2021年2月19日金曜日

写真の撮り方とコツ 2

初心者用:写真を上手く撮る方法




上手くなる写真:後編


2. 必要十分な光を確保

 撮影に際し、周りの環境を見て光量の多寡を確認することは、重要な要素であり、経験の浅いカメラマンがしばしば見落としがちなものです。最初のステップは、被写体が見えるように十分な光があることを確認することです。十分な光がない場合、カメラは露出関連の全機能を駆使して少ない光を補わなければいけません。

 

3. 照明器具を手に入れる


 限られた光の中でいかに上手く撮るかは写真家の腕の見せ所です。でも初心者はなかなかそこまで上手く撮れません。利用可能な光だけに頼るのは、撮影のための正しい方法とは限りません。プロのカメラマンは、照明について多くの時間を費やし、ありったけの照明機器を使うことも厭いません。しかし、ビギナーならまずは最小限の設備でいかに光を補えるのかを知るべきであります。


レフ板を試してみる

 レフ板のレフはreflexつまり光の反射のことをいいます。影ができる側に光を反射するレフ板を使うことで、光をあてて被写体を明るくできます。レフ板というのは、光を反射する色や材質を持っているので、被写体に陰影をつくりすぎないように光を調節する撮影補助器具なのです。
 汎用性の高いレフ板は、通常反射材料の異なるタイプから作られたリバーシブルカバーが付属しています。例えば、明るい光に対応した銀色のカバー、柔らかい光を反映する白いカバー、そしてシーンから光を除去するための黒のカバーなどもあります。


フラッシュとディフューザー

 写真をプロっぽく見せるためには、ライティングが重要な要素です。スタジオ用のストロボなどのライティング機材はかなり有効な手段です。でもその前にカメラのフラッシュも忘れてはいけません。
 フラッシュは人工的な仕上がりで嫌だという人もいます。もし、光がキツイと感じて使用をためらっているのであれば、いくつかの解決策があります。その中でも特におすすめなのが、外部ストロボです。カメラのホットシューに取り付けて使用するか、オフカメラで使用するかにかかわらず、外付けフラッシュは、はるかに柔軟性を持っています。
 ひとつは、被写体に直接光を当てるのではなく、バウンスと言って、光を壁や天井に向けて反射光を利用する手法です。光がより均等に広がり、光の強さを感じにくくなります。また、外部フラッシュ用の様々なフラッシュ・ディフューザーも販売されており、光を表面に反射させずに光を和らげることができます。
 

 また、多くの写真家は、さまざまな半透明の白いプラスチック容器などを利用して、それぞれ手作りのデフューザーを作ったりします。



光の効果を試してみる
 
 ファインダーを覗くのに慣れると、光が被写体に与える影響の大きさがわかってきます。光の射し方ひとつで写真の雰囲気はガラッと変かわります。また様々な方法で光を味方につけると写真が面白くなります。

 例えば、以下のようなシチュエーションは撮影効果絶大なので、試してみてください。

ゴールデンアワー
 ゴールデンアワーとは、日の出直後から日没前までの時間を指しマジックアワーとも呼ばれます。まるで魔法にかかったような、黄金色の光に包まれた写真が撮れる時間帯です。また、太陽が低くなっているので、影が長くなり、ドラマチックな写真が撮れます。

シルエット
 沈みゆく太陽のような明るい光の前で被写体を撮影し、カメラの設定を手動で調整して、光の背景に暗いシルエットが残るようにしてみましょう。影絵のような被写体。それををつつむように光の背景を淡くファンタジックに演出すると、とてもアートな写真が出来上がります。

複雑な光の応用
 明るい光と影がたくさんある場所や時間帯に撮影すると、コントラストのある面白い写真が撮れます。なにも考えず下手に撮ると、ただごちゃごちゃしたスクラップのような写真になりがちですが、全体を支配する色調を意図的に統一すると、見違えるように変身させることができます。以下がその一例です。

 




4. 写真の編集

 デジタルフォトの時代、プロの写真家もRaw画像で撮影して、パソコン上で編集する時代です。写真に細工を施すのを潔しとしない時代もありましたが、過度の特殊効果をしなければ、撮影の意図を損ねることはありません。むしろ光と撮影の関係を学ぶため、積極的に写真の編集に挑むべきです。
 ライトルームやフォトショップはプロの写真家御用達の編集ソフトです。トリミング、明るさの調整、色の補正、その他の調整など、どんな画像でも自在に編集することが可能です。
 多機能なため、操作を学ぶのに時間を要しますがそれだけの価値があります。アドビのウェブサイトには、オンラインで学べるチュートリアルもたくさんあります。

 無料の編集ソフトをのぞむのであれば、いま最も人気があるのはGIMPです。アドビのソフトに劣らないくらいの豊富な機能がたくさんあります。

 

5. カメラの設定を学ぶ

 カメラのオート設定に頼っていると、いつまでたっても良い写真の撮り方を理解することができません。ステップバイステップで、シャタースピード優先や絞り優先を試していき、焦らずオールマニュアルに至るまでの操作法を試していきましょう。

 一つの方法として、Pつまりプログラムモードを参照しながら撮るやり方があります。ご存じのようにPモードはどのカメラにも搭載されたモードで、カメラが最適な露出を設定してくれます。このカメラの判断と自分のマニュアル設定とを対決させるのです。同じ被写体を同じ場所同じアングルで二度撮ります。一度目はPモードで、次にマニュアルモードで自分が最適と思う設定にして撮るのです。すべての撮影をこうしてペアで二枚ずつ撮って、あとで見較べてみましょう。Pモードはほとんどの場面でそつなく撮れているはずで、いいお手本になります。
 ここでただ勝った負けたにこだわるのではなく、こんな場合にカメラはこう判断した、という数値的検証を怠らないことです。カメラは極めて論理的な装置なので、撮影の際の絞り値、シャッタースピード、ISO値、露出補正何段などはすべてデータとして役に立ちます。ときとして人の判断の方がいい場合もありますが、初心者の場合は、Pモードで撮った写真の結果は重く受け止めて、今後の反省材料として活用してください。 
 



6. 三脚を選ぶ

 すでにいくつかの照明機材について説明しましたが、プロの写真を撮る方法を知りたいのであれば、写真機材を追加することを検討してみてはいかがでしょうか。
 カメラやレンズに手振れ補正がついていて、手持ち撮影に慣れているのであれば、三脚は必要ないと思うかもしれません。しかし三脚があれば、三脚なしではできない様々な撮影テクニックを試すことができます。例えば
長時間露光、テザリング撮影、暗所撮影などに役立ちます。もちろん家族や集合写真に自分を加えることもできますね。
 


7. カメラ選び

 初心者が買うべきカメラに関しては様々な意見があります。Canon EOS Kiss シリーズのビギナーガイドのように図解で被写界深度やシャッタースピードを解りやすく示してくれるものもあります。まさに至れり尽くせり、写真の知識がなくても、カメラ任せで簡単にきれいな写真が撮れます。

 一方で、初心者こそハイグレードで高性能なカメラを持つべきという意見があります。こちらは初心者だからこそ、すべての機能が詰まった高いスペックのカメラでその恩恵を受けるのが妥当だという意見です。たしかにエントリークラスのカメラでは上手く撮り切れない被写体も、ハイエンドカメラなら易々と撮れることはあるでしょう。
 そういったことを踏まえると、どちらも一理あるのですが、つまるところカメラはその人との相性を第一に考えるべきかと思います。いかに高スペックのカメラでも重たくて持ち出さなくなったでは宝の持ち腐れです。逆に安くて評判のいいカメラだったけど、使い勝手が悪くて、思うように撮れない、などとカメラのせいにする話もよく耳にします。
 メーカーごとのカラーもあります。またカメラそれぞれに固有の特徴・特性があり、使ってみなければ見えてこない部分も多いものです。そういうことから、まずは自分が店頭で手に取ってみて、しっくりくるものを選んでみてください。スペックや巷の評判よりも、自分の感覚を信じてみましょう。相性は決して侮れないものです。



まとめ

 以上がカメラ初心者の「写真を上手く撮る方法」です。まだまだ申し上げたいことはたくさんあるのですが、細かい部分は各論的に別の機会にお話しさせていただきます。カメラは買ったときのワクワク感がたまらない素敵な趣味です。すぐにでも外に飛び出して何かを撮りたい衝動に駆られるものです。それも自然な感情で、その感情、感性に任せて撮るのもいいですが、ビギナー脱却を図るならば、ぜひカメラやレンズの仕組み、構造などへの興味を傾けてみてください。知れば知るほど撮影の手助にはなります。
 もう一つ、上手くなるコツは撮った写真を誰かに見せることです。できれば同じ志を持つカメラ好きの仲間とかサークルに入るのがいいです。人は誰かに何かを見せるときは少しでも見栄えの良いように心がけるものです。自分の撮った写真を公に出すことは自己を成長させるのに役立つ行為なので、ぜひ勇気をもって作品をみんなに披露してくださいね。

0 件のコメント:

コメントを投稿