2021年4月26日月曜日

おススメ:最初の単焦点レンズ

サムズアップ・アメリカ!
プライムレンズで行こう




初めて一眼レフカメラを買った方なら、ほとんどは同梱のキットレンズを持っている事でしょう。最近のキットレンズはひと昔前より性能が増し、カメラ本体との相性も抜群なので、当面はそれほど不自由しないかもしれません。しかし、撮影の幅が広がり、目が肥えてくるとだんだんキットレンズでの限界を感じるようになります。
カメラの世界には、レンズ沼という素晴らしくも恐ろしい領域が待ち受けています。どこで踏みとどまるかは、人それぞれの撮影へのこだわり、コミットメント等に関わってくるものですが、中には借金をしてでもウン十万円もするレンズに手を出す人もいます。

それも生き方の一つでしょうが、撮影を職業としてやる(あるいはやっていくつもり)以外の人は、十分熟慮してレンズ購入プランを練るべきです。

初めてキット以外のレンズを求める方には、それぞれの用途に応じて必要と感じるレンズが必然的に出てくると思います。

野鳥やモータースポーツを撮る人なら、超望遠レンズが欲しくなるでしょうし、広大な景色や建築物を撮りたいなら広角レンズが必要でしょう。

それを踏まえたうえで、それ以外に必ず持っておいた方がよいレンズというものがあります。それが単焦点レンズです。

単焦点レンズはすべてのカメラメーカー、レンズメーカーが細心の注意を払って作り上げた基準となるレンズです。焦点距離は様々ありますが、基本設計はズームを考慮しない分、シンプルで明るくコンパクトなものが大半です。



カメラのレンズを選ぶとき、一般的には「プライム」と「ズーム」の2つの選択肢があります。

プライムレンズは1つの焦点距離(例:50mm)のみをカバーし、ズームレンズは複数の焦点距離(例:24-70mm)をカバーします。

そのため、ズームの方が良い選択のように思えるかもしれませんが、実際にはプライムを選ぶ理由がたくさんあります。その理由を以下に挙げてみましょう。







1. 光量が多い

プライムレンズを使用する大きなメリットは、開放F値が広いため、より多くの光をカメラに取り込むことができることです。簡単に言うと、レンズの穴が大きく開くので、シャッターが開いている間、より多くの光をカメラに取り込むことができます。ですから、光量の少ない状況で撮影する場合、プライムレンズを使えば、ISO感度を上げたり、シャッタースピードを下げたりしなくても、必要な露出を確保することができます。




2. 浅い被写界深度

先ほど、ズームレンズに比べてプライムレンズは開放F値が大きいという話をしました。絞りを開けると、被写界深度が浅くなる(ピントが合う範囲が狭くなる)というメリットもあります。背景がボケて、被写体がシャープな写真を撮りたい場合は、プライムレンズを使うとその効果が得られます。




3. よりシャープな画像

一般的に、ズームレンズよりもプライムレンズの方がシャープに写ります。レンズ設計上、対応できる焦点距離が少ない方が、シャープな画像が得られるレンズを作りやすいのです。ヒント:多くのレンズは開放ではソフトな描写となるため、一般的にはレンズを少し絞る(=絞り値を大きくする)必要があります。しかし、プライムレンズの場合は、少し絞っても絞り開放となり、光がたくさん入ってきて被写界深度が浅くなり、シャープな画像が得られます。




4. 画質の向上

さらに、プライムレンズには画質面でもメリットがあります。一般的に、レンズメーカーは1つの焦点距離を制御するだけでよいので、歪みや色収差が少ないです。このように、便利で小さなプライムレンズから、非常に優れた品質を得ることができるのです。




5. お得感

プライムレンズの価格には大きな差があります。
例えば、キヤノンの50mm F1.8のプライムレンズ(通称「nifty 50」)と、キヤノンの50mm F1.2のプライムレンズを比較すると、後者は約10倍の価格です。
このように、高級レンズになると、価格が大きく跳ね上がります。
しかし、一般的には、画質に対する価格を考えると、ズームよりもプライムレンズの方がお得だと思います。




6. 小さくて軽い

カメラの世界で「軽さは正義」という人もいるくらい、取り回しが撮影を左右する場合が多々あります。重たいシステムを持ち運ぶのは撮影の質にも影響を与えます。ならばレンズにも同様に「小型は正義」と言ってもいいでしょう。
本当にその通りです。一般的に、プライムレンズはズームよりも小さくて軽いです。もし、あなたがスペースと重さを気にしているなら、プライムレンズは本当にぴったりなのです。パンケーキレンズと呼ばれる、女性にも人気のかわいい超小型のプライムレンズもあります。




7. 焦点距離に慣れる

プライムレンズの焦点距離は1つしかありません。ズームレンズのように焦点距離を変えることはできません。しかし、これは焦点距離を理解するのにとても役立つ方法だと思っています。写真の大きな要素のひとつは、ある風景を見て、そこに写る写真を「見る」ことができることです。ある焦点距離で撮影したときの写真のイメージがわかれば、最終的な写真のイメージがより明確になります。

つまり、50mmのプライムをよく使っていると、50mmの世界が見えてくるのです。何が写っているか、何が写っていないか、どのように線が描かれるかなど、50mmで撮影するとどのように見えるかがわかるようになるのです。


そういうわけで基本的にプライムレンズは、焦点距離に対する体感を深めるのに役立ちます。撮影者はおのずと環境に敏感になり、光の量、角度、色合いなどにも配慮するようになるでしょう。すなわちより多くの「感じる」撮影を身に着けていけるのです。



8. 動かざるを得ない

プライムレンズが創造性を発揮するもう一つの特徴は、撮影者に機動力を促すということです。
単焦点を付けると自然とフットワークがよくなります。体を動かし構図を決めていく作業は撮影を学ぶのにもってこいです。
ズームレンズだと動かずに済みますが単焦点はそうはいきません。近づきたければ、近づくしかありません。しかし、足を動かすことは、面白い構図を得るための最良の方法のひとつです。プライムレンズは、構図や効果を考えさせるのに役立ち、写真に対する理解が深まります。



9. 腕が上がったように思える

私自身、実感、そして痛感したことですが、プライムレンズを使うとこれはもう、明らかに写真の写りがよくなります。ポートレートであろうと、スナップであろうと、夜景であろうと、何を撮ろうとも、以前よりずっときれいに鮮明に、明るく立体的になることに感動を覚えます。てっきり自分の腕前が上がったような気分になり、写真を撮るのがより楽しくなること、請け合いです。すぐにそれがレンズのおかげであることに気付き、まもなくレンズの重要性に気付かされます。
そこがレンズ沼の入り口です。自分のスキルや経験不足を補ってくれるレンズのありがたさを実感し、よりよいレンズを求めてさまよい始めるのです。


というのはちょっと脅しに似て、申し訳ありませんね(笑)。カメラファンはもちろんそんな人ばかりではありませんが、いいレンズを持っておくに越したこしたことはありません。

その第一歩として、いろいろ撮影に関して気づかさせてくれるのが、単焦点レンズのいいところでしょう。趣味の世界では、そこから自分に相応しい交換レンズ数本を揃えれば、大抵は事足りるはずです。
まずはいいプライムレンズ一本を選んで、カメラの世界を拡げてください。
そこからあなたのカメラライフは新たな歴史を刻み始めるでしょう。

以下に、比較的リーズナブルで、初心者に優しいプライムレンズを上げておきます。
ご購入の参考にしてみてください。



Canon EF50mm F1.8 STM




キヤノンの「EF 50mm F1.8 STM」は、24年前に発売された「EF 50mm F1.8 II」を、よりスムーズなフォーカシング、より丸みを帯びた絞り羽根、より近接したフォーカシング、そしてより強固なレンズマウントでアップグレードしています。前モデルと同様に、一般的なキットズームの8倍以上の光を集めることができ、低照度下でも優れた性能を発揮し、浅い被写界深度で背景を魅力的にぼかすことができ、よりシャープな写真を撮ることができます。また、低価格なので、キヤノンのカタログの中で最も手頃なレンズであり、デジタル一眼レフカメラをお持ちの方にも、ミラーレス一眼にお使いの方にも、最もお勧めできるレンズとなっています。APS-Cのデジタル一眼レフカメラやミラーレスカメラに装着すれば、80mm相当となり、ポートレート撮影にも最適です。すべてのキヤノンオーナーが最初に持つべきレンズです。



Nikon AF-S NIKKOR 50mm f/1.8G






Nikonの今買うべき代表的な入門単焦点と言えば、これ。古典的な50mmの焦点距離を現代風にアレンジしたレンズです。コンパクトなレンズで、フルフレームのボディで使用すると、標準的な角度の画角が得られます。しかし、APS-Cセンサーを搭載したDXカメラで使用すると、画角が狭くなり、日常的な撮影よりもポートレートに適した短めの望遠レンズになります。シャープネスや集光性の点で大きな損失はありません。
このF1.8レンズは価格がお買い得であり、それでいてニコンらしい正直な描写力が光る安心の一本です。




SONFE 35mm F1.8 SEL35F18F





SONY aシリーズのユーザーなら定番と言えるのが、このFE 35mm F1.8 です。ソニーの35mmフルサイズ用レンズの中でも得に優れた製品です。光学性能では35mm ZAの兄弟レンズを凌駕していますが、小型軽量で価格も手頃です。大口径レンズのようなボケ味は少なめです。APS-C機での像面湾曲がもっと小さくなればさらによいのですが。しかし、クローズアップ撮影時の使い勝手の良い倍率と多機能フォーカスホールドボタンは魅力的なパッケージです。ソニーの新しい35mmレンズとして推薦する声はあちこちで耳にします。



これら以外にも素晴らしいプライムレンズはサードパーティからもたくさん出ています。ただどれも上記のようなお求めやすいレンズばかりではありません。この種の交換レンズは見上げればキリがありません。
ご参考までに、たとえばキャノンからは以下のようなプライムレンズも大好評で迎えられています。



Canon EF 50mm f/1.2L USM

このキヤノンのプライムレンズは世界的にも有名です。写真家たちはこのレンズを「nifty fifty」と呼んでいますが、それはこのレンズがあらゆる状況に対応できる驚くべき汎用性を持っているからです。写真家の間では伝説的な存在となっているシロモノです。

このレンズには色収差がありません。色収差とは、それまで紫がなかったのに、写真に紫が出てくるという厄介な現象です。色収差は古いレンズや低品質のレンズに見られる問題で、キヤノンの50mmはこの問題を解決した最初のレンズの一つでした。

さらに、このレンズはF1.2まで開放できるので、大量の光を得ることができ、低光量のモンスターレンズになっています。




Canon EF35mm F1.4L II USM

数あるキヤノン・プライムレンズの中でもプロカメラマンの間で特に人気があります。光量の少ない写真を撮るために絶対的ななキヤノンの単焦点レンズです。とりわけイベント、コンサート、結婚式などの写真家たちは、このレンズの開放絞りによる非常に鮮明な描写に高評価を与えています。
キヤノンの35mmは、タムロンやシグマの35mmと比べても、圧倒的な存在感を示しています。
また、このレンズはキヤノンのLシリーズに属しているので、天候にも強く、光学系の改良により収差の少ないシャープな画像を得ることができるのが特徴です。
値段を聞いてしり込みしないでください。米ドルで$1799ぐらいが相場です。


私にはあまり縁がありませんが、カメラマンなら一度は使ってみる価値のあるレンズであることは間違いありませんね。


2021年4月25日日曜日

初心者のためのハイキング・ガイド

ハイキングを始めよう



ハイキングは自然の中を歩くことによって、身も心もリフレッシュできる素晴らしいアクティビティです。自分の足で移動し、一日に必要なものだけを背負って、自分のペースで自然の美しさを発見することができます。ちょっとした計画と準備があれば、誰にでもできる無理のない健康法なのです。

ハイキングを夢見ていたけれど、まだ挑戦したことがないという方は、ぜひ一度足を運んでみてください。そのために必要な基本事項を以下にまとめてみました。ただやみくもに自然の中に飛び込むのでは、その楽しさを堪能するころはできません。最低限のルールと知識を身に着けたうえで、ハイキングの第一歩を踏み出してください。

ここではまず前提として、アメリカでのハイキングの話をしますが、日本はじめ世界中どこでも共通の事柄というものがあります。ハイキングに国境はないという意識が根底にありますので、そこを重視していただければ幸いです。


ハイキングのパートナーを見つける

ハイキングをしている友人がいれば、一緒にトレッキングに連れて行ってもらいましょう。たいていの人は、自分の専門知識を教えてくれたり、道具を貸してくれたり、初心者にお気に入りのトレイルを紹介してくれたりします。

知り合いにハイカーがいない場合は、多くの市や町にハイキングクラブがあり、定期的に遠出の計画を立てています。


一人でハイキングする

一人でアウトドアを体験すると、他の場所では得られない自由と冒険の感覚を得ることができます。しかし時には、予見できない孤独に苛まれることもあります。初めてハイキングをする人は、一緒に行動してくれる仲間を見つけることをお勧めします。
私の場合、すでに何度も同じコースを散歩のように歩く場合は別として、初めての場所は、必ず同伴者を募ります。万が一、怪我をしたときにも手を差し伸べてくれるでしょう。
どうしても一人で行く場合は、人気のあるハイキングスポットへの短時間の旅行から始めて、行き先と滞在時間を常に誰かに知らせるようにしましょう。





ハイキングのルートを選ぶ

自分のニーズに合ったハイキングコースを見つけるには、いくつかの方法があります。

ガイドブックやウェブサイトでは、トレイルの難易度、距離、標高差、道順、水源、トレイルの特徴、犬の同伴可否など、必要な情報をすべて得ることができるので、とても便利です。ウェブサイトには、最近の旅のレポートが掲載されていることが多いので、現在のトレイルの状況を知ることができるかもしれません。


口コミ

ハイキングが好きな友人がいれば、いくつかの場所を紹介してもらいましょう。


地元の人と話す

地元のハイキング団体に問い合わせるか、ハイキングをしたい地域のレンジャー・ステーションに電話してみましょう。レンジャーは通常、最新のトレイル状況を把握しており、あらゆるレベルの人に合ったハイキングを提案してくれます。また地元の人はハイキングしない人でもその地の役立つ情報を持っていたりします。積極的に接してみましょう。






ハイキング・ルートを選ぶ際のポイント

完璧なハイキングコースを探す前に、次のようなことを考えてみるとよいでしょう。


時間に余裕があるかどうか

2、3時間しかないのか、それとも1日あるのか。時間の余裕があるかどうかで、どこに行くかが決まります。登山口までの移動にかかる時間も考慮に入れてください。


体力

自分の体調を正直に把握しておきましょう。心の準備ができていない状態で長時間の激しいハイキングをするよりも、楽しい時間を過ごしたいものです。もし、自分の体調が良くなくても、気にする必要はありません。誰にでもできるハイキングがあるのですから。


距離

自分が歩きやすい距離と時間を考えてみましょう。平均的な歩行ペースは時速3マイルですが、地形や標高差、背負っている荷物の量などによっては、ハイキングのペースはそれよりも遅くなることがあります。


標高差

ハイキングの難易度を決める要素のひとつに、標高差があります。少し経験を積めば、自分がどれくらいの標高差を快適に処理できるか、何が過剰かがわかるようになります。参考までに、1マイル(約1.6km)で1,000フィート(約1,000m)の高低差がある場合は、かなりの急勾配と考えてよいでしょう。また、一般的には標高差1,000フィートごとに1時間の追加を推奨しています。


時期と天候

春先は雪に覆われていてアクセスできないトレイルもあります。また、秋になって日没が早くなった場合は、日没後に不意打ちを食らわないよう、適宜計画を立てましょう。出かける前に必ず天気予報をチェックして、適切な服装と荷物を用意しましょう。


ロジスティック

ハイキングによっては、もう少し計画が必要な場合があります。例えば、スタート地点とゴール地点が異なるハイキングをする場合は、車をスタート地点とゴール地点に移動させる必要があります。地理の把握は初見の場所では極めて重要です。


スマホは当てにできない

現代人の必需品と言えるかもしれませんが、ことハイキングの山中では電波が通じないことを前提で持参してください。今のスマホには懐中電灯や時計、GPS、コンパス、計算機など山野でも役立つ機能があるので無駄とは言いません。ただメインとなる通信機能は使えないない場合が多いので覚悟していてください。


ハイキングギアの選択

ハイキングの素晴らしさのひとつは、ハイテクな装備がなくても楽しめることです。トレイルに欠かせないいくつかのアイテムと冒険心があれば、大自然に向かう準備は万端です。


10種類の必需品

まず、よく言われるのが「10エッセンシャルズ」を携帯するべし、ということです。本格的なハイキングには欠かせない必需品です。日帰り専門のビギナーがすべて揃えるものではありませんが、知っておいて損はありません。
これは、本格的なハイカーがトレイルに入るときに携帯すべきギアとウェアのコレクションです。
ナビゲーション、日よけ、断熱、照明、ファーストエイド、焚き火、修理、栄養、水分補給、緊急シェルター、といったアイテムが含まれます。



ハイキングシューズ

フットウェアは、最も重要なアイテムのひとつですが、その選択は非常に個人的なものです。ハイキングをする人の中には、足首までしっかりとしたブーツを好む人もいれば、軽量のトレイルランニングシューズを好む人もいます。また、歩く場所の地形も判断に影響します。障害物の少ない整備されたトレイルでは、軽量でローカットのハイキングシューズが適しているかもしれませんが、岩や根っこ、小川などがある険しいトレイルでは、頑丈なブーツのほうが適しているかもしれません。
いずれにしても、ブーツやシューズを新調するよりも履きなれたものの方がいいでしょう。長距離を歩くのに快適であることを確認してください。また、靴下は綿ではなく、ウールや合成繊維のものをお勧めします。






ハイキング時の服装

ウールやポリエステルなど、速乾性と吸湿性に優れた素材のウェアを選びます。濡れても乾くのに時間がかかるコットンは避けましょう。ウェアは、それぞれのシステムに分けて考えることができます。


肌に近いベースレイヤー

ウールやポリエステル製で、気温が低いときや寒いときに最も重要なアイテムです。


ハイキング用レイヤー

ナイロンやポリエステル製のパンツ、Tシャツ、日よけハットなど。


断熱材

天候によっては、フワフワのベストやジャケット、軽いフリースのプルオーバー、暖かい帽子や手袋などが必要になります。


雨具

天気予報に関わらず、防水性のあるジャケットを携帯するのが賢明です。雨天が予想される場合は、レインパンツも持参しましょう。



ハイキング用バックパック

もちろん、Ten Essentialsと余分なギアを運ぶためのパックが必要です。


家の近くのトレイルで、天気の良い日に短時間のトレッキングをする場合は、容量15〜20リットル程度のデイパックで、水やいくつかのスナック、薄手の服を重ね着するのに十分なスペースが確保できます。

より遠くの原野に出かけるときは、より多くのギア、衣類、水、食料を運ぶ必要があります。このような旅には、30リットル程度の容量のバックパックが適しています。



食料と水

初心者の場合、どのくらいの食料と水が必要なのかを知るのは大変です。一般的な推奨摂取量は、1時間あたり200~300キロカロリーです。水分については、適度な気温で適度な運動をした場合、1時間あたり約0.5リットルを摂取するのが良いとされています。これらの量は、ハイキングの強度、天候、年齢、発汗量、体型など、いくつかの要素に大きく左右されます。経験を積めば、どのくらいの量が必要なのかがよくわかるようになります。

予想以上に時間がかかる場合に備えて、食料や水を少し多めに持っておくとよいでしょう。




水分補給の基本

エナジーフードとドリンク。選び方

水の処理。多くのハイカーは、日帰りのハイキングに必要な水をすべて持ち歩いています。しかし、約3リットル以上の水が必要になることが予想される場合は、かなりの重さになります。バックカントリーの小川や湖の水をろ過して処理することで、水筒やハイドレーション・リザーバーに水を補給し、荷物を減らすことができます。


ハイキングでの注意点

個人の健康と安全

応急処置

ハイキングに参加するのに医療のプロである必要はありませんが、基本的な応急処置を知っておくのは賢明なことです。常に救急箱を持ち歩き、その使い方を知っておきましょう。遠くに行けば行くほど、医療訓練の重要性が増してきます。

トイレ

森の中でトイレに行くことは、初心者ハイカーの多くが心配することです。しかし、安心してください。多くの人が野中でトイレに行くことを学んできましたし、問題なく処理することができます。
どうしてもおしっこをしたくなったら、トレイルから離れた場所で、水場から少なくとも200フィート(約70歩)離れた場所を探せばいいのです。トイレットペーパーとジッパー付きの小さなビニール袋を持参してください。使用済みのトイレットペーパーを袋に入れて、家に帰ってからトイレに捨てます。また、バンダナをパックの外側に結び付けて、「おしっこを乾かす布」として使うこともできます。

ほとんどのデイハイカーは、出かける前に他の用事を済ませています。しかし、ハイキングの途中で尿意をもよおした場合は、トレイルから離れ、水場から200フィート(約3.5m)離れた場所にいることを確認してください。そして、幅4インチ、深さ6~8インチの穴を掘って、ウンチを埋めます(掘るときにはキャンプ用のコテが役立ちます)。

経験豊富なハイカーは、大きな葉っぱ(毒がないことを確認してください)や滑らかな石、雪玉などの自然物で拭くかもしれませんが、トイレットペーパーを使って穴に埋めてもいいでしょう。地域によっては、使用済みのトイレットペーパーをパックアウトすることが義務付けられているところもあります(義務付けられていない場合でも、土地への影響を軽減するためには最善の方法です)。

またアメリカの場合、標高の高い地域、敏感な地域、交通量の多い地域では、固形の人間の排泄物を持ち帰ることが義務付けられています。このような地域に行く場合は、排泄物処理用の袋を持参してください。

トイレに行った後は、ハンドサニタイザーを使って手を洗いましょう。


女性のためのバックパッキングのヒント

安全のために 詳細な旅程は、必ず友人や家族に預けること。車の中にルートを書いたメモを置いておけば、救助隊が来たときに計画を知らせることができます(ただし、トレイルヘッドにいる泥棒に見られるような場所にメモを置いてはいけません)。

一人旅の場合や非常に人里離れた場所に行く場合は、重大な事態が発生したときにSOSを発信できる発煙筒を装備していくのも一つの手です。




 
トレイルでのエチケット

何年もハイキングを続けている人も、これから初めてハイキングをする人も、トレイルでの基本的なエチケットを知っておくことはとても大切です。
トレイルのルールを守ることで、みんなが仲良くなれます。

ハイカーのルール

上り坂のハイカーには、道を譲る権利があります。上り坂のハイカーが一息ついている間に他の人が下りてくるのを見かけることがありますが、それは上り坂のハイカーの判断であることを忘れないでください。


ハイカーとバイカーの違い

マウンテンバイカーは、一般的にハイカーに譲ることが求められます。しかし、マウンテンバイクの方がハイカーよりも速い場合が多いので、ハイカーの方が脇に寄って道を譲るのは簡単なことです。


ハイカーと馬

アメリカでハイキングしていると、乗馬ハイキングに遭遇することもあります。馬に対しては道を譲る権利があります。トレイルを馬と共有している場合は、すれ違うときには馬に十分な距離をとり、急な動きをしないようにしましょう。一般的には、馬に道を譲る際には、トレイルから下り坂側に出ることをお勧めします。


大切な約束:Leave No Trace痕跡を残さない)

私たちの多くは自然環境を傷つけるつもりはありませんが、どのようにして自然環境を保全すればよいのかわからなかったり、単にいくつかの重要な行動を見落としているかもしれません。Leave No Traceは、人間の影響を避け、持続可能な方法でアウトドアを楽しむための指針となる7つの原則を示しています。その7つの原則とは、

事前に計画し、準備する
旅行やキャンプは耐久性のある場所で行う
廃棄物を適切に処理する
現地のものを持ち出さない
焚き火の影響を最小限に抑える
野生動物を尊重する
他の訪問者に配慮する

どうかこれらの原則を守って、楽しいハイキングを満喫してください。

2021年4月24日土曜日

ワクチン接種完了

モデルナのワクチンでした



ようやくというか、ついにというか、こちらアメリカでも16歳以上の対コロナワクチンの接種が始まりました。開始当初はワクチンの配布にお役所的な問題等で流通が追い付かず、みんなをやきもきさせました。とりわけ優先的に受けられるご高齢の方たちはどうやって予約応募するのかもわからず、困惑を隠しきれない様子でした。

しかし徐々にワクチン配布の手続きが潤滑に進むようになると、接種は一気に広域高年齢層に拡がり、いまや一億人を超える米国民が接種を受けるようになりました。

アメリカでははじめ医療関係者、六十五歳以上の人限定で始まり、少しずつ枠を拡げていったのですが、なにせ前例のないビッグプロジェクトなので、多々混乱はあったようです。


医療関係者に次いで、許可を得たのはエッセンシャルワーカー(仕事上必要な人程度の意味)でした。これは地域によりやや曖昧なカテゴリなのですが、当事者が積極的に必要性をアピールして、許可を得たという話も聞きます。

間違いなくエッセンシャルワーカーに属するのは、警察やこのワクチンの輸送や管理に関わる労働者、さらには消防隊や軍関係など緊急時に公務が必要な立場の人も優先的に受けられます。で、その次くらいに私たち公共交通機関に携わる労働者が入ります。

私はリムジンドライバーのライセンスを持つChauffeurという職種なので、申請はできましたが、高齢者にある程度行き渡るまで待ちました。その後ネットで接種予約を受け付けている場所を探しました。こちらでは大きな会場を設けて一日何百人、何千人規模の接種が可能な場所もあります。

私はもっと近場で受けられるところはないかと探して、薬局主催の小規模なところで予約を取りました。アメリカではこのようにCVSやRite Aid、Walgreenなどというフランチャイズの薬局で接種がウケられるので、これが功を奏したと思います。ご高齢の方でも遠くの大会場に行かず、近所の薬局で受けられるのは大きな利点ですね。



それにしても日本の接種状況は先進国の中でも最低水準です。厚生省、運輸省はじめ政府の取り組みが異常なほど鈍いです。お役所仕事と言ってしまえばそれまでですが、ことは緊急を要する事案なのですから、首相主導で強引にでも接種手段を加速させるべきです。多少の混乱はあっても、アメリカは結果的に急速な接種体制を作れたのですから、日本ができないことはないはずです。

そもそも日本はシオノギ製薬や小野薬品、中外製薬など自国製のワクチンを数種完成させているにもかかわらず、治験が進まず足踏みしているようにすら見えます。安全第一は分かりますが、アメリカの成功例があるのですから、そこを見習って認可までのスピードを加速させないとダメです。できるんですから。


閑話休題。

今回のモデルナの二度目の接種ですが、ちょっと経過報告をして皆さんに注意を促させていただきます。

私が接種を受けたのは午後7時でした。一回目の時は翌日、ちょっと注射を打った左腕が筋肉痛のような軽い痛みがありました。それはさほど問題ではなく、翌日にはほぼ解消していたのです。今回の二度目の接種もまあそんなもんだろうと、タカをくくっていました。

ところがさにあらず、です。

何事もなく帰宅し、普通に食事して就寝、翌朝も全く違和感なく起床しました。医者から人によって副反応の出る恐れがあると聞いていたので、念のために一日休暇を取りました。、午前9時ごろ普通にこのブログを書き始めました。

ところが書いているうちに、なにやら体がだるくなってきました。

「お、なんか変かも・・・」思いながら書いているうちに、どんどん気分がダウンしていき、眠気とけだるさがグイグイ襲ってきました。どうにか書き終えるとそのままベッドにゴロンと横たわり、何もする気力が失せていました。ちょうど風邪に引き始めのような感覚です。でも熱や悪寒はありません。ひたすら体がだるいのです。思考が回らないのです。

私は運転の仕事をしているので、この日は休んで正解でした。副反応を甘く見ていつも通りハンドルを握るととんでもないことになっていたかもしれません。

昼を過ぎても食欲もなく、ただゴロンと横になってスマホを見ていたのですがそれも億劫になってとうとう本格的に布団に潜り込んで仮眠をとることになりました。

接種から14時後にこの症状は始まり、かれこれ半日、鬱陶しいけだるさに苛まれました。

医者からそんな時は鎮痛剤を呑むよう指示されていたので、そのとおりにしていたら、ようやく不調はおさまり、その後何事もなかったかのように、普通の状態に戻りました。

一晩ぐっすり寝て翌朝はスッキリ元の状態に戻り、今は心身ともに快調そのものです。




以上が、私の二回目のワクチン接種後の経過報告です。

このような事例は私だけでなく、多くの人が経験しています。人によりその症状に大小の差異はありますが、もっと酷い症状になる人も中にはいます。かと言ってワクチン自体、何も恐れることはないですよ。脅すつもりはありません。ちなみに私の家内はほとんど影響を受けませんでした。

要するに一番言いたいのは、二度目の接種は一時的な副反応が出る可能性を考慮してください、という事です。それ自体は大半が1-2日で解消しますが、大事を取った方がいいですよ。ワクチンを舐めないでください。接種翌日は、念のため仕事を休むことをお勧めします。

そういうお話でした。

2021年4月23日金曜日

注目の上海オートショー

電気自動車時代、本格始動



上海オートショー2021が真っ最中です。

上海国際自動車工業展覧会は、北京モーターショー(中国国際自動車展覧会)と交互に開催される2年に1度の大規模な国際自動車展覧会です。 

中国市場における海外ブランドの存在感が大きく高まっていることもあり、Auto Shanghaiは、デトロイト、フランクフルト、パリ、東京と並ぶ国際的な自動車ショーの一つとなっています。規模ではすでに東京モーターショーを越えており、その存在感は増すばかりです。その上海オートショー、今年はこれまでになく各社、エレクトロニクス化に注力した製品を発表し、いよいよ新時代の到来を予感させるものとなっている模様です。

数あるデビューカーはどれも目移りしてしまいますが、慌てずじっくり見ていきたいと思います。

私がネットで観た限りで、まず最初に食いついたのは、トヨタのSUV最新コンセプトカーです。


 TOYOTA bZ4X




イントロダクション

トヨタは、2022年に発売するクロスオーバー車「bZ4X」で、電気自動車の分野に再参入します。前作の電気自動車「RAV4 EV」とは異なり、全国のトヨタ販売店で販売されます。今回発表されたのは「bZ4X」のみですが、トヨタは「bZ」という名称で複数の商標登録を行っており、この名称を使った電気自動車ファミリーを計画しているのではないかと考えられます。bZ4Xの生産バージョンは、2022年半ばにトヨタのショールームに登場する予定です。その際には、Chevrolet Bolt EUV、Ford Mustang Mach E、Hyundai Kona Electric、Kia Niro EV、Tesla Model Y、Volkswagen ID.4など、非高級EV SUVのグループに加わることになります。


トヨタBZ4Xのコンセプト

しばらくの間、トヨタは電気自動車への急激な変化に反対していましたが、日本の自動車メーカーはBZ4Xコンセプトでいち早く追いついたようです。意外な感じですが、プリウスでいち早くクリーンエコロジーありきのクルマに着手し成功したトヨタですが、意外にもそこから完全電気自動車への道のりは、もっさりしていました。その間にテスラがこの分野でのトップを取り、いまや全米てテスラ車を見ない日はありません。

私たちが生きているこの世界では、すべての自動車メーカーが急速に、そして急いで電気自動車へと移行しているように見えます。それがプラグインハイブリッドであれ、完全な電気自動車であれ、いずれも急速に普及しています。2030年代には、電気自動車がICEエンジンを搭載した車よりも優れたものになっているでしょう。

トヨタは初代プリウスで電動化の先駆者の一人であり、ハイブリッド車は簡単に、徐々に電気自動車の世界に移行できるようにすることを意図していました。しかし、世の中の流れが変わり、どの自動車メーカーも一刻も早く電気自動車に切り替えなければならない状況になっています。トヨタは当初、この急激な変化に反対していましたが、今はそれを受け入れており、新しいBZ4Xコンセプトは、トヨタの新型電気自動車の登場を告げるものです。






エクステリア

BZ4Xの外観は非常にシャープで個性的で、私は単純に子供心丸出しで「カッコいい!」と思っています。現行のRAV4と『ブレードランナー』のようなSF映画に登場する車との間にできた子供のようなものだと言えるかもしれません。私が予想するに、BZ4Xは製品化されたら一気に注目を浴びること間違いなしです。



E-TNGAプラットフォーム

BZ4Xの大きなニュースは、新しいプラットフォームを採用したことです。今回のコンセプトカーで初披露された「e-TNGAプラットフォーム」は、今後、トヨタのすべての電気自動車に採用されるものとみられます。このプラットフォームはスバルと共同開発したもので、スバルの電気自動車にも採用される予定で、電気車で出遅れているスバルファンにとっても朗報です。

TNGAとは、Toyota New Global Architectureの略だそうです。このプラットフォームは、他の多くのEVプラットフォームと同様に、リアアクスルに1つのモーターを搭載するか、AWDを備えた2つのモーターを搭載するかを選択できるようになっています。BZ4Xのバッテリーパックのサイズや航続距離についてはまだ発表されていませんが、2022年の製品版で明らかにされるものと思われます。






待ちわびたトヨタの完全電動化

電気自動車のクロスオーバーの一つに過ぎないと思っている人もいるかもしれませんが、この車は、特にトヨタにとって、思っている以上に重要なものです。というのも、この車は、トヨタから生まれた最初の純粋な電気自動車だからです。

前述したように、トヨタは当初、電気自動車への移行をもっと緩やかにしたいと考えており、そのためにシリーズハイブリッドモデルを推し進めていました。しかし、トヨタは、より早く移行するように圧力をかけられ、あまり準備ができないまま、プラグインハイブリッド車と、プリウスのような通常のシリーズハイブリッド車、そして水素燃料電池にもミライで再挑戦することを余儀なくされました。しかし、トヨタがようやく時代の流れに乗ってきたことは喜ばしいことです。






インテリア

BZ4Xコンセプトの車内に入ると、これまでのトヨタ車にはないインテリアが目に飛び込んできます。ダッシュボードの一部やシートなど、インテリアのほとんどの面にサステイナブル素材が使用されており、その色もなかなか素敵なクリーム色で仕上げられています。

インストルメントクラスターは、最近のプジョーのモデルのように、ダッシュボードのできるだけ前方に配置されています。中央には巨大なインフォテインメント・ディスプレイがありますが、トヨタは幸いなことに、ほとんど物理的なクライメートコントロールにとどめています。最後に、ロータリーダイヤル式のギアセレクターがあり、その両側にはたくさんのコントロールが並んでいます。BZ4Xは5人乗りですが、デュアルパネルサンルーフが装備されているのも嬉しいポイントです。

このように、オープンコンセプトのインテリアは、ドライバーの快適性と信頼性を高めるためにデザインされています。インストルメントパネルの位置を低くしたり、メーターをステアリング上部に配置するなど、細部にまでこだわって設計されており、空間の広がりを感じさせるだけでなく、視認性を高めることで安全・安心な運転をサポートします。



まとめ

トヨタ自動車は、先進的な代替燃料技術やゼロ・エミッションのパワートレイン技術を搭載した商品群を実用化することで、カーボンニュートラルを実現する未来を描いています。電動化のリーダーであるトヨタは、本日、大きな一歩を踏み出しました。それは、"Toyota bZ "ブランドの下で導入される、グローバルな電池自動車シリーズの最初のビジョンである "Toyota bZ4X Concept "の発表です。


トヨタbZ4Xコンセプトは、バッテリーエレクトリック、水素燃料電池エレクトリック、ハイブリッド車、プラグインハイブリッド車など、米国で販売されている代替パワートレイン車の40%以上を占める電動車両のフルラインアップに加わるものです。 

トヨタは、2025年までにグローバルで約70の電動化モデルに拡大する計画です。この将来のラインナップには、15台のBEV専用車が含まれ、そのうち7台にはbZ(Beyond Zero)ブランドの名称が付けられます。さらにトヨタは、近い将来、ピックアップトラックのラインアップに、ハイブリッドとBEVのパワートレインを含む電動化を導入する予定です。このような多様な電動化製品のポートフォリオにより、トヨタは2050年までにカーボンニュートラルを実現するという目標に向かって邁進していきます。

「トヨタのbZ4Xコンセプトは、すでに強固な電動化ポートフォリオに新たな選択肢をもたらすものです」と、TMNAの販売担当執行副社長であるボブ・カーターは述べています。
「トヨタは人間を中心とした企業であり、最終的にカーボンニュートラルな未来に向けてどの技術を導入するかを決めるのは顧客です。お客様こそが当社のCEOなのです。電動化のための投資と製品提供により、世界中のお客様の多様なニーズに応える製品と技術を提供していきたいと考えています」と述べています。


トヨタbZ4Xは、日本と中国での生産を予定しており、2022年中頃には全世界での販売を開始するものと考えられています。米国での販売については、追ってお知らせします。

2021年4月22日木曜日

今注目の春のスニーカー

今年のスニーカーのトレンドを見る


アメリカにはスニーカーヘッドと呼ばれる人がいます。とにかくスニーカーが好きすぎて、その行動が時に過剰に伝えられる人たちのことです。例えば、私の知人でマイケルジョーダンの大ファンだったT氏はナイキから出る新作スニーカーを片っ端から集めていました。特にエアジョーダンが出るたびに発売日前日にニューヨーク本店で徹夜で並んでいました。しかも生粋のコレクターなので、レアなものは同じモデルを二足買い、一つは観賞用、もう一つは保管用に取っておくのです。そう、彼はコレクションを滅多なことでは履かないのです。ただ集めるだけ。普段は誰でももっている普通のナイキ以外のスニーカーも履いています。
こんな人がアメリカ(だけじゃないでしょうが)にはごまんといるのです。

アメリカで春と言えば、毎年呆れるほどにたくさんの新作スニーカーが発売されます。今年はことさらステイホームの圧力に屈しまいと抗うかのように、各社から意欲的な新しいスニーカーが続々と発売される模様です。
このスニーカーの隆盛は過去何度か大きく盛り上がり、世界的に大きなブームが来ては去っていったのですが、ここ数年の大きな潮流は、もはや流行りすたりのレベルではないようです。
ひと口に靴といってもいろいろありますが、ことスニーカーというジャンルでいうと、このスニーカーほど柔軟で、時代に敏感で変化に富んだ履物はありません。
ふた昔ほど前まではスポーツする人のダサいゴム靴、くらいに思っていた人もいると思うのですが、今やファッション界のリーダーが高級ブランドの衣服とスニーカーとのコーディネーションを当たり前のように発表する時代です。
これまで一段低い履物とみられていたスニーカーが、最近の健康志向の流れに乗って、どこでも誰でも、いろんな服とのマッチングを楽しめるスポーティなファッションへと昇華していったのです。

最近のスニーカーのバラエティさときたら、まさに百花繚乱で、こんなデザインもありなのかと目を見張るものがあります。コロナの影響で出歩かなくなった分、昨年は不調だったのではと思って振り返るとさにあらず。
去年1年、輝きを失わなかった靴のジャンルがあるとすれば、それはスニーカーだと思うのです。確かに、厚手の靴下や肌触りの良いスリッパ、シャーリングの裏地が付いたスリッポンなどは、ローテーションの中で確固たる位置を占めていました。
しかし、スニーカーは、用事があるときや、健康のために歩くとき、友達と一緒に社交的に歩くときなど、機能的な優位性があらゆる世代に浸透してきたのです。新しいシーズンを迎えた今、2021年春のスニーカーの最大のトレンドを把握する時が来ました。
そこでここ半年前後のスニーカー関連のトレンド記事を追って、いまこの分野で何が起きているのかをまとめてみました。

Farfetchのシニア・ウィメンズウェア・エディターであるセリーヌ・
サイデルは、インタビューに次のように語っています。「スニーカーは、時代とともに実に興味深い進化を遂げてきました。今日、スニーカーというカテゴリーは、独自の気候の中で機能しており、トレンドの入れ替わりが激しく、ファンの間では大きな宣伝と需要が発生しています」。

先述のような熱狂的スニーカーマニア、スニーカーヘッズがいるからこそ、ブランドは新しいモデルを次々と生み出すことができるのですが、世界的な大流行により、その注目度はさらに高まりました。以前はスポーティな靴を考えなかった人でも、改宗とまではいかないまでも、興味を持つようになりました。サイデル氏は次のように述べています。
「当然のことながら、ロックダウンされた1年の間に、お客様はこれまで以上にフラットシューズに目を向け、既製服とスポーツウェアを組み合わせた、機能的で新しいハイブリッドなワードローブの一部となりました」。

サックス・フィフス・アベニューのウィル・クーパー上級副社長兼婦人靴担当GMMは、サイデル氏と同様に、スニーカーは日常のファッションの定番として進化し、今やワードローブを構築し、自分のスタイルを表現するための重要な柱の一つとなっていると述べています。
「ランウェイやソーシャルメディアでは、スーツやドレスなど、あらゆるスタイルに合わせたスニーカーが数多く見られます」と氏は語ります。
市場には、チャンキー、スポーツ、クリーン、レトロ、ロゴ、パステルなど、さまざまなスタイルのスニーカーが出回っています。ちょっと前までは時代に敏感なファッション、靴業界の人や若者しか知らなかっら、スニーカーのカテゴリーが、いまや一般人にも浸透しつつあります。
「クローゼットに1足のスニーカーしか持っていないというのは、もはや十分ではありません。私たちのお客様は、あらゆる機会に対応できるように、複数のスタイルのスニーカーを購入しています」と氏は語ります。
へー、と私は思いました。ふと自分の靴関係を見直すと、スニーカーが八足で最大でした。革靴はなんと一足のみ。もう気が付けば私も生粋のスニーカー応援団の一員なのです。

というわけで、この春注目のだれでも履けるスニーカーをピックアップしてみました。



adidas Samba Vegan Shoes




最近、adidas Sambaはある種のルネッサンス期を迎えた印象があります。もしあなたがちょっとしたスター気分でスニーカーを履きたいのであれば、このアイコン的スタイルのヴィーガンバージョンを試してはいかがでしょうか。時代を超越したデザイン(約70年前から発売されているのには理由があります)は様々な服装にマッチし、どんな世代にも耐えうる汎用性があります。
 $80



NIKE ブレザー ミッド '77 ヴィンテージ



クローゼットの中に白のスニーカーを1、2足は持っていると思いますが、このナイキのブレイザーほどクールなものはないでしょう。ただの白スニーカーと思いきや、サイドやヒールに施された布帛素材がアクセントになっており、春にふさわしいアースカラーの美しさを醸し出しています。
$110



Reebok アウェイク クラシック レザーシューズ



リーボックとニューヨークのブランド「Awake」とのコラボレーションでは、同ブランドのクラシックなシルエットを高級感のある素材で表現しています。経営的に苦しいと噂されているリーボックですが、手抜きのないこのようなスニーカーを出している間は絶対健在だと信じています。
$120




Everlane Forever スニーカー



EverlaneのForeverスニーカーほど、ベーシックなものはありませんが、それは最高の意味を持っています。シンプルで飽きのこないデザインは、他に何を履いていいかわからないときや、出かけるときに急に履くのに最適な靴です。

$65




ニューバランス 997H



私の一番の贔屓はやはり、ニューバランス。春はパステルカラーが主流であることは周知の事実ですが、だからといって大胆な原色を履くことを禁止するわけではありません。特にこのニューバランスの997Hは、刈りたての芝生を思わせる鮮やかなグリーンが印象的です。
$89.99



Converse Color Chuck 70



チャックを買うなら、厚めのソールとコントラストステッチなどのディテールで、オリジナルデザインに近いレトロな雰囲気を醸し出しているブランドのチャック70バージョンをお勧めします。このモーヴ色は、あなたのワードローブに合わせても、退屈にならない程度の落ち着いた色です。
 $80



Vans Salt Wash Authentic SF



ウォッシュ加工され、少し色あせたように見えるこのVANSは、まるで何度も太陽の光を浴びたかのような印象を与え、ビーチのような美しさは夏への移行期にぴったりです。さらに、本当に困ったときには、折りたたみ式のヒールのおかげで、文字通り靴を履くことができます。
 $55


以上、いまアメリカのスニーカートレンドの渦中にあると思われる、代表的なものを並べてご紹介しました。お好みの靴は見つかったでしょうか?

2021年4月21日水曜日

ファン必見のApple発表会2021

新型iMacそしてiPad Proが発表


出ましたアップル恒例、春の発表会。

スティーブジョブスの時代から、この発表会はファンならずともワクワクさせられるプレゼンが注目の的でした。実際に発表されるアップルの新製品が素晴らしいだけに、業界のみならずず経済界もメディアも見逃せないイベントとして定着しています。

しかし今年はもはやいままでの、マスコミや関係者だけ集めたステージ上のパフォーマンスではなくなりました。ネットを通じて世界同時に配信という形はまさに時代の要請でしょうか。こうやって招待された人でなくても、だれでもリアルタイムで新製品の発表を見られることは素晴らしいことです。

いきなり今までとは違う、このイベント用と思われるカラフルなロゴが現れて、そこからすでに、なにか新しい試みがあるのではと期待に胸が膨らみます。

そしてバーン、と出たのが空を飛ぶようなカラフルな空撮イメージ動画。

舞台はずばりアメリカのアップル本社。ティムクック社長が緑豊かな敷地の庭園で静かに、しかし自信に満ちた余裕の表情で語り始めます。そこからは最新の映像テクノロジーを駆使したマジックショーのような、個別のプレゼンテーションが各担当者によって繰り広げられます。今までとは数段違う演出の仕方、その美麗な映像技術には目を見張ります。

こういったプレゼンの演出の仕方がいつの時代もアップルの先進性を象徴するようなスタイルで、毎回感心させられます。まさにイノベーションの申し子のような会社ですね。

今回は目玉商品であるiPhoneの新作発表はないという事で、地味目のプレゼンになると思っていたのですが、いざ蓋を開けてみると、iPhone12に新色パープルが加わったことを皮切りに、M1チップ搭載のiPadとiMacが立て続けに発表され、その新鮮さを予想を上回るものでした。

特に私はiMacのかつてない大刷新ぶりに驚きを禁じえません。



かつてゴロンとしたおにぎり型のカラフルなiMacが出て、コンピューターの常識を覆したアップルですが、それ以来の興奮です。とにかくカラフルで薄くてスタイリッシュ。そして圧倒的なM1チップのよるハイパフォーマンス。さらにはより高精細になったディスプレイの美しさ。長年じわじわ進化していたアップルのマックがここへ来て、一気にジェット機から宇宙船になったような印象です。

いまだ興奮冷めやらぬ私ですが、改めて順を追って見ていきましょう。



冒頭に発表されたのは、新たにパープルのカラーバリエーションが加わったiPhone12。地味な追加のようですが、スマホのボディの色にもこだわるアップル社の自信をのぞかせる上品な紫色です。毎度感心させられるのですが、アップルのカラーコーティング技術は他社製品と一線を画しており、一色一色が慎重に選ばれその艶感や目に馴染むトーンの出し方は、他ではまねのできないこだわりがあると思います。

いつも小さいプロダクトから発表していくアップルですが、

次はApple AirTagです

スマホによく使われるトラッキングシステムは各社とも独自開発で進められていますが、アップルもカギやバッグなどをよく無くす人のために、安心して使えるデバイスを開発しました。iPhoneさえあればAirTagの発する信号をキャッチしてくれるスグレモノです。
このAirTagは、Tileタグと同様に、キーチェーンを使って小型のデバイスを鍵やバッグなどに留めておくことができます。また、キーチェーンを使わずに、財布やバッグに入れて使用することもできます。AirTagは、iPhoneなどのアイテムとペアリングすることができ、「Find My」アプリと連動します。

またAirTagは小型軽量のステンレス製ディスクで、片面にはAppleのロゴが入っています。もう一方の面には、無料の刻印でパーソナライズできます。また、防水・防塵機能を備え、カバーは取り外し可能で、CR2032電池の交換が簡単にできるよう設計されており、日常的な使用で1年間の電池寿命を約束しています。


次に登場したのが、アップルTVです。





新型Apple TV 4Kの最高のアップグレードは、新しいSiriリモコンだろう
Siriリモコンの改善は、新型Apple TVで最も要望の多いアップデートの一つです。

久しぶりに新型Apple TV 4Kが登場しました。Appleのイベント「Spring Loaded」の一環として発表されたこの製品は、より高速なA12プロセッサと、気の利いた新しいテレビキャリブレーション機能を搭載していますが、一番の特徴は、まったく新しいSiriリモコンです。

新しいクリッカーは、オールアルミ製のボディ、新しいレイアウト、そしてテレビをコントロールする機能を備えています。最大の変更点は、上部にあるタッチキーパッドにあります。Apple TV用の旧Siriリモコンは、真っ黒な四角いスペースがあり、そこに親指をスワイプしてメニューや再生を操作していました。当時は斬新でしたが、感度が良すぎたり、不正確だったりすることが多く、多くのユーザーから不満が出ていました。

新バージョンでもタッチパッドを採用していますが、視覚と触覚の手がかりが増えています。タッチパッドは円形で、外側にはリングがあり、4つのドットがそれぞれの方向に配置されています。アップルによると、親指で円を描くように動かすと、上下の動きをコントロールできる新しいジェスチャーがあるとのことで、より精度の高い5ウェイナビゲーションを謳っています。

また、専用のテレビ電源ボタンでテレビの電源をオン・オフできるほか、音声アシスタントを呼び出すSiriボタンを横に移動させています。

リモコンはシルバーで、従来のブラックよりも見栄えがよく、100%リサイクルアルミニウムを使用しています。

この新しいSiriリモコンは、4月30日に予約開始、5月に出荷される全く新しいApple TV 4Kに付属しており、価格は179ドルからとなっています。


その次が、早くも話題沸騰?の新型iMacです。




このオールインワン・デバイスは、現行モデルのデザインを大幅に変更し、画面周りのボーダーをスリムにし、背面をフラットにしました。新モデルは、画面が21インチから24インチになり、カメラ、マイク、スピーカーも改良されています。アップデートされたiMacは、ブルーやレッドなど4色のカラーバリエーションで1,299ドル(1,249ポンド、AU$1,899)から、イエロー、オレンジ、パープルなどより豊富なカラーバリエーションとより多くの機能を備えた1,499ドル(1,449ポンド、AU$2,199)からとなっています。プレオーダーは4月30日から開始し、端末は5月後半に発売される予定です。


新しい1080pカメラは、ビデオ通話に特化したもので、COVID-19のパンデミックの中で世界中の何百万人もの人々が自宅での作業を余儀なくされている中、重要な機能となっています。アップルによると、このカメラはより大きなセンサーを搭載しており、低照度下でのパフォーマンスが向上しているとのことです。また、iMacのキーボードには、同社の指紋セキュリティセンサーである「Touch ID」が搭載されています。



これらのコンピューターは、アップルの製品ラインアップの中で、アップルが自社で製造したプロセッサであるM1チップを採用した最新のデバイスです。アップルは昨年、Macラップトップでこのチップをデビューさせており、製品の頭脳、インダストリアルデザインやソフトウェアデザインのエンジニアリングに着手している同社にとって、画期的な出来事です。


新しいiMacは、2012年以来の大幅なモデルチェンジとなります。新しい色のスプラッシュは、1998年にアップルの共同創業者であるスティーブ・ジョブズが初めて発表したキャンディカラーのオリジナルiMacを彷彿とさせます。この製品は、アップル社にカルト的な人気をもたらし、iPodやiPhoneを含む歴史的な製品群への道を切り開きました。


そしていよいよ今回のもう一つの目玉商品、iPad Proです。



この発表を心待ちにしていた人は多いのではないでしょうか。噂されていた通り、ついのにもM1チップが組み込まれました。

そうなんです! 今回アップルのタブレットは2021年にM1チップ、5G、Liquid Retina XDRディスプレイを搭載と相成りました。(拍手)
Appleはハイエンドタブレットに待望のスピードアップとスクリーンのオーバーホールを施したのです。

iPad Proは、プロセッサの刷新に加えて、カメラとスクリーンの技術をさらに進化させることが求められていましたが、アップルはそれを実現しました。すなわち、自社製のM1チップの追加です。




昨年、アップルが発表した2020年のiPad Proは、デザインの改善や新しい機能の追加という点では、私たちを興奮させるものはほとんどありませんでした。つまり、私たちは2021年のiPad Proの大幅な刷新に期待を寄せていたのです。

iPadプロダクトマーケティングマネージャーのラジャ・ボーズは、アップルのイベントでアップグレードされたタブレットを紹介しながら、「iPadは、あなたが望むものになることができる魔法のガラス板です」と述べました。聞いていると本当にそんな感じがします。

新しいiPad Proは、2つの異なるサイズで提供されます。新しいiPad Proには、12.9インチと11インチの2種類のサイズがあります。また、最大16GBのメモリーと最大2TBのストレージを搭載しています。12.9インチモデルの価格は1,099ドルから、11インチモデルは799ドルからとなっています。4月30日より予約受付を開始し、5月後半からの出荷を予定しています。

昨年11月に発表された「M1チップ」は、アップルがこれまでに開発したプロセッサの中でも「圧倒的に高性能」なものですが、今回の2021年のアップグレードでは、この「M1チップ」の追加がポイントとなります。この8コアのチップがiPad Proに加わることは、大幅なスピードアップとバッテリー性能の向上を意味し、アップルは従来のバージョンに比べて50%の性能向上を約束しています。

A12Zプロセッサーを搭載した既存のiPad Proは、そのままでもジワジワとした使い心地を提供します。しかし、より高速であることは常に喜ばしいことであり、iPadがさらにマルチタスクのモンスターとなり、真のセカンドモニターをサポートできるようになることを期待しています。また、M1チップを搭載することでグラフィック性能が向上し、初代iPadの1,500倍以上の性能を発揮するとAppleは述べています。もうなんだかわけのわからない数字ですよね。


ともあれ、この閉塞感漂う世界の経済状況のなか、これだけ大掛かりなプロダクトの発表を行えたのは、アップル社の面目躍如だと思います。まだまだ先行き不透明な世知辛い世の中ですが、新たなデバイスで気分を一新して、生活環境を変えるのも一つの手段ではないかと思います。
私はちょっと後手に回りますが、今からでも貯金と相談して、アップルの先進性を我が家にぜひ取り込みたい、そんなことを考えているところであります。






2021年4月20日火曜日

今でも高性能なオリンパスカメラ

オリンパス OM-D EM1 Mark II



カメラファンなら言わずと知れた、オリンパスのマイクロフォーサーズ・フラッグシップ機の中古市場がたいへんな事になっています。


オリンパスの事業撤退問題や、M1マークⅢの登場によって一世代前の機種となったのが、要因でしょうか。中古市場に大量に出回るようになったのは最近のことですが、もともとかなり売れた商品であり、発売から4年となり、ベストセラー品などでは買い替えのタイミングが多くのユーザー同士一致することもよくあることです。
OM-D E-M1 Mark II 12-40mm F2.8 PROのキットでの販売は2018年。魅力的なプロレンズ同梱という事で、当初は23万円前後で販売されていたのですが、2021年に入ってからは14万円で販売するところも出てきました。
中古市場に目を移すと、マップカメラさん参照ですが、OM-D E-M1 Mark IIボディ単体、良品で7万円台で大量に出品されています。
これはもう「買い得」どころの騒ぎじゃない値崩れだと思うのですが、あまり世間は騒いでいないところを見ると、どうやらマジョリティのカメラファンの目はフルサイズに移行してしまったのでしょうか。高額なフルサイズ機を一度手にすると、そうおいそれとプラットフォームを変えるることはできず、センサーサイズの小さいマイクロフォーサーズへは戻れないのかもしれません。

されどマイクロフォーサーズ。
されどオリンパス。

どのクラスにかかわらず、カメラはコンデジでもフォーサーズでもAPS-Cでも、いいものはいいです。

オリンパス OM-D EM1 Mark II。でた当初からカメラ雑誌やネットでもさんざん称賛されてきた名機ですが、ここで改めて、このカメラのすごさを書いておきたいと思います。




OM-D EM1 Mark IIのどこがすごいのか

OM-D EM1 Mark IIはセンサーの小ささを感じさせない画質で、静止画のオートフォーカスやバースト撮影モードも非常に優れています。


オリンパスはE-M1 IIで2つの頂点を極めています。
まず一つ目。60コマ/秒のバーストモードは、高速撮影において目を見張るほどの進歩であり、動いている被写体にピントを合わせるためには18コマ/秒まで落とさなければなりませんが、それでもキヤノンEOS-1D X IIやニコンD5のような重くて高価で遅いプロ用一眼レフカメラにとっては、目を見張るものがあります。

このカメラの二つ目の画期的な特徴は、ミラーレスカメラが一眼レフカメラに匹敵する動体追従性を持つことを証明するために設計された、新開発の全位相差AFシステムです。このAFシステムは、121個のセンサー上の位相差AFポイントを長方形に配列し、通常のデジタル一眼レフシステムよりもはるかに広い範囲(フレーム幅の80%、フレーム高さの75%)をカバーします。

E-M1 IIは、2000万画素のフル解像度、ノートリミングの画像を毎秒60コマで撮影でき、これを48コマ(RAWまたはJPEG)継続できるので、通常の一眼レフよりもキーフレームを撮影できるのです。

さらに、シャッターを半押しした時点でフレームのバッファリングを開始し、残りのシャッターを押したときに、その時点からのフレームだけでなく、その前の14フレームもキャプチャするプロキャプチャーモードも用意されているので、いままで撮り逃していた決定的瞬間がとり戻せるのです。

これは、OM-D M1 Mark IIのサイレントシャッターモードによるものです。1コマ目でフォーカスと露出をロックする必要がありますが、アクションを起こすポイントをあらかじめフレームアップしておくような使い方を想定しています。


さらのこのカメラは防滴、防塵、10℃までの耐寒性能を備えています。シャッター寿命は20万枚と見積もられており、オプションの新バッテリーグリップ「HLD-9」は、ミラーレスカメラで常に問題となるバッテリー寿命を2倍にし、縦撮り専用のコントロールを備えています。

ボディには、17.3×13mmの2,040万画素Live MOSセンサーを搭載し、ISO感度は「低」~25,600です。新設計の5軸手ブレ補正機構を搭載しており、同時発売の新レンズ「12-140m F4 IS」との連携も可能です。

E-M1 IIは、C4K(4,096×2,160)と4K/UHD(3,840×2,160)の両方のフォーマットで4K動画を撮影することができます。この新しいレンズは、ビデオグラファーにとって有用な焦点距離(24-200mm相当)を提供するだけでなく、内蔵された手ブレ補正機能により、手持ち撮影でもより良い映像を提供できるように設計されています。オリンパスは、このカメラとレンズでシャッタースピードを6.5段分向上させたと発表しており、その映像性能は、現在、映画制作に最適な4Kカメラの1つとなるのに十分なものです。





構造と操作性

E-M1 Mark IIは、オリンパスのOM-Dシリーズの中で最大のカメラですが、プロ用一眼レフカメラと比べると明らかに小さいです。オリンパスのセンサーサイズが小さいため、究極の画質を得るには不利ですが、軽量小型という2つの大きな利点があります。


ボディの大きさだけではなく、レンズも同様です。12-40mm F2.8 Proレンズ(有効24-80mm)はフルサイズ相当の半分の大きさと重さです。これはオリンパスの40-150mm F2.8(80-300mm相当)や300mm F4超望遠(600mm相当)に至るまで、すべてのレンズに当てはまります。


E-M1 IIは比較的小型であるにもかかわらず、オリンパスは窮屈さを感じさせずに多くの外部操作部を絞り込んでいます。キーダイヤルは天板の右側にあり、通常のモードダイヤルと2つの無印のコントロールダイヤルで構成されています。
これらのダイヤルの機能は、現在のモードと、カメラ背面のビューファインダー接眼部のすぐ右側にあるレバーの位置の両方に依存します。レバーを正しい位置にセットすることを忘れなければ、実質的にコントロールダイヤルの機能を倍増させることができます。


E-M1 IIは初心者向きかというとそうでもありません。このカメラの操作性は、少なくとも最初のうちは混乱しやすいものです。このように外部操作系が充実しているにもかかわらず、メニューシステムと、十字キーの中央にあるOKボタンで操作するインタラクティブなタッチパネルの操作系に大きく依存しているので、使い慣れないとどれがどう機能するのか、わからない時があります。

ただし操作法は二種類あり、タッチシステムを使わなくても、十字キーのボタンやカメラ上部のコントロールダイヤルを使って、オプションを操作することもできます。


では、画期的な連写モードやAFモードはどうでしょうか?これらの重要な機能は、カメラの外部レイアウトを見直して、それぞれに専用の操作部を設けるべきだと考えました。しかし、E-M1 IIでは、外観上のレイアウトは前モデルと同じで、機能の向上を感じさせるものにはなっていません。ここは評価の分かれるところでしょう。

しかし、実際の撮影体験は非難されるべきものではありません。電子ビューファインダーは、暗い場所でもタイムラグが少なく、くっきりとしています。また、シャッターアクションは、前モデルよりもはるかにソフトです。素材や操作系の感触は最高で、屋外での使用を想定した「堅牢性」も備えていることを忘れてしまうほど、精巧に作られた高精度のデバイスであると感じます。






パフォーマンス

OM-D E-M1 IIのセンサーは、APS-Cサイズの半分、フルサイズ一眼レフの約4分の1の大きさですが、得られる画像からはその差を感じさせません。非常にシャープで、明るいハイライト部分のロールオフは滑らかで繊細であり、歪みやフリンジなどのレンズ収差は存在しないかのようにうまく処理されています。


OM-D IIは高ISO感度でも優れた性能を発揮しますが、大型センサーを搭載したライバル機がこの点ではリードしています。


ハイテクなオートフォーカスシステムについては、判断が難しいところです。すぐにわかるのは、AFスピードの速さです。シングルショットのAFモードでは、プロの一眼レフカメラと同等の速さを感じました。しかし、光量の少ない場所やコントラストの低い被写体では時折ハングアップしてしまいます。ただし無限遠からカメラに近い被写体にピントを合わせ、再び戻すスピードは驚異的とも言えます。この点に関しては4年前のカメラであるにもかかわらず、現行のミラーレスの水準でいまだトップクラスです。


E-M1 IIは、プロスポーツ用の高速一眼レフカメラの数分の1の重さとコストでありながら、ミラーレスと一眼レフの性能差を縮め、あるいはなくしてしまうほどのオートフォーカスシステムを搭載し、一眼レフにはないスピードで撮影することができるのです。


評 価

やっぱり今見直しても、本機の総合的能力は突き抜けたものを感じます。Mark IIIが出たときは、フラッグシップの役目を終えたかなと思いましたが、さほど大きな進化はなく、いまでもマイクロフォーサーズ現役最高峰といってよい性能のカメラだと実感します。
連写性能についてはプロカメラマンも常用するカメラとしてお墨付きですので、これから動き物を撮りたい方には最適の一台と言って間違いないでしょう。もちろんそれ以外の点でも非常に優れたカメラです。繰り返しますが、画質はセンサーの小ささを感じさせず、静止画のオートフォーカスやバースト撮影モードも非常に優れています。
唯一フラッグシップと比べると、低照度時の撮影でのノイズ問題はあるといえます。がこれも比べた時の印象に過ぎず、ほとんどの状況において、高品質のレンズとの併用で、問題なく使えることは、多くの写真家がその作品にて証明済みです。
いいカメラをできるだけ安く手に入れたい。そんな希望を抱く方は、ぜひともこのオリンパスの名機、OM-D E-M1 IIをお忘れなく。