2021年2月25日木曜日

注目のマイクロフォーサーズ

 マイクロフォーサーズ・カメラ




素晴らしきマイクロフォーサーズ

 マイクロフォーサーズ(MFT)システムは、フルサイズの一眼レフシステムに代わる小型の選択肢として、オリンパスとパナソニックによって開発されました。両社はこの企画において同じ画質、汎用性、レンズ互換性を提供しあっています。

 マイクロフォーサーズカメラは、フォーサーズデジタル一眼レフカメラと同じセンサーとプロセッサーを使用していますが、デジタル一眼レフカメラの光学ビューイングシステムを提供するフォーカシングスクリーン、ミラー、プリズムアセンブリを使用していないため、大幅にコンパクトになり、レンズからセンサーまでの距離が短くなっています。その結果、大幅に小型化され、レンズからセンサーまでの距離が短縮されました。
 その結果、コンパクトサイズでありながら、様々なレンズやアクセサリーを装着し、デジタル一眼レフ並みの画質と、コンデジよりも浅い被写界深度が得られる全く新しいシステムが誕生しました。撮影は通常、液晶画面のみで行うか、オプションのクリップ式ファインダーを装着して行います。
 デジタル一眼レフのメリットをコンパクトに凝縮したシステムとして注目を集め、写真撮影のオプションの一つとして成長してきました。

 ターゲット層は、デジタル一眼レフカメラのようなかさばるものを望まない、より高度なものを求めるコンパクトユーザーと、毎日持ち歩けるような小型のものを求めるデジタル一眼レフカメラファンの両方でしょう。


 パナソニックとオリンパス(現在はOMデジタルソリューションズ)によると、2020年の日本のレンズ交換式デジタルカメラ市場では、マイクロフォーサーズが最も売れているレンズマウントタイプだったといいます。昨今は、なにかとフルサイズ・ミラーレスが話題に上りがちですが、実際のカメラ市場は違うという結果は興味深いものです。

 2020年に発売されたマイクロフォーサーズのレンズ交換式カメラの機種はわずか4台だったにもかかわらず、日本市場では21.7%のシェアを占めています。これは、市場で最も売れているレンズマウントにするのに十分なものでした。

 2020年に発表されたM4/3カメラの数が比較的少なかったことを考えると、この結果はよりいっそう意外な印象を受けます。業界がセンサーサイズの大型化を進めていることを考えると、多くの人がM4/3フォーマットの将来に疑問を抱いていたのに、です。

 マイクロ・フォーサーズというとオリンパスとパナソニックだけが孤立しているような印象を受けますが、実際は世界中でおよそ50社以上がマイクロフォーサーズ規格にかかわる業務に関わっています。この規格にこれだけものコンソーシアムを構成しているので、彼らすべてがマイクロフォーサーズから離脱することは到底あり得ないのです。事実、パナソニックとオリンパス(OMデジタルソリューション)は、年初からマイクロフォーサーズの製品ラインアップを開発し、強化していくと公言しています。

 2021年には、より多くのM4/3カメラやレンズが登場し、待望のパナソニックGH6が登場するかもしれないと囁かれています。Vlogなど動画撮影の需要が高まる中、パナソニックはビデオカメラでも成功を収めてきたので、ビデオ機能を強化した軽量で手頃な製品が今後も期待できます。マイクロフォーサーズはまだまだ豊富な需要が見込まれていると予想されているのです。

 ただし、数年後は分かりません。まだ未知数ですが、ラージフォーマットへの流れは着実に伸びるでしょうし、フルサイズカメラの価格がこなれてくると、マイクロフォーサーズ陣営は厳しい競争に直面するかもしれません。M4/3の運命は、もっぱらエンドユーザーにかかっています。熱烈なファンの支援と十分な需要があれば、企業はこのフォーマットを維持し続けるでしょう。

センサーサイズの違い


 黄色のフルフレームサイズのセンサーに比べると、緑色のマイクロフォーサーズセンサーがいかに小さいかわかります。たしかにデジタルカメラにとって、センサーサイズは画質を左右するもっとも大きな要因のひとつです。ですが、昨今iPhoeなどのスマホカメラに使われている1/2.3サイズの豆粒センサーでもとても優秀な写真が撮れることを鑑みると、一概にセンサーが小さいからカメラが劣る、などという事は決してないのです。


 フルフレームミラーレスカメラやデジタル一眼レフカメラの世界では、マイクロフォーサーズカメラはプロの写真市場で正当な評価を受けているのでしょうか?
 この規格のカメラ・レンズを使うプロ写真家も世界中で少なからず存在します。ただそれが主流になることはいままでありませんでした。
 オリンパスとパナソニックが2008年に発売したマイクロフォーサーズは、オリジナルのオリンパス・フォーサーズのコンセプトを進化させたもので、現在も健在です。新しいカメラやレンズが続々と発売されていますが、写真家にとってこのシステムが自分のニーズに合っているかどうかを判断するのは難しいかもしれません。

 マイクロフォーサーズシステムの長所と短所を強調するために、簡単なアウトラインをまとめました。

 他のカメラシステムと同様に、マイクロフォーサーズにも長所と短所があります。このガイドを使って、これらの長所と短所が写真家やビデオグラファーにどのように対応しているのか、そしてマイクロフォーサーズ機購入を検討している方もぜひ参考にしてみてください。


メリット

 小さくて軽い - これはマイクロフォーサーズカメラが登場して以来、喧伝されてきたことです。繰り返しになりますが、マイクロフォーサーズカメラのほとんどはデジタル一眼レフカメラよりもかなり小さいです。
 これはレンズにも言えることですが、マイクロフォーサーズの望遠はデジタル一眼レフ用の望遠よりも明らかに軽いです。ユーザーにとって、カメラとレンズの大きさ、軽さは
非常に大きなファクターです。人によりますが、カメラ自体の性能や画質よりもサイズの方を重視する人だって多いのです。マイクロフォーサーズを選ぶ理由としてコンパクトさを挙げる人が多いのはうなずけることです。


より長い焦点距離

 マイクロフォーサーズカメラのセンサーサイズは、フルフレームカメラの2.0倍の焦点距離に相当し、焦点距離の2倍のフルフレームレンズと同じ視野を提供します。すなわち300mmレンズは、フルフレームカメラの焦点距離600mmに相当します。遠くの景色を撮影したり、怯えやすい野生動物を撮影するためには、これは天の恵みであり、多額の現金を費やすことなく、フルフレームカメラでは不可能な焦点距離を達成することができるのです。

レンズの組み合わせ

 マイクロフォーサーズシステムを扱うオリンパスとパナソニックの二社間の協力的なつながりは、写真家にとって非常に便利な要素で、もっと利用すべきでしょう。パナソニックLUMIXのユーザーは、最新のオリンパスレンズを手に入れ、カメラに装着して撮影を開始することができ、その逆も可能です。アダプターもいらないし、手を加えなくてもいいのです。レンズ選びの幅も倍増し楽しみが増します。


続く技術革新

 マイクロフォーサーズの歴史は技術開発の歴史でもあります。この十数年でマイクロフォーサーズが生み出したカメラの特性は、他社のAPS-C機やフルサイズ機にも波及しています。例えば、パナソニックのLUMIXカメラはいち早く4Kフォトモードを搭載し、4K映像から8MPの静止画を抽出することができるようになりました。フラッグシップモデルのGH5ではこれを6Kフォトにまで高めることもできます。競合他社も遅れて4K対応し、今や動画の世界でもスタンダードな規格となってきました。


コスト面の優位
  
 一般的には、フルフレーム のデジタル一眼レフカメラ、大型センサーのミラーレスカメラと比べると、マイクロフォーサーズシステムははるかに低コストですべてのシステムを揃えることが可能です。もちろんレンズもピンからキリまでありますが、大型システムと比べると、カメラ何台分が浮く計算んもできるのです。要は撮影の必要な経費を存分に抑えられるのがマイクロフォーサーズの有難いところであります。


デメリット

 センサーが小さいと低照度性能が劣ることは否めません。マイクロフォーサーズ規格の性質上、そこはシステムの宿命と考えるしかありません。それはフルフレームやAPS-Cよりも小さいセンサーであるという事実を再認識させられます。また、カメラが大規模なセンサーに比べてダイナミックレンジが劣り、低照度下では必然的に写真の品質が落ちることを意味します。ほとんどの照明状況ではカメラはほどよい対処をしますが、高いISOの使用を必要とする状況では、撮影が厳しくなる状況も想定しなければなりません。


ファインダー

 マイクロフォーサーズ規格の電子ビューファインダーは、まだまだ改良の余地があります。ユーザーの多くはファインダーの見栄えを気にします。光学ファインダーが心地よく見れた一眼レフとは違い、マイクロフォーサーズの電子ビューファインダーは、わずかな遅延や描写の不完全さが気になって、撮影の集中しづらく感じる人も多いのが現状です。とはいえ改良も順調に進んでおり、年々新製品のファインダー性能は良くなってきています。


オートフォーカス性能

 この分野はマイクロフォーサーズのメーカーがオートフォーカスシステムに多くの努力を払ってきたことで、ギャップが縮まってきています。しかし、まだこれほど重要な機能でありながら、より速くより正確に撮影することに関しては、デジタル一眼レフカメラのオートフォーカスの方がまだ確実に優れています。この状況は数年後には変わるかもしれませんが、現状まだそこまでには至っていません。


おススメのマイクロフォーサーズ機

 最後に数あるマイクロフォーサーズカメラの中で、いま買って価値ある数台をご紹介しておきます。

PANASONIC LUMIX G9 PRO
 


 Lumix G9 Proはパナソニック製品のラインアップの中核を担う4番打者です。エースともいえるGH5はビデオグラファーのためのカメラとして認識されており、G9では、既存のLUMIXシステムのユーザー(およびオリンパスのユーザー)が、高度なビデオ技術はともかく、スチルも動画も及第点を撮れる優等生として、機能満載のハイエンドモデルを謳って登場させたものです。
 G9 Proは完成度が高く、ミラーレスの特性を生かしたコンパクトでバランスのとれたシステムです。現状ではパナソニックの最高のミラーレスカメラでと言っても過言ではありません。


OLYMPUS OM-D M1 Mark III
 

 いくつかの点から、オリンパスOM-D E-M1マークIIIは、マークIIからのかなり控えめなアップグレード版と言えるかもしれません。とりもなおさず、それはマークIIがいかにずば抜けてすぐれたマイクロフォーサーズだったかという事になります。
 今回はより洗練され、厳しい条件での撮影を簡単にするいくつかの素晴らしい機能を手に入れました。オリンパスはまた、優れたレンズを豊富な用意しており、焦点距離2倍の倍率は、スポーツや野生動物の写真家に特に有効です。既存のOM-D E-M1 Mark IIは買い替えたくないかもしれませんが、OM-D E-M1 Mark IIIは、初めてのミラーレスカメラを求める写真家にとって非常に魅力的なオプションであります。

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