2021年5月29日土曜日

PanasonicがGH5 IIを発表

サムズアップ・アメリカ!
期待のミラーレスGH5 II



ついに発表されましたパナソニックの最新マイクロフォーサーズ・カメラLumix GH5 II。
驚いたのは発表直後にYouTubeなどにアップされたレビューの速さと多さです。
国内外を問わずかつてこれほど、一挙同時期に同じカメラをレビューする動画群を見たことがありません。
あまりの多さに、あれ?このカメラもう発売されてるの? と思ったほどです。
ここにはPanasonicの用意周到な販売戦略が見え隠れします。おそらくパナソニックはこのLumix GH5 IIのために大量のデモ機をレビューしてくれるYouTuberに配ったのでしょう。それもかつてない規模で。

ここ数年、カメラメーカー各社ともフルフレーム・ミラーレスの開発、発売に拍車がかかって、影薄状態だったマイクロフォーサーズ陣ですが、やっと真打ちか、それに近い最新機種が登場するのです。ここで一気に存在感を示しておかないと、マイクロフォーサーズは時流に遅れ、置いてけぼりになる懸念があったのです。
GH5といえば、2017年の発売当初、動画を全面的に強化した本格撮影ができるカメラとして一世を風靡しました発売当初は結構な値段にもかかわらず予約が殺到し、供給が追いつかなくなったほどの人気ぶりでした。マイクロフォーサーズで初めて本格的な動画が撮れるカメラということで、プロからも注目され、その後多くのYouTuberが動画作成のメイン機として採用したことでさらに評価が高まったヒット商品です。
いわば動画制作の方向性を決定づけたベストセラー機なのです。
しかしそれからわずか4年足らずで、カメラの最先端はAPS-Cをも飛び越し、一気にフルサイズミラーレスへと移行していったのです。

対してマイクロフォーサーズ陣営は、ただでさえセンサーサイズで見劣りするのに加えオリンパスの事業撤退など、冴えないニュースや噂が流れていました。
ここで一発逆転の狼煙をあげないと、将来は本当にやばい状態になりかねません。

個人的にはマイクロフォーサーズのカメラは一般大多数のカメラファン、趣味レベルの愛好家には最適のカメラタイプだと思っています。
センサーサイズが小さくても、大抵のシーンで全く見劣りしない写真、動画が撮れることは、多くのカメラマンや評論家が実証してきています。

マイクロフォーサーズの一番の恩恵は、高画質ながらコンパクトで持ち運びが容易ということです。本体もさることながらレンズのサイズ、重さは圧倒的にフルサイズを凌駕する手軽さです。加えて価格もリーズナブルなレンズが豊富にあり、すぐに趣味を拡げられる充実さが魅力です。

そんな中で発売発表されたLumix GH5 II。

多くのカメラファンが注目するのもしごく当然のことでしょう。

ではこのカメラで現状の流れを変え得るのでしょうか。カメラ業界全体の中でマイクロフォーサーズは決して売れていないわけではありません。昨年の売り上げ実績では、カメラのカテゴリー別ではマイクロフォーサーズが一番売れたという報告もあります。
ただ、流れはフルサイズへと移行中なのは確かです。一番のネックは価格ですが、それがこなれてくると、本格的なフルサイズ時代は到来すると見られています。
その流れの中で、このGH5 IIとそのあと出ると開発発表されたハイエンド機GH6はどれくらい存在感を示せるでしょうか。


Panasonic launches the LUMIX GH5 II, teases the upcoming GH6 - GSMArena.com  news


GH5 IIのスペックから改めてその存在意義を占ってみましょう。


一言で言えば、パナソニックGH5 Mark IIは、初代GH5の正常進化したアップデート版です。初代GH5は、当時の市場で最高の4K動画性能を提供しただけでなく、高速オートフォーカス、ボディ内手ぶれ補正、明るいビューファインダー、考え抜かれた配置のコントロールのおかげで、非常に称賛に値する動画・静止画性能を提供しました。

そして、その続編であるLUMIX GH5 IIです。ユーザーは、GH5に改善の必要性は感じていましたが、実際それほど大きな余地はありませんでした。もともと完成度の高いこのカメラのスペックや機能の大部分はそのままで、革命というよりは進化のように感じられます。より大きな飛躍は、今年末に登場するパナソニックGH6で得られるでしょう。

GH5 Mark IIでは、Wi-Fi経由のライブストリーミング機能が追加されています。他にも細かな改良が施されていますが、真の変化を実感できるパナカメラを求めているユーザーは、GH6をもう少し待つ必要があるでしょう。

パナソニックGH5 Mark IIは、その小型サイズ、豊富な動画機能、ライブストリーミング技術、そして確かな静止画性能により、ブロガーやユーチューバーなどのコンテンツ制作者にとってのキングとなり得るでしょうか。


価格

Lumix GH5 Mark IIは、主に2つのパッケージで6月末から発売される。ボディのみのオプションが1,699.99ドルで、Lキット(12-60mm F2.8-4ライカレンズを含む)が2,299.99ドルです。

つまり、GH5 Mark IIは、2017年に2,000ドルで発売された初代GH5よりも、発売時には実際に安くなっているのです。お買い得感が増したのは、ライバルのフルサイズを睨んでのことでしょう。

ニューヨーク最大手のカメラ量販店B&Hでは早くもサイトのトップ扱いでGH5 IIの購入予約を受け付けておりこちらは本体価格が$1697.99からです。

Panasonic GH5 II prioritizes video quality and livestreaming - Videomaker


構造と操作性

GH5 Mark IIは、先代モデルとほとんど見分けがつきません。防塵・防滴・耐寒仕様のマグネシウム合金製ボディは138.5×98.1×87.4mmと同じで、重さも727g(バッテリーとメモリーカードを含む)と2gだけ増えています。

この点についてパナソニックとしては変更の必要性を感じなかったようです。一眼レフカメラのような形状は、手にしっくりとなじみ、大きな赤い動画停止/開始ボタンを含むすべての主要操作部は、指や親指が届きやすい位置にあります。ダイヤルでは、ユーザーが自由に設定できる4種類の撮影モードを含む幅広い撮影モードに素早くアクセスでき、右手親指用のカーソルノブでは、メニュー操作やオートフォーカスポイントの移動を素早く行うことができます。

初代GH5と同様に、フルサイズのHDMI出力(C4K 4:2:2 10ビットの映像を外部レコーダーに送ることが可能)、マイク・ヘッドホン端子、専用リモコン、2つのSDカードスロット、USB Type-C端子を備えています。GH5 Mark IIのUSB接続は、バッテリーの充電や電源供給ができるなど、前モデルよりもレベルアップしており、特にライブストリーミング機能を搭載したことで、非常に有用なアップグレードとなっています。

タッチスクリーンのサイズは3.2インチから3インチへとわずかに小さくなりましたが、明るさと解像度がわずかに向上しており、これを補っています。また、非常に柔軟なチルトデザインを採用しており、ビデオ撮影やライブストリーミングには欠かせない稼働領域を有しています。電子ビューファインダーはGH5と全く同じですが、明るく鮮明で、その役割を完璧に果たしています。



最大のウリは
ワイヤレスストリーミング

パナソニックは、今後数年間で急速に普及すると予想されるワイヤレスストリーミングを強調してきました。GH5 Mark IIは、標準的なRTMP/RTMPSストリーミングプロトコルに対応しているため、さまざまなプラットフォームで使用できます。
また、YouTubeやFacebookのストリーミング機能も搭載していますので、これらのプラットフォームに慣れていない方でも安心してお使いいただけます。スマホやタブレットにLUMIX SYNCアプリをダウンロードして、簡単な手順でGH5 IIとペアリングし、FacebookやYouTubeのアカウントにログインすれば、基本的には完了です。

携帯電話のホットスポットではなく、Wi-Fi環境を利用しているにもかかわらず、動画の画質は多くのレビューで高評価です。GH5 IIの主な機能を評価するには、さらに現場でのテストが必要ですが、第一印象では、パナソニックのライバル企業があまり興味を持っていない分野で、しっかりとした機能を提供しているといった感じでしょうか。


Panasonic launches the LUMIX GH5 II, teases the upcoming GH6 - GSMArena.com  news
画質について

GH5と同様に、GH5 Mark IIにも20.3メガピクセルのマイクロフォーサーズセンサーが搭載されています(ここでの唯一の変更点は、反射防止コーティングの追加です)。

このセンサーは物理的に小さく、APS-Cやフルフレームのライバルに比べて低照度での撮影には限界がありますが、それでも魅力的な静止画やディテールに富んだ動画を撮影することができます。

動画は、MOVおよびMP4コーデックで撮影でき、ポストプロダクションで色を最大限に調整したい場合は、V-logおよびHLG記録も選択できます。

また、スローモーション撮影も可能で、その速度は選択した解像度によって異なります。フルHD解像度では180fpsの撮影が可能ですが、4K解像度では60fpsが最速となります。




基本評価

初代GH5をお持ちの方にとって、GH5 Mark IIは少し冗長な印象を受けるかもしれません。4年待った甲斐があるかどうかは微妙です。いくつかのマイナーな性能アップとライブストリーミング機能の追加を除けば、ほとんど変化はありません。本当にライブストリーミング機能が必要でなければ、パナソニックGH6を待った方が良いかもしれません。
しかし、優れた操作性、豊富な動画撮影機能、安定した静止画性能を備えた、よくできた軽量のミラーレスカメラを探している人にとっては、GH5 Mark IIを選ぶ価値があると思います。GH5はすでに素晴らしい選択でしたが、今回の改良でさらに魅力的なものになりました。しかも安くなった!

ソニー、富士フイルム、キヤノンなどの動画に特化したライバルと比較して評価するには、もう少し時間が必要ですが、ライブストリーミング機能は、ミラーレス市場では他に類を見ないものだと言っていいでしょう。今後追従するメーカーが出れば、パナソニックとしては願ったり叶ったりで、その分野のパイオニアとしてパナソニックの存在感はいっそう大きくなるでしょう。

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