2021年2月17日水曜日

Nikonの逆襲はあるのか?

 よみがえるニコン



 ミラーレスカメラのシェア争いで老舗ニコンの苦境が取り沙汰されていますね。早くからデジタルカメラの将来性を見極めて軸足をミラーレスにシフトしていたソニーとは対照的に、ニコンはなかなか本格的なミラーレスカメラの開発を急ぎませんでした。世間一般でもミラーレスはミラーレス、一眼レフ主流の流れは当分変わらないだろうと思っていました。でもソニーが次々とフルサイズミラーレスの新製品を投入し、a7 IIIの大ヒットあたりから潮目が変わってきました。目の肥えたカメラファンも、「お、ミラーレス。しっかり使えるようになってるよ」と見直しはじめ、使い勝手の良さもあいまって、新しくカメラを求める層にもミラーレスの宣伝攻勢にぐらりと心を持っていかれました。

 これはいかんと、キャノンもAPS-Cの土俵でEF-Mマウントのミラーレス、EOSシリーズを出してきましたが、カメラファンの話題の中心はすでにフルサイズへと移っていました。いまかいまかと待ちわびるキャノン贔屓、ニコン贔屓のユーザーたち注目の中、2018年、キャノンはEOS Rを、ニコンはZ6、Z7を登場させました。ここに堂々のミラーレス三国志時代の到来かと思われたのです。

 ところがそれからまだ二年余りですが、三大メーカーの明暗ははっきり分かれてしまいました。やはり出遅れ感のあるキャノン、ニコンは技術面での半歩遅れがつきまとい、いまでも総合力でソニーaシリーズの先進性が抜きんでています。とりわけオートフォーカスやISOのデジタルテクノロジー開発の勢いはすさまじく、新製品が出るたびに性能の自己更新を繰り返し、他社の追随をゆるさない状態です。二年たってキャノンはようやく大御所の意地を見せ、描写能力の優れたEOS R5、R6で大きく巻き返しを果たしました。

 一方のニコンはというと、Z7 II、 Z6 IIという意欲作をだしたものの、目玉となるような追加機能に欠け、単なるマイナーチェンジのような印象を与えてしまったのは残念でした。決してライバルに見劣りするようなカメラではないのですが、王者ニコンに名に相応しいような圧倒的な一台がいまだ表れていない、そんな感じがしてしまうのです。加えてニコンの製造工場が日本からなくなるなどの寂しいニュースが「劣勢」というイメージを決定的に与えてしまっている、そんな現状です。

 しかし天下のニコンです。このまま黙ってずるずると万年三位の座に安住するつもりでは決してないでしょう。というか、一眼レフ機ではしっかりとD780という鉄板シリーズの最新鋭機をしっかり予定通り出しています。

 オールドカメラファン、と言っては失礼ですが、長年付き合ってきたカメラの使い手をないがしろにしてまで、ミラーレス一辺倒の時流に流れて行かないのが、トップメーカーとしての矜持だと思います。ニコンはこれからも最高の一眼レフ機を出し続けるでしょう。それと並行しながら、ミラーレスでも最高水準のカメラを出していくのは至難のことかと思います。でもその挑戦をやめないのが王者ニコンだと思うのです。

 ニコンは今後必ずミラーレスの市場でも盤石の布陣を敷いていくと思われます。確かにカメラが売れない時代になって財政的な苦境は免れないでしょう。それでもニコンはたとえ他社より開発ペースが遅くとも、着実にミラーレスのノウハウを蓄積し、ニコンらしい、と言われるような独自のミラーレス機を打ち出してくれるはずです。なにより基本性能は今出ているZシリーズでも十分堪能できる性能になっています。多くの人がニコンの色を再現するZに好感を持っています。


Nikon:待たれるフラッグシップ機と格安エントリー機

 ここからは希望的予測ですが、ニコンからもフラッグシップ機を早く見たいという声が多いのですが、これはまだ先の話になりそうです。キャノンのR5に相当する、Zシリーズの最高峰ということになるでしょうが、これはもう少し時間を要する模様です。そのかわり2021年は超高感度機が出るのではとの噂ですね。ソニーのa7S IIIのような圧倒的ISO値を誇るハイアマチュア向けカメラは市場にとってもいい刺激剤になるでしょう。

 一方、個人的にはフルサイズでなおかつ初心者にもやさしい、無敵の入門カメラが出てほしいと期待しています。例えば、APS-C機 Z50のようなやさしいインターフェースにCANON RPのような軽量小型ボディをくっつけてみる、とかです。一眼レフのD3000、D5000シリーズが旧機種扱いになったのは、エントリー機登場のサインともとれるので、期待は大です。

 いずれにせよニコンはライバル二社に後れをとっている現状を見過ごすはずはありません。今年後半以降に、必ずや新たな戦略を打ち出してくるはずです。


いまNikon Z6が買い



 Nikon初のミラーレスZ6のキットレンズ付きが安くなってきました。いまが買いごろかもしれません。eBayの中古市場では$1600前後で出回ってきており、状態がよければすごいお買い得です。このキットレンズ付きZ6、新品の平均価格はいま$2300ぐらいです。日本では新品で27万円ほど、中古でもまだ20万円前後ではないでしょうか。

 二年前の機種ですが、現役として十分すぎる高性能なフルサイス・ミラーレスです。


Nikon Z6主なスペックは以下の通り

撮像画面サイズ : 35.9×23.9mm(フルサイズ)

映像素子型式 : CMOSセンサー

有効画素数 : 2450万画素

オートフォーカス方式 : ハイブリッドAF

測距点 : 273点

常用ISO感度 : ISO100~51200

シャッター速度 : 1/8000~30秒、バルブ

連写性能 : 最高約12コマ/秒(拡張機能使用時)

ボディ内手ブレ補正 : イメージセンサーシフト方式5軸補正

画面 : チルト式3.2型/約210万ドット

通信機能 : Wi-Fi/Bluetooth

大きさ : 134×100.5×67.5mm

質量 : 約675g




  ニコンのミラーレスカメラは、軽量かつ小型のボディにデジタル一眼レフのような機能を搭載するように設計されています。

 最初の2機種のフルフレームミラーレスモデルを発売することで、ニコンはあらゆるタイプの写真家のニーズを満足させることを目指していました。Z7は4,570万画素の超高画素センサーを搭載していますが、その分、価格が高くなっています。そのため、多くの熱心な写真家がより手頃な価格のZ6を選んでいます。

 このカメラは、24.5メガピクセルBSI CMOSセンサー、273点と90%のカバーする新しいハイブリッドAFシステム、および100から51,200(なんと204,800に拡張可能)のISO感度範囲が含まれています。

 さらに、Z6は12fpsバーストモード、フルフレーム(クロップなし)4Kビデオ、強力なボディ内5軸VR手ブレ補正、Zマウントレンズ、ニコンのデジタル一眼レフカメラを超える改善されたインターフェースなど、このカメラはあらゆる環境で素晴らしい動画や静止画を作成するための理想的な機能を備えています。

 Zシリーズは、Fマウントよりも11mm広く、フランジの焦点距離が短いニコンの新しいZレンズマウントを搭載しています。

 現在市場に出回っているZマウントレンズは、ニッコールZ 24-70 F4 S、ニッコールZ 50mm F1.8 S、ニッコールZ 35mm F1.8 Sなどですが、今後リストは確実に拡大していくでしょう。

 ニコンZカメラは新しいレンズマウントを使用していますが、FTZマウントアダプターを購入すると、すでに持っているレンズを使用できるようになります。これは、ニコンのデジタル一眼レフからZシリーズへの移行をはるかに容易にします。


ニコンZ6の外観
 ニコンZ6はマグネシウム合金のボディを持ち、その兄貴分のZ7と一見同じように見えますがニコンらしい堅実な設計が反映されています。

 カメラは、簡単に設定をナビゲートすることができます。タッチスクリーン、インターフェイス技術(3.2インチ、210万ドット)も使用しています。

 チルトスクリーンは、ハイアングルとローアングルでの撮影をはるかに簡単にする便利なオプションでもあります。また、0.80倍3.6mドットのEVFや、カメラの設定を素早く参照できる上部のドットマトリクス有機ELなど、複数のディスプレイや画面が用意されています。

 ニコンZ6のデメリットとしては、XQDカードスロットが1つしかないこと。

 一方で、このカメラは高度な接続用オプションを備えています。HDMI経由で10bit出力の外部レコーダーに直接録画できるほか、8bitの4K動画ファイルをメモリーと外部レコーダーに同時に記録することも可能です。

 また、Wi-FiとBluetoothも内蔵しています。Bluetooth技術により、撮影したらすぐに2MBの写真を自動転送できるほか、より高画質な写真を手動で送信することも可能。SnapBridgeバージョン2.5でリモート撮影するオプションもあります。


 と軽く全体を見て回っただけでもかなり高い能力のカメラだとわかります。ついつい新製品に目が奪われがちですが、このようにニコンが最初に出したフルサイズ・ミラーレスカメラはなかなかの意欲作。中古市場でも一見の価値あり、です。

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