マンハッタンには魅力的な建物がこれでもかとひしめいていますが、今回は都心を避けて、郊外のみのご紹介です。マンハッタン以外の地域でも、優れた建築物をいろいろ見つけることができますよ。
ニューヨーク州は、スタンフォード・ホワイト、フランク・ロイド・ライト、マルセル・ブロイヤーなどの高名な建築家が手がけた象徴的な建物が街中に点在する、建築好きにはたまらない街でもあるのです。
マンハッタンやクイーンズ、ブルクリンなどのメジャーな行政区の外に出てみると、ミッドセンチュリー・モダンの愛好家や、19世紀の豪華な住宅が保存されている場所など、独自の素晴らしい建築物を誇る場所がたくさんあります。今回は9つの建築物を厳選してご紹介します。これらはすべて、ニューヨークから日帰りで、つまり2、3時間以内で行くことができ、ほとんどが公共交通機関で行くことができます。
Water Mill, NY 11976
2012年にサウサンプトンからロングアイランドのウォーターミルに移転したパリッシュ・アート・ミュージアムは、ヘルツォーク&ド・ムーロンの手によって改装されました。この美術館は、リー・クラスナーやジャクソン・ポロック(イーストハンプトンにある彼の自宅兼スタジオは、美術愛好家の間で人気の巡礼地となっています)など、ロングアイランドのアーティストの作品を中心に展示しています。壁がなく、木の梁が尖った屋根を支えているだけの細長い2つの建物という控えめなデザインは、世界で最もエレガントな納屋のような印象を与えます。
LongHouse Reserve
Easthampton, NY 11937

テキスタイルデザイナーのジャック・ラーセンと建築家のチャールズ・フォアバーグのコラボレーションは、日本の重要な神道遺跡である伊勢神宮からインスピレーションを得ています。イーストハンプトンの家は、伊勢へのオマージュとして、茅葺きの逆V字型の屋根、スライド式の内装パネル、高床式の基礎などが施されており、彫刻庭園には東洋のアーティストの作品が多く展示されています。ラーセン自身のナレーションによるオーディオツアーを聞きながら、敷地内を散策してみてはいかがでしょうか。
Manitoga
584 NY-9D
Garrison, NY、10524
近代アメリカの代表的な家庭用品デザイナー、ラッセル・ライトが自宅兼スタジオ「マニトガ」を建てたとき、彼は日本のデザインに大きな影響を受けました。洗練された建物は、苔むした森の中にすっきりと溶け込み、ライトのミニマルな美学によって家の骨組みが見えやすくなっています。珍しい素材(ペーパータオルを潰したもの、発泡スチロール)や、季節に応じて交互に使用することを意図した過渡的なデザイン(キャビネットの扉は左右で色が異なり、年に2回反転する)、そしてもちろん、虹色のカップやピッチャーなど、ライト自身の作品の代表的なコレクションにも注目してみてください。
Boscobel
1601 NY-9D
Garrison, NY 10524
ボスコベル・ハウス・アンド・ガーデンズは、フェデラル時代の家具を含む装飾芸術の最も優れたコレクションのひとつを所蔵し、尊敬されているヒストリック・ハウス・ミュージアムです。ここでは新古典主義の大邸宅を見学できるほか、緑豊かな庭園や森の中の小道など、68エーカーの敷地内に入ることができます。
Dia:Beacon
3 Beekman St
Beacon, NY 12508
Dia: Beaconは、かつてのナビスコの箱型工場を利用した現代アートの展示施設です。ハドソン川の広大な景色を眺めることができ、市内からのアクセスも簡単です(車なしでも徒歩で行けます)。インスタグラマーの間では、リチャード・セラの鉄製の一枚岩の彫刻を見て歩くのが一番の体験だと言われています。でもそれだけじゃありません。ダン・フラビン、ゲルハルト・リヒター、ソル・ルウィット、ルイーズ・ローラーなど並みいる近代アートの巨匠の作品も見逃せません。敷地内から、あるいは近隣の路上から、美しい川の写真を撮ってみるもの楽しいです。
Yale University
1111 Chapel St
New Haven、CT 06510