2021年2月23日火曜日

ベストなVlog 環境を作ろう

 Vlogを始めるなら



 情報発信のツールとしてVlogを始める人が増えています。これまで文章を書いていたものを動画に置き換えたものですが、より情報量の多い映像作品を作るには、それなりの知識と準備と投資が必要です。とはいえ、ブログに慣れた人やビデオをよく見る人なら、見よう見まねでそれなりのコンテンツを手軽に作れるのが魅力の秘密ではないでしょうか。

 ここではVlogに必要な映像機器の中から、カメラを中心に、どのようなものを選んで始めればいいのか、いくつかのおススメをご紹介させていただきます。

 Vlogといえばまず思い浮かぶのがYouTubeのような映像です。この分野ではかれこれ10数年の歴史の積み重ねで、かなりハイレベルの映像が見られるようになりました。中には本格的な撮影機材を駆使してプロ顔負けの綺麗でわかりやす映像情報を発信する方も増えています。

 いっぽう最近ではインスタグラムやTikTokなどでも手軽にアップロードできるようになり、Vloggerと呼ばれる人たちもかなり身近になってきました。Vlogははじめ欧米、アジアなど海外で人気が出はじめ、ほどなく日本でも人気が飛び火し、一般に定着しつつある媒体となりました。
 YouTuberは主に価値提供を主とした動画を製作している方が多いようです。かたやVloggerと呼ばれる人たちはまるで観る日記のように、日常をさらりと発信している方が多く見受けられます。ではこのVlog、どのような手順で制作しているのでしょうか?

 今一番人気なのは、スマホだけで動画も編集も済ませる簡易なやり方です。これは一度パターン化してしまえば、日記のように日々の出来事をつらつらと撮影するだけでできてしまいます。テーマさえしっかりしていれば、自分の好きな日常をサクッと撮って編集してアプロード。じつに容易に作品ができてしまいます。この簡便性がいまVlogger激増中の秘訣でしょう。最近はこのスマホで編集できる優れたアプリが矢継ぎ早に出て、いくつかは瞬く間にそのシェアを独占して人気を集めています。

ダントツ人気はVLLO

 


 VLLOアプリは動画編集アプリです。分割、テキスト、BGM、トランジションなどの精密な制御が可能です。クロマキー、PIP、モザイク、キーフレームアニメーションもあります。画面上で右の2本指で動画のズームインとズームアウトを操作できます。背景の色をカスタマイズしたり、アニメーション効果を追加することも簡単にできます。また、キーフレームアニメーションを使って静止画に没入感を与えることもできます。

 このVLLOはVimosoftの非常に優秀なチームによって開発・管理されており、アプリはすごくに頻繁に更新されています。すでに世界中で数百万ダウンロードされ、記録を更新しています。このアプリは、スマホで実行されている他のアプリケーションを圧迫することはありません。動作も軽快で、ユーザーインターフェースも洗練されているので、一度ルーティーンワークを覚えてしまえば、日課のようにサクサクと毎日動画を更新できます。

iPhoneユーザーならiMovie

  


 iMovieは、iOSとmacOS用に開発された動画編集ツールで、写真や動画を使って、クレジットロールやスタジオのロゴなどが入った完全なストーリー性のあるムービーを作成することができます。

  iOSとmacOSユーザーは、特別な思い出や瞬間、風景を記念した動画を作成して、家族や友人、さらにはクライアントと共有することができます。また、ユーザーは、ハリウッドのような予告編をゼロから作成したり、利用可能なテーマやテンプレートを使用して、カスタマイズして自分だけの動画を作成したりして、クリエイティブな部分を発揮することができます。

 このビデオ編集アプリケーションは使いやすく、4Kビデオ解像度をサポートし、完成した製品は、アップルデバイスから再生し、スクリーンに投影することができます。また、任意のビデオ共有プラットフォームに共有したり、ソーシャルメディアに共有することができます。


 というわけで、いま若い人を中心にこのスマホで動画ブログをアップする人が急増中です。中には観ていて、何が面白いのかわかりにくい動画もあるのですが、不思議に海外の人が日本のVlogを楽しんでいたりします。アメリカでも英語圏以外の日常日記のようなVlogを観る人が増えており、ひたすら競って面白いものを作ろうとしなくても、この文化は定着しそうな勢いです。


アクションカメラの台頭

 次に人気が高いのがGoProに代表されるアクションカメラによる動画です。こちらは自転車、バイク、スキー、スノボ、自動車、カヌー、サーフィン、登山、その他スポーツ中心に動きのある動画であれば、なんでもVlogの材料になる汎用性が人気を集めています。

 お勧めはやっぱり一連のGoProシリーズで、画質も一定の水準を保ちながら、耐久性や防塵防滴性能に優れ、最小の操作機能で最大にダイナミックな映像が大量の撮れる醍醐味が魅力です。

GoProの魅力

 GoProは消費者の嗜好の大きな変化をうまく利用しているため、メジャーで古いライバル企業が失敗しているカメラの販売に成功しています。多くの人にとって、スマホはキヤノンのPowerShotのような典型的なコンパクトカメラに取って代わるのに十分なものになりました。

GoProは、その間隙をついていわゆる「アクションカメラ」という地位を確立しました。エントリーレベルのGoPro HEROの導入以来、同社のカメラは現在129.99ドルから始まり、4K超高解像度ビデオ、スマートフォンのアップロードをスムーズにするためのWi-Fi通信、そしてより速いバースト写真撮影などの豪華な機能が追加され、499.99ドルまで上昇しています。

 GoProのカメラは、用途を良くわきまえたワイドアングルレンズに絞り込み、スマートフォンにはない魅力を引き出した点が素晴らしいです。いくら美麗な映像を撮れるiPhone でもスケートボードのヘルメットに取り付けたり、スキューバダイビングのお供に進んで水中に持ち込みたいとは思わないでしょう。そういったニッチな層に向けて放ったGoProの存在感は、あまたの模造品を生み出しました。しかしその唯一無二の信頼性は揺るぐことなく、現在まで受け継がれています。GoProは今まさに買う価値のある唯一のスタンドアロンのアクションカメラなのであります。


Vlog向けカメラ:その他の選択

 DJI「Pocket 2」OP2CP1

 ジンバルとカメラの合体。これが初めて世に出た時は、まさに意表を突く商品として衝撃的でした。
 DJI Pocket 2は、1/1.7インチ64MP CMOSセンサー、最大8倍ズーム、93°の画角、4つの指向性ステレオマイク、DJI Matrix Stereoオーディオズームを搭載し、軽量で超小型の3軸ジンバルスタビライザーと4Kカメラの組み合わせを利用しています。
 またアップデートされたActiveTrack 3.0、内蔵のグラマーエフェクト、AIエディター、ハイブリッドAF 2.0、モーションラプスなど、スマートフォンアプリを必要としないソフトウェアの機能強化も新たに追加されています。
 家族のビデオを作成したり、写真撮影に映像を追加したり、滑らかなモーションビデオで最新のストリーミング作品をVlogするなど、高解像度のモバイル制作に必要な機能がすべて搭載されています。

 重量はわずか4オンス以上で、このオールインワンユニットは、スムーズな動きと簡単なパン/チルトコントロールのための3軸ジンバルスタビライザーを搭載しています。Pocket 2は、1/1.7インチセンサーとワイド20mm、93°の画角のレンズを搭載しており、100Mb/sの速度で映画のような、4K60ビデオと64MPの静止画を最大256GBまでのmicroSDカードに記録することができます。
 4つのマイクで強化されたステレオ音声を撮影できるほか、ノイズリダクションやカメラのズームに追従するズーム機能を搭載し、より高度な収音能力で強化された音声を撮影することができます。静止画では8倍ズーム、1080pの動画と音声では4倍ズーム、2K動画では3倍ズーム、4K動画では2倍ズームを利用することができます。

 DJIのMimoアプリとiOSまたはAndroidスマートフォンを使用して、プリセットされた撮影パターン、カメラの動き、フィルター、サウンドトラックを使って映像を洗練します。アプリは、グラマーエフェクトを追加したり、基本的な編集をするために必要なものではなく、ワンタッチでモーションラプスに設定することもできます。
 また、アプリを使ってウェブに動画をライブ配信することもできます。同じようなサイズのスマートフォンとは異なり、ハンディなサイズのPocket 2は、ストーリーモード、アクティブトラック3.0、ハイパーラプス、パノラマ、モーションラプスなどのインテリジェントな機能を備えており、説得力のあるクリエイティブな効果を生み出すことができます。180°と3 x 3のパノラマショットから選択して、広い風景を撮影することもできます。

 Pocket 2には、静かに熱を放散するパッシブ冷却システムが搭載されており、リチャージャブルバッテリーで最大140分の録画が可能です。箱には、カバー、ミニコントロールスティック、1/4"-20三脚マウント、リストストラップ、電源ケーブル、USB Type-CとLightningスマートフォン用アダプターが同梱されています。広角レンズ、「Do-it-All」ハンドル、USBスプリッター、三脚、ワイヤレスマイクトランスミッター、充電ケース、電話クリップ、防水ケースなどの追加アクセサリーを別途購入することで、Pocket 2での撮影をより充実したものにすることができます。
 このジンバルカメラというまさに新しいジャンルの登場により、初心者による動画撮影の幅は一気に拡大されたと言っていいでしょう。まさに瓢箪から駒の発想で、新しい映像感覚を味わってみてください。




 ここまではいわゆるデジタルカメラとは一線を画する動画撮影機のご紹介でした。次回は本格的なデジタルカメラによるVlogというテーマについての考察です。どのようなカメラがVlogに相応しいのか。また今回挙げたスマホやアクションカムなどと比べてどのように違うのかも、考察していきたいと考えております。

2021年2月22日月曜日

見直される一眼レフ

今が買い:CANON EOS 80D




 カメラ業界はここ数年の動向からみて、ミラーレスカメラ中心のマーケットに徐々に移行するかに見えました。ところがどっこい、ここへ来て一眼レフがまた見直され始めているようです。というのは特にアメリカで顕著なのですが、昨年のクリスマス商戦でもっとも売れたのはCANON EOS KISSシリーズでした。最新のEOS Kiss X10iとEOS Kiss X9iがツートップで相変わらずカメラ入門機として幅広い層から支持を受けているようです。さらに上位機種ではEOS 90Dも高い支持を得て、並みいるミラーレス機の新鋭に勝る売り上げを続けています。

 注目すべきはこのEOS 90Dの一世代前の80Dの中古市場もまた人気が復活してきたという点です。2019年に90Dが発売されて以来、80Dは旧機種扱いとなって、中古市場でも価格が急落していきました。去年の3月ごろからじょじょに価格が下がり始め、本体価格が日本円にして10万円前後から8万5千程度まで下がったのです。それが昨年の春ごろから落ち続け、以来今年の初めごろまでずっと底値が続く傾向だったのですが、今年に入って価格が急上昇し始めました。

 アメリカでも一般にミラーレスカメラが浸透してきたにも関わらず、実際の売り上げでは話題になったほどミラーレスのフルサイズカメラは売れなかったようです。いやまったく振るわなかったのではないですが、それ以上に一眼レフへの関心がまだまだ根強いアメリカだと判明してきたのです。

優等生EOS 80D

 数あるキャノンの一眼レフの中でも二けたDシリーズはラインアップの中軸を担うミドルクラスのカメラとして定評のあるシリーズです。その中でもEOS 80Dはオールラウンドプレーヤーで、アマチュア写真家が次のステップに進む本格的撮影が可能な高性能機です。またハイアマチュアにとってもフルサイズのサブ機としてそれらに引けを取らない高性能がウリとなっております。

 ここでちょっとその性能を見ましょう。

 キヤノン80Dは2016年に発売されたミッドレンジのデジタル一眼レフカメラで、エントリーレベルのキヤノンRebelシリーズよりもさらに進化したカメラを求める写真家を対象としています。2018年登場と比較的新しいこともあって、新技術を導入しつつ非常に堅実なカメラとなっています。

概要

 80DはISO性能を向上させた2400万画素センサーを搭載しています。前機種70Dの19点オートフォーカス(クロスタイプ)から、80Dは45点のオートフォーカスシステムに進化しており、より広いオートフォーカス範囲と被写体追従性を備えています。

 2つのモードダイヤル、カスタム設定バンク、プロレベルのボタンレイアウトなど、マニュアルコントロールなど本格的撮影に必要な基本機能が充実しています。



キヤノン80Dの仕様

センサー解像度:2400万画素

センサータイプ:CMOS

センサーサイズ:22.5×15mm

センサーピクセルサイズ:3.7μ

ローパスフィルター:あり

センサーダスト処理機能:あり

画像サイズ:6000×4000ピクセル

画像処理装置:DIGIC 6

ファインダータイプ: ペンタプリズム

ビューファインダーの適用範囲:


100%

ファインダー倍率:0.95×

内蔵フラッシュ: あり

ストレージメディア:SD

連続撮影速度:7FPS

バッファサイズ(RAW):25

最高シャッタースピード:1/8000~30秒

シャッター耐久性:100,000回

露出計センサー:7560ピクセルRGB+IR

ベースISO:100

ネイティブISO感度範囲:
ISO 100-6400

増強ISO感度:ISO 25,600まで

フォーカスポイント:45点、オールクロスタイプ

フリッカー検出:あり

ビデオの最大解像度:1920 × 1080 最大 60 fps

LCD のサイズ: 3 "

LCDタイプ:バリアングル

タッチスクリーンLCD:あり

内蔵GPS:なし

Bluetooth:なし

内蔵Wi-Fi/NFC: あり

バッテリー:LP-E6N リチウムイオン電池

電池寿命:960ショット(CIPA

防塵防滴処理:あり

USBバージョン:2.0マイクロB

重量(本体のみ):730g

外形寸法:139×105.2×78.5mm



 ご覧のように、CANON 80Dはこのクラスのデジタル一眼としては過不足のない機能で固められています。毎秒7コマはデジタル一眼レフカメラとしては非常に立派であり、デュアルピクセルオートフォーカスのような機能はミラーレスカメラの最高の特徴といえます。バッテリー駆動時間も、1回の充電で960枚の写真が撮影できるという優れものです。

 一方でBluetoothや4Kビデオなど、出せる技術の一部を保留しているような気もします。また、80Dはメモリーカードスロットが1つしかないので、一部の写真家(結婚式など一生に一度のイベントを撮影する人など、1つのスロットでは安心できない人)には敬遠されてしまうかもしれない。


ハンドリングと人間工学

 全体として、キヤノン80Dの操作性は非常に良いです。特に上級者向けのカメラとしては、非常に機能的で使いやすく、重厚感がありデザインにも配慮されています。このクラスのカメラに見られるようなボタンの欠落もなく、キヤノンのメニューシステムは今でも最高のカメラの一つだと言えます。

 敢えて難を言うならバリアングルのため画面が横に反転し、カメラの左側にボタンを配置するスペースが少なくなっています。そのため、カメラの右側と上部に操作部が密集してしまい、レイアウトに慣れていないと間違ったボタンを押してしまうことがあります。また、ボタンの形状や大きさ、操作感が同じなので、80Dのレイアウトに慣れていない人は、ファインダーから目を離してどれを押しているのか確認する必要があるかもしれません。

 ボタンやメニューオプションが著しく不足している低価格のデジタル一眼レフカメラやミラーレスカメラと比較しても、圧倒的にCanon 80Dの方が有利です。80Dでは、重要な設定を調整するために頻繁にメニューを入力する必要はありません。




造りの質

 総じてCanon 80Dはよくできています。比較的軽量なポリカーボネート/マグネシウムのボディは、手に持ったときに非常に頑丈に感じます。キヤノン80Dは、競合するD7500を含む多くのニコンのカメラよりも優れていると言っても過言ではありません。これは主にグリップ素材の質の高さと、カメラボディ自体のより湾曲した仕立ての良さによるところが大きいでしょう。

 80Dの画面は、液晶はもちろんシャープですが、撮った写真を見直すときに写真が格別に良く見える不思議な能力を持っています。これは単にキヤノンのJPEG設定などのせいではなく、画面自体がニコンのものとは異なるよりよいキャリブレーションがなされており、彩度色調が増し、実際よりきれいに見えるのだと思います。
 
 80Dの18-55mmキットレンズは、品質が非常に良いです。小型軽量で、2つのスイッチ(手ぶれ補正とオート/マニュアルフォーカス)がついています。キヤノンの18-55mmはオートフォーカス時にマニュアルフォーカスができるのも優れています。



EOS 80Dのいい所

 敢えて言いますが、このカメラは特に「最高」というわけではありません。でもオートフォーカスやISO性能では定評あるニコンD7500さえ凌駕していると思います。

 洗練されたメニューレイアウトとプロレベルのボタンレイアウトが快適ですし、(タッチスクリーン、色、チルトフリップの柔軟性の点で)先進的なLCDも見逃せません。また、作り込みの良さと手触りの良さもトップレベルです。いずれにしても、より高いスペックとテスト数値を誇るカメラが多い中で、キヤノン80Dはそれに負けていません。それは、キヤノンが長年にわたって現場で使えるように製品を磨いてきた証でもあります。


キヤノン80Dの長所

使いやすいメニューシステム

シャープで鮮やかな液晶

高品質なバリアングルとタッチスクリーン

便利で高度な機能のカスタム設定モード

デュアルピクセルのオートフォーカス

低照度条件でも動作するオートフォーカス

頑丈な機体品質とカメラ本体のデザイン

高画質キット18-55mmレンズ


 全体的に見て、Canon 80Dは非常に優れたカメラであり、Canonのラインナップの中では最高の価値を持つカメラの一つです。最新機種の90Dはさらに洗練された機能が搭載されていますが、中級クラスかそれ以前の腕のカメラマンなら、価格のこなれた今、
80Dがベストの選択です。驚くべきことに、発売当初アメリカで本体価格$12000だったものが、いま$840前後で買えます。これは性能と照らし合わせると超お買い得と言えます。中古ならこの間eBayで18-135mm EF-S f/3.5-5.6 IS USMのレンズ付きで$678.89などというものも出ておりました。いままた一眼レフが見直され、Canon 80Dの相場価格が上がりつつあります。ミラーレスはまだちょっとという方には、またとない選択肢がCanon 80Dなのであります。


2021年2月21日日曜日

富士フィルムの中判カメラ

GFX 100S:モンスター級のカメラ

 


 先ごろ富士フィルムから発表され、来る「CP + 2021 ONLINE」でも大々的に宣伝されるであろう最新中判カメラ、GFX 100S。これがいま予約注文で予想を上回る反響だそうです。
 ちょっと前までは中判センサーなんてプロの中でも特殊な撮影時のみ必要なカメラだと認識していましたが、時代は変わりつあるようです。
 大きなトレンドが一眼レフのAPS-C機からフルサイズ・ミラーレスに移行しつつある中、全体のスペック底上げが著しく、さらなる高みへ向けて、カメラファンは中判カメラも普通に視野に入るようになったという事でしょうか? 
 この富士フィルムGFX 100Sの少し前には、SONYからフラッグシップ機「a1」が発表され、そのすさまじいスペックと値段に、カメラファンの間ではどよめきが起こったばかりです。
 
 富士フィルム渾身の最新鋭中判カメラとはどういうものなのでしょうか?
 
 GFX 100Sは、富士フイルムの4台目のミラーレス中判カメラで、102メガピクセルのセンサー、4K/30p動画撮影、6ストップの5軸手ブレ補正(IBIS)を搭載しています。

 驚いたのはサイズ感です。前期種のGFX 100はいかにも中判カメラといういかつい形状で、一眼レフ機に比べて小型化を図ったと謳われていた割には、そこそこ重たく、かさばるプロ専用機という印象でした。(もっとも2017年に発表された
GFX 50も中判としては十分インパクトのある小ささでしたが)
 今回は35mmフルサイズのデジタル一眼レフカメラよりもさほど重くもなく、-5.5EVの低照度下でも0.18秒でピントを合わせられ、天板にはPASMダイヤルと1.8インチのサブ液晶モニターを搭載したスタンダードなザ・カメラといった形状です。巨大なセンサーを積んでよくもここまでコンパクトにできたなと感服します。
 携帯性のために性能を犠牲にすることなく、世界で最もコンパクトで高性能な大判カメラのひとつを生み出した、ということでしょうか。
 じっさいこれまでのどのGFXシステムカメラよりも進化しており、富士フイルムの最高のイメージング技術を結集して、わずか900gのカメラに仕上がっています。また、フルサイズカメラと同等のサイズながら、フルサイズセンサーの1.7倍※2の102万画素センサーを搭載し、最大6段の5軸手ブレ補正機能(IBIS)、驚異的な高速・高精度オートフォーカス、世界に誇る色再現性など、富士フィルムの技術の粋が結集した最高機種と言えるものです。
 また先代GFX 100の画期的なアイデアをベースに、「機動性」と「携帯性」をコンセプトに、大判カメラの可能性を超えた、これまでにない大判映像制作の可能性をクリエーターに提供するカメラ、とメーカーは謳っています。

 なお本機には、1970年代に登場したアメリカのニューカラー写真を彷彿とさせるといわれる「ノスタルジック・ネガティブフィルム・シミュレーション」を初めて搭載しました。

 
GFX100Sは2021年3月4日から発売され、本体の価格はアメリカで6000ドルから。





GFX100Sの主な特徴

 富士フイルムの高性能クアッドコアCPU「X-Processor 4」を搭載したGFX 100Sは、102メガピクセルの裏面照射型大判CMOSセンサーを搭載し、圧倒的な画質を実現しています。従来のフルフレームのデジタル一眼レフカメラやミラーレスカメラに一般的に搭載されている小型で低解像度のセンサーと比較して、富士フイルムGFX 100Sの撮像センサーは約1.7倍の大きさで、光に対する感度が非常に高くなっています。これにより、信じられないほど浅い被写界深度、素晴らしいダイナミックレンジ、忠実な色再現、優れた高ISO性能を持つ画像を生成するという点で、小型センサーに比べて大きなアドバンテージを得ています。

 富士フイルムの色再現の専門知識は、画像メーカーの間では伝説的な存在です。富士フイルムは86年以上にわたり、世界中で象徴的な写真や映画を生み出してきました。GFX 100Sは、世界で最も広く評価されているデジタルカラー処理エンジンを搭載しており、ボタンを押すだけで、この豊富な色再現を実感できます。
 本機にはFUJIFILM独自の19種類のフィルムシミュレーションモードを搭載しているので、カメラから撮って出しで素晴らしい色を表現することができます。GFX 100Sには、新しいフィルムシミュレーションモード「ノスタルジック・ネガ」が搭載されています。1970年代に登場したアメリカのニューカラー写真を彷彿とさせ、この色を意図的に使うことで写真の創造性の境界線を広げることになりそうです。その独特の色調は、ハイライト部分に琥珀色のトーンを加えてソフトな印象を与え、シャドウ部分の彩度を高め、ディテールを維持したまま、画像に叙情的な雰囲気を与える、ということです。


低照度下でも優れた高性能ミラーレスAF

 他の多くの大判カメラや中判カメラとは異なり、センサー上の位相差画素がGFX 100Sの撮像素子のほぼ100%をカバーしているため、これまでの大判デジタルカメラでは実現できなかったオートフォーカス性能を実現しています。これにより、-5.5EV*4という低輝度下でも、最短0.18秒でピントを合わせることができ、汎用性が高く、精度が高く、驚くほどの高速性を実現しました。また、「X-Processor 4」を搭載し、「トラッキングAF」や「顔・目AF」を使用した場合にも、最新のフォーカストラッキング・アルゴリズムを効率的に活用し、ピントを合わせやすくしています。


最新の手振れ補正

 GFX 100Sは、新設計のボディ内手ブレ補正機構(IBIS)を搭載し、写真家の手ブレ補正能力を飛躍的に向上させました。GFX 100SのIBIS機構は、FUJIFILM GFX 100に搭載されているユニットと比較して、20%の小型化と10%の軽量化を実現しています。しかし、このような小型化にもかかわらず、5軸システムはCIPA規格の手ブレ補正機能を6段分搭載しており、GFX 100と比較して0.5段分の手ブレ補正効果を実現しています。


携帯性を考慮した高性能

 900g、幅15cm、高さ10.4cm、奥行き8.7cmのコンパクトなボディは、多くのフルフレームカメラに匹敵するサイズです。しかし、そのコンパクトなボディにもかかわらず、高性能なIBISと、一般的なフルサイズの約2倍の102MPの撮像素子を搭載しています。GFX 100Sは、シャッターユニットとIBISユニットを一新し、小型ながらも高効率なリチウムイオン電池を採用しました。これにより、GFX 100よりも約6cm短く、500gの軽量化を実現し、小型化しながらも、静止画や動画の性能を維持しています。そのため、GFX 100Sの小型化は、手にしっくりと馴染む堅牢性の高いグリップによってバランスが取れており、長時間の撮影でも非常に持ちやすくなっています。

 GFX 100Sは、-10℃という低温での使用を想定し、防塵・防湿性を備えています。また、マグネシウム合金製のケースを採用し、GFX 100と比較してレンズマウント周りを1mm厚くしているため、大型のGマウントレンズにも対応できます。


慣れ親しんだ操作性

 富士フイルムGFX 100Sは、GFXシステムを初めて使う人にも、既存の写真家にもなじみのある操作系を採用しています。例えば、6つのプログラム可能なカスタムオプションを備えたPASMダイヤルは、頻繁に使用する設定に素早くダイレクトにアクセスできます。人間工学に基づいて改良されたフォーカスレバーは、フォーカスポイントの選択を簡単かつスムーズにします。

 背面には3.2型液晶モニター、天板には1.8型サブ液晶モニターを搭載し、シャッタースピード、絞り、ISO感度、露出補正などの主要なEXIF設定の表示や、主要機能のステータス表示、ストレージメディアの容量表示などのカスタマイズが可能です。3.2型のタッチ対応液晶ディスプレイは236万ドットで、3方向(上90度、下45度、右60度)に傾けることができ、100%のカバー率を実現しています。


動画:スムーズな4K30Pを実現
  
 大型の撮像素子を搭載したGFX 100Sは、浅い被写界深度、高ISO性能、広い階調性など、映画のような4K/30p動画を撮影することができ、他の追随を許さない画質を実現しています。映像は、内部でSDカードに記録する10ビット4:2:0 F-logから、HDMIポートを介して12ビット4:2:2 ProRes RAWまで、さまざまな品質レベルで400Mbpsのビットレートで記録することができます。

 GFX 100Sは、4K映像を16:9のアスペクト比で記録できるほか、デジタルシネマでよく使われる17:9のアスペクト比にも対応しています。H.264やH.265のような最も一般的に使用されている圧縮コーデックも利用できます。さらに、REC.2100サポートのハイブリッドガンマログ(HLG)やF-Logのようなプロ仕様の規格を選択して、クリエイティブなコントロールを完全に行うことができます。H.264のような一般的な圧縮コーデックを使用する場合と比較して、F-LogやHLGで映像を記録することで、編集やカラーグレーディングプロセスを経て、輝度、彩度、その他の画像属性の調整が行われるため、ポストプロダクションの柔軟性が向上します。

 画像ベースの調整やカラーグレーディングのオプションで最大限の柔軟性を実現するために、GFX 100Sは、4K/30Pの映像をHDMI経由でAtomos Ninja V Recording Monitorに直接12ビットRAWで記録し、後でProRes RAWとして出力することもできます。これにより、カメラ内の処理にとらわれず、制作後のポストで映像に関するすべての判断を行うことができます。また、RAW映像とフィルムシミュレーションモードを適用したF-LogやHLG(Hybrid Log Gamma)の映像を同時に出力することも可能です。

 というわけですべてが型破りなカメラですが、ちょっと前に発表され、話題を独占したソニーのフラッグシップ機a1と比べるとどうなるのでしょうか?




フジフィルムGFX100S 対 ソニーa1

 まずはその価格から。Digital Camera Worldによると、ソニーa1は6,499ドルで、キヤノンEOS R5と比較し、a1はキヤノンを凌ぐカメラと評価しています。一方、富士フイルムGFX100Sは5,999ドルで販売されています。格上とされる中判の富士フイルムGFX100Sの方がかなり安いというのは注目に値します。

ボディサイズ、センサー、モニター、EVF
 サイズ的には、富士フイルムGFX100Sの方がソニーa1よりも大きめです。ソニーが厚さ80.8mm、幅128.9mmなのに対し、富士フイルムは厚さ87.2mm、幅150mm。高さでは、ソニーの96.9mmに対し、富士フイルムは104mmと高い。

 センサーについては、ソニーが35.9×24mmであるのに対し、富士フイルムは43.8×32.9mmとかなり差があります。メガピクセルでは、a1の50.5MPに比べてGFX100Sは102MPと2倍の解像度を誇ります。
 
モニターの違い
 ディスプレイは、どちらもチルト式で光軸に沿って素早く上下に向けられるのが素晴らしいです。ただ富士フィルムのモニターは、さらに右に傾けたい場合は、45度または60度に傾けられ、縦位置撮影もある程度対応可能です。
 またa1は800×600ピクセルで3インチの画面ですが、GFX100sは3.2インチで1024×768ピクセルでより高い画面解像度を持っています。
 EVF(電子ビューファインダー)、a1は0.9倍の拡大撮影が可能な0.64型の有機ELパネルを搭載しています。a1のピントは2048×1536ピクセルと、フルHD以上の完成度を誇ります。一方、GFX100sは0.77倍の倍率で、解像度は1280×960ピクセルの720pしかありません。暗い場所での撮影が好きな方は、モノクロモードの有機ELを搭載したフジフイルムの方に関心が湧くかもしれません。

オートフォーカス、バスト性能、バッテリー
 GFX100Sは、5fpsのトップスピードで3秒間のバースト撮影ができます。一方、ソニーは30fps。メカニカル・シャッターを使用したい場合は、10fpsになります。a1は238枚のRAW写真をバッファに入れることができるので、バースト性能を重視するならソニーに軍配が上がります。
 スピードに関してはa1のほうがフジよりも優勢です。ソニーのミラーレス用オートフォーカスは、やはり業界最高水準です。また、759点の位相差はフレームの9%を占めています。一方、フジのオートフォーカスは425点の位相差までしか届きません。

 バッテリー寿命については、静止画で530回、ストレート動画で150分撮影できるので、ソニーa1の方がはるかに優れています。GFX100Sは1080pで静止画460枚、動画110分しか撮影できません。4K動画を撮影したい場合、フジは95分しか撮影できません。

総括
 どちらのカメラも現代持ちうる最高のテクノロジーを駆使しており、なおかつプロや専門家にとどまらない、一般向けをアピールした機種となっています。使い勝手の良さ、ユーザーフレンドリーがひと昔前のカメラとは大きく違い、誰もが簡単にハイレベルの写真を撮れる時代になったものです。どちらが良いか優劣はつけがたく、それぞれの用途に応じて選ぶことになるでしょう。


2021年2月20日土曜日

無料のフォトエディタ

タダで使える写真編集ソフト



 プロから趣味で写真を撮る人まで、いま一番勢いのある写真編集ソフトと言えば、Lightroomでしょう。大量に撮った写真をまとめて一括管理しやすく、RAWで撮った写真を思うように編集できるのが人気の秘密です。細かい色調調整なども多彩な機能で自在にできるので、本格的に写真編集する人には欠かせないソフトです。


 こちらはAdobeのサイトから月額1078円のフォトプランでPhotoshopと抱き合わせでサブスク購入できます。
 しかし初心者にとってはいささか荷の重いソフトでもあり、頻繁に使う人でなければ他のオプションも検討したいところです。そこで今回は、Lightroomに行く前に試しておきたい無料の写真編集ソフトを集めてみました。いずれもそれぞれのサイトか、Microsoft StoreやApp Store、Google Playなどでダウンロードできます。これらをいくつか試してみて、使い勝手が良いものがあれば、儲けものです。中には有料版への撒き餌のようなソフトもありますが、そこは長く付き合えると確信したうえで、アップグレードすればよいことです。これらのソフトでどうしても満足できなければ、やはりLightroomがおススメです。それには及ばないものの、人によっては十分すぎるほどの無料ソフトもあります。ぜにご自分の手で確かめて、一番合ったものをマスターしてみてください。


1. Canva

 Canvaはウェブブラウザ上で動作するフォトエディタで、お気に入りのスナップをカード、ポスター、招待状、ソーシャルメディアの投稿にするのに最適です。洗練されたオンラインプレゼンスを維持することに興味がある方にぴったりのツールです。

 Canvaには無料と有料の2つのレベルがありますが、無料レベルはホームユーザーに最適です。メールアドレスを入力してサインアップするだけで、スナップやデザイン用の1GBのクラウドストレージが無料で利用でき、8,000種類のテンプレートを使用して編集することができ、仕事を整理しておくための2つのフォルダが用意されています。

 クローンブラシやスマートセレクタのような高度なツールはここにはありませんが、色合い、ビネット効果、シャープネス、明るさ、彩度、コントラストの調整などを適用するための便利なスライダのセットなどがあります。テキスト編集ツールは直感的で、背景やその他のグラフィックも豊富に用意されているので、デザインを初めて間もない人でも、テンプレやガイドに従って、容易に作品を完成させることができます。



2. Fotor

 Fotorは、あなたの写真を素早くブラッシュアップさせるのに最適な無料のフォトエディタです。クローンブラシやヒーリングツールを使ってレタッチする必要がある場合は、要求に応えられません。しかし、あなたのニーズがシンプルな場合、つまり込み入った編集をしないという人には、ハイエンドのフィルターを使って素早く編集を終えることができます。

 初めてでも使いやすいチルトシフトツールや、ビンテージ感のある鮮やかな色調の調整など、Fotor の賢いメニューシステムを使って簡単にアクセスできます。カーブやレベルを手動で変更することもできますが、ハイエンドのツールのような複雑さはありません。

 Fotorの特徴的な機能で、多くのフリーのフォトエディタに欠けているのは、バッチ処理ツールぐらいでしょう。



3. Paint.NET

 多機能ソフトが必ずしもベストというわけではありません。Paint.NETのシンプルさは、それ自体が主なセールスポイントの一つです; それは、迅速かつ簡単に操作できるフリーのフォトエディタです。

 しかし、名前に騙されてはいけません。これはマイクロソフトの超基本的なペイントの安っぽいコピーではありません。それは、 曲線の基本的な操作も上手く習熟できる、 正真正銘のフォトエディターです。

 Paint.NETのインターフェイスは、その名前の由来を思い起こさせますが、何年もの間に、レイヤー、元に戻す履歴、たくさんのフィルター、無数のコミュニティ作成のプラグイン、画像を再構成するのに便利な素晴らしい3D回転/ズーム機能などの高度な編集ツールが追加されました。


4. GIMP

 GIMP (GNU Image Manipulation Program) は最高の自由なフォトエディタです。プレミアムソフトウェアで見かけるような画像を強化するツールが満載で、 毎日さらに多くのツールが追加されています。

 写真編集ツールキットは無料とは思えない洗練された美しさで、レイヤー、マスク、カーブ、レベルなどの機能を備えています。優れたクローンスタンプとヒーリングツールで簡単にキズを除去したり、カスタムブラシを作成したり、遠近法の変更を適用したり、スマートな選択ツールで孤立した領域に変更を適用したりすることができます。

 GIMP はオープンソースのフリーフォトエディタで、 ユーザーや開発者のコミュニティはその実用性をさらに高めるために膨大なプラグインのコレクションを作ってきました。これらのプラグインの多くはプリインストールされていますし、 公式の用語集からダウンロードすることもできます。それだけでは物足りない場合は、Photoshopプラグインをインストールすることも可能です。



5. Adobe Photoshop Express Editor

 Adobe Photoshop Express Editorは、その名の通り、世界をリードするAdobeの写真編集ソフトウェアの縮小版、ブラウザベースのバージョンです。驚くべきことに、ダウンロード可能なPhotoshop Expressアプリよりも豊富なツールキットを備えていますが、16MB以下のJPG形式の画像のみをサポートしています。

 これもFlashベースのツールですが、アドビはすべてのプラットフォームに対応した便利なモバイルアプリを提供しているので、スマートフォンやタブレットを使っていても見逃すことはありません。

 この無料のオンラインフォトエディタは、アドビに期待するような素晴らしい機能を備えており、ライバルのいくつかほど多くのツールを誇っているわけではありませんが、そこにあるすべてのものが完璧に洗練されています。間違いなくAdobe Photoshop Express Editorは楽しく使えます。唯一の欠点は、アップロードできるファイルサイズと種類に制限があることと、レイヤーのサポートがないことです。



6. Ashampoo Photo Optimizer

 急いで編集しなければならない写真がたくさんある場合、Ashampoo Photo Optimizerはあなたのためのツールになるかもしれません。そのインターフェイスは、きれいで散らかっていないと、多くのユーザーから評価されています。
 写真のインポートは簡単で、プールに追加されたら、貴重な時間を節約して、回転させたりミラーリングしたりするために、一度にいくつかの写真を選択することができます。また、ソフトウェアのワンクリック最適化ツールを使って、個々の写真を選択して強化することもできます。風景写真には特に効果があるのですが、他の被写体には必ずしも優れているとは言えません。

 手動で色や露出を補正したい場合は、6つのスライダを使って正確に補正することができます。同じ色の変更を写真全体に一度に適用できないのは残念ですが、それ以外は素早い補正を行うための素晴らしい無料フォトエディタです。

 より高度な編集をしたい場合は、Ashampoo Photo Optimizer 7、最適化ツールが強化されたプレミアムバージョンをチェックして
みてください。



7. Photo Pos Pro


 Photo Pos Pro は Paint.net や GIMPほど知られていませんが、Photo Pos Pro も最高品質のフリーフォトエディタで、高度な画像処理ツールを満載しています。

 このフリーのフォトエディターのインターフェイスは、GIMP のメニューやツールバーの配列よりもスマートで使いやすく、すべてが論理的で一貫性のある方法で配置されています。それでもまだ威圧感があるという方には、Fotor のフィルターベースのアプローチに似た「初心者用」のレイアウトもあります。選択はあなた次第です。

 エキスパート版レイアウトには、洗練された編集のためのレイヤーとレイヤーマスクの両方があり、カーブやレベルを手動で調整するツールもあります。メインメニューからワンクリックでフィルタにアクセスすることもできますが、より細かい編集に重点が置かれています。
 Photo Pos Proの無料版では、最大1,024 x 1,024ピクセルでしかエクスポートできないのが残念です。オンラインで共有するために画像を準備している場合は問題ないかもしれませんが、作品を印刷したい場合はソフトウェアの有用性が制限されてしまいます。


8. PhotoScape


 PhotoScapeはシンプルな無料フォトエディタのように見えるかもしれませんが、メインメニューを見てみると豊富な機能を見つけることができます。
 PhotoScapeのインターフェイスは、私たちがここで見てきたすべてのアプリの中で最も難解なものの一つで、ツールは奇妙な構成のページにグループ化されています。確かに独創性はあり、Photoshopの真似をしようとはしておらず、機能も少な目です。
 PhotoScapeのフィルタはかなり高度なので、写真を素早く水平にしたり、シャープにしたり、スナップでマイルドなフィルタリングを追加したりする必要がある場合には良い選択だと思います。



9. Pixlr X

 Pixlr X は、Pixlr Editor の後継バージョンです。Pixlr Editor は、長年にわたって私たちに愛されてきた無料のオンラインフォトエディタの 1 つでした。
 Pixlr X では、前身の Pixlr Editor にいくつかの改良が加えられています。まず、Pixlr X は Flash ではなく HTML5 をベースにしているため、最新のブラウザでも動作します。また、Photoshop Express を彷彿とさせるインターフェイスと、ダークまたはライトのカラースキームを選択できるようになっています。

 Pixlr X では、色や彩度を細かく変更したり、画像をシャープにしたりぼかしたり、ビネット効果やフレームを適用したり、複数の画像を結合したりできます。また、多くの無料オンライン写真エディタにはないレイヤーもサポートされており、ペイントや描画のためのさまざまなツールが用意されています。高度な作業にも最適です。



10. PiZap

 無料のオンラインフォトエディタPiZapは、HTML5とFlashの両方のエディションで利用できるので、どのデバイスにも適しています。ハードドライブ、Facebook、Google Photos、Google Drive、Google Search、またはストックイメージのカタログから写真を選んで作業することができます。ストックイメージの一部はプレミアム購読者にのみ利用可能であり、Googleイメージズから直接写真を使用する場合は著作権の問題に注意する必要がありますが、これは印象的な選択肢です。

 piZapの編集インターフェイスは、迅速な調整のためのスライダーを多用する暗い, モダンなデザインを持っています - あなたがタッチスクリーンデバイスを使用している場合は、トリッキーなアイコンやドロップダウンメニューよりもはるかに優れた動作するシステム.

 作成したものは、最大手のソーシャルメディアネットワークや、piZap独自のサーバー、Dropbox、Google Driveで共有することができます。また、ハードドライブに保存したり、電子メールで送信したり、埋め込みコードを取得したりすることもできます。あなたがプレミアムエディタのために財布を開いている場合にのみ、高品質であなたの作品をエクスポートすることができますが、愚かなソーシャル共有のためにそれが問題になることはほとんどありません。



その他のフリー・フォトエディタ

Ashampoo Photo Commander Free

 Adobe Lightroomに代わる無料のソフトウェアで、ワンクリックで画像のバッチを修正できるフィルターを使って、写真を編集して整理することができます。

IrfanView


 Lightroomに代わるもう一つの可能性を秘めたIrfanViewは、写真を一括で編集したり、タグ付けしたり、整理したりするためのシンプルながらも効果的なツールです。


フォトエディタの選択肢

 無料のフォトエディタを選ぶ際、まず最初に考慮すべきことは、自分の自信と経験のレベルです。単純にいくつかの調整(例えば、シミの除去や色の改善)をしたい場合は、シンプルなオンラインツールが最適で、オプションに圧倒されることなく作業を行うことができます。

 一方、より高度な編集に興味があるのであれば、レイヤーやマスクなどのツールを提供し、プロセスを完全にコントロールできるデスクトップソフトウェアを選ぶとよいでしょう。

 デスクトップソフトウェアは、編集する写真が複数ある場合にも適しています。無料のフォトエディタの中には、写真を一括で編集できるものもあり、膨大な時間を節約することができます。

 また、エクスポートした写真を何に使用するかを考慮する価値があります。オンラインのフォトエディタは、多くの場合、JPG形式で比較的低い解像度でしか画像をエクスポートできません。オンラインで表示したい画像には良いかもしれませんが(多くのフォトエディタにはFacebookやTwitterに直接画像を送信するツールが含まれています)、プリントしたい場合は、GIMPやPaint.NETのようなツールの方が、あらゆるフォーマット、高解像度でのエクスポートが可能です。


 以上、今現在アメリカで流通しているフリーの写真編集ソフトをご紹介してきました。まだまだこの分野の編集ソフトには未知の可能性を秘めたソフトやアプリがたくさんあります。またいいものが見つかったらご紹介していきたいと思います。

2021年2月19日金曜日

写真の撮り方とコツ 2

初心者用:写真を上手く撮る方法




上手くなる写真:後編


2. 必要十分な光を確保

 撮影に際し、周りの環境を見て光量の多寡を確認することは、重要な要素であり、経験の浅いカメラマンがしばしば見落としがちなものです。最初のステップは、被写体が見えるように十分な光があることを確認することです。十分な光がない場合、カメラは露出関連の全機能を駆使して少ない光を補わなければいけません。

 

3. 照明器具を手に入れる


 限られた光の中でいかに上手く撮るかは写真家の腕の見せ所です。でも初心者はなかなかそこまで上手く撮れません。利用可能な光だけに頼るのは、撮影のための正しい方法とは限りません。プロのカメラマンは、照明について多くの時間を費やし、ありったけの照明機器を使うことも厭いません。しかし、ビギナーならまずは最小限の設備でいかに光を補えるのかを知るべきであります。


レフ板を試してみる

 レフ板のレフはreflexつまり光の反射のことをいいます。影ができる側に光を反射するレフ板を使うことで、光をあてて被写体を明るくできます。レフ板というのは、光を反射する色や材質を持っているので、被写体に陰影をつくりすぎないように光を調節する撮影補助器具なのです。
 汎用性の高いレフ板は、通常反射材料の異なるタイプから作られたリバーシブルカバーが付属しています。例えば、明るい光に対応した銀色のカバー、柔らかい光を反映する白いカバー、そしてシーンから光を除去するための黒のカバーなどもあります。


フラッシュとディフューザー

 写真をプロっぽく見せるためには、ライティングが重要な要素です。スタジオ用のストロボなどのライティング機材はかなり有効な手段です。でもその前にカメラのフラッシュも忘れてはいけません。
 フラッシュは人工的な仕上がりで嫌だという人もいます。もし、光がキツイと感じて使用をためらっているのであれば、いくつかの解決策があります。その中でも特におすすめなのが、外部ストロボです。カメラのホットシューに取り付けて使用するか、オフカメラで使用するかにかかわらず、外付けフラッシュは、はるかに柔軟性を持っています。
 ひとつは、被写体に直接光を当てるのではなく、バウンスと言って、光を壁や天井に向けて反射光を利用する手法です。光がより均等に広がり、光の強さを感じにくくなります。また、外部フラッシュ用の様々なフラッシュ・ディフューザーも販売されており、光を表面に反射させずに光を和らげることができます。
 

 また、多くの写真家は、さまざまな半透明の白いプラスチック容器などを利用して、それぞれ手作りのデフューザーを作ったりします。



光の効果を試してみる
 
 ファインダーを覗くのに慣れると、光が被写体に与える影響の大きさがわかってきます。光の射し方ひとつで写真の雰囲気はガラッと変かわります。また様々な方法で光を味方につけると写真が面白くなります。

 例えば、以下のようなシチュエーションは撮影効果絶大なので、試してみてください。

ゴールデンアワー
 ゴールデンアワーとは、日の出直後から日没前までの時間を指しマジックアワーとも呼ばれます。まるで魔法にかかったような、黄金色の光に包まれた写真が撮れる時間帯です。また、太陽が低くなっているので、影が長くなり、ドラマチックな写真が撮れます。

シルエット
 沈みゆく太陽のような明るい光の前で被写体を撮影し、カメラの設定を手動で調整して、光の背景に暗いシルエットが残るようにしてみましょう。影絵のような被写体。それををつつむように光の背景を淡くファンタジックに演出すると、とてもアートな写真が出来上がります。

複雑な光の応用
 明るい光と影がたくさんある場所や時間帯に撮影すると、コントラストのある面白い写真が撮れます。なにも考えず下手に撮ると、ただごちゃごちゃしたスクラップのような写真になりがちですが、全体を支配する色調を意図的に統一すると、見違えるように変身させることができます。以下がその一例です。

 




4. 写真の編集

 デジタルフォトの時代、プロの写真家もRaw画像で撮影して、パソコン上で編集する時代です。写真に細工を施すのを潔しとしない時代もありましたが、過度の特殊効果をしなければ、撮影の意図を損ねることはありません。むしろ光と撮影の関係を学ぶため、積極的に写真の編集に挑むべきです。
 ライトルームやフォトショップはプロの写真家御用達の編集ソフトです。トリミング、明るさの調整、色の補正、その他の調整など、どんな画像でも自在に編集することが可能です。
 多機能なため、操作を学ぶのに時間を要しますがそれだけの価値があります。アドビのウェブサイトには、オンラインで学べるチュートリアルもたくさんあります。

 無料の編集ソフトをのぞむのであれば、いま最も人気があるのはGIMPです。アドビのソフトに劣らないくらいの豊富な機能がたくさんあります。

 

5. カメラの設定を学ぶ

 カメラのオート設定に頼っていると、いつまでたっても良い写真の撮り方を理解することができません。ステップバイステップで、シャタースピード優先や絞り優先を試していき、焦らずオールマニュアルに至るまでの操作法を試していきましょう。

 一つの方法として、Pつまりプログラムモードを参照しながら撮るやり方があります。ご存じのようにPモードはどのカメラにも搭載されたモードで、カメラが最適な露出を設定してくれます。このカメラの判断と自分のマニュアル設定とを対決させるのです。同じ被写体を同じ場所同じアングルで二度撮ります。一度目はPモードで、次にマニュアルモードで自分が最適と思う設定にして撮るのです。すべての撮影をこうしてペアで二枚ずつ撮って、あとで見較べてみましょう。Pモードはほとんどの場面でそつなく撮れているはずで、いいお手本になります。
 ここでただ勝った負けたにこだわるのではなく、こんな場合にカメラはこう判断した、という数値的検証を怠らないことです。カメラは極めて論理的な装置なので、撮影の際の絞り値、シャッタースピード、ISO値、露出補正何段などはすべてデータとして役に立ちます。ときとして人の判断の方がいい場合もありますが、初心者の場合は、Pモードで撮った写真の結果は重く受け止めて、今後の反省材料として活用してください。 
 



6. 三脚を選ぶ

 すでにいくつかの照明機材について説明しましたが、プロの写真を撮る方法を知りたいのであれば、写真機材を追加することを検討してみてはいかがでしょうか。
 カメラやレンズに手振れ補正がついていて、手持ち撮影に慣れているのであれば、三脚は必要ないと思うかもしれません。しかし三脚があれば、三脚なしではできない様々な撮影テクニックを試すことができます。例えば
長時間露光、テザリング撮影、暗所撮影などに役立ちます。もちろん家族や集合写真に自分を加えることもできますね。
 


7. カメラ選び

 初心者が買うべきカメラに関しては様々な意見があります。Canon EOS Kiss シリーズのビギナーガイドのように図解で被写界深度やシャッタースピードを解りやすく示してくれるものもあります。まさに至れり尽くせり、写真の知識がなくても、カメラ任せで簡単にきれいな写真が撮れます。

 一方で、初心者こそハイグレードで高性能なカメラを持つべきという意見があります。こちらは初心者だからこそ、すべての機能が詰まった高いスペックのカメラでその恩恵を受けるのが妥当だという意見です。たしかにエントリークラスのカメラでは上手く撮り切れない被写体も、ハイエンドカメラなら易々と撮れることはあるでしょう。
 そういったことを踏まえると、どちらも一理あるのですが、つまるところカメラはその人との相性を第一に考えるべきかと思います。いかに高スペックのカメラでも重たくて持ち出さなくなったでは宝の持ち腐れです。逆に安くて評判のいいカメラだったけど、使い勝手が悪くて、思うように撮れない、などとカメラのせいにする話もよく耳にします。
 メーカーごとのカラーもあります。またカメラそれぞれに固有の特徴・特性があり、使ってみなければ見えてこない部分も多いものです。そういうことから、まずは自分が店頭で手に取ってみて、しっくりくるものを選んでみてください。スペックや巷の評判よりも、自分の感覚を信じてみましょう。相性は決して侮れないものです。



まとめ

 以上がカメラ初心者の「写真を上手く撮る方法」です。まだまだ申し上げたいことはたくさんあるのですが、細かい部分は各論的に別の機会にお話しさせていただきます。カメラは買ったときのワクワク感がたまらない素敵な趣味です。すぐにでも外に飛び出して何かを撮りたい衝動に駆られるものです。それも自然な感情で、その感情、感性に任せて撮るのもいいですが、ビギナー脱却を図るならば、ぜひカメラやレンズの仕組み、構造などへの興味を傾けてみてください。知れば知るほど撮影の手助にはなります。
 もう一つ、上手くなるコツは撮った写真を誰かに見せることです。できれば同じ志を持つカメラ好きの仲間とかサークルに入るのがいいです。人は誰かに何かを見せるときは少しでも見栄えの良いように心がけるものです。自分の撮った写真を公に出すことは自己を成長させるのに役立つ行為なので、ぜひ勇気をもって作品をみんなに披露してくださいね。

2021年2月18日木曜日

写真の撮り方とコツ

ビギナー向け:写真を上手く撮る方法



 カメラで写真を撮り始めたころは、いろいろ設定が難しそうで、ついカメラ任せのオートですべて済ましがちです。近頃のカメラはオート設定もかなりカメラの判断の精度があがってきて、本当に余計な事をしないほうがいいシチュエーションも多々あります。


 しかしせっかくいいカメラを買ったのなら、できるだけ自分がコントロールして狙ったとおりに撮りたくなるものです。はじめはなかなかうまく撮れずにイライラします。なんでこんなピンボケなんだろう? 白飛び、黒潰れがひどすぎる? 見たままに色にならない!
 そんな悩みが膨れ上がり、挙句は「このカメラ初期不良?」などと疑ってみたりもします。でもやがて経験をこなせば自分の設定が如何に間違いだらけであったかに気付くはずです。
 今回はそんな遠回りをせず、できるだけ効率よく撮影が上達するテクニックや心がけを網羅してみました。私自身が昔カメラ講座で学んだことや、勤務先の撮影スタジオで自明のごとく行っていたルーティンを見て得たものをヒントに書き改めてみました。またいくつかのネットの情報も参照にさせていただきましたので、一部以前書いたものとの重複もありますのでご了承ください。


上手くなる写真:前編

・構図の基礎

主題を選ぶ

 写真の焦点とは、興味を引く主要なポイントのことです。それは空でも、建物でも、人でも何でも構いません。フォーカルポイントを見つけることは、写真を撮るための基本ステップの一つです。撮影を計画したり、撮影の準備をしたりするときには、立ち止まって「何に注目してほしいか」と自問してみましょう。

 何に焦点を当てたいのかがわかれば、それをできるだけ強くなるよう心掛けるようになります。以下の構図のルールを参考にして、見る人の注意を引きつけるフォーカルポイントを作ってみましょう。


3分の1の法則に従う



 フォーカルポイントを写真の真ん中に配置するのではなく、3分の1の法則に従えば、より面白い構図を作ることができます。このルールでは、写真の中で最も重要な要素を中心から外れるように配置する必要があります。

 フレームを縦横9つのブロックに分割し、これらの線に沿って、またはそれらが交差する4つのポイントのいずれかに配置する必要があります。
 これは、プロの撮影方法を学ぶ最も簡単な方法の一つです。このガイドラインは、メインの被写体と背景の間のより良いバランスを見つけるのに役立ちます。


リーディングラインを使う

                                      


 リーディングラインとは、見る人の目をフォーカルポイントに誘導するのに役立つ、写真の中の線の形のことです。道路、フェンス、建物、長い廊下、木、影など、写真の中に線を作るものなら何でも構いません。
 要は見る人の注意をあなたの狙ったポイントに引き寄せることです。これには、見る人の目をまっすぐに被写体に引き寄せたり、構図の中で視覚的な旅をするように誘導したりすることが含まれます。

 また、導線の方向によっても構図の雰囲気を変えることができます。例えば、垂直方向の導線は力強く、堂々としたムードを伝えることができますが、水平方向の導線は静けさや静けさを連想させる傾向があります。



遠近法で考える

 遠近感は、写真の構図に大きな影響を与えます。撮る角度や距離を変えるだけで、写真の雰囲気や意味を大きく変えることができます。
 簡単に言えば、同じ被写体を上から撮った場合と下から撮った場合です。鳥瞰図で撮影すると人物が小さく見えますし、下から撮影すると同じ人物がそびえ立っているように見えます。遠くから撮影すると人物が小さく見えますし、近くで撮影すると迫力が伝わってきます。
 撮影する際には、遠近法を考えることに時間をかけてみてください。被写体の周 りを歩き回って面白いアングルを探し、それが構図の雰囲気をどれだけ劇的に変えることができるかを確認することです。そうすれば、プロの写真の撮り方に一歩近づくことができます。



奥行きを作る

 深みを伝える方法を見つけることは、プロの写真の撮り方を学ぶ上でもう一つの重要なステップです。このルールを無視すると、あなたの写真は非常に平坦で退屈なものになってしまいます。奥行きを伝えるための最良の方法は、前景、中景、背景にいくつかの要素を含めることです。例えば、壁を背にして人物を撮影するのではなく、カメラに近づけたり、背景に奥行きを持たせたりしてみましょう。



ボケを使って被写体を浮かび上がらせる

 あなたの写真に深みを加えたい場合、ボケ効果を追加することが有効です。ボケとは、多くのプロの写真に見られる、意図的なボケ効果のことです。多くの場合、写真家はこの効果を使用して、背景がソフトでぼやけているかわりに、被写体を鮮明でクリアに浮き上がらせます。
 最も簡単な方法は、被写体をカメラに近づけて、遠くの背景の前で撮影することです。ズームレンズがあれば、さらに良いでしょう。焦点距離を最大にして使うことで、被写界深度を小さくし、より強いボケ味を出すことができます。


写真を額縁化する

 フレーミングは、プロの写真を撮るのに役立つもう一つのテクニックです。これは、額縁効果といって、被写体がまるでその枠の中にあるように撮影することです。例としては、出入り口、アーチ、葉っぱ、壁の穴などがあります。このようなフレーミングは、見る人の注意をフォーカルポイントに向けるのに役立ちます。

 また、フレームがカメラの比較的近くにある場合は、前景レイヤーとして機能し、画像に奥行きを加えることができます。背景にボケ味を出すのと同じように、手動でフォーカスを合わせて中間地点の被写体にズームインすると、フレームの焦点がずれてしまうことがないので、ピントが合っていない状態を保つことができ、ピントが合わなくなることがありません。


フレームを埋める

 写真教室の学生がプロの写真の撮り方を教わるとき、よく「フレームを埋めろ」と言われます。メインの被写体の周りにスペースを空けすぎると、背景に気が散って構図が崩れてしまうので、これはとても良いアドバイスです。

 例えば、ポートレートを撮るときには、腰から上の人だけを入れてもいいですし、顔だけを入れてもいいかもしれません。不要で余分なスペースを切り取ることで、より魅力的でプロフェッショナルな写真になります。



パターンとシンメトリー

 写真にパターンや左右対称の要素を入れると、より目を引く写真になります。人間はパターンを見抜く傾向があり、それが写真にパターンを含める理由の一つでもあります。最初のステップは、あなたの被写体が見えるように十分な光を持っていることを確認することです。十分な光がない場合、カメラはシーンの詳細をキャプチャするのに苦労するかもしれません。

 
 

 以下、後編に続きます。












2021年2月17日水曜日

Nikonの逆襲はあるのか?

 よみがえるニコン



 ミラーレスカメラのシェア争いで老舗ニコンの苦境が取り沙汰されていますね。早くからデジタルカメラの将来性を見極めて軸足をミラーレスにシフトしていたソニーとは対照的に、ニコンはなかなか本格的なミラーレスカメラの開発を急ぎませんでした。世間一般でもミラーレスはミラーレス、一眼レフ主流の流れは当分変わらないだろうと思っていました。でもソニーが次々とフルサイズミラーレスの新製品を投入し、a7 IIIの大ヒットあたりから潮目が変わってきました。目の肥えたカメラファンも、「お、ミラーレス。しっかり使えるようになってるよ」と見直しはじめ、使い勝手の良さもあいまって、新しくカメラを求める層にもミラーレスの宣伝攻勢にぐらりと心を持っていかれました。

 これはいかんと、キャノンもAPS-Cの土俵でEF-Mマウントのミラーレス、EOSシリーズを出してきましたが、カメラファンの話題の中心はすでにフルサイズへと移っていました。いまかいまかと待ちわびるキャノン贔屓、ニコン贔屓のユーザーたち注目の中、2018年、キャノンはEOS Rを、ニコンはZ6、Z7を登場させました。ここに堂々のミラーレス三国志時代の到来かと思われたのです。

 ところがそれからまだ二年余りですが、三大メーカーの明暗ははっきり分かれてしまいました。やはり出遅れ感のあるキャノン、ニコンは技術面での半歩遅れがつきまとい、いまでも総合力でソニーaシリーズの先進性が抜きんでています。とりわけオートフォーカスやISOのデジタルテクノロジー開発の勢いはすさまじく、新製品が出るたびに性能の自己更新を繰り返し、他社の追随をゆるさない状態です。二年たってキャノンはようやく大御所の意地を見せ、描写能力の優れたEOS R5、R6で大きく巻き返しを果たしました。

 一方のニコンはというと、Z7 II、 Z6 IIという意欲作をだしたものの、目玉となるような追加機能に欠け、単なるマイナーチェンジのような印象を与えてしまったのは残念でした。決してライバルに見劣りするようなカメラではないのですが、王者ニコンに名に相応しいような圧倒的な一台がいまだ表れていない、そんな感じがしてしまうのです。加えてニコンの製造工場が日本からなくなるなどの寂しいニュースが「劣勢」というイメージを決定的に与えてしまっている、そんな現状です。

 しかし天下のニコンです。このまま黙ってずるずると万年三位の座に安住するつもりでは決してないでしょう。というか、一眼レフ機ではしっかりとD780という鉄板シリーズの最新鋭機をしっかり予定通り出しています。

 オールドカメラファン、と言っては失礼ですが、長年付き合ってきたカメラの使い手をないがしろにしてまで、ミラーレス一辺倒の時流に流れて行かないのが、トップメーカーとしての矜持だと思います。ニコンはこれからも最高の一眼レフ機を出し続けるでしょう。それと並行しながら、ミラーレスでも最高水準のカメラを出していくのは至難のことかと思います。でもその挑戦をやめないのが王者ニコンだと思うのです。

 ニコンは今後必ずミラーレスの市場でも盤石の布陣を敷いていくと思われます。確かにカメラが売れない時代になって財政的な苦境は免れないでしょう。それでもニコンはたとえ他社より開発ペースが遅くとも、着実にミラーレスのノウハウを蓄積し、ニコンらしい、と言われるような独自のミラーレス機を打ち出してくれるはずです。なにより基本性能は今出ているZシリーズでも十分堪能できる性能になっています。多くの人がニコンの色を再現するZに好感を持っています。


Nikon:待たれるフラッグシップ機と格安エントリー機

 ここからは希望的予測ですが、ニコンからもフラッグシップ機を早く見たいという声が多いのですが、これはまだ先の話になりそうです。キャノンのR5に相当する、Zシリーズの最高峰ということになるでしょうが、これはもう少し時間を要する模様です。そのかわり2021年は超高感度機が出るのではとの噂ですね。ソニーのa7S IIIのような圧倒的ISO値を誇るハイアマチュア向けカメラは市場にとってもいい刺激剤になるでしょう。

 一方、個人的にはフルサイズでなおかつ初心者にもやさしい、無敵の入門カメラが出てほしいと期待しています。例えば、APS-C機 Z50のようなやさしいインターフェースにCANON RPのような軽量小型ボディをくっつけてみる、とかです。一眼レフのD3000、D5000シリーズが旧機種扱いになったのは、エントリー機登場のサインともとれるので、期待は大です。

 いずれにせよニコンはライバル二社に後れをとっている現状を見過ごすはずはありません。今年後半以降に、必ずや新たな戦略を打ち出してくるはずです。


いまNikon Z6が買い



 Nikon初のミラーレスZ6のキットレンズ付きが安くなってきました。いまが買いごろかもしれません。eBayの中古市場では$1600前後で出回ってきており、状態がよければすごいお買い得です。このキットレンズ付きZ6、新品の平均価格はいま$2300ぐらいです。日本では新品で27万円ほど、中古でもまだ20万円前後ではないでしょうか。

 二年前の機種ですが、現役として十分すぎる高性能なフルサイス・ミラーレスです。


Nikon Z6主なスペックは以下の通り

撮像画面サイズ : 35.9×23.9mm(フルサイズ)

映像素子型式 : CMOSセンサー

有効画素数 : 2450万画素

オートフォーカス方式 : ハイブリッドAF

測距点 : 273点

常用ISO感度 : ISO100~51200

シャッター速度 : 1/8000~30秒、バルブ

連写性能 : 最高約12コマ/秒(拡張機能使用時)

ボディ内手ブレ補正 : イメージセンサーシフト方式5軸補正

画面 : チルト式3.2型/約210万ドット

通信機能 : Wi-Fi/Bluetooth

大きさ : 134×100.5×67.5mm

質量 : 約675g




  ニコンのミラーレスカメラは、軽量かつ小型のボディにデジタル一眼レフのような機能を搭載するように設計されています。

 最初の2機種のフルフレームミラーレスモデルを発売することで、ニコンはあらゆるタイプの写真家のニーズを満足させることを目指していました。Z7は4,570万画素の超高画素センサーを搭載していますが、その分、価格が高くなっています。そのため、多くの熱心な写真家がより手頃な価格のZ6を選んでいます。

 このカメラは、24.5メガピクセルBSI CMOSセンサー、273点と90%のカバーする新しいハイブリッドAFシステム、および100から51,200(なんと204,800に拡張可能)のISO感度範囲が含まれています。

 さらに、Z6は12fpsバーストモード、フルフレーム(クロップなし)4Kビデオ、強力なボディ内5軸VR手ブレ補正、Zマウントレンズ、ニコンのデジタル一眼レフカメラを超える改善されたインターフェースなど、このカメラはあらゆる環境で素晴らしい動画や静止画を作成するための理想的な機能を備えています。

 Zシリーズは、Fマウントよりも11mm広く、フランジの焦点距離が短いニコンの新しいZレンズマウントを搭載しています。

 現在市場に出回っているZマウントレンズは、ニッコールZ 24-70 F4 S、ニッコールZ 50mm F1.8 S、ニッコールZ 35mm F1.8 Sなどですが、今後リストは確実に拡大していくでしょう。

 ニコンZカメラは新しいレンズマウントを使用していますが、FTZマウントアダプターを購入すると、すでに持っているレンズを使用できるようになります。これは、ニコンのデジタル一眼レフからZシリーズへの移行をはるかに容易にします。


ニコンZ6の外観
 ニコンZ6はマグネシウム合金のボディを持ち、その兄貴分のZ7と一見同じように見えますがニコンらしい堅実な設計が反映されています。

 カメラは、簡単に設定をナビゲートすることができます。タッチスクリーン、インターフェイス技術(3.2インチ、210万ドット)も使用しています。

 チルトスクリーンは、ハイアングルとローアングルでの撮影をはるかに簡単にする便利なオプションでもあります。また、0.80倍3.6mドットのEVFや、カメラの設定を素早く参照できる上部のドットマトリクス有機ELなど、複数のディスプレイや画面が用意されています。

 ニコンZ6のデメリットとしては、XQDカードスロットが1つしかないこと。

 一方で、このカメラは高度な接続用オプションを備えています。HDMI経由で10bit出力の外部レコーダーに直接録画できるほか、8bitの4K動画ファイルをメモリーと外部レコーダーに同時に記録することも可能です。

 また、Wi-FiとBluetoothも内蔵しています。Bluetooth技術により、撮影したらすぐに2MBの写真を自動転送できるほか、より高画質な写真を手動で送信することも可能。SnapBridgeバージョン2.5でリモート撮影するオプションもあります。


 と軽く全体を見て回っただけでもかなり高い能力のカメラだとわかります。ついつい新製品に目が奪われがちですが、このようにニコンが最初に出したフルサイズ・ミラーレスカメラはなかなかの意欲作。中古市場でも一見の価値あり、です。