2021年5月16日日曜日

野鳥がわが家に来てます!

サムズアップ・アメリカ! 

野鳥のカップルの巣作り



ひと月ほど前、家のポーチにとあるランタンをぶら下げたのですが、その約1週間後に、野鳥がこのランタンに近寄るようになってきました。その時はスズメだと思いこんでいました。なにせその小鳥は敏感で、ちょっとドアを開けると、まるでドアダッシュするいたずらっ子のように確認するまもなく飛び去ってしまうのです。

はじめは3、4日に一度ピーピーという鳴き声と羽音がし、たまに目撃する程度だったのですが、やがて毎日のようにこのランタンの上に飛び乗り、中を伺う様子が見えてきました。


これがランタン。天井から吊るしています。

私も用心深くなり、そっとその小鳥の行動を見るようになりました。それは間違いなくスズメではありません。もっと細身で明るいグレイの体毛です。嘴もフィンチのように大きめです。しかも二羽が代わりばんこにやってくるのがわかってきました。一羽の方は、白と焦茶のブレンドカラー、もう一羽は白・焦茶ベースに頭と体の一部がほんのり赤くトッピングされたような野鳥です。

この時点では写真も撮れず、なんの種類なのかは確認できませんでした。そうこするうちに、ランタンの中(中身は空にしていました)に入り、少しずつ草の茎を持ってきては溜め込むようになりました。数日後、ランタンの中を確認すると、なんと綺麗に円を描くような干し草の巣が出来上がっていたのです。

うわ、これ本格的な巣作りだと思いましたね。しかもそれは自分たちの巣というより、卵を育てるための場所です。案の定それから1週間ほどのち、ランタンの中を覗いてみると、ちっちゃな可愛い卵が4個並んでいました。トンボの形をくり抜いた空気穴から卵が見えます。直径は1センチほどで、表面に黒っぽい小さな点がある白い卵です。





実は数年前の春もこのランタンにスズメが巣を作っていたのです。このランタン、本来は中にろうそくを入れて本来の役目を果たしていたのですが、古くなって錆び付いてきたので、吊るしたまま放ったらかしにしていたのです。すると春暖かくなって見てみると、いつの間にかスズメの巣になっていたのです。しかも数週間後には巣の中に卵が・・・・。

その時は、近所の猫が頻繁に出入するスズメに気づき、巣の中の様子を伺うようになりました。猫はポーチの手すりによじ登って、今にもランタンに飛びかからんとする勢いでした。親鳥は懸命に木の上から鳴き叫んでいました。

それを見るたびに私はランタンの中の卵を守ろうと猫を追っ払ったものです。

数週後、無事に卵からひながかえり、ランタンから巣立っていきました。その瞬間に立ち会えた私は、野生の生き物にかつてないほどの愛おしさを覚えたものです。

そんな経緯があったので、今回もスズメが巣を作り、子育てするのだなと思っていました。

しかし、今年はスズメではなく、別の野鳥でした。

辛抱強く外で待機している時、ようやくコンデジで撮れたのが、この写真。

常時持ち歩くコンデジだからこそ撮れた貴重な一枚

写りもなかかな。改めてコンデジの有用性を確認しました


ちょうどタイミングよく、つがいで並んでランタンの上に立ってくれました。

確認すると、これはハウスフィンチという鳥でした。

元々はメキシコからカリフォルニアにかけて生息していた鳥ですが、近年は東海岸でも多く生息するようになった種です。日本ではマシコという鳥の種類に分類され、赤い羽毛のベニマシコなどが有名なようです。

こちらのハウスフィンチもそれほど珍しい野鳥ではありませんが、普段このへんで過ごしていても、あまり見かけることはないような野鳥です。実際、このニューヨーク州周辺ではありふれた鳥ですが、やや地味目なため、普段は見落としがちなのです。とてもすばしっこく、用心深いのでなかなか近寄ってみることはできない小鳥です。今回この写真は、近くで車を駐車し、辛抱強く彼らの出入りを観察しながら撮ったものです。

そして彼らが飛び去った後に隙を見て、改めてランタンの中身を撮影したのが、これです。数日前と同じ卵が4つ・・・。と思いきや、端っこの方にもう一個、新たに別の卵が見えます。



これはどうやら別の鳥がハウスフィンチ夫妻のいないうちに、産み落とした卵のようです。その後帰ってきたフィンチ夫妻によってその卵は温められず、端の方に押し出された模様なのです。確かなことは分かりませんがきっとそうです。そうでなければ、自分たちの卵を一個だけ別扱いにするはずはないのです。彼らはきっと自分の卵かそうでないかはわかるのだと思われます。

数日前から、メスのハウスフィンチの出入りがとても頻繁になっています。ランタンを覗こうとすると、必ず中から飛び出して近くの木に逃げ込みます。私が立ち去るとすかさず帰ってくるので、卵の羽化はもう時間の問題かもしれません。なるべく邪魔しないよう、そっとも見守ってあげようと思っています。



*ハウスフィンチ(House Finch)


生息
ビルや芝生、小さな針葉樹、都市部など、人の手が入った場所に生息する身近な鳥。農村部では、納屋や厩舎の周りでもハウスフィンチを見つけることができる。本来の生息地であるアメリカ西部では、標高6,000フィート以下の乾燥した砂漠、砂漠の草原、サバンナ、川辺、開けた針葉樹林などに広く生息している。


食べ物
ハウスフィンチは、種子、芽、果実など、ほとんど植物のみを食べる。野生の食物としては、野生のマスタードの種、コガネムシ、アザミ、クワ、ウルシ、サボテン、その他多くの種がある。果樹園では、チェリー、アプリコット、モモ、ナシ、プラム、イチゴ、ブラックベリー、イチジクなどを食べる。餌場では、黒い油性のヒマワリよりも大きい縞模様のヒマワリの種、アワ、マイロなどを食べる。


巣作り

巣の配置
ハウスフィンチは、落葉樹や針葉樹、サボテンや岩棚など様々な場所に巣を作ります。また、建物内や建物の上にも巣を作り、通気口や棚、街灯、ツタ、吊り下げられたプランターなどを利用する。また、他の鳥の捨てた巣を利用することもある。

巣の説明
ハウスフィンチの巣は、細い茎や葉、根っこ、細い小枝、糸、羊毛、羽毛などで作られたカップで、裏地にも同じような、より細い素材が使われています。巣の全体的な幅は3~7インチで、内側のカップの幅は1~3インチ、深さは最大で2インチである。


習性
社会性の高い鳥で、繁殖期以外は単独で行動することは少なく、数百羽の群れを作ることもある。主に地面や餌場、実のなっている木の上で餌をとる。休息時には木の一番高いところに止まり、群れでは電線に止まることも多い。求愛の際、オスはメスに餌を与えることがあるが、その際、メスはオスの嘴を優しくつつき、羽をひらひらさせる。オスはメスに餌を与える前に、何度か餌を吐き出すシミュレーションを行う。


保護活動
ハウスフィンチは一般的な鳥で、北米繁殖鳥類調査によると、北米西部の一部の地域を除いて、1966年から2015年の間に個体数が増加しているようです。パートナーズ・イン・フライトでは、全世界の繁殖個体数を4,000万羽と推定しており、そのうち76%が米国、21%がメキシコ、3%がカナダに生息しているとしています。この種は、Continental Concern Scaleで20点満点中6点を獲得しています。ハウス・フィンチは、「2016年北米の鳥類の現状」のウォッチリストには入っていません。これらの鳥は一般的に人間の開発から恩恵を受けています。しかし、1994年1月からマイコプラズマ結膜炎と呼ばれる病気のために個体数が急減しました。この病気は、呼吸器系の疾患や目の充血・腫れを引き起こし、捕食者や悪天候に影響されやすくなります。ハウスフィンチの結膜炎は、ワシントンD.C.地域のフィーダーで初めて観察されました。人体に害はありませんが、東部のハウスフィンチの個体群から西部へと急速に広がっています。



参考事項
ある参考資料によると、バードフィーダーには、小さくて黒いオイルのヒマワリの種を入れるよう推奨されています。ハウスフィンチがあなたの餌箱を見つけたら、50羽以上の群れを連れてくるかもしれません、とあります。いやいやいや。それはちょと困ります。つがいの子育てを見守るので精一杯です!


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