サムズアップ・アメリカ!
スマホからコンデジへ「Step Up!」
スマホで写真を撮る人は、それで満足する人が大半ですが、一定数、より写りの良い、あるいは操作性の多彩なカメラに興味を持つ人がいます。日常の写真やビデオも、スマホ画質では物足りないと思うようになり、撮影に特化したカメラというガジェットに興味を持つ人たちです。
今回はそんな方々のために、カメラ歴最初のステップとして「今買えるコンデジ」をご紹介したいと思います。かなり独善的な選択になりますが、それでもよいと思っていただけたら恐縮です。
はじめてのカメラ選びは、本来どこからでもオーケー。あなたの感性に任せて買いましょう、などと言うと身も蓋もありません。
おススメする人の中には、最初が肝心。中途半端なものはやめて、いきなりフルサイズデビューすべし、とのたまう方もいらっしゃるようです。
それはそれで一理あります。はじめの一台にホンモノ品質のハイレベルなものを選べば、そこからステップダウンはしないだろうし、いきなり文句なしのとびきりの一枚が撮れてしまうかもしれません。(それはあなたの腕ではなくカメラの性能によるものですが)
でも待ってください。写真を撮る喜びは、撮りたいと思った被写体をストレスなく撮影することだと思うのです。
いきなりフルフレームカメラに大三元のレンズ付けて、マニュアル撮影。
重たい、操作難しい、そもそも構図や光の読み方も知らないで、そう簡単に使いこなせるはずがありません。結局数週間で挫折して、防湿箱に眠らせておくのが落ちです。とくにそのカメラ本体とレンズの重さ大きさにビギナーさんは辟易してしまうでしょう。
私自身が重たいフィルムカメラの挫折を味わった苦い経験から、やはり初心者は、コンパクトなフットワークのいいコンデジから始めるのが一番だと思うのです。
コンデジのいいところは一に軽量小型という事。それでいて値段に割にはなかなかいい絵を撮ってくれるのです。
コンデジをお勧めするもう一つの理由は、このコンデジ体験が、のちの一眼、あるいはミラーレスカメラ移行時の有用な予習となるからです。
コンデジを見向きもしない人は知らないでしょうが、コンデジもほとんど一眼レフに準じた操作ファンクションを備えているのです。とくに2010年前後から以降のコンデジは、たいてい一眼レフ機に見習った操作方法で、自由度の高い絵作りができるように工夫されています。
これまで私はCANON、SONY、FUJIFILM、NIKON、PANASONIC、RICHO、CASIO、OLYMPUSとめぼしいカメラメーカーのコンデジをほとんど所有し使ってきました。コンデジマニアとまではいきませんが、ある時期、相当入れ込んでいたことは確かです。それはまさにコンデジ黄金時代の2000年から2010年にかけてでした。
そうやって各社のカメラを渡り歩いて、みてきたコンデジの流れで、いま2021年でも十分現役として使えるコンデジを選んでみました。
SONY HX99
ソニーサイバーショットHX99は、光学30倍のズームレンズを搭載したトラベルズームカメラの中で最も小さいカメラであり、4K UHDビデオ撮影機能や内蔵電子ビューファインダーなど、多くの機能を小さなパッケージに詰め込んでいます。
光学28倍の高倍率ズームレンズを搭載したコンパクトなトラベルズームカメラです。HX99はHX90の後継機種で、4K動画、RAW撮影、アイフォーカスAF、タッチスクリーン、10コマ/秒の連写、レンズ周辺のコントロールリングなどを備えています。HX90は、最もコンパクトな30倍トラベルズームカメラとしてスタートし、HX99はその伝統を引き継いでいます。
HX99の特長
高倍率ズームを必要としながらも、超高倍率ブリッジカメラのような大きさを必要としない方のために開発されました。
24mm相当から720mm相当までをコンパクトなボディで実現しています。光学式手ブレ補正機能を搭載しており、光学ズーム使用時や光量の少ない場所での撮影でも、シャープな写真を撮ることができます。また、内蔵のポップアップフラッシュ、ポップアップ式電子ビューファインダー、自分撮りやグループ撮影の際に手前に倒すことができる3インチのチルト式タッチパネルを搭載しています。
旅行用のズームを探している人は、コンパクトなものを求めていると思いますが、HX99は他のどの旅行用ズームよりも小さいという点で優れています。チルト式モニターを備えたカメラで真にポケットに入るカメラは現状本機だけです。
102×58.1×35.5mmと最もコンパクトで、重さも242gと最も軽量です。
ソニーサイバーショットHX99のアップデート内容
4K UHDビデオ撮影
タッチスクリーン
マニュアル・フォーカスリング付き
生放送での撮影が可能に
顔と目の検出フォーカス
SDメモリーカードではなくMicroSDを採用
18メガピクセルのBSI CMOSセンサーを搭載し、高速連写(10コマ/秒)だけでなく、高速動画撮影にも対応しています。P、A、S、マニュアルのほか、各種のオートマチックモードやシーンモードを搭載しています。また、Raw撮影が可能になったので、必要に応じてRaw画像を自分で処理することもできます。
背面には、解像度92.1万ドットの3インチタッチスクリーンを搭載しており、グループ撮影や自分撮りの際には、このタッチスクリーンを前方に傾けることができます。電子ビューファインダー(EVF)は、上に開くとオン/オフスイッチ、下に開くとオフスイッチとして機能します。
4K UHD動画の撮影が可能で、ステレオマイクを内蔵し、撮影中に光学ズームを使用することができます。FullHD動画は、最大120fpsの様々な速度で記録することができます。
Wi-Fi、NFC、Bluetoothを内蔵しています。NFCは、対応するスマートフォンとの接続を素早く設定できます。また、Wi-Fiはカメラの遠隔操作に、BluetoothはWi-Fiよりも少ない電力で画像を転送できます。
主なスペックは以下の通りです。
18.2mp 1/2.3インチ BSI CMOSセンサー
光学28倍ズームレンズ、F3.5-6.4、24-720mm相当、F3.5-6.4
光学式手ブレ補正/Sony SteadyShot(5軸)搭載
3インチチルト式タッチスクリーン、921Kドット
ポップアップ式EVF、638Kドット、倍率0.5倍、対物レンズ
10fps連続撮影
ポップアップ式フラッシュ
4K UHDビデオ撮影
120/100fpsのFullHDビデオ撮影
ISO80~ISO6400
RAW撮影
Wi-Fi、NFC、Bluetooth v4.1内蔵
5cmマクロフォーカス
パノラマ撮影
ニコン クールピクス A1000
ポケットサイズのカメラは、大きな撮像素子と低照度撮影に適した短焦点ズームレンズを搭載したモデルと、スマートフォンサイズの撮像素子と大口径ズームレンズを搭載したモデルの2つの方向性に大きく分かれています。ニコン「Coolpix A1000」(479.95ドル)は、後者に属します。35倍のレンズを搭載し、スマートフォンでは得られないような遠くの被写体を拡大することができますが、薄暗い場所では画質が落ちてしまうという欠点があります。スリムなボディにこれだけのズームを搭載するためには、妥協しなければなりません。しかし明るい場所での撮影なら不満を感じることは少ないでしょう。
ウルトラスリムではないけれど、ポケッタブル
A1000は、デザイン的には決してスリムではありませんが、ぎりポケットに入れられるサイズだと思います。サイズは2.8×4.5×1.6インチで、多少の膨らみはありますが、重さは約1.8kgです。ソニーのHX99と比較すると、HX99は30倍のズームレンズを搭載していますが、サイズは2.3×4.0×1.4インチとなっています。
A1000は、ハンドグリップの影響もあり、少し大きくなっています。これは、HX99をはじめとする多くのポケット超小型カメラで採用されているものよりも大きめだという事です。また、電源を切った状態でも、レンズがボディから少し飛び出しています。ニコンでは、この出っ張りを利用して、鏡筒の左側にズームロッカーとフレーミングアシストボタンを配置しています。
レンズは、24-840mm(35mmフルサイズ換算)のズームで、F値はF3.4-6.9です。一般的なスマートフォン用レンズよりもやや広めの画角をカバーし、ズームアップして遠くの被写体を詳細に撮影することができます。しかし、F3.3という数値は、より多くの光を取り込むことができるレンズを搭載しながらもズーム機能を持たないフラッグシップモデルのスマートフォンと比較すると、粒状感のある写真になったり、ポップアップフラッシュを使用する必要があったりと、低照度下での撮影にはあまり適していません。
もしあなたがポイントアンドシュートを購入していて、薄暗い場所での撮影に優れているものが欲しいと思っているなら、1インチセンサーと短いズームレンズを備えたカメラを手に入れてください。キヤノンG9 X Mark II、ソニーRX100 III、RX100 VA(999.99ドル)など、さまざまな価格帯のカメラがお勧めです。しかし、ズーム力を重視するのであれば、A1000を選んだ方が幸せです。
コントロールとインターフェース
フロントコントロールには、グリップとレンズの間にあるプログラム可能なFnボタン、ズームロッカー、フレーミングアシストボタンがあります。フレーミングアシストは、ズームを少し戻して被写体をフレーム内に収められるようにし、離すと元に戻るというもので、最大ズームでの撮影時に役立ちます。
上部の操作部は右方向にまとめられています。PASM、オート、シーンの3種類のモードダイヤル、シャッターボタンとズームコントロール、電源ボタン、コントロールダイヤルがあり、モードに応じてEV補正、絞り、シャッターなどを調整します。
背面の左上には、EVFと視度調整用のホイールがあります。EVFとアイセンサーの切り替えボタンと、ポップアップフラッシュのメカニカルレリーズはすぐ隣にあります。その他の操作部は液晶の右側にあります。
AE-L/AF-Lボタンは、サムレストのすぐ隣にあります。その下には「録画」と「再生」があり、一番下には「メニュー」と「削除」があります。ボタン群の中央には、フラットなリアコントロールホイールが配置されています。このホイールは、メニュー操作や露出調整のために回転するほか、方向指示器としても機能します。ボタン機能としては、フラッシュ出力の調整、EV補正、マクロフォーカス、セルフタイマーなどがあります。中央にはOKボタンを配置しています。
A1000の背面ディスプレイは、3インチの液晶です。解像度1,036kドットで非常に見やすく、タッチ入力にも対応しています。ディスプレイは上下にチルトすることができ、ローアングルやハイアングルからの撮影がしやすくなっています。また、自分撮りの際には正面を向くことができますが、カメラの上からではなく、カメラの下を向くため、慣れるまでに時間がかかります。
多少かさばってもズームの威力を堪能したい方にはA1000がよい選択になるでしょう。個人的には十分コンパクトかつ簡単操作でいい写真が撮れるもでるだと思います。
パナソニック LUMIX ZS80
LUMIX ZS80は、コンパクトで直感的なパッケージでありながら、総合的に優れた画質と動画を提供します。
廉価なポイント&シュートカメラと高価なコンパクトカメラの中間に位置するのが、パナソニックのLumix ZS80(450ドル)のような撮影機です。最大の特徴は、遠くの被写体を鮮明に映し出す30倍ズームですが、チルトタイプのタッチスクリーンや、直感的にカスタマイズできる操作系も備えています。スマートフォンよりも多機能で、大きさも値段も変わらないカメラを探しているなら、ZS80は良い選択肢のひとつとなるでしょう。
コンパクトで直感的なデザイン
パナソニックLUMIX ZS80は、扱いやすいカメラです。4.4×2.7×1.6インチというサイズは、厚みがあってズボンのポケットサイズではありませんが、コートのポケットや小さな財布にも簡単に入れることができます。パナソニックは、オールブラックと、よりシャープな(私の意見では)ブラックにピューターカラーのトップという2つの仕上げを用意しています。
深く溝のあるグリップは、右手の指をしっかりと支えてくれる。背面には、親指で操作できる4つのファンクションボタンがあり、フォーカスエリア、フォトスタイル、ISO、ホワイトバランス、測光モードなど、さまざまな設定を行うことができます。
ライバル機のNikon A1000のような調整ノブはありませんが、ZS80にはレンズ鏡筒の周りにホイールがあり、これもカスタマイズして幅広い設定を行うことができます。
3インチの背面タッチパネルは、自分撮りの際には180度上に傾きますが、俯瞰撮影の際には下には傾きません。画面をタップして自動露出のポイントを設定したり、タップしてオートフォーカスを1点、範囲、被写体に設定して写真や動画を追いかけるなど、いくつかの重要な機能を備えています。(物理的なFnボタンと同様に、画面上のボタンも異なる調整機能をプログラムすることができます)。
背面液晶の明るさが気になるときには、通常よりもシャープな液晶ビューファインダーで撮影することができます。近接センサーにより、目を近づけると背面液晶がオフになり、ファインダーがオンになるので、他のカメラ(Nikon A1000を参照)に比べて、誤ってつまづくことが少ないです。
今、最もお買い得なカメラ
ズームは十分な性能
ロングズームは、コンパクトカメラ市場を支える最大の特徴です。そうでなければ、スマートフォンで十分に、時にはそれ以上に代用できます)。ZS80の30倍(焦点距離24~720mm相当)のズームは、遠くのものまでしっかりと映し出します。
Canon PowerShot SX70 HSの65倍のように、より長いズームを手に入れることも可能だが、そのためにはより多くのカメラを持ち歩く必要があります。
ZS80の2,030万画素のイメージセンサーは、いわゆる「1/2.3型」サイズで、28平方ミリメートルに相当します。iPhone XS Maxのチップは23.5平方ミリメートルですが、光を分散させるために12メガピクセルしか搭載していないことを考えれば、決して小さくはありません。
全体的なイメージクオリティ スマートフォン級
撮像素子のサイズに対するメガピクセル数の比率が似ていることを考えれば、LUMIX ZS80とiPhone XSが同等の光学ズーム(焦点距離26mmと52mm付近)で同等の品質の画像を撮影しても不思議ではありません。 iPhoneの画像は、コントラストと彩度を誇張して高める傾向があるため、人によってはより良く見えるかもしれません。
このカメラは、前面に小さなグリップ、背面にサムレストを備えたデザインになっており、同じような層を対象とした他の多くのカメラよりも扱いやすくなっています。また、レンズの周りに物理的なリングがあるため、左手を有効に使うことができ、これを設定することで、ズームやフォーカスモード、色のオプションなど、さまざまな調整が可能です。
画質は、このような小さなセンサーと大きなレンズを搭載したカメラとしてはじゅうぶん妥当なものです。初期設定では、広角側の画像はフレームの中央部では素晴らしいものですが、周辺部では明らかにソフトな印象を受けます。一方、4K動画の画質は驚くほど良好です。
ZS80 / TZ95とZS70 / TZ90の大きな違いは、高精細化されたファインダーだけなので、追加料金を払う価値があるかどうかの判断は、購入者の判断にゆだねられます。もし、高品質のEVFにこだわらなくても、見たものが気に入ったのであれば、今のうちにZS70を選ぶべきだと考えています。
どんな人に向いてるのか?
パナソニックのZS80/TZ95は、携帯性に優れたボディと巨大なズームレンズを備えているため、休日や旅行に出かける際に、レンズ交換式の大型カメラの手間をかけたくない人に向いています。また、チルトモニターを採用しているので、自撮りや集合写真を撮ることを想定している方にも最適です。
まとめ
以上、ライバルとみなされている現役のハイズーム・コンデジ三台をご紹介しました。CanonからもパワーショットSX740という40倍ズームの最新機が出ていますが、こちらはまだ触る機会がなかった事と、もうひとつ、このSX740にはファインダーが搭載されていないという事で、今回は対象外とさせていただきました。
いずれの機種も一長一短がありますが、とにかく30倍、35倍もの超望遠がポケットに収まるという、この一点において、他のカメラにはない魅力であると感じましたので、カメラ初心者の方にこそ一度試していただきたく存じます。
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