : ISO100~51200

シャッター速度 : 1/8000~30秒、バルブ

連写性能 : 最高約12コマ/秒(拡張機能使用時)

ボディ内手ブレ補正 : イメージセンサーシフト方式5軸補正

画面 : チルト式3.2型/約210万ドット

通信機能 : Wi-Fi/Bluetooth

大きさ : 134×100.5×67.5mm

質量 : 約675g




  ニコンのミラーレスカメラは、軽量かつ小型のボディにデジタル一眼レフのような機能を搭載するように設計されています。

 最初の2機種のフルフレームミラーレスモデルを発売することで、ニコンはあらゆるタイプの写真家のニーズを満足させることを目指していました。Z7は4,570万画素の超高画素センサーを搭載していますが、その分、価格が高くなっています。そのため、多くの熱心な写真家がより手頃な価格のZ6を選んでいます。

 このカメラは、24.5メガピクセルBSI CMOSセンサー、273点と90%のカバーする新しいハイブリッドAFシステム、および100から51,200(なんと204,800に拡張可能)のISO感度範囲が含まれています。

 さらに、Z6は12fpsバーストモード、フルフレーム(クロップなし)4Kビデオ、強力なボディ内5軸VR手ブレ補正、Zマウントレンズ、ニコンのデジタル一眼レフカメラを超える改善されたインターフェースなど、このカメラはあらゆる環境で素晴らしい動画や静止画を作成するための理想的な機能を備えています。

 Zシリーズは、Fマウントよりも11mm広く、フランジの焦点距離が短いニコンの新しいZレンズマウントを搭載しています。

 現在市場に出回っているZマウントレンズは、ニッコールZ 24-70 F4 S、ニッコールZ 50mm F1.8 S、ニッコールZ 35mm F1.8 Sなどですが、今後リストは確実に拡大していくでしょう。

 ニコンZカメラは新しいレンズマウントを使用していますが、FTZマウントアダプターを購入すると、すでに持っているレンズを使用できるようになります。これは、ニコンのデジタル一眼レフからZシリーズへの移行をはるかに容易にします。


ニコンZ6の外観
 ニコンZ6はマグネシウム合金のボディを持ち、その兄貴分のZ7と一見同じように見えますがニコンらしい堅実な設計が反映されています。

 カメラは、簡単に設定をナビゲートすることができます。タッチスクリーン、インターフェイス技術(3.2インチ、210万ドット)も使用しています。

 チルトスクリーンは、ハイアングルとローアングルでの撮影をはるかに簡単にする便利なオプションでもあります。また、0.80倍3.6mドットのEVFや、カメラの設定を素早く参照できる上部のドットマトリクス有機ELなど、複数のディスプレイや画面が用意されています。

 ニコンZ6のデメリットとしては、XQDカードスロットが1つしかないこと。

 一方で、このカメラは高度な接続用オプションを備えています。HDMI経由で10bit出力の外部レコーダーに直接録画できるほか、8bitの4K動画ファイルをメモリーと外部レコーダーに同時に記録することも可能です。

 また、Wi-FiとBluetoothも内蔵しています。Bluetooth技術により、撮影したらすぐに2MBの写真を自動転送できるほか、より高画質な写真を手動で送信することも可能。SnapBridgeバージョン2.5でリモート撮影するオプションもあります。


 と軽く全体を見て回っただけでもかなり高い能力のカメラだとわかります。ついつい新製品に目が奪われがちですが、このようにニコンが最初に出したフルサイズ・ミラーレスカメラはなかなかの意欲作。中古市場でも一見の価値あり、です。

2021年2月16日火曜日

カメラマンになる方法

写真家への道:アメリカ編



 どんな仕事にも言えることですが、憧れだけではその職に就くことはできません。
 高価なカメラを持っていても写真家にはなれませんし、写真の専門学校を出ていても保証の限りではありません。では、どうやって人はカメラマンや写真家になるのでしょうか?

 私はアメリカで映像関連の会社に勤めていた頃、たくさんのプロ写真家や映像の専門家らから刺激を受けました。私自身はアシスタントとして撮影クルーに加わることから始まって、けっきょくグラフィック・デザインの部門に身を置くようになりましたが、つねにフォトグラファーやビデオグラファーと連携を組んで仕事をしていました。
 仕事場はニューヨークという事もあり、人種も性別も年齢も経歴も様々。フリーランスやバイトのスタッフも出入りする、いろんな立場の映像関係者を見てきましたが、ひとつだけ共通することがありました。それは映像の仕事がなにより大好き、という事です。

Do what you love and success will come.

 好きこそものの上手なれ、ということわざがありますが、まさにその現場は映像全般に対し、とにかく愛してやまないエネルギーに満ちていたのです。だからこそ意見の食い違いをあからさまに言い合ったり、仕事の上では強情で融通の利かない面々もたくさん見てきました。そういったマイナス面も含めて映像をこよなく愛さない限り、やっていけない世界だという事を覚えておいてください。あなたにそれほどの「思い」がない限り、この世界でやっていくのは難し事でしょう。





1:カメラ愛<写真愛

 映像関係の仕事をしていると、雑談でカメラ機材の蘊蓄を交わし合う場面をよく目にします。中には若くしてフィルムカメラや日本以外のライカやハッセルブラッドのカメラについても詳しい人がいました。その人は年に何台もカメラを買い替えるのですが、仕事以外で写真を撮ることはほとんどないそうです。こういう人はカメラというメカが好きで写真自体に執着のない人です。あなたがこのタイプならフォトグラファーの仕事はつらくなるのでやめておいた方がいいでしょう。
 逆に私の尊敬する職人的なカメラマンがいたのですが、その方はカメラをほとんど選びませんでした。会社にあるニコンのカメラならどれでもいい、写ればいいという感じの接し方でした。ただし手入れだけは人一倍時間を割いてました。いわゆる芸術的な写真を撮る人ではなかったけど、クライアントの要望に応じて、いかようにも対応できる奥深いスキルを持っていたように思えます。こういう人がカメラマンに向いているのだという事です。


 写真家を目指すならば、まず大切なのは写真を愛し、撮影を楽しめることです。本当に写真が好きな人は、初めから自然にグイグイ写真の知識を吸収していきます。なにも写真の専門学校へ行く必要はありません。カメラを手に外に飛び出して撮って撮って撮りまくることから、フォトグラファーへの道は始まります。

 映像で飯を食うのは狭き門です。四六時中写真のことが頭から離れず、何を見ても構図に収める癖がつくぐらいじゃないとやっていけません。
 まずはカメラのマニュアルを常時手元に置き、常に参照できるようにしておきましょう。いまならスマホにPDF版をダウンロードしていつでも見れるようにしておくと便利です。構図や露出などの基本的な用法を随時調べてみましょう。今どきはオンラインで初心者の写真講座などもありますから、独学するにはいい時代になりました。



2:欲張って写真を撮る

 写真家になるということは、仕事で写真を撮るということです。シャッタースピードと絞りのカメラ設定の違いを知ってからカメラを撮り始める必要はありません。よく入門講座で「絞り優先から始めよう」と書かれていて、確かに専門学校でもそう教わるのですが、絶対というわけではありません。だれもいずれはオートモードを卒業します。オートモードで撮影していても、撮影環境や構図のことは学べます。撮影後オートで撮った記録を見て、どの設定でどう写るのか学ぶのもいいことです。はじめは極力しばりを無くして自由に撮りまくり、撮影数をこなすのが上達の秘訣です。



3:カメラを使いこなす

 ある程度の撮影枚数(人により1000枚か1万枚か、それは自由です)をこなしたら、手持ちのカメラにどんな機能があるのか分かってくるはずです。それから改めて、マニュアルを熟読すると、ああ、こんな機能にこんな使い方があるんだ、と新鮮な発見もあるでしょう。そこからようやくそのカメラとの本格的な付き合いが始まります。

 ISOを最も早く調整する方法は何だろうか? 自分のカメラにはオートブラケット、二重露光、タイムラプス機能があるのか? 設定にもっと早くアクセスするやり方があるじゃないか、などという発見でカメラを見つめなおすことになるのです。

 機能が何でどこにあるかを理解するのと同時に、機材の限界を理解しておくもの良いでしょう。開放絞りで撮影しても、どこまでシャープなショットを撮れるのか? 新聞やプリントアウトされた写真を撮ってレンズをテストしてみてください。手持ちのレンズとの相性も考慮に入れながら、機材の能力を最大に引き出す撮り方に挑戦してみるのです。例えば、画像が粗くなりすぎて使い物にならなくなる前に、ISOをどこまで上げることができるか試してみましょう。機材の限界を知ることで、エントリーレベルのカメラでも、より良い写真を撮ることができるようになります。





4:基礎をマスターする

 オートモードが悪いことばかりではありませんが、本当に写真家になるためには、オートモードを卒業して、自分で撮影設定できるようにならねばなりません。それは、露出の3つの基本を学ぶことを意味します:シャッタースピード、絞り、ISO。それぞれの設定は、画像の明るさや暗さ、ピントの合っている範囲などに影響を与えます。私も恥ずかしながら初心者の頃は、絞りと被写界深度という重要な概念を理解するのに時間がかかりました。

 露出と一緒に、ピントの合わせ方や構図の基本を学びましょう。これらは、自分がクリエイティブにコントロールできる写真を撮り始めるためのものです。一度にすべてに取り組む必要はありませんが、初心者から写真家になるためには基礎をマスターする必要があります。


5:写真を撮り続ける

 新しいスキルを身につけるためには、クラスでも、書面によるチュートリアルでも、指導者の指導でも、撮影を続け、そのスキルを実践していくことが大事。絞りの定義を暗記するだけではなく、カメラを絞り優先モードにして、同じ画像をいくつかの異なる絞りで撮影してみましょう。そして、その変化が最終的な画像にどのような影響を与えたかを見てみるのです。YouTubeなどに、よくレンズ別の比較画像などが紹介されていますが、あれを自分でも作ってみるのです、そうすることで設定ごとの結果の違いが自分でもよく分かるようになります。
 授業で(またはチュートリアル、本、先輩から)学ぶのもいいですが、実際に実践してみることで、そのスキルがより強固なものになり、概念を実践的な知識に変えることができます。どこに行くにもカメラを持って行き、インスピレーションを受けたものを撮り続けましょう。練習すればするほど、初心者から写真家への移行が早くなります。



6: スキルを絞って集中学習

 たとえば照明をマスターしたいとします。じっさい照明をマスターしなければ、ある意味素晴らしい写真を撮ることは不可能です。運良くすでに素晴らしい光の中で被写体を撮影することもありますが、仕事上では常に照明に恵まれているとは限りません。
 ライティングをマスターするためには、いかなる現場でも撮影できる方法を知っておかねばなりません。逆光でシルエットにならないように撮影するにはどうすればいいのか? 反対に逆光を使ってシルエットを作るには? サイドライティングとフロントライティングの違いは・・・などなど。
 いかなる照明環境でも撮影できる方法を学ぶとともに、フラッシュやストロボ、あるいは反射板を使って光を操作する方法を学ぶことは、プロを目指す写真家にとって不可欠なことです。フラッシュの光量や角度を調整すると、被写体の見た目がどのように変わるのか、知ることは重要です。何十万もする高価な照明キットが必要なのか体験し、工夫次第ではわずかな投資で撮影環境を変えることも可能だと考えるのです。
 イマドキの若い人なら、オンライン写真クラスを受講し、便利なツールなどを使用することで、照明に関する専門的な知識をパソコン上で取得することもできるでしょう。




7: 何を撮りたいのかを絞る

 写真家といえども、あらゆるジャンルの写真を撮るという人は稀です。大抵は区分けされた撮影ジャンルの中で仕事をします。まずあなたがどんな、というよりもっと限定的に、仕事としてどの写真を撮るのか決めて、そのコースに乗っ取って修行していきましょう。

 報道写真家、スポーツ写真家、山岳写真家、モデル撮影、ウェディング・フォトグラファー、建築写真家、動物写真家、星空撮影家、広告撮影などなど・・・じつにさまざまな撮影カテゴリーがあります。その中で自分が撮りたい対象を絞り、そこを目指して撮影をかさね、ポートフォリオを作っていきましょう。誰にでも、漫然となんでも撮る時代からステップアップする時が必ずやってくるものです。

 まずは自分の好きな分野から始めて結構です。ただし繰り返しますが、撮影の仕事は、門戸はたくさんあっても広くはないのです。たとえスポーツ写真を撮るのが好きでもそこに職業として入り込む余地はあまりないのが現状。まずはニッチな分野から模索し、それを得意分野に育てあげるもの写真家への近道です。例えば、あなたの通勤圏内に不動産撮影の仕事があれば、チャレンジしてみるのです。かわいい動物が撮りたいあなたであっても、建築物を撮ることで、あなたの才能が開花することもありえます。そしてカメラを撮り続けさえすれば、いつか必ず自分の撮るべき本当の対象が見えてくるはずです。



8:撮影後の仕事

 フィルム時代には考えもしませんでしたが、写真編集はそれ自体が芸術とみなされる時代になってきました。いくつかの用語は同じであるが、カメラを操作することとPhotoshopを実行することは、似て非なる役割です。PhotoshopとLightroomは写真編集のための最も人気のあるツールですが、学ぶには時間がかかります。それだけにスキルを習得することは、仕事でのアドバンテージになります。これらをしっかり身に着けることは将来的にも、写真を学ぶ上でも役立つことです。
 写真家が個々の撮影スタイルを持っているのと同じように、画像の編集スタイルはパソコン上でも適用されます。あなたのセンスが問われ、スキル次第で写真が別人のもののように蘇ります。今の時代、写真は撮影のみならず、グラフィックデザインの一部としても技術や知識が要求されるものだと思っていてください。




9:ビジネス戦略を立てる

 ほとんどのプロの写真家は、写真への情熱で働き続けます。 しかしプロとして撮影することは、ビジネススキルもないがしろにできません。純粋に撮りたい写真を撮るだけで生きていけたらいいのですが、現実はそうはいきません。上達したあなたのスキルと作品を売らなければ先に進めないのです。

 堅実に写真撮影のスキルを身につけることが最初のステップであり、次はビジネス戦略を練ることが成長のための必須ステップです。ポートフォリオを見直し、また同業者の作品を研究し、あなたのスタイルを見極めましょう。自分が他とどう違う仕事ができるのかを考えて、あなたのビジネスのためのブランド化を練るのです。あなたならではの写真スタイル開発をめざしてください。作風を練り、自分のスタイルを確立して世間に知らしめることは、写真家としての自分を成長させるセルフプロデュース業務なのです。  


まとめ

 カメラさえあれば写真を撮ることは誰にでもできます。しかし職業として写真の世界に飛び込むのは一筋縄ではいきません。写真家になる方法を探索することは、発見に満ちた旅のようなものです。その旅に乗り出す準備はできていますか? 時流を見極め波に乗るのか、まだ見ぬ道を切り開くのかはあなた自身です。カメラを武器にどこまでプロの世界に挑めるか、いまはただ撮り続けることが、あなた自身への最大の課題であります。

2021年2月15日月曜日

カメラ初心者向き:レンズのすすめ

写真ビギナー次のステップ

                            
                                       

 最初に一眼レフやミラーレスカメラを買う人は大抵キットレンズの付いたセットを入手するでしょう。キットレンズの多くは標準ズームレンズで、それはそれなりに便利に使えます。しかしそれで満足しないでください、きっとあなたのカメラの潜在能力はそれだけではありませんよ。より高性能なレンズと組み合わせることで、いままで得たことのない撮影領域をその目で確かめることができるはずです。



初心者のためのカメラレンズガイド

 カメラのレンズは、写真を撮る上で最も重要なものと言えます。デジタル一眼レフカメラの標準レンズでも多くのことができますが、交換レンズを使えば、よりダイナミックな写真を撮ることができます。投資する価値は十分にありますので、写真初心者としてレンズを選ぶ際に注意すべき点を把握してみましょう。


レンズの役割
 カメラのレンズが行う大事な仕事は2つあります。カメラに十分な光を取り入れ、その光をカメラセンサー面にピントを合わせて当てることです。
 せっかく高性能なカメラを持っていても、暗いレンズや焦点の甘いレンズでは、カメラ本来の能力を引き出すことができません、逆に、そこそこの性能のカメラでも、優れたレンズと交換することで、目を見張るような写真に出会い可能性も出てくるのです。


カメラレンズの特性

焦点距離
 これは写真撮影において最も重要な特徴の一つです。焦点距離はレンズ自体の実際の外径とは関係ありません。
 焦点距離の特性は、レンズを向けている画像がどれくらい見えるか、どれくらい拡大されるかを示しています。焦点距離が短ければ短いほど、見えている部分が多くなり、拡大されている部分が少なくなります。

絞り
 これは、カメラに光を取り込むためのレンズの開口部の大小のことです。この機能は、写真の暗さや明るさ、写真の深さ、焦点が合っているかどうかなど、写真撮影において多くのことをコントロールします。
 絞りを小さくしたり大きくするためにレンズの上に丸められた小さなブレードのセットで、人間の目を模倣した動きをします。

 絞りは、f(f/2.8、f/4、f/8、f/16など)の文字を組み合わせた数字で表されています。これらは、レンズがどのくらい開いているか、または閉じているかを表しています。
 ここで気をつけたいのは、最大絞りです。これを目安にすれば、画像のどの部分にピントが合うか、ピントが合わないかをコントロールすることができます。


手ぶれ補正レンズ
 写真撮影における最も重要な技術革新の一つは、手ぶれ補正でしょう。この画期的な機構のおかげで、カメラマンは手ブレ以外のことに注意を注いで撮影することができるようになりました。

カメラのレンズの種類
 レンズにはざっくり分けると、焦点距離を変えられるもの(ズームレンズ)と変えられないもの(プライムレンズ)の2種類があります。

 プライムレンズの方が速いのでシャープに写る傾向がありますが、ズームレンズに比べると自由度が低いです。ズームレンズは、焦点距離を変えることができるので、何本も持っていく必要がないので、特に旅行には万能なレンズとして人気があります。どちらにも長所と短所があり、初心者には人気のあるオプションです。

 標準ズームのキットレンズに慣れてきて、次の段階にステップアップするなら、単焦点レンズがおススメです。とくにF値の低いf1.2からf2.8ぐらいの明るい単焦点レンズなら、ちょっと試しただけで、なんだか写真の腕前が上がったような気にさせられるほどいい写りを体感できるでしょう。


 下左の写真は単焦点レンズf1.7で撮ったものです。右は同じ条件で、標準ズームレンズのもっとも明るいF値(この場合f5.3)で撮ったものです。単焦点の方が、花束は明るく背景はボケの効いた写真となっております。

 このように、単焦点レンズの有利な点は、一般的に被写体に十分な光を与えられるため、被写界深度の浅い、メリハリのある写真が撮れます。シャッタースピードも暗い標準ズームよりも落として撮れる分だけ、余裕の撮影ができます。画角に制限ができますが、まずは自分にあった焦点距離のレンズを選んで、撮りやすい距離感を掴むことが上達への秘訣です。




カメラレンズのタイプ別分類
 レンズはその特性から見て分類できます。一般的には便宜上、以下のように大きくレンズを分けて呼んできます。

・広角カメラレンズ(10-35mm前後)
 広角レンズは、一般的に人間の目が見ることができる範囲よりも広い視野を提供します。風景や建築物などの広い範囲をカバーしたい場合は、このレンズをお勧めします。

・標準レンズ(35-85mm前後)
 このレンズは目の景色に似ています。そのため、自然でキレのある写真が撮れます。

・マクロレンズ(35mmカメラで50mm程度)
 マクロレンズは、特に自然界での接写に使用されてきました。植物や昆虫の細部を見るのに適した構成のレンズ群を採用しています。最近では料理のクローズアップやブツ撮りと言われる、商品をネットで挙げる際の写真を見栄えよくするために、高品質のマクロレンズが使われています。

・望遠(100-300mm以上)
 遠く離れた被写体を撮影するためのものです。スポーツ写真や野生動物の自然な姿を撮るときによく使われます。また望遠を使えば、写真の奥行きをなくして、圧縮効果と言って、写真をフラットに見せることもできます。

・魚眼レンズ
 すべての写真を魚鉢やスノードームで撮影されたように見せてくれます。

                                  


カメラのレンズを選ぶ

 たくさんのレンズの中からどれを選ぶのかは、簡単な作業ではありません。レンズを選ぶときに何に気をつけるべきか、いくつかのヒントをあげてみましょう。

サイズと重量
 常にレンズのサイズと重量を確認してください。高性能なレンズには非常に重たく大きいものがざらにあります。値段も一桁違ったりします。せっかく素晴らしいスペックのレンズを買っても、扱いづらくて使わなくなってしまうことがままありますので、見た目の大きさ、重さは意外に重要な選択要因となります。

互換性
 すべてのカメラがすべてのレンズと互換性があるわけではないです。買ってから自分のカメラでは使えないなどという事がないよう、事前に互換性をチェックしておきましょう。サードパーティ製の交換レンズを選ぶ場合も、物理的に同じマウントで交換可能であっても、相性の問題や一部機能が使えない準互換可というレンズもありますので、購入時は入念にチェックする必要があります。

レンズの特徴

 すでに述べたように、レンズで最も重要な機能は、焦点距離と絞りですが、それだけでなく、プライムレンズなのかズームレンズであるか、遅かれ早かれそこに着目することになります。
 撮ろうとする対象によってレンズは自ずと選別されていくでしょう。


レンズを最大限に活用するには
 
 さまざまな焦点距離を試してみる 

 絞りの範囲を変えて試し撮りしていきましょう

 写真に適した背景の選び方を学ぶ

 練習して撮った写真を自分で批判する

 写真を整理する

 撮った写真を編集することで、次の課題と必要なレンズが見えてきます。


まとめ
 数ある交換レンズの中から限られた予算の中で、ベストな一本を選ぶのは苦労も多いけど、探している間は楽しいものです。はじめは試しに、中古のレンズを買ってみるもの一つのやり方です。中古レンズを上手に買いそろえれば、高価な大三元レンズに匹敵するレンズの布陣を敷くことも可能です。交換レンズは将棋に例えれば自分の手駒。様々な作戦を練ってどのレンズで何を撮るのか考えることで、写真撮影の楽しみはより深まっていくでしょう。ビギナーの方、まずは明るいレンズを手掛かりに選んで、キットレンズにはない撮影領域を手に入れてみてください。