2021年5月9日日曜日

ネクスト: Damon Slayer

サムズアップ・アメリカ!

米国で「鬼滅の刃」の次に来るアニメ




いま全米の劇場で大ヒット上映中のDamon Slayerこと「鬼滅の刃:無限列車編」。

まさかアメリカでこの日本アニメがここまで評判になるとは思いもしませんでした。

これまで日本アニメの認知度で言うと、古くは「アストロボーイ(鉄腕アトム)」「マッハGO GO GO!」「セイラ―ムーン」「ドラゴンボール」「ポケモン」。そして「となりのトトロ」や「千と千尋の神隠し」など一連のジブリ作品が有名です。

逆に日本では超有名でかつアメリカで公開されたことがあるのにイマイチ受けなかった数多くの作品があります。例えば「ドラえもん」「ガンダム・シリーズ」「エヴァンゲリオン」「君の名は」などです。これらの作品は海外でも紹介されたと日本で報道されていますが、うちの子供たちに訊いても、クラスメートで実際に観た子は皆無。かろうじてタイトルを知っている子が数人という有様です。

そんな状況の中で、いま「鬼滅の刃」の認知度がぐんぐん急上昇しているのは、驚愕に値します。欧米でも多くのメディアがこの「Damon Slayer」を絶賛ではないにしても、快進撃を続ける理由をいくつか挙げてる理解を示しています。

一つにはマーケティングが功を奏したという事。親会社のSONYエンターテイメントの強力なバックアップで前宣伝も周到に行われたというのです。もう一つはここわずか二年程度で、ストリーミングによる日本アニメの紹介が、怒涛のように展開された事例を挙げています。じっさい、本国版NETFLIXは日本版と作品ラインアップがかなり違いますが、アニメに関しては、遜色のないほど豊富に日本の最新のアニメが揃っています。

こうした中で、一定の若年層がネットで「鬼滅の刃」のテレビシリーズを知った上で劇場に足を向けた。この構図ならば大ヒット御礼もうなづけるのですが、そこにはちょっと疑問が残ります。いくら若年層がネットで観たからと言って、劇場版の「無限列車編」はアメリカではR指定なのです。子供は観られない。ここは動員にブレーキがかかる懸念であったはずです。私もテレビシリーズは全部観ましたが、それありきでないと、無限列車編をいきなり観てもその感動は伝わらないと思ったのです。しかも舞台は大正時代の日本。おそらく欧米の99%以上の人はそんな時代背景など知るわけないです。さらに言うならば、映画のアニメーションは3Dが主流。欧米でアニメは子供が観るものという固定観念・・・などなど。

そういった大きなハードルを楽々と超えて、作品が評価されているのは、驚き以外の何モノでもありません。例えば「ガンダム」などはスターウォーズにも通じるものがあり、よりアメリカ人に受け入れやすいはずなのに、これまで何度となくテレビ放映されても、一部のサイファイ・ファンを除いて、それほど話題になることはなかったのです。

というわけで、「鬼滅の刃」ブーム現象は、作品本来の持つ魅力がアメリカ人のも伝わった、としか言いようがないのです。

ともあれ、この大ヒットで日本アニメに対するアメリカでのマーケットの流れが変わる可能性があります。売れるとわかれば、放っておかないのがアメリカ資本主義です。きっと第二、第三のDAMON SLAYERを探すはずです。

というわけで、これからは今アメリカで注目された(あるいはされつつある)日本のアニメから、ネクスト・ブレイクを模索しようかと考えています。とりあえずいま、アメリカで日本アニメの底流では何が起こっているのだろうかと、ググってみました。ネットではいくつかのジャパン・アニメーションの分析や期待、情報などが増えていることに気付きます。その中から、今回は、「2020年はアニメのすごい年だった」と述懐する「スリリスト」というサイとのアニメ紹介です。ここからも次に来るかもしれない、日本アニメの流れを感じ取ることができるのではないでしょうか? ちなみにこのライター、かなり日本アニメに造詣の深い人物のようで、一般のアメリカ人の意見とはかなり異なることをお断りしておきます。


Best Anime of 2020


1. 映像研には手を出すな


発売日:1月5日
監督 湯浅政明
アニメーション制作:サイエンス・サル

原作は、大童澄瞳の同名コミック。高校生のみどりと友人のさやか、つばめが、校内にアニメ部を設立し、自分たちでアニメ映画を制作しようと奮闘する姿を描く。アニメを好きになった理由を再確認させてくれるような、反対に直面する若き野心と未熟さをコミカルかつ真摯に描いています。この作品は、湯浅政明氏(デビルマン・クライベイビー、ピンポン・ザ・アニメーションなど)や『科学する』のチームが期待していたような作品です。また、ラップデュオのchelmicoと実験的なプロデューサーのOorutaichiが提供した、感染性の高いトリッピーなタイトルテーマと音楽を加えて、今年最も記憶に残る愉快なアニメの1つとなりました。

配信中です。Crunchyroll、HBO Max




2. デカダンス


発売日:7月8日
監督:立川譲
アニメーション制作 :NUT

監督の立川譲(『デス・パレード』、『モブサイコ100』)と脚本の瀬古浩司(『進撃の巨人』、『バナナフィッシュ』、『ヴィンランド・サガ』)が、2020年のベストアニメのひとつであるだけでなく、今年最大のアニメのひねりを加えた作品を生み出したことは、本当に驚くべきこと。デカダンス』は、終末後の世界で巨大な移動要塞に住み、その防衛者の一人になることを夢見る少女・夏目と、彼女の寡黙な指導者であり、その過去と性質に、この世界の本質と夏目の存在そのものについての計り知れない秘密が隠されている人物・鏑木の物語である。最初は「アタック・オン・タイタン」と「モータル・エンジン」を融合させたような印象的な作品だったが、すぐに「ウエストワールド」と「モンスターハンター」、そしてピクサーの「ウォール・イー」とディズニーの「レック・イット・ラルフ」を融合させたような頭脳派SFドラマへと変貌を遂げる。目の覚めるようなアクション、美しいアニメーション、そして頭がくらくらするほどのハイコンセプトな前提条件を備えた『デカダンス』は、2020年のアニメファンにとって紛れもない必見の作品である。

入手方法 Hulu、ファニメーション




3. ビースターズ


公開日:3月13日
監督 監督:松見真一
アニメーション制作:オレンジ

擬人化された動物たちの世界を舞台にしたこの作品は、穏やかだが気難しいルピナスのレゴシが、偶然にも感情を持たない乱暴なドワーフのウサギ、ハルと出会い、彼女に複雑な感情を抱くようになるというストーリーである。レゴシの原始的な感情の目覚めは、肉食動物である彼の立場によってさらに悪化し、彼はハルへの感情が単に狩りをして殺すための本能的な衝動なのか、それともそれ以上のものなのかという恐ろしい問題に直面することになる。技術的にも創造的にも、『Beastars』のすべてが素晴らしい。肉食動物と草食動物の間で対立する社会を微妙なニュアンスで描いていることや、構図や照明のセンスの良さなど、『BEASTARS』は不条理で、恐ろしくて、ムラムラして、心に響くアニメであり、他のアニメの中でも群を抜いています。

配信サービス Netflix




4. 呪術廻戦


発売日 10月3日
監督 パク・ソンフ
アニメーション制作:MAPPA

どこかで聞いたことがあるような気がしてならない。驚異的な身体能力と霊との対話能力を持つ運動神経抜群の高校生(板鳥遊里)が、誤って強大な力を持つ邪悪な存在(涼宮スクナ)の器となってしまったことから、平凡な生活から一転、仮面を被った風変わりな指導者(五条覚)のもとで、超自然的な能力を持つ戦士(柔術ソーサラー)になることになった。NARUTO」でも「BLEACH」でも「幽遊白書」でもない、「柔術廻旋」の素晴らしさをご紹介します。芥見下々の現在進行形の少年ジャンプ漫画を原作とし、シリーズディレクターのパク・ソンフー(『牙狼<バニシング・ライン>』)、キーアニメーターの山下真吾(『Birdy the Mighty Decode』)、作画監督の平松禎史(『新世紀エヴァンゲリオン』)などの模範的なアニメーターたちが指揮を執る。『柔術廻戦』は『鬼滅の刃』を楽しんだファンが次に目を付ける作品ではないでしょうか。巧みなアニメーションのアクションアニメのファンにとっては完璧な作品です。超自然的なホラーアクション、目まぐるしい戦闘シーン、奇妙なキャラクター、魅力的な日常生活のユーモアなどの爽快なブレンドで、今年初演される最も有望な新アニメのひとつです。

視聴方法 Crunchyroll、HBO Max




5. ドロヘドロ


発売日:5月28日
監督 林 雄一郎
アニメーション制作 MAPPA

林田Qの同名カルト・ダーク・ファンタジー・SFコミックを原作とする「ドロヘドロ」は、人間と、異次元の悪意ある魔術師によってキメラのような怪物に変えられた不幸な魂が増え続ける過酷な廃墟都市「ホール」を舞台にしている。このシリーズでは、記憶喪失の賞金稼ぎカイマンと親友の二階堂が、カイマンにトカゲの頭の呪いをかけた魔術師を探して、ホールの深部を探索していく。そうそう、彼は喉の奥に人間の頭を持っていて、カイマンが獲物を飲み込むとゼノモーフのように飛び出してきて、犯人を探すのだ。ここからさらに奇妙なことが起こる。ドロヘドロ』はダークで印象的なハイブリッドCGアニメで、ディストピア的なボディホラーとスローライフなコメディが融合し、2020年に公開される最もエキサイティングでユニークな新シリーズのひとつとなっている。

利用可能なサービス Netflix




6. アクダマ・ドライブ


発売日 10月8日
監督 田口智久
アニメーション制作:ぴえろ

ダンガンロンパ』の作者と『東京喰種』のスタジオが贈る、アニメ版『スーサイド・スクワッド』を想像したことはありませんか?それが『アクダマ・ドライブ』だ。本作は、関西が関東の属国と化した奇想天外なディストピアSF世界を舞台に、平凡な若い女性が、「悪玉」と呼ばれる凶悪犯罪者たちと偶然出会ったことで、爆発物付きの首輪を付けられ、ロボット猫の姿をした謎の恩人に頼まれて、不可能と思われる強盗を実行することになる。最初は荒唐無稽だったものが、夢中になるほど大げさで、視覚的に刺激的で、堂々と超暴力的なアクションショーとなり、「クールの法則」によって生死を分けることになります。もしあなたが、風に向かって注意を払い、暗黙の了解は臆病者のためのものであるかのように振る舞う番組を探しているなら、「アクダマ・ドライブ」はあなたのために作られたのです。

入手方法 Hulu、ファニメーション




7. グレート・プリテンダー


公開日:8月20日
監督 監督:鏑木 紘
アニメーション制作:スタジオウィット

枝村誠は日本一の詐欺師。枝村誠は日本一の詐欺師だと思っていたが、ローラン・ティエリーに見初められ、弟子入りすることになった。サンフランシスコ、シンガポール、ロンドンなど世界各地を旅しながら、犯罪者の中でも最も卑劣な大富豪を相手に商売のコツを学び、成長していく枝村の姿を、『オーシャンズ』のようなユーモアを交えて描く。監督は「91Days」「スピードグレイパー」の鏑木弘、脚本は古沢良太。「Great Pretender」は、死と隣り合わせの強盗劇であり、目を見張るようなアートデザイン、美しい景色、そして人を惹きつけるジャジーな音楽で構成されており、2020年に公開される新作アニメの中でも、最も優れた、記憶に残る、エキサイティングな作品の一つに数えられています。

利用可能なサービス Netflix




8. 進撃の巨人(シーズン4)


発売日:12月7日
監督 宍戸淳、林雄一郎
アニメーション制作 MAPPA

好評を博したアニメ「進撃の巨人」が、新たな恐怖と危機、そして新たなスタジオを得て、最終シーズンとなる第4期を迎えます。タイタンの正体が明らかになり、壁に囲まれた都市の正統な後継者が正座し、シリーズの真の敵である謎の本土の国マーリーが登場した人気のダークファンタジー・アクションシリーズの最終シーズンは、エレン・イェーガーからパラディ島と創世の巨人の力を奪うために最後の決死の作戦を展開するマーリー軍に視点を移し、再び予想を覆す展開となっています。AoT」の制作に長年携わってきたウィット社がシーズン3を最後に退社したため、MAPPA社と共同ディレクターの宍戸淳氏、林雄一郎氏がシリーズのフィナーレを飾ることになりました。前シーズンとの比較をするのはまだ早いかもしれませんが、「進撃の巨人 Season4」が今年の最大の作品の一つであることは間違いありません。

配信サイト Crunchyroll、Funimation、Hulu



まとめ

以上、今後アメリカでブレイクするかもしれない話題の日本アニメでした。少し前までは日本でのヒットとの間に大きなタイムラグがあって気になっていたのですが、近頃は翻訳スピードも速くなり、情報発信も日本からのみではなく、英語圏のファン層から積極的にSNSなどで広められるようになりました。実写の映画ではアジア圏で後れをとっている日本ですが、ことアニメに関しては、これからも大きくブレイクする可能性が多々ありそうです。
今後の展開に注目していきたいと思います。



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