2021年2月25日木曜日

注目のマイクロフォーサーズ

 マイクロフォーサーズ・カメラ




素晴らしきマイクロフォーサーズ

 マイクロフォーサーズ(MFT)システムは、フルサイズの一眼レフシステムに代わる小型の選択肢として、オリンパスとパナソニックによって開発されました。両社はこの企画において同じ画質、汎用性、レンズ互換性を提供しあっています。

 マイクロフォーサーズカメラは、フォーサーズデジタル一眼レフカメラと同じセンサーとプロセッサーを使用していますが、デジタル一眼レフカメラの光学ビューイングシステムを提供するフォーカシングスクリーン、ミラー、プリズムアセンブリを使用していないため、大幅にコンパクトになり、レンズからセンサーまでの距離が短くなっています。その結果、大幅に小型化され、レンズからセンサーまでの距離が短縮されました。
 その結果、コンパクトサイズでありながら、様々なレンズやアクセサリーを装着し、デジタル一眼レフ並みの画質と、コンデジよりも浅い被写界深度が得られる全く新しいシステムが誕生しました。撮影は通常、液晶画面のみで行うか、オプションのクリップ式ファインダーを装着して行います。
 デジタル一眼レフのメリットをコンパクトに凝縮したシステムとして注目を集め、写真撮影のオプションの一つとして成長してきました。

 ターゲット層は、デジタル一眼レフカメラのようなかさばるものを望まない、より高度なものを求めるコンパクトユーザーと、毎日持ち歩けるような小型のものを求めるデジタル一眼レフカメラファンの両方でしょう。


 パナソニックとオリンパス(現在はOMデジタルソリューションズ)によると、2020年の日本のレンズ交換式デジタルカメラ市場では、マイクロフォーサーズが最も売れているレンズマウントタイプだったといいます。昨今は、なにかとフルサイズ・ミラーレスが話題に上りがちですが、実際のカメラ市場は違うという結果は興味深いものです。

 2020年に発売されたマイクロフォーサーズのレンズ交換式カメラの機種はわずか4台だったにもかかわらず、日本市場では21.7%のシェアを占めています。これは、市場で最も売れているレンズマウントにするのに十分なものでした。

 2020年に発表されたM4/3カメラの数が比較的少なかったことを考えると、この結果はよりいっそう意外な印象を受けます。業界がセンサーサイズの大型化を進めていることを考えると、多くの人がM4/3フォーマットの将来に疑問を抱いていたのに、です。

 マイクロ・フォーサーズというとオリンパスとパナソニックだけが孤立しているような印象を受けますが、実際は世界中でおよそ50社以上がマイクロフォーサーズ規格にかかわる業務に関わっています。この規格にこれだけものコンソーシアムを構成しているので、彼らすべてがマイクロフォーサーズから離脱することは到底あり得ないのです。事実、パナソニックとオリンパス(OMデジタルソリューション)は、年初からマイクロフォーサーズの製品ラインアップを開発し、強化していくと公言しています。

 2021年には、より多くのM4/3カメラやレンズが登場し、待望のパナソニックGH6が登場するかもしれないと囁かれています。Vlogなど動画撮影の需要が高まる中、パナソニックはビデオカメラでも成功を収めてきたので、ビデオ機能を強化した軽量で手頃な製品が今後も期待できます。マイクロフォーサーズはまだまだ豊富な需要が見込まれていると予想されているのです。

 ただし、数年後は分かりません。まだ未知数ですが、ラージフォーマットへの流れは着実に伸びるでしょうし、フルサイズカメラの価格がこなれてくると、マイクロフォーサーズ陣営は厳しい競争に直面するかもしれません。M4/3の運命は、もっぱらエンドユーザーにかかっています。熱烈なファンの支援と十分な需要があれば、企業はこのフォーマットを維持し続けるでしょう。

センサーサイズの違い


 黄色のフルフレームサイズのセンサーに比べると、緑色のマイクロフォーサーズセンサーがいかに小さいかわかります。たしかにデジタルカメラにとって、センサーサイズは画質を左右するもっとも大きな要因のひとつです。ですが、昨今iPhoeなどのスマホカメラに使われている1/2.3サイズの豆粒センサーでもとても優秀な写真が撮れることを鑑みると、一概にセンサーが小さいからカメラが劣る、などという事は決してないのです。


 フルフレームミラーレスカメラやデジタル一眼レフカメラの世界では、マイクロフォーサーズカメラはプロの写真市場で正当な評価を受けているのでしょうか?
 この規格のカメラ・レンズを使うプロ写真家も世界中で少なからず存在します。ただそれが主流になることはいままでありませんでした。
 オリンパスとパナソニックが2008年に発売したマイクロフォーサーズは、オリジナルのオリンパス・フォーサーズのコンセプトを進化させたもので、現在も健在です。新しいカメラやレンズが続々と発売されていますが、写真家にとってこのシステムが自分のニーズに合っているかどうかを判断するのは難しいかもしれません。

 マイクロフォーサーズシステムの長所と短所を強調するために、簡単なアウトラインをまとめました。

 他のカメラシステムと同様に、マイクロフォーサーズにも長所と短所があります。このガイドを使って、これらの長所と短所が写真家やビデオグラファーにどのように対応しているのか、そしてマイクロフォーサーズ機購入を検討している方もぜひ参考にしてみてください。


メリット

 小さくて軽い - これはマイクロフォーサーズカメラが登場して以来、喧伝されてきたことです。繰り返しになりますが、マイクロフォーサーズカメラのほとんどはデジタル一眼レフカメラよりもかなり小さいです。
 これはレンズにも言えることですが、マイクロフォーサーズの望遠はデジタル一眼レフ用の望遠よりも明らかに軽いです。ユーザーにとって、カメラとレンズの大きさ、軽さは
非常に大きなファクターです。人によりますが、カメラ自体の性能や画質よりもサイズの方を重視する人だって多いのです。マイクロフォーサーズを選ぶ理由としてコンパクトさを挙げる人が多いのはうなずけることです。


より長い焦点距離

 マイクロフォーサーズカメラのセンサーサイズは、フルフレームカメラの2.0倍の焦点距離に相当し、焦点距離の2倍のフルフレームレンズと同じ視野を提供します。すなわち300mmレンズは、フルフレームカメラの焦点距離600mmに相当します。遠くの景色を撮影したり、怯えやすい野生動物を撮影するためには、これは天の恵みであり、多額の現金を費やすことなく、フルフレームカメラでは不可能な焦点距離を達成することができるのです。

レンズの組み合わせ

 マイクロフォーサーズシステムを扱うオリンパスとパナソニックの二社間の協力的なつながりは、写真家にとって非常に便利な要素で、もっと利用すべきでしょう。パナソニックLUMIXのユーザーは、最新のオリンパスレンズを手に入れ、カメラに装着して撮影を開始することができ、その逆も可能です。アダプターもいらないし、手を加えなくてもいいのです。レンズ選びの幅も倍増し楽しみが増します。


続く技術革新

 マイクロフォーサーズの歴史は技術開発の歴史でもあります。この十数年でマイクロフォーサーズが生み出したカメラの特性は、他社のAPS-C機やフルサイズ機にも波及しています。例えば、パナソニックのLUMIXカメラはいち早く4Kフォトモードを搭載し、4K映像から8MPの静止画を抽出することができるようになりました。フラッグシップモデルのGH5ではこれを6Kフォトにまで高めることもできます。競合他社も遅れて4K対応し、今や動画の世界でもスタンダードな規格となってきました。


コスト面の優位
  
 一般的には、フルフレーム のデジタル一眼レフカメラ、大型センサーのミラーレスカメラと比べると、マイクロフォーサーズシステムははるかに低コストですべてのシステムを揃えることが可能です。もちろんレンズもピンからキリまでありますが、大型システムと比べると、カメラ何台分が浮く計算んもできるのです。要は撮影の必要な経費を存分に抑えられるのがマイクロフォーサーズの有難いところであります。


デメリット

 センサーが小さいと低照度性能が劣ることは否めません。マイクロフォーサーズ規格の性質上、そこはシステムの宿命と考えるしかありません。それはフルフレームやAPS-Cよりも小さいセンサーであるという事実を再認識させられます。また、カメラが大規模なセンサーに比べてダイナミックレンジが劣り、低照度下では必然的に写真の品質が落ちることを意味します。ほとんどの照明状況ではカメラはほどよい対処をしますが、高いISOの使用を必要とする状況では、撮影が厳しくなる状況も想定しなければなりません。


ファインダー

 マイクロフォーサーズ規格の電子ビューファインダーは、まだまだ改良の余地があります。ユーザーの多くはファインダーの見栄えを気にします。光学ファインダーが心地よく見れた一眼レフとは違い、マイクロフォーサーズの電子ビューファインダーは、わずかな遅延や描写の不完全さが気になって、撮影の集中しづらく感じる人も多いのが現状です。とはいえ改良も順調に進んでおり、年々新製品のファインダー性能は良くなってきています。


オートフォーカス性能

 この分野はマイクロフォーサーズのメーカーがオートフォーカスシステムに多くの努力を払ってきたことで、ギャップが縮まってきています。しかし、まだこれほど重要な機能でありながら、より速くより正確に撮影することに関しては、デジタル一眼レフカメラのオートフォーカスの方がまだ確実に優れています。この状況は数年後には変わるかもしれませんが、現状まだそこまでには至っていません。


おススメのマイクロフォーサーズ機

 最後に数あるマイクロフォーサーズカメラの中で、いま買って価値ある数台をご紹介しておきます。

PANASONIC LUMIX G9 PRO
 


 Lumix G9 Proはパナソニック製品のラインアップの中核を担う4番打者です。エースともいえるGH5はビデオグラファーのためのカメラとして認識されており、G9では、既存のLUMIXシステムのユーザー(およびオリンパスのユーザー)が、高度なビデオ技術はともかく、スチルも動画も及第点を撮れる優等生として、機能満載のハイエンドモデルを謳って登場させたものです。
 G9 Proは完成度が高く、ミラーレスの特性を生かしたコンパクトでバランスのとれたシステムです。現状ではパナソニックの最高のミラーレスカメラでと言っても過言ではありません。


OLYMPUS OM-D M1 Mark III
 

 いくつかの点から、オリンパスOM-D E-M1マークIIIは、マークIIからのかなり控えめなアップグレード版と言えるかもしれません。とりもなおさず、それはマークIIがいかにずば抜けてすぐれたマイクロフォーサーズだったかという事になります。
 今回はより洗練され、厳しい条件での撮影を簡単にするいくつかの素晴らしい機能を手に入れました。オリンパスはまた、優れたレンズを豊富な用意しており、焦点距離2倍の倍率は、スポーツや野生動物の写真家に特に有効です。既存のOM-D E-M1 Mark IIは買い替えたくないかもしれませんが、OM-D E-M1 Mark IIIは、初めてのミラーレスカメラを求める写真家にとって非常に魅力的なオプションであります。

2021年2月24日水曜日

Vlog向きのカメラ

動画に特化する最近のデジカメ



 Vlogが流行りだして、真っ先にそこに特化したカメラを出したのはSONYで、ZV-1が初代Vlogカムということになりました。こちらは発売以来なかりの人気で、まさにこれからVlogを始めようという方にちょうどぴったりのカメラだったようです。この機種に関しては以前にもお勧めカメラとしてイチオシでご紹介しました。今回はその直後に発売された、ライバル機、Panasonic G100についてです。



パナソニックLUMIX G100

 パナソニック初のVlog用ミラーレスデジカメLUMIX G100は、入門者向けカメラとして設計されており、Vlog制作の理念に非常によく適合しています。Canon PowerShot G7 X Mark IIIやSony ZV-1のような競合するコンパクトカメラよりも大きなマイクロフォーサーズセンサーを搭載しており、交換レンズが使えるので、より汎用性が高くなっています。
 この機最大のウリとしているNokia製のOZOオーディオのトラッキングが非常によくデキています。
 またパナソニックは、Lumix G100がスチル撮影にも使えることを強調しており、20.3Mpフォーサーズタイプのセンサーに加えて、内蔵の見やすいビューファインダーを搭載しているのが特徴です。


Vlogとの相性

 現在、Vloggingは成長分野であり、パナソニックはGH5の成功により、ビデオグラファーの間で高い評価を得ています。パナソニックは、この点に着目し、LUMIX G100を発表しました。このモデルは、静止画撮影に適した機能を持ちながら、初心者のビデオグラファーやブロガーをターゲットにしていると思われます。

 当然のことながら、4KまたはフルHDビデオをフレームレートの選択で撮影できます。ただこの4K録画で注意しなければならないのは、わずかなクロップがあるということです。

 パナソニックG100には、録画開始時にフレームの輪郭が赤く表示される「録画フレームインジケーター」があります。また、いくつかのソーシャルメディアチャンネルで好まれるアスペクト比を選択してフレーミングを示すように設定できるフレームマーカー機能もあります。

 またスローモーションやクイックモーション映像の作成を容易にするために、モードダイヤルにSlow&Quickオプションがあります。これを選択すると、2倍、4倍、8倍のクイック録画、または2倍と4倍のスロー録画を有効にするためのメニューオプションがあります。カメラはそれに応じてフレームレートを上げたり下げたりして、意図した視聴レートで映像を出力するので、後処理で再生フレームレートを調整する必要はありません。
 サウンドはSlow&Quickモードでは録音されていませんが、オートフォーカスシステムは動作しますので、モードをより汎用性の高いものにします。

 さらに本機は5軸ハイブリッド手ブレ補正が搭載されています。これは、手ぶれ補正レンズを使用している場合、カメラ内の電子式手ぶれ補正システムとレンズベースの手ぶれ補正を組み合わせたものになります。


ビデオ機能

 Lumix G100のバリアングル画面を正面に向けて回転させると、自撮りモードに切り替わります。そして、ビデオ録画ボタンを押すと、録画が始まる前に3からのカウントダウンが画面に表示されます。またメニューから起動すると、G100もフレーム内の顔や目を探してピントを合わせてくれます。
 G100は外部マイクを接続するための3.5mmポートを備えていますが、ノキアの「OZO Audio」という空間音声録音システムも搭載しています。これはミラーレスカメラとしては初の試みです。
 G100では、OZO Audioは3つの内蔵マイクを使用。また顔検出フォーカシングと連動して、話している人を追跡して音声を最適化することもできます。
 重要な音がどこから聞こえてくるかに応じて、マイクをオート、サラウンド、フロント、バックに設定することもできます。

 ビデオ機能のいくつかは、初心者や非ビデオグラファーがコンテンツを作成するのに役立つように設計されていますが、経験豊富な撮影者にとっては魅力的な機能もあります。例えば、通常のフォトスタイル(標準、ビビッド、ナチュラル、モノクロ、L.モノクロ、L.モノクロD、風景、ポートレート、カスタム)の中には、Cinelike D、Cinelike V、そして(より重要なのは)V-Log Lがあります。
 また、動画撮影時には露出をカメラに任せることも可能ですが、好みに応じてフルマニュアルでコントロールすることも可能。絞りやシャッター優先モードも搭載されています。



スチル撮影の特徴

 パナソニックG100はブロガー向けのカメラですが、スチルカメラに期待される機能を備えています。
 マイクロフォーサーズカメラなので、G100は、パナソニック、オリンパスなどの膨大なマイクロフォーサーズレンズを使用することができます。

 肝心なのは、348万ドットの電子ビューファインダーが内蔵されていることです。これは、太陽がカメラの背面のスクリーンに照らされているときに本当に便利です。露出や色、構図の判断が非常に簡単になります。
 さらに、小型のポップアップ式フラッシュと、外部フラッシュガンを取り付けるためのホットシューが付いています。
 デフォルトでは、以前にペアリングしたスマートフォンやタブレットに画像やビデオを送信するように設定されており、カスタマイズ可能なボタンを見ることができるのも嬉しいです。


デザインとハンドリング

 パナソニックは、Lumix G100のためにミニDSLRのデザインを採用しました。電子ビューファインダーがトッププレートの中央にあり、右側にグリップがあることを意味しています。
 プラスチック製であることは明らかですが、G100は特に安っぽくはありません。グリップとサムレストには質感の良いコーティングが施されており、天板のダイヤルはしっかりとしていて好感が持てます。ボタン、特にカメラの背面にあるボタンは、少し小さくて操作しづらいですが、どれも押すとすぐに反応してくれます。
 背面のダイヤルはかなり自由に動くので、上のダイヤルのようなしっかりとした感触には欠けます。そのため、撮影の合間にカメラの電源を切らないと設定ができないので、注意が必要です。

 先ほども述べたように、G100の背面には3インチの画面があり、上下に回転して頭の高さから見やすいようになっています。このデザインは、カメラの正面から見ても(自撮りには欠かせない)回転させて見ることができるので、縦置きや横置きで撮影するときに重宝します。

 画面の見栄えは良いのですが、明るい日差しの下ではファインダーを使った方が良いでしょう。先ほども述べたように、露出や構図、色の評価がしやすい。どちらも良好なレベルのディテールを示し、撮影した画像の正確なプレビューを提供してくれます。



コントロールレイアウト

 ボタンやダイヤルがたくさんあるわけではありませんが、重要な設定を素早く調整できるように十分な数のボタンがあります。便利なことに、カメラの上部と背面にあるダイヤルでは、マニュアル露出モードではボタンを押すことなく、シャッタースピードと絞り値を直接調整することができます。

 デフォルトでは、露出補正を調整するにはボタンを押さなければならないが、これはメニューから変更できます。

 トッププレートには、Fn3とFn4と記された2つの物理ボタンがあり、カスタマイズが可能です。カメラの背面にはもう一つ(Fn2)があります(これは削除ボタンとして機能します)。パナソニックは、これらのボタンの目的を簡単に変更できるようにしていて、長押しすると利用可能なオプションが表示され、あとは画面から好きなものを選択するだけです。
この方法は、メニューに入らなくても素早く設定を変更できることを意味します。

 画面上にはさらに5つの機能ボタンがあります。これらは画面上の「Fn」をタップしてタブを開き、使いたいものをタップするだけでアクセスできます。これらの仮想ボタンの目的はメニューを介して変更されます。

 カメラ上部の赤い録画ボタンがかなり大きいのが良いですね。シャッターボタンほど大きくはありませんが、気がついたらどちらかを探していたというような煩わしいボタンではありません。


パフォーマンス

 Lumix G100は、20.3Mpセンサーを搭載した最新のマイクロフォーサーズカメラに期待していた動画と静止画を撮影できる。ディテールのレベルが高く、画期的なものではないが、このタイプのカメラにしてはノイズがうまくコントロールされている。

 パナソニックはG100のオートフォーカスシステムにコントラスト検出を採用しており、一般的には信頼性が高いが、位相差検出システムほど高速ではない。

 また、暗い森の中で4K動画を撮影していると、顔の周りにボックスが表示され、目が強調されるのですが、最初から顔や目がシャープになるわけではありません。シャープになるのに数秒かかり、それは時々迷うこともあります。

 G100で4Kビデオを撮影するもう一つの問題は、フォーサーズタイプのセンサーに付属している2倍の焦点距離倍率の上にわずかなクロップがあることです。それは、12-32mmのキットレンズの最も広い点は、実際には予想される24mmよりも少し長いことを意味します。


画像の品質

 静止画では、ISO3200くらいまではいい感じです。ISO6400までは常用可能範囲でしょう。ただし動画の場合は、時間的なノイズが影響してしまうので、できれば感度(ISO)はもう少し低めに設定しておきたいです。





まとめ
 以上のように、VlogカメラとしてLumix G100は、様々な工夫が凝らされているカメラです。とりわけ音に関しては、今後のVlogカメラの方向性を示すものとして、後続のカメラに大きな影響を与えるものと言えそうです。
 また手ブレを軽減して、アクティブなライブ撮影を可能にする、ジンバルとの組み合わせで、様々なシチュエーションでの撮影が可能となります。Vlogにスマホ以上のこだわりを持ち、より高度な撮影を目指す方には、大きな選択肢の一つとして、考慮に値するカメラであると思います。


2021年2月23日火曜日

ベストなVlog 環境を作ろう

 Vlogを始めるなら



 情報発信のツールとしてVlogを始める人が増えています。これまで文章を書いていたものを動画に置き換えたものですが、より情報量の多い映像作品を作るには、それなりの知識と準備と投資が必要です。とはいえ、ブログに慣れた人やビデオをよく見る人なら、見よう見まねでそれなりのコンテンツを手軽に作れるのが魅力の秘密ではないでしょうか。

 ここではVlogに必要な映像機器の中から、カメラを中心に、どのようなものを選んで始めればいいのか、いくつかのおススメをご紹介させていただきます。

 Vlogといえばまず思い浮かぶのがYouTubeのような映像です。この分野ではかれこれ10数年の歴史の積み重ねで、かなりハイレベルの映像が見られるようになりました。中には本格的な撮影機材を駆使してプロ顔負けの綺麗でわかりやす映像情報を発信する方も増えています。

 いっぽう最近ではインスタグラムやTikTokなどでも手軽にアップロードできるようになり、Vloggerと呼ばれる人たちもかなり身近になってきました。Vlogははじめ欧米、アジアなど海外で人気が出はじめ、ほどなく日本でも人気が飛び火し、一般に定着しつつある媒体となりました。
 YouTuberは主に価値提供を主とした動画を製作している方が多いようです。かたやVloggerと呼ばれる人たちはまるで観る日記のように、日常をさらりと発信している方が多く見受けられます。ではこのVlog、どのような手順で制作しているのでしょうか?

 今一番人気なのは、スマホだけで動画も編集も済ませる簡易なやり方です。これは一度パターン化してしまえば、日記のように日々の出来事をつらつらと撮影するだけでできてしまいます。テーマさえしっかりしていれば、自分の好きな日常をサクッと撮って編集してアプロード。じつに容易に作品ができてしまいます。この簡便性がいまVlogger激増中の秘訣でしょう。最近はこのスマホで編集できる優れたアプリが矢継ぎ早に出て、いくつかは瞬く間にそのシェアを独占して人気を集めています。

ダントツ人気はVLLO

 


 VLLOアプリは動画編集アプリです。分割、テキスト、BGM、トランジションなどの精密な制御が可能です。クロマキー、PIP、モザイク、キーフレームアニメーションもあります。画面上で右の2本指で動画のズームインとズームアウトを操作できます。背景の色をカスタマイズしたり、アニメーション効果を追加することも簡単にできます。また、キーフレームアニメーションを使って静止画に没入感を与えることもできます。

 このVLLOはVimosoftの非常に優秀なチームによって開発・管理されており、アプリはすごくに頻繁に更新されています。すでに世界中で数百万ダウンロードされ、記録を更新しています。このアプリは、スマホで実行されている他のアプリケーションを圧迫することはありません。動作も軽快で、ユーザーインターフェースも洗練されているので、一度ルーティーンワークを覚えてしまえば、日課のようにサクサクと毎日動画を更新できます。

iPhoneユーザーならiMovie

  


 iMovieは、iOSとmacOS用に開発された動画編集ツールで、写真や動画を使って、クレジットロールやスタジオのロゴなどが入った完全なストーリー性のあるムービーを作成することができます。

  iOSとmacOSユーザーは、特別な思い出や瞬間、風景を記念した動画を作成して、家族や友人、さらにはクライアントと共有することができます。また、ユーザーは、ハリウッドのような予告編をゼロから作成したり、利用可能なテーマやテンプレートを使用して、カスタマイズして自分だけの動画を作成したりして、クリエイティブな部分を発揮することができます。

 このビデオ編集アプリケーションは使いやすく、4Kビデオ解像度をサポートし、完成した製品は、アップルデバイスから再生し、スクリーンに投影することができます。また、任意のビデオ共有プラットフォームに共有したり、ソーシャルメディアに共有することができます。


 というわけで、いま若い人を中心にこのスマホで動画ブログをアップする人が急増中です。中には観ていて、何が面白いのかわかりにくい動画もあるのですが、不思議に海外の人が日本のVlogを楽しんでいたりします。アメリカでも英語圏以外の日常日記のようなVlogを観る人が増えており、ひたすら競って面白いものを作ろうとしなくても、この文化は定着しそうな勢いです。


アクションカメラの台頭

 次に人気が高いのがGoProに代表されるアクションカメラによる動画です。こちらは自転車、バイク、スキー、スノボ、自動車、カヌー、サーフィン、登山、その他スポーツ中心に動きのある動画であれば、なんでもVlogの材料になる汎用性が人気を集めています。

 お勧めはやっぱり一連のGoProシリーズで、画質も一定の水準を保ちながら、耐久性や防塵防滴性能に優れ、最小の操作機能で最大にダイナミックな映像が大量の撮れる醍醐味が魅力です。

GoProの魅力

 GoProは消費者の嗜好の大きな変化をうまく利用しているため、メジャーで古いライバル企業が失敗しているカメラの販売に成功しています。多くの人にとって、スマホはキヤノンのPowerShotのような典型的なコンパクトカメラに取って代わるのに十分なものになりました。

GoProは、その間隙をついていわゆる「アクションカメラ」という地位を確立しました。エントリーレベルのGoPro HEROの導入以来、同社のカメラは現在129.99ドルから始まり、4K超高解像度ビデオ、スマートフォンのアップロードをスムーズにするためのWi-Fi通信、そしてより速いバースト写真撮影などの豪華な機能が追加され、499.99ドルまで上昇しています。

 GoProのカメラは、用途を良くわきまえたワイドアングルレンズに絞り込み、スマートフォンにはない魅力を引き出した点が素晴らしいです。いくら美麗な映像を撮れるiPhone でもスケートボードのヘルメットに取り付けたり、スキューバダイビングのお供に進んで水中に持ち込みたいとは思わないでしょう。そういったニッチな層に向けて放ったGoProの存在感は、あまたの模造品を生み出しました。しかしその唯一無二の信頼性は揺るぐことなく、現在まで受け継がれています。GoProは今まさに買う価値のある唯一のスタンドアロンのアクションカメラなのであります。


Vlog向けカメラ:その他の選択

 DJI「Pocket 2」OP2CP1

 ジンバルとカメラの合体。これが初めて世に出た時は、まさに意表を突く商品として衝撃的でした。
 DJI Pocket 2は、1/1.7インチ64MP CMOSセンサー、最大8倍ズーム、93°の画角、4つの指向性ステレオマイク、DJI Matrix Stereoオーディオズームを搭載し、軽量で超小型の3軸ジンバルスタビライザーと4Kカメラの組み合わせを利用しています。
 またアップデートされたActiveTrack 3.0、内蔵のグラマーエフェクト、AIエディター、ハイブリッドAF 2.0、モーションラプスなど、スマートフォンアプリを必要としないソフトウェアの機能強化も新たに追加されています。
 家族のビデオを作成したり、写真撮影に映像を追加したり、滑らかなモーションビデオで最新のストリーミング作品をVlogするなど、高解像度のモバイル制作に必要な機能がすべて搭載されています。

 重量はわずか4オンス以上で、このオールインワンユニットは、スムーズな動きと簡単なパン/チルトコントロールのための3軸ジンバルスタビライザーを搭載しています。Pocket 2は、1/1.7インチセンサーとワイド20mm、93°の画角のレンズを搭載しており、100Mb/sの速度で映画のような、4K60ビデオと64MPの静止画を最大256GBまでのmicroSDカードに記録することができます。
 4つのマイクで強化されたステレオ音声を撮影できるほか、ノイズリダクションやカメラのズームに追従するズーム機能を搭載し、より高度な収音能力で強化された音声を撮影することができます。静止画では8倍ズーム、1080pの動画と音声では4倍ズーム、2K動画では3倍ズーム、4K動画では2倍ズームを利用することができます。

 DJIのMimoアプリとiOSまたはAndroidスマートフォンを使用して、プリセットされた撮影パターン、カメラの動き、フィルター、サウンドトラックを使って映像を洗練します。アプリは、グラマーエフェクトを追加したり、基本的な編集をするために必要なものではなく、ワンタッチでモーションラプスに設定することもできます。
 また、アプリを使ってウェブに動画をライブ配信することもできます。同じようなサイズのスマートフォンとは異なり、ハンディなサイズのPocket 2は、ストーリーモード、アクティブトラック3.0、ハイパーラプス、パノラマ、モーションラプスなどのインテリジェントな機能を備えており、説得力のあるクリエイティブな効果を生み出すことができます。180°と3 x 3のパノラマショットから選択して、広い風景を撮影することもできます。

 Pocket 2には、静かに熱を放散するパッシブ冷却システムが搭載されており、リチャージャブルバッテリーで最大140分の録画が可能です。箱には、カバー、ミニコントロールスティック、1/4"-20三脚マウント、リストストラップ、電源ケーブル、USB Type-CとLightningスマートフォン用アダプターが同梱されています。広角レンズ、「Do-it-All」ハンドル、USBスプリッター、三脚、ワイヤレスマイクトランスミッター、充電ケース、電話クリップ、防水ケースなどの追加アクセサリーを別途購入することで、Pocket 2での撮影をより充実したものにすることができます。
 このジンバルカメラというまさに新しいジャンルの登場により、初心者による動画撮影の幅は一気に拡大されたと言っていいでしょう。まさに瓢箪から駒の発想で、新しい映像感覚を味わってみてください。




 ここまではいわゆるデジタルカメラとは一線を画する動画撮影機のご紹介でした。次回は本格的なデジタルカメラによるVlogというテーマについての考察です。どのようなカメラがVlogに相応しいのか。また今回挙げたスマホやアクションカムなどと比べてどのように違うのかも、考察していきたいと考えております。

2021年2月22日月曜日

見直される一眼レフ

今が買い:CANON EOS 80D




 カメラ業界はここ数年の動向からみて、ミラーレスカメラ中心のマーケットに徐々に移行するかに見えました。ところがどっこい、ここへ来て一眼レフがまた見直され始めているようです。というのは特にアメリカで顕著なのですが、昨年のクリスマス商戦でもっとも売れたのはCANON EOS KISSシリーズでした。最新のEOS Kiss X10iとEOS Kiss X9iがツートップで相変わらずカメラ入門機として幅広い層から支持を受けているようです。さらに上位機種ではEOS 90Dも高い支持を得て、並みいるミラーレス機の新鋭に勝る売り上げを続けています。

 注目すべきはこのEOS 90Dの一世代前の80Dの中古市場もまた人気が復活してきたという点です。2019年に90Dが発売されて以来、80Dは旧機種扱いとなって、中古市場でも価格が急落していきました。去年の3月ごろからじょじょに価格が下がり始め、本体価格が日本円にして10万円前後から8万5千程度まで下がったのです。それが昨年の春ごろから落ち続け、以来今年の初めごろまでずっと底値が続く傾向だったのですが、今年に入って価格が急上昇し始めました。

 アメリカでも一般にミラーレスカメラが浸透してきたにも関わらず、実際の売り上げでは話題になったほどミラーレスのフルサイズカメラは売れなかったようです。いやまったく振るわなかったのではないですが、それ以上に一眼レフへの関心がまだまだ根強いアメリカだと判明してきたのです。

優等生EOS 80D

 数あるキャノンの一眼レフの中でも二けたDシリーズはラインアップの中軸を担うミドルクラスのカメラとして定評のあるシリーズです。その中でもEOS 80Dはオールラウンドプレーヤーで、アマチュア写真家が次のステップに進む本格的撮影が可能な高性能機です。またハイアマチュアにとってもフルサイズのサブ機としてそれらに引けを取らない高性能がウリとなっております。

 ここでちょっとその性能を見ましょう。

 キヤノン80Dは2016年に発売されたミッドレンジのデジタル一眼レフカメラで、エントリーレベルのキヤノンRebelシリーズよりもさらに進化したカメラを求める写真家を対象としています。2018年登場と比較的新しいこともあって、新技術を導入しつつ非常に堅実なカメラとなっています。

概要

 80DはISO性能を向上させた2400万画素センサーを搭載しています。前機種70Dの19点オートフォーカス(クロスタイプ)から、80Dは45点のオートフォーカスシステムに進化しており、より広いオートフォーカス範囲と被写体追従性を備えています。

 2つのモードダイヤル、カスタム設定バンク、プロレベルのボタンレイアウトなど、マニュアルコントロールなど本格的撮影に必要な基本機能が充実しています。



キヤノン80Dの仕様

センサー解像度:2400万画素

センサータイプ:CMOS

センサーサイズ:22.5×15mm

センサーピクセルサイズ:3.7μ

ローパスフィルター:あり

センサーダスト処理機能:あり

画像サイズ:6000×4000ピクセル

画像処理装置:DIGIC 6

ファインダータイプ: ペンタプリズム

ビューファインダーの適用範囲:


100%

ファインダー倍率:0.95×

内蔵フラッシュ: あり

ストレージメディア:SD

連続撮影速度:7FPS

バッファサイズ(RAW):25

最高シャッタースピード:1/8000~30秒

シャッター耐久性:100,000回

露出計センサー:7560ピクセルRGB+IR

ベースISO:100

ネイティブISO感度範囲:
ISO 100-6400

増強ISO感度:ISO 25,600まで

フォーカスポイント:45点、オールクロスタイプ

フリッカー検出:あり

ビデオの最大解像度:1920 × 1080 最大 60 fps

LCD のサイズ: 3 "

LCDタイプ:バリアングル

タッチスクリーンLCD:あり

内蔵GPS:なし

Bluetooth:なし

内蔵Wi-Fi/NFC: あり

バッテリー:LP-E6N リチウムイオン電池

電池寿命:960ショット(CIPA

防塵防滴処理:あり

USBバージョン:2.0マイクロB

重量(本体のみ):730g

外形寸法:139×105.2×78.5mm



 ご覧のように、CANON 80Dはこのクラスのデジタル一眼としては過不足のない機能で固められています。毎秒7コマはデジタル一眼レフカメラとしては非常に立派であり、デュアルピクセルオートフォーカスのような機能はミラーレスカメラの最高の特徴といえます。バッテリー駆動時間も、1回の充電で960枚の写真が撮影できるという優れものです。

 一方でBluetoothや4Kビデオなど、出せる技術の一部を保留しているような気もします。また、80Dはメモリーカードスロットが1つしかないので、一部の写真家(結婚式など一生に一度のイベントを撮影する人など、1つのスロットでは安心できない人)には敬遠されてしまうかもしれない。


ハンドリングと人間工学

 全体として、キヤノン80Dの操作性は非常に良いです。特に上級者向けのカメラとしては、非常に機能的で使いやすく、重厚感がありデザインにも配慮されています。このクラスのカメラに見られるようなボタンの欠落もなく、キヤノンのメニューシステムは今でも最高のカメラの一つだと言えます。

 敢えて難を言うならバリアングルのため画面が横に反転し、カメラの左側にボタンを配置するスペースが少なくなっています。そのため、カメラの右側と上部に操作部が密集してしまい、レイアウトに慣れていないと間違ったボタンを押してしまうことがあります。また、ボタンの形状や大きさ、操作感が同じなので、80Dのレイアウトに慣れていない人は、ファインダーから目を離してどれを押しているのか確認する必要があるかもしれません。

 ボタンやメニューオプションが著しく不足している低価格のデジタル一眼レフカメラやミラーレスカメラと比較しても、圧倒的にCanon 80Dの方が有利です。80Dでは、重要な設定を調整するために頻繁にメニューを入力する必要はありません。




造りの質

 総じてCanon 80Dはよくできています。比較的軽量なポリカーボネート/マグネシウムのボディは、手に持ったときに非常に頑丈に感じます。キヤノン80Dは、競合するD7500を含む多くのニコンのカメラよりも優れていると言っても過言ではありません。これは主にグリップ素材の質の高さと、カメラボディ自体のより湾曲した仕立ての良さによるところが大きいでしょう。

 80Dの画面は、液晶はもちろんシャープですが、撮った写真を見直すときに写真が格別に良く見える不思議な能力を持っています。これは単にキヤノンのJPEG設定などのせいではなく、画面自体がニコンのものとは異なるよりよいキャリブレーションがなされており、彩度色調が増し、実際よりきれいに見えるのだと思います。
 
 80Dの18-55mmキットレンズは、品質が非常に良いです。小型軽量で、2つのスイッチ(手ぶれ補正とオート/マニュアルフォーカス)がついています。キヤノンの18-55mmはオートフォーカス時にマニュアルフォーカスができるのも優れています。



EOS 80Dのいい所

 敢えて言いますが、このカメラは特に「最高」というわけではありません。でもオートフォーカスやISO性能では定評あるニコンD7500さえ凌駕していると思います。

 洗練されたメニューレイアウトとプロレベルのボタンレイアウトが快適ですし、(タッチスクリーン、色、チルトフリップの柔軟性の点で)先進的なLCDも見逃せません。また、作り込みの良さと手触りの良さもトップレベルです。いずれにしても、より高いスペックとテスト数値を誇るカメラが多い中で、キヤノン80Dはそれに負けていません。それは、キヤノンが長年にわたって現場で使えるように製品を磨いてきた証でもあります。


キヤノン80Dの長所

使いやすいメニューシステム

シャープで鮮やかな液晶

高品質なバリアングルとタッチスクリーン

便利で高度な機能のカスタム設定モード

デュアルピクセルのオートフォーカス

低照度条件でも動作するオートフォーカス

頑丈な機体品質とカメラ本体のデザイン

高画質キット18-55mmレンズ


 全体的に見て、Canon 80Dは非常に優れたカメラであり、Canonのラインナップの中では最高の価値を持つカメラの一つです。最新機種の90Dはさらに洗練された機能が搭載されていますが、中級クラスかそれ以前の腕のカメラマンなら、価格のこなれた今、
80Dがベストの選択です。驚くべきことに、発売当初アメリカで本体価格$12000だったものが、いま$840前後で買えます。これは性能と照らし合わせると超お買い得と言えます。中古ならこの間eBayで18-135mm EF-S f/3.5-5.6 IS USMのレンズ付きで$678.89などというものも出ておりました。いままた一眼レフが見直され、Canon 80Dの相場価格が上がりつつあります。ミラーレスはまだちょっとという方には、またとない選択肢がCanon 80Dなのであります。


2021年2月21日日曜日

富士フィルムの中判カメラ

GFX 100S:モンスター級のカメラ

 


 先ごろ富士フィルムから発表され、来る「CP + 2021 ONLINE」でも大々的に宣伝されるであろう最新中判カメラ、GFX 100S。これがいま予約注文で予想を上回る反響だそうです。
 ちょっと前までは中判センサーなんてプロの中でも特殊な撮影時のみ必要なカメラだと認識していましたが、時代は変わりつあるようです。
 大きなトレンドが一眼レフのAPS-C機からフルサイズ・ミラーレスに移行しつつある中、全体のスペック底上げが著しく、さらなる高みへ向けて、カメラファンは中判カメラも普通に視野に入るようになったという事でしょうか? 
 この富士フィルムGFX 100Sの少し前には、SONYからフラッグシップ機「a1」が発表され、そのすさまじいスペックと値段に、カメラファンの間ではどよめきが起こったばかりです。
 
 富士フィルム渾身の最新鋭中判カメラとはどういうものなのでしょうか?
 
 GFX 100Sは、富士フイルムの4台目のミラーレス中判カメラで、102メガピクセルのセンサー、4K/30p動画撮影、6ストップの5軸手ブレ補正(IBIS)を搭載しています。

 驚いたのはサイズ感です。前期種のGFX 100はいかにも中判カメラといういかつい形状で、一眼レフ機に比べて小型化を図ったと謳われていた割には、そこそこ重たく、かさばるプロ専用機という印象でした。(もっとも2017年に発表された
GFX 50も中判としては十分インパクトのある小ささでしたが)
 今回は35mmフルサイズのデジタル一眼レフカメラよりもさほど重くもなく、-5.5EVの低照度下でも0.18秒でピントを合わせられ、天板にはPASMダイヤルと1.8インチのサブ液晶モニターを搭載したスタンダードなザ・カメラといった形状です。巨大なセンサーを積んでよくもここまでコンパクトにできたなと感服します。
 携帯性のために性能を犠牲にすることなく、世界で最もコンパクトで高性能な大判カメラのひとつを生み出した、ということでしょうか。
 じっさいこれまでのどのGFXシステムカメラよりも進化しており、富士フイルムの最高のイメージング技術を結集して、わずか900gのカメラに仕上がっています。また、フルサイズカメラと同等のサイズながら、フルサイズセンサーの1.7倍※2の102万画素センサーを搭載し、最大6段の5軸手ブレ補正機能(IBIS)、驚異的な高速・高精度オートフォーカス、世界に誇る色再現性など、富士フィルムの技術の粋が結集した最高機種と言えるものです。
 また先代GFX 100の画期的なアイデアをベースに、「機動性」と「携帯性」をコンセプトに、大判カメラの可能性を超えた、これまでにない大判映像制作の可能性をクリエーターに提供するカメラ、とメーカーは謳っています。

 なお本機には、1970年代に登場したアメリカのニューカラー写真を彷彿とさせるといわれる「ノスタルジック・ネガティブフィルム・シミュレーション」を初めて搭載しました。

 
GFX100Sは2021年3月4日から発売され、本体の価格はアメリカで6000ドルから。





GFX100Sの主な特徴

 富士フイルムの高性能クアッドコアCPU「X-Processor 4」を搭載したGFX 100Sは、102メガピクセルの裏面照射型大判CMOSセンサーを搭載し、圧倒的な画質を実現しています。従来のフルフレームのデジタル一眼レフカメラやミラーレスカメラに一般的に搭載されている小型で低解像度のセンサーと比較して、富士フイルムGFX 100Sの撮像センサーは約1.7倍の大きさで、光に対する感度が非常に高くなっています。これにより、信じられないほど浅い被写界深度、素晴らしいダイナミックレンジ、忠実な色再現、優れた高ISO性能を持つ画像を生成するという点で、小型センサーに比べて大きなアドバンテージを得ています。

 富士フイルムの色再現の専門知識は、画像メーカーの間では伝説的な存在です。富士フイルムは86年以上にわたり、世界中で象徴的な写真や映画を生み出してきました。GFX 100Sは、世界で最も広く評価されているデジタルカラー処理エンジンを搭載しており、ボタンを押すだけで、この豊富な色再現を実感できます。
 本機にはFUJIFILM独自の19種類のフィルムシミュレーションモードを搭載しているので、カメラから撮って出しで素晴らしい色を表現することができます。GFX 100Sには、新しいフィルムシミュレーションモード「ノスタルジック・ネガ」が搭載されています。1970年代に登場したアメリカのニューカラー写真を彷彿とさせ、この色を意図的に使うことで写真の創造性の境界線を広げることになりそうです。その独特の色調は、ハイライト部分に琥珀色のトーンを加えてソフトな印象を与え、シャドウ部分の彩度を高め、ディテールを維持したまま、画像に叙情的な雰囲気を与える、ということです。


低照度下でも優れた高性能ミラーレスAF

 他の多くの大判カメラや中判カメラとは異なり、センサー上の位相差画素がGFX 100Sの撮像素子のほぼ100%をカバーしているため、これまでの大判デジタルカメラでは実現できなかったオートフォーカス性能を実現しています。これにより、-5.5EV*4という低輝度下でも、最短0.18秒でピントを合わせることができ、汎用性が高く、精度が高く、驚くほどの高速性を実現しました。また、「X-Processor 4」を搭載し、「トラッキングAF」や「顔・目AF」を使用した場合にも、最新のフォーカストラッキング・アルゴリズムを効率的に活用し、ピントを合わせやすくしています。


最新の手振れ補正

 GFX 100Sは、新設計のボディ内手ブレ補正機構(IBIS)を搭載し、写真家の手ブレ補正能力を飛躍的に向上させました。GFX 100SのIBIS機構は、FUJIFILM GFX 100に搭載されているユニットと比較して、20%の小型化と10%の軽量化を実現しています。しかし、このような小型化にもかかわらず、5軸システムはCIPA規格の手ブレ補正機能を6段分搭載しており、GFX 100と比較して0.5段分の手ブレ補正効果を実現しています。


携帯性を考慮した高性能

 900g、幅15cm、高さ10.4cm、奥行き8.7cmのコンパクトなボディは、多くのフルフレームカメラに匹敵するサイズです。しかし、そのコンパクトなボディにもかかわらず、高性能なIBISと、一般的なフルサイズの約2倍の102MPの撮像素子を搭載しています。GFX 100Sは、シャッターユニットとIBISユニットを一新し、小型ながらも高効率なリチウムイオン電池を採用しました。これにより、GFX 100よりも約6cm短く、500gの軽量化を実現し、小型化しながらも、静止画や動画の性能を維持しています。そのため、GFX 100Sの小型化は、手にしっくりと馴染む堅牢性の高いグリップによってバランスが取れており、長時間の撮影でも非常に持ちやすくなっています。

 GFX 100Sは、-10℃という低温での使用を想定し、防塵・防湿性を備えています。また、マグネシウム合金製のケースを採用し、GFX 100と比較してレンズマウント周りを1mm厚くしているため、大型のGマウントレンズにも対応できます。


慣れ親しんだ操作性

 富士フイルムGFX 100Sは、GFXシステムを初めて使う人にも、既存の写真家にもなじみのある操作系を採用しています。例えば、6つのプログラム可能なカスタムオプションを備えたPASMダイヤルは、頻繁に使用する設定に素早くダイレクトにアクセスできます。人間工学に基づいて改良されたフォーカスレバーは、フォーカスポイントの選択を簡単かつスムーズにします。

 背面には3.2型液晶モニター、天板には1.8型サブ液晶モニターを搭載し、シャッタースピード、絞り、ISO感度、露出補正などの主要なEXIF設定の表示や、主要機能のステータス表示、ストレージメディアの容量表示などのカスタマイズが可能です。3.2型のタッチ対応液晶ディスプレイは236万ドットで、3方向(上90度、下45度、右60度)に傾けることができ、100%のカバー率を実現しています。


動画:スムーズな4K30Pを実現
  
 大型の撮像素子を搭載したGFX 100Sは、浅い被写界深度、高ISO性能、広い階調性など、映画のような4K/30p動画を撮影することができ、他の追随を許さない画質を実現しています。映像は、内部でSDカードに記録する10ビット4:2:0 F-logから、HDMIポートを介して12ビット4:2:2 ProRes RAWまで、さまざまな品質レベルで400Mbpsのビットレートで記録することができます。

 GFX 100Sは、4K映像を16:9のアスペクト比で記録できるほか、デジタルシネマでよく使われる17:9のアスペクト比にも対応しています。H.264やH.265のような最も一般的に使用されている圧縮コーデックも利用できます。さらに、REC.2100サポートのハイブリッドガンマログ(HLG)やF-Logのようなプロ仕様の規格を選択して、クリエイティブなコントロールを完全に行うことができます。H.264のような一般的な圧縮コーデックを使用する場合と比較して、F-LogやHLGで映像を記録することで、編集やカラーグレーディングプロセスを経て、輝度、彩度、その他の画像属性の調整が行われるため、ポストプロダクションの柔軟性が向上します。

 画像ベースの調整やカラーグレーディングのオプションで最大限の柔軟性を実現するために、GFX 100Sは、4K/30Pの映像をHDMI経由でAtomos Ninja V Recording Monitorに直接12ビットRAWで記録し、後でProRes RAWとして出力することもできます。これにより、カメラ内の処理にとらわれず、制作後のポストで映像に関するすべての判断を行うことができます。また、RAW映像とフィルムシミュレーションモードを適用したF-LogやHLG(Hybrid Log Gamma)の映像を同時に出力することも可能です。

 というわけですべてが型破りなカメラですが、ちょっと前に発表され、話題を独占したソニーのフラッグシップ機a1と比べるとどうなるのでしょうか?




フジフィルムGFX100S 対 ソニーa1

 まずはその価格から。Digital Camera Worldによると、ソニーa1は6,499ドルで、キヤノンEOS R5と比較し、a1はキヤノンを凌ぐカメラと評価しています。一方、富士フイルムGFX100Sは5,999ドルで販売されています。格上とされる中判の富士フイルムGFX100Sの方がかなり安いというのは注目に値します。

ボディサイズ、センサー、モニター、EVF
 サイズ的には、富士フイルムGFX100Sの方がソニーa1よりも大きめです。ソニーが厚さ80.8mm、幅128.9mmなのに対し、富士フイルムは厚さ87.2mm、幅150mm。高さでは、ソニーの96.9mmに対し、富士フイルムは104mmと高い。

 センサーについては、ソニーが35.9×24mmであるのに対し、富士フイルムは43.8×32.9mmとかなり差があります。メガピクセルでは、a1の50.5MPに比べてGFX100Sは102MPと2倍の解像度を誇ります。
 
モニターの違い
 ディスプレイは、どちらもチルト式で光軸に沿って素早く上下に向けられるのが素晴らしいです。ただ富士フィルムのモニターは、さらに右に傾けたい場合は、45度または60度に傾けられ、縦位置撮影もある程度対応可能です。
 またa1は800×600ピクセルで3インチの画面ですが、GFX100sは3.2インチで1024×768ピクセルでより高い画面解像度を持っています。
 EVF(電子ビューファインダー)、a1は0.9倍の拡大撮影が可能な0.64型の有機ELパネルを搭載しています。a1のピントは2048×1536ピクセルと、フルHD以上の完成度を誇ります。一方、GFX100sは0.77倍の倍率で、解像度は1280×960ピクセルの720pしかありません。暗い場所での撮影が好きな方は、モノクロモードの有機ELを搭載したフジフイルムの方に関心が湧くかもしれません。

オートフォーカス、バスト性能、バッテリー
 GFX100Sは、5fpsのトップスピードで3秒間のバースト撮影ができます。一方、ソニーは30fps。メカニカル・シャッターを使用したい場合は、10fpsになります。a1は238枚のRAW写真をバッファに入れることができるので、バースト性能を重視するならソニーに軍配が上がります。
 スピードに関してはa1のほうがフジよりも優勢です。ソニーのミラーレス用オートフォーカスは、やはり業界最高水準です。また、759点の位相差はフレームの9%を占めています。一方、フジのオートフォーカスは425点の位相差までしか届きません。

 バッテリー寿命については、静止画で530回、ストレート動画で150分撮影できるので、ソニーa1の方がはるかに優れています。GFX100Sは1080pで静止画460枚、動画110分しか撮影できません。4K動画を撮影したい場合、フジは95分しか撮影できません。

総括
 どちらのカメラも現代持ちうる最高のテクノロジーを駆使しており、なおかつプロや専門家にとどまらない、一般向けをアピールした機種となっています。使い勝手の良さ、ユーザーフレンドリーがひと昔前のカメラとは大きく違い、誰もが簡単にハイレベルの写真を撮れる時代になったものです。どちらが良いか優劣はつけがたく、それぞれの用途に応じて選ぶことになるでしょう。


2021年2月20日土曜日

無料のフォトエディタ

タダで使える写真編集ソフト



 プロから趣味で写真を撮る人まで、いま一番勢いのある写真編集ソフトと言えば、Lightroomでしょう。大量に撮った写真をまとめて一括管理しやすく、RAWで撮った写真を思うように編集できるのが人気の秘密です。細かい色調調整なども多彩な機能で自在にできるので、本格的に写真編集する人には欠かせないソフトです。


 こちらはAdobeのサイトから月額1078円のフォトプランでPhotoshopと抱き合わせでサブスク購入できます。
 しかし初心者にとってはいささか荷の重いソフトでもあり、頻繁に使う人でなければ他のオプションも検討したいところです。そこで今回は、Lightroomに行く前に試しておきたい無料の写真編集ソフトを集めてみました。いずれもそれぞれのサイトか、Microsoft StoreやApp Store、Google Playなどでダウンロードできます。これらをいくつか試してみて、使い勝手が良いものがあれば、儲けものです。中には有料版への撒き餌のようなソフトもありますが、そこは長く付き合えると確信したうえで、アップグレードすればよいことです。これらのソフトでどうしても満足できなければ、やはりLightroomがおススメです。それには及ばないものの、人によっては十分すぎるほどの無料ソフトもあります。ぜにご自分の手で確かめて、一番合ったものをマスターしてみてください。


1. Canva

 Canvaはウェブブラウザ上で動作するフォトエディタで、お気に入りのスナップをカード、ポスター、招待状、ソーシャルメディアの投稿にするのに最適です。洗練されたオンラインプレゼンスを維持することに興味がある方にぴったりのツールです。

 Canvaには無料と有料の2つのレベルがありますが、無料レベルはホームユーザーに最適です。メールアドレスを入力してサインアップするだけで、スナップやデザイン用の1GBのクラウドストレージが無料で利用でき、8,000種類のテンプレートを使用して編集することができ、仕事を整理しておくための2つのフォルダが用意されています。

 クローンブラシやスマートセレクタのような高度なツールはここにはありませんが、色合い、ビネット効果、シャープネス、明るさ、彩度、コントラストの調整などを適用するための便利なスライダのセットなどがあります。テキスト編集ツールは直感的で、背景やその他のグラフィックも豊富に用意されているので、デザインを初めて間もない人でも、テンプレやガイドに従って、容易に作品を完成させることができます。



2. Fotor

 Fotorは、あなたの写真を素早くブラッシュアップさせるのに最適な無料のフォトエディタです。クローンブラシやヒーリングツールを使ってレタッチする必要がある場合は、要求に応えられません。しかし、あなたのニーズがシンプルな場合、つまり込み入った編集をしないという人には、ハイエンドのフィルターを使って素早く編集を終えることができます。

 初めてでも使いやすいチルトシフトツールや、ビンテージ感のある鮮やかな色調の調整など、Fotor の賢いメニューシステムを使って簡単にアクセスできます。カーブやレベルを手動で変更することもできますが、ハイエンドのツールのような複雑さはありません。

 Fotorの特徴的な機能で、多くのフリーのフォトエディタに欠けているのは、バッチ処理ツールぐらいでしょう。



3. Paint.NET

 多機能ソフトが必ずしもベストというわけではありません。Paint.NETのシンプルさは、それ自体が主なセールスポイントの一つです; それは、迅速かつ簡単に操作できるフリーのフォトエディタです。

 しかし、名前に騙されてはいけません。これはマイクロソフトの超基本的なペイントの安っぽいコピーではありません。それは、 曲線の基本的な操作も上手く習熟できる、 正真正銘のフォトエディターです。

 Paint.NETのインターフェイスは、その名前の由来を思い起こさせますが、何年もの間に、レイヤー、元に戻す履歴、たくさんのフィルター、無数のコミュニティ作成のプラグイン、画像を再構成するのに便利な素晴らしい3D回転/ズーム機能などの高度な編集ツールが追加されました。


4. GIMP

 GIMP (GNU Image Manipulation Program) は最高の自由なフォトエディタです。プレミアムソフトウェアで見かけるような画像を強化するツールが満載で、 毎日さらに多くのツールが追加されています。

 写真編集ツールキットは無料とは思えない洗練された美しさで、レイヤー、マスク、カーブ、レベルなどの機能を備えています。優れたクローンスタンプとヒーリングツールで簡単にキズを除去したり、カスタムブラシを作成したり、遠近法の変更を適用したり、スマートな選択ツールで孤立した領域に変更を適用したりすることができます。

 GIMP はオープンソースのフリーフォトエディタで、 ユーザーや開発者のコミュニティはその実用性をさらに高めるために膨大なプラグインのコレクションを作ってきました。これらのプラグインの多くはプリインストールされていますし、 公式の用語集からダウンロードすることもできます。それだけでは物足りない場合は、Photoshopプラグインをインストールすることも可能です。



5. Adobe Photoshop Express Editor

 Adobe Photoshop Express Editorは、その名の通り、世界をリードするAdobeの写真編集ソフトウェアの縮小版、ブラウザベースのバージョンです。驚くべきことに、ダウンロード可能なPhotoshop Expressアプリよりも豊富なツールキットを備えていますが、16MB以下のJPG形式の画像のみをサポートしています。

 これもFlashベースのツールですが、アドビはすべてのプラットフォームに対応した便利なモバイルアプリを提供しているので、スマートフォンやタブレットを使っていても見逃すことはありません。

 この無料のオンラインフォトエディタは、アドビに期待するような素晴らしい機能を備えており、ライバルのいくつかほど多くのツールを誇っているわけではありませんが、そこにあるすべてのものが完璧に洗練されています。間違いなくAdobe Photoshop Express Editorは楽しく使えます。唯一の欠点は、アップロードできるファイルサイズと種類に制限があることと、レイヤーのサポートがないことです。



6. Ashampoo Photo Optimizer

 急いで編集しなければならない写真がたくさんある場合、Ashampoo Photo Optimizerはあなたのためのツールになるかもしれません。そのインターフェイスは、きれいで散らかっていないと、多くのユーザーから評価されています。
 写真のインポートは簡単で、プールに追加されたら、貴重な時間を節約して、回転させたりミラーリングしたりするために、一度にいくつかの写真を選択することができます。また、ソフトウェアのワンクリック最適化ツールを使って、個々の写真を選択して強化することもできます。風景写真には特に効果があるのですが、他の被写体には必ずしも優れているとは言えません。

 手動で色や露出を補正したい場合は、6つのスライダを使って正確に補正することができます。同じ色の変更を写真全体に一度に適用できないのは残念ですが、それ以外は素早い補正を行うための素晴らしい無料フォトエディタです。

 より高度な編集をしたい場合は、Ashampoo Photo Optimizer 7、最適化ツールが強化されたプレミアムバージョンをチェックして
みてください。



7. Photo Pos Pro


 Photo Pos Pro は Paint.net や GIMPほど知られていませんが、Photo Pos Pro も最高品質のフリーフォトエディタで、高度な画像処理ツールを満載しています。

 このフリーのフォトエディターのインターフェイスは、GIMP のメニューやツールバーの配列よりもスマートで使いやすく、すべてが論理的で一貫性のある方法で配置されています。それでもまだ威圧感があるという方には、Fotor のフィルターベースのアプローチに似た「初心者用」のレイアウトもあります。選択はあなた次第です。

 エキスパート版レイアウトには、洗練された編集のためのレイヤーとレイヤーマスクの両方があり、カーブやレベルを手動で調整するツールもあります。メインメニューからワンクリックでフィルタにアクセスすることもできますが、より細かい編集に重点が置かれています。
 Photo Pos Proの無料版では、最大1,024 x 1,024ピクセルでしかエクスポートできないのが残念です。オンラインで共有するために画像を準備している場合は問題ないかもしれませんが、作品を印刷したい場合はソフトウェアの有用性が制限されてしまいます。


8. PhotoScape


 PhotoScapeはシンプルな無料フォトエディタのように見えるかもしれませんが、メインメニューを見てみると豊富な機能を見つけることができます。
 PhotoScapeのインターフェイスは、私たちがここで見てきたすべてのアプリの中で最も難解なものの一つで、ツールは奇妙な構成のページにグループ化されています。確かに独創性はあり、Photoshopの真似をしようとはしておらず、機能も少な目です。
 PhotoScapeのフィルタはかなり高度なので、写真を素早く水平にしたり、シャープにしたり、スナップでマイルドなフィルタリングを追加したりする必要がある場合には良い選択だと思います。



9. Pixlr X

 Pixlr X は、Pixlr Editor の後継バージョンです。Pixlr Editor は、長年にわたって私たちに愛されてきた無料のオンラインフォトエディタの 1 つでした。
 Pixlr X では、前身の Pixlr Editor にいくつかの改良が加えられています。まず、Pixlr X は Flash ではなく HTML5 をベースにしているため、最新のブラウザでも動作します。また、Photoshop Express を彷彿とさせるインターフェイスと、ダークまたはライトのカラースキームを選択できるようになっています。

 Pixlr X では、色や彩度を細かく変更したり、画像をシャープにしたりぼかしたり、ビネット効果やフレームを適用したり、複数の画像を結合したりできます。また、多くの無料オンライン写真エディタにはないレイヤーもサポートされており、ペイントや描画のためのさまざまなツールが用意されています。高度な作業にも最適です。



10. PiZap

 無料のオンラインフォトエディタPiZapは、HTML5とFlashの両方のエディションで利用できるので、どのデバイスにも適しています。ハードドライブ、Facebook、Google Photos、Google Drive、Google Search、またはストックイメージのカタログから写真を選んで作業することができます。ストックイメージの一部はプレミアム購読者にのみ利用可能であり、Googleイメージズから直接写真を使用する場合は著作権の問題に注意する必要がありますが、これは印象的な選択肢です。

 piZapの編集インターフェイスは、迅速な調整のためのスライダーを多用する暗い, モダンなデザインを持っています - あなたがタッチスクリーンデバイスを使用している場合は、トリッキーなアイコンやドロップダウンメニューよりもはるかに優れた動作するシステム.

 作成したものは、最大手のソーシャルメディアネットワークや、piZap独自のサーバー、Dropbox、Google Driveで共有することができます。また、ハードドライブに保存したり、電子メールで送信したり、埋め込みコードを取得したりすることもできます。あなたがプレミアムエディタのために財布を開いている場合にのみ、高品質であなたの作品をエクスポートすることができますが、愚かなソーシャル共有のためにそれが問題になることはほとんどありません。



その他のフリー・フォトエディタ

Ashampoo Photo Commander Free

 Adobe Lightroomに代わる無料のソフトウェアで、ワンクリックで画像のバッチを修正できるフィルターを使って、写真を編集して整理することができます。

IrfanView


 Lightroomに代わるもう一つの可能性を秘めたIrfanViewは、写真を一括で編集したり、タグ付けしたり、整理したりするためのシンプルながらも効果的なツールです。


フォトエディタの選択肢

 無料のフォトエディタを選ぶ際、まず最初に考慮すべきことは、自分の自信と経験のレベルです。単純にいくつかの調整(例えば、シミの除去や色の改善)をしたい場合は、シンプルなオンラインツールが最適で、オプションに圧倒されることなく作業を行うことができます。

 一方、より高度な編集に興味があるのであれば、レイヤーやマスクなどのツールを提供し、プロセスを完全にコントロールできるデスクトップソフトウェアを選ぶとよいでしょう。

 デスクトップソフトウェアは、編集する写真が複数ある場合にも適しています。無料のフォトエディタの中には、写真を一括で編集できるものもあり、膨大な時間を節約することができます。

 また、エクスポートした写真を何に使用するかを考慮する価値があります。オンラインのフォトエディタは、多くの場合、JPG形式で比較的低い解像度でしか画像をエクスポートできません。オンラインで表示したい画像には良いかもしれませんが(多くのフォトエディタにはFacebookやTwitterに直接画像を送信するツールが含まれています)、プリントしたい場合は、GIMPやPaint.NETのようなツールの方が、あらゆるフォーマット、高解像度でのエクスポートが可能です。


 以上、今現在アメリカで流通しているフリーの写真編集ソフトをご紹介してきました。まだまだこの分野の編集ソフトには未知の可能性を秘めたソフトやアプリがたくさんあります。またいいものが見つかったらご紹介していきたいと思います。

2021年2月19日金曜日

写真の撮り方とコツ 2

初心者用:写真を上手く撮る方法




上手くなる写真:後編


2. 必要十分な光を確保

 撮影に際し、周りの環境を見て光量の多寡を確認することは、重要な要素であり、経験の浅いカメラマンがしばしば見落としがちなものです。最初のステップは、被写体が見えるように十分な光があることを確認することです。十分な光がない場合、カメラは露出関連の全機能を駆使して少ない光を補わなければいけません。

 

3. 照明器具を手に入れる


 限られた光の中でいかに上手く撮るかは写真家の腕の見せ所です。でも初心者はなかなかそこまで上手く撮れません。利用可能な光だけに頼るのは、撮影のための正しい方法とは限りません。プロのカメラマンは、照明について多くの時間を費やし、ありったけの照明機器を使うことも厭いません。しかし、ビギナーならまずは最小限の設備でいかに光を補えるのかを知るべきであります。


レフ板を試してみる

 レフ板のレフはreflexつまり光の反射のことをいいます。影ができる側に光を反射するレフ板を使うことで、光をあてて被写体を明るくできます。レフ板というのは、光を反射する色や材質を持っているので、被写体に陰影をつくりすぎないように光を調節する撮影補助器具なのです。
 汎用性の高いレフ板は、通常反射材料の異なるタイプから作られたリバーシブルカバーが付属しています。例えば、明るい光に対応した銀色のカバー、柔らかい光を反映する白いカバー、そしてシーンから光を除去するための黒のカバーなどもあります。


フラッシュとディフューザー

 写真をプロっぽく見せるためには、ライティングが重要な要素です。スタジオ用のストロボなどのライティング機材はかなり有効な手段です。でもその前にカメラのフラッシュも忘れてはいけません。
 フラッシュは人工的な仕上がりで嫌だという人もいます。もし、光がキツイと感じて使用をためらっているのであれば、いくつかの解決策があります。その中でも特におすすめなのが、外部ストロボです。カメラのホットシューに取り付けて使用するか、オフカメラで使用するかにかかわらず、外付けフラッシュは、はるかに柔軟性を持っています。
 ひとつは、被写体に直接光を当てるのではなく、バウンスと言って、光を壁や天井に向けて反射光を利用する手法です。光がより均等に広がり、光の強さを感じにくくなります。また、外部フラッシュ用の様々なフラッシュ・ディフューザーも販売されており、光を表面に反射させずに光を和らげることができます。
 

 また、多くの写真家は、さまざまな半透明の白いプラスチック容器などを利用して、それぞれ手作りのデフューザーを作ったりします。



光の効果を試してみる
 
 ファインダーを覗くのに慣れると、光が被写体に与える影響の大きさがわかってきます。光の射し方ひとつで写真の雰囲気はガラッと変かわります。また様々な方法で光を味方につけると写真が面白くなります。

 例えば、以下のようなシチュエーションは撮影効果絶大なので、試してみてください。

ゴールデンアワー
 ゴールデンアワーとは、日の出直後から日没前までの時間を指しマジックアワーとも呼ばれます。まるで魔法にかかったような、黄金色の光に包まれた写真が撮れる時間帯です。また、太陽が低くなっているので、影が長くなり、ドラマチックな写真が撮れます。

シルエット
 沈みゆく太陽のような明るい光の前で被写体を撮影し、カメラの設定を手動で調整して、光の背景に暗いシルエットが残るようにしてみましょう。影絵のような被写体。それををつつむように光の背景を淡くファンタジックに演出すると、とてもアートな写真が出来上がります。

複雑な光の応用
 明るい光と影がたくさんある場所や時間帯に撮影すると、コントラストのある面白い写真が撮れます。なにも考えず下手に撮ると、ただごちゃごちゃしたスクラップのような写真になりがちですが、全体を支配する色調を意図的に統一すると、見違えるように変身させることができます。以下がその一例です。

 




4. 写真の編集

 デジタルフォトの時代、プロの写真家もRaw画像で撮影して、パソコン上で編集する時代です。写真に細工を施すのを潔しとしない時代もありましたが、過度の特殊効果をしなければ、撮影の意図を損ねることはありません。むしろ光と撮影の関係を学ぶため、積極的に写真の編集に挑むべきです。
 ライトルームやフォトショップはプロの写真家御用達の編集ソフトです。トリミング、明るさの調整、色の補正、その他の調整など、どんな画像でも自在に編集することが可能です。
 多機能なため、操作を学ぶのに時間を要しますがそれだけの価値があります。アドビのウェブサイトには、オンラインで学べるチュートリアルもたくさんあります。

 無料の編集ソフトをのぞむのであれば、いま最も人気があるのはGIMPです。アドビのソフトに劣らないくらいの豊富な機能がたくさんあります。

 

5. カメラの設定を学ぶ

 カメラのオート設定に頼っていると、いつまでたっても良い写真の撮り方を理解することができません。ステップバイステップで、シャタースピード優先や絞り優先を試していき、焦らずオールマニュアルに至るまでの操作法を試していきましょう。

 一つの方法として、Pつまりプログラムモードを参照しながら撮るやり方があります。ご存じのようにPモードはどのカメラにも搭載されたモードで、カメラが最適な露出を設定してくれます。このカメラの判断と自分のマニュアル設定とを対決させるのです。同じ被写体を同じ場所同じアングルで二度撮ります。一度目はPモードで、次にマニュアルモードで自分が最適と思う設定にして撮るのです。すべての撮影をこうしてペアで二枚ずつ撮って、あとで見較べてみましょう。Pモードはほとんどの場面でそつなく撮れているはずで、いいお手本になります。
 ここでただ勝った負けたにこだわるのではなく、こんな場合にカメラはこう判断した、という数値的検証を怠らないことです。カメラは極めて論理的な装置なので、撮影の際の絞り値、シャッタースピード、ISO値、露出補正何段などはすべてデータとして役に立ちます。ときとして人の判断の方がいい場合もありますが、初心者の場合は、Pモードで撮った写真の結果は重く受け止めて、今後の反省材料として活用してください。 
 



6. 三脚を選ぶ

 すでにいくつかの照明機材について説明しましたが、プロの写真を撮る方法を知りたいのであれば、写真機材を追加することを検討してみてはいかがでしょうか。
 カメラやレンズに手振れ補正がついていて、手持ち撮影に慣れているのであれば、三脚は必要ないと思うかもしれません。しかし三脚があれば、三脚なしではできない様々な撮影テクニックを試すことができます。例えば
長時間露光、テザリング撮影、暗所撮影などに役立ちます。もちろん家族や集合写真に自分を加えることもできますね。
 


7. カメラ選び

 初心者が買うべきカメラに関しては様々な意見があります。Canon EOS Kiss シリーズのビギナーガイドのように図解で被写界深度やシャッタースピードを解りやすく示してくれるものもあります。まさに至れり尽くせり、写真の知識がなくても、カメラ任せで簡単にきれいな写真が撮れます。

 一方で、初心者こそハイグレードで高性能なカメラを持つべきという意見があります。こちらは初心者だからこそ、すべての機能が詰まった高いスペックのカメラでその恩恵を受けるのが妥当だという意見です。たしかにエントリークラスのカメラでは上手く撮り切れない被写体も、ハイエンドカメラなら易々と撮れることはあるでしょう。
 そういったことを踏まえると、どちらも一理あるのですが、つまるところカメラはその人との相性を第一に考えるべきかと思います。いかに高スペックのカメラでも重たくて持ち出さなくなったでは宝の持ち腐れです。逆に安くて評判のいいカメラだったけど、使い勝手が悪くて、思うように撮れない、などとカメラのせいにする話もよく耳にします。
 メーカーごとのカラーもあります。またカメラそれぞれに固有の特徴・特性があり、使ってみなければ見えてこない部分も多いものです。そういうことから、まずは自分が店頭で手に取ってみて、しっくりくるものを選んでみてください。スペックや巷の評判よりも、自分の感覚を信じてみましょう。相性は決して侮れないものです。



まとめ

 以上がカメラ初心者の「写真を上手く撮る方法」です。まだまだ申し上げたいことはたくさんあるのですが、細かい部分は各論的に別の機会にお話しさせていただきます。カメラは買ったときのワクワク感がたまらない素敵な趣味です。すぐにでも外に飛び出して何かを撮りたい衝動に駆られるものです。それも自然な感情で、その感情、感性に任せて撮るのもいいですが、ビギナー脱却を図るならば、ぜひカメラやレンズの仕組み、構造などへの興味を傾けてみてください。知れば知るほど撮影の手助にはなります。
 もう一つ、上手くなるコツは撮った写真を誰かに見せることです。できれば同じ志を持つカメラ好きの仲間とかサークルに入るのがいいです。人は誰かに何かを見せるときは少しでも見栄えの良いように心がけるものです。自分の撮った写真を公に出すことは自己を成長させるのに役立つ行為なので、ぜひ勇気をもって作品をみんなに披露してくださいね。