2021年2月14日日曜日

イチ押し:キャノン のミラーレス

キャノン EOS RP




 2021年2月現在、キャノンのフルフレーム・ミラーレスカメラEOS RPがお買い得になっています。フルサイズのミラーレスとして破格の安値でいま新品が買えます。あ、これアメリカでの話ですが、輸入してでも買っておきたい低価格です。アメリカはプレジデントデーに合わせて毎年セールをやるのですが、クリスマス以来のセールということで、家電全般がお買い時となります。

 私が注目したCANON EOS RPは、アマゾンやベストバイで1299ドル。これは「24-105mm f/4-7.1 IS STM レンズ」が付属したものです。とても安い!(ボディだけだと$899!)。価格ドットコムによるとこの同じモデル、日本ではいま平均価格が¥164,219となっております。それと比べてもアメリカの EOS RPは異常ともいえる安さです。ライバルと目されるSONY a7 IIIがいまだ$1900前後(キットレンズ付き)で売られているのに比べると、より新しいEOS RPがこの価格で買えるのは驚きです。邪推ですが、そろそろ後継機種が出るという噂もあるので、それを見越して在庫を一掃しようという、売り手の狙いがあるのかもしれません。たとえそうだとしても、


EOS RPの完成度はかなり高く、末永く使用できる一台となっております。

 この価格帯でフルサイズ・ミラーレスは皆無で、より小さなセンサーのAPS-C機でソニーのa6600やニコンのZ50が並んでしまいます。2020年4月の発売した比較的新しいフルサイズでこの値下がりぶりが、いかに異例かがわかります。

 EOS RPは日本でも半年ほど前から平均価格が徐々に下がっていく傾向にありましたが今年に入って急落しました。おそらく今が底値かと思います。でもアメリカはすでにそれをさらに下回る価格なので、買うならもう、今じゃないでしょうか。(在庫が掃ければ、おそらくまた元の価格に戻るでしょう)


 ではこのEOS RP、なぜこんなに安いのでしょうか?

 基本性能はほとんどキャノンの上位機種に引けを取りません。むろん画素数やシャッタースピード等は差別化を図っていますが、写り自体は同じ画像エンジンなのでそう大差がでるものではありません。製造コストで抑えられたのは、ボディ内手振れ補正がない、操作ボタンが少ない、などが挙げられるでしょう。アマゾンや価格ドットコムのレビューを見ても決して人気がないわけでもなく、むしろ高評価の方が目立ちます。

 一つには、マーケティングの問題があります。売る側はともすれば、ハイエンド機に力を入れて売りますし、買う側もどうしてもより高スペックの機種に目が映りがちで、メディア等のレビューも最新の上級機種を目玉にする傾向にあります。とりわけこのEOS RPが発売された時期が問題で、その前後数か月に、キャノンもソニーもニコンもハイエンドクラスのミラーレスを連発していたので、入門機的位置づけのEOS RPはすっかり埋もれてしまったわけです。

 しかしこの機種ほどフルサイズ・カメラ入門にふさわしいいカメラはありません。以前なら、一眼レフでキャノンのEOS 6DやニコンのD700系が人気、実力申し分なかったのですがEOS RPはそれらに匹敵する機能を持ちながら、軽量小型で操作系もより簡単になっています。フルサイズカメラの入り口としてまさに最適な一台となっているのです。

EOS RP 作例 1



 ではそのEOS RPの実力をスペックから見ていきましょう。


撮像画面サイズ : 35.9×24.0mm(フルサイズ)

映像素子型式 : CMOSセンサー

有効画素数 : 約2620万画素

オートフォーカス方式 : デュアルピクセル CMOS AF方式

測距点 : 4779点

常用ISO感度 : ISO100~40000

シャッター速度 : 1/4000~30秒、バルブ

連写性能 : 最高約5.0コマ/秒(ワンショットAF使用時)

画面 : 3.0型/約104万ドット

通信機能 : Wi-Fi/Bluetooth

大きさ : 132.5×85.×70.0mm

質量 : 約485g




 これをみれば、本格的にカメラを撮影するには十分なスペックと言えます。

RF24-105mm Lens F4-7.1 IS STM Lens Kit

 
 ではEOS RPの長所と短所を見ていきましょう。

EOS RPのいいところ


画質
 6D Mark IIと同様の光学ローパスフィルターを搭載した26.2MPのCMOSセンサーと、画像処理プロセッサ「DIGIC 8」を搭載しています。全体的に画質は優れており、実質的には6D Mark IIと同じ。生成される14ビットRAW画像は、キヤノンの美学を感じさせるシャープなもので、私たちが知っているキヤノンの美学と色再現性を備えています。

 また、新しい圧縮RAWフォーマット「C-RAW」を搭載しており、ファイルサイズを少し小さくしてディスク容量を節約することができます。
 連続撮影速度は、AFなしで5fps、AFありで4fps、トラッキングありで2.6fpsと、価格帯の割にはリーズナブルなレートを実現。


ビデオ画質
 最大24fpsの4K UHD動画、最大60fpsの1080p FHD動画を撮影し、スローモーション撮影が可能です。また、MPEG-4コーデックを使用して、互換性の高いMP4フォーマットに映像を記録します。最近リリースされたファームウェアのアップデートにより、発売時には欠けていたフレームレートである1080pでの24fps記録が可能になりました。全体的にこのカメラが生成する動画映像はシャープでメリハリがあります。
 また、ハイエンドのIPB圧縮方式に加えて、4Kで120Mbps、1080pで60Mbpsの強力なデータレートを提供しており、ビデオは後処理の調整に十分な余裕があります。
 連続撮影時間はこのクラスの多くのカメラと同様に、標準的な29分59秒のビデオ録画制限があります。
 

低照度時の性能
 ISO100から40,000までのネイティブISOレンジを備え、さらにISO102,400に相当するH2設定まで拡張可能です。ISO6,400までは、ポストプロダクションでのノイズリダクションを必要とせずに撮影が可能です。


フォーカス性能
 EOS Rと同様のオートフォーカスシステムを持っています。最大4,779点のAFポイントを搭載し、撮影エリアの80%をカバーします。また、キヤノンのデュアルピクセルCMOS AFを搭載しており、写真や動画のライブビューでスムーズにピントを合わせることができます。また、AF-CにはFace+TrackingとEye-detectが追加されています。

 最新のファームウェアアップデートにより、これらの機能の作動距離が改善され、長距離での撮影が可能になりました。全体的に、トラッキングの実装は優れており、以前よりも大幅に改善されています。オートフォーカス性能は速く正確で、EOS Rとほぼ同じです。
 マニュアルフォーカスのためのフォーカスピーキング機能と拡大機能を搭載し、正確なピント合わせが可能です。


モニターとファインダー
 3.0インチのバリアングルTFTタッチスクリーンLCDを搭載しています。解像度は104万ドットで、画像領域を100%カバーします。タッチ反応は良好で、クリアビューIIコーティングにより、屋外での明るい場所での使用で反射防止を実現しています。タッチスクリーンには、タッチフォーカス、ドラッグフォーカス、タッチシャッター、ピンチでズーム、フルメニューナビゲーションなどの機能も搭載されています。

 
ファインダーは2.36Mドットの解像度と0.7倍の倍率で、EOS M50などと同様の電子ビューファインダーを採用しています。EOS Rのような360万ドットのパネルではありませんが、日常的に使用するには十分以上のシャープさを持っています。また、アイレリーフ、正確な色再現、60Hzのリフレッシュレートで待ち時間を短縮しています。


ユーザーインターフェース
 キヤノンの標準的なメニューを備えており、初めての人にもなじみやすいでしょう。メニューはよく整理されていて、ナビゲートしやすく、直感的に操作できます。また、このカメラは完全なタッチ対応のインターフェイスを備えており、キヤノンはこのスタイルの入力に見事に成功しています。元々キヤノンは優れたタッチスクリーンインターフェースで知られていますが、このカメラもその期待を裏切りません。
 軍艦部には
3つのカスタム撮影モード、C1-C3を備えています。また合計12個のカスタマイズできる物理ボタンを搭載しています。さらにカスタマイズ可能なマイメニューを搭載しており、最大6つの最上位アイテムとカスタム機能が利用可能で、合計で最大5つのメニュータブが存在します。


レイアウトとデザイン
 このカメラはEOS Rよりも小さくて軽い。当然のことながら、EOS Rはキヤノンがこれまでに発売したフルフレームカメラの中で最も小さく、最も軽いカメラであり、ボディのみの重量はわずか440gです。しかし、その小ささゆえに、よりわかりやすいデザインになっており、初めての人にも十分に使いやすいカメラになっています。

 ボタンはしっかりとしていて、手触りが良いです。すべてのボタンの配置は考え抜かれていて、かなり戦略的です。また、レイアウトも不要なものはなくごちゃごちゃしているとは感じません。要するに、このカメラは操作性が良く、使い心地がベターなのです。

 EOS RPは、マグネシウム合金のシャーシをポリカーボネートプラスチックで囲んだ構造を採用しています。この構造により、6D Mark IIと同レベルの耐候性を実現しています
。しかし、手に持ってみると、RebelシリーズのボディやEOS M50を彷彿とさせます。
 2つのコントロールダイヤルは、どちらも金属製でグリップ力を高めています。


その他の特徴
 Wi-FiとBluetooth接続を内蔵しており、ワイヤレスでの画像転送や遠隔操作にも対応しています。Bluetoothでは、ペアリングしたスマホを使って自動的にGPS情報を埋め込むこともできます。
 またUSB-Cポートを搭載しており、バッテリーバンクや他のアクセサリーを介してUSB充電をサポートすることができます。
 フォーカススタッキング機能を内蔵しており、撮影枚数(最大999枚まで)や撮影間隔をカスタマイズすることができます。
 マイク入力・
ヘッドフォン入力を搭載しています。
 完全無音の電子シャッターに切り替えられます。
 UHS-IIカードをサポートし、より高速な読み書きが可能です。
 
 などなど。

EOS RP 作例 2

      

EOS RPのイマイチなところ

画像性能
 6D Mark IIと同様に、このカメラのセンサーは、ユーザーが後処理でRAWファイルを使用するする余地が少ないと言えます。ダイナミックレンジが競合他社に比べてはるかに低いため、長時間撮影していると、写真の自由度と柔軟性の不足に気が付くでしょう。


 SONY a7 IIIなどと比べて、高感度耐性が落ちます。比較的画像がノイズに乗りやすく、RAWでの処理も思うほどにはうまくできません。全体的には、暗いシャドウと明るいハイライトが際立つようなシーンでの撮影には向いてません。
 このような環境で撮影する場合は、露出に注意するか、コントラストの低い照明で撮影することをお勧めします。
 またバースト時の追尾AFでは、ファインダーのブラックアウトが激しく、フレーム内の被写体を正確に追尾することができません。


動画機能
 前に出たEOS Rのように、カメラを4Kに切り替えると、フレームに1.8倍の巨大なクロップファクターが発生します。そのため、同じ焦点距離を維持したまま4Kで撮影するには、レンズの交換が必要になります。また、4Kで撮影する場合は、EF-Sレンズを使用するのがベストです。
 また、このクラスのミラーレスカメラの多くが悩まされている、4K撮影時のローリングシャッターの悪さも気になります。左右にパンする際には、この影響で歪曲してしまうので注意が必要です。
 このカメラには120fpsのような高フレームレートのオプションがありません。また、EOS Rの10ビットHDMIとC-Logプロファイルもできない仕様となっています。


オートフォーカス性能
 4Kの最も残念な欠点は、このモードで発生するデュアルピクセルAFの損失です。その代わりに、カメラはデフォルトでコントラストAFシステムを使用しますが、これは非常に遅くて不正確です。4K撮影の際には、手動でピントを合わせるのがベストでしょう。
 EOS Rに見られる便利なマニュアルフォーカスガイド機能がないのは残念です。


バッテリー
 EOS RPのバッテリー駆動時間は非常に悪く、ミラーレスカメラとしては平均以下です。このカメラには予備のバッテリーが必要です。


まとめ

 相対的にみて、これから本格的にカメラを始める人、もしくはAPS-Cからのステップアップを図りたい方のために最適なフルサイズカメラと言えます。特に一眼レフか、ミラーレスかで迷っている入門者には、強くEPS RPをお勧めします。なにより基本性能に優れ、スチル写真を撮るうえで必要十分な能力を小さな筐体にぎっしり詰め込んでいます。
 どうしてもフルサイズというと重量がかさばり、構えて撮らなければならないのが基本ですが、このEPS RPの重量ならどこへでも持ち歩け、気軽にスナップ撮影もできますし、もちろん本格的な撮影にも対応します。
 先述のようにバッテリーの少なさ、手ブレの懸念などもありますが、予備バッテリーや手振れ防止付きレンズでそれらはカバーできます。 
 あとはキャノンとサードパーティ製のRFレンズのラインアップが充実してくれば、撮れないものは無いと言えるほどの、無敵の可能性を秘めたカメラです。
 価格の下がっているこの機会に、購入を検討してみてはいかがでしょうか。

 

0 件のコメント:

コメントを投稿