2021年5月26日水曜日

日産の世界戦略SUV

サムズアップ・アメリカ!
新型ローグに注目




2021年の日産ローグを街でちらほら見かけるようになりました。これから夏にかけて爆発的なヒットの予感がします。去年、トヨタは同ミドルクラスのRAV4を世に出し、じわじわ路上で見かけるようになったなと思っていたら、あっという間に全米の道路を席巻して行きました。こういう現象は度々あって、数年前にはセダンですがホンダの新型シビックが凄まじい勢いでアメリカ自動車市場を刺激したことがあります。
こういったセンセーショナルな車の成功は以後の車のスタイルにも影響を及ぼし、次に何が来るのかと自動車業界は固唾を飲んで見守ることになります。

今回フルモデルチェンジした日産の中型SUVローグはそのNEXTとなり得るのか?

今一度そのスタイリングや新機能について検証してみたいと思います。




イントロダクション

日産のコンパクトSUV「ローグ」は、2021年モデルで大幅なモデルチェンジを行い、より魅力的なスタイリング、現代的なインテリア技術、パフォーマンスの向上、そしてより巧みなライド&ハンドリングを実現しました。これまでローグは、ホンダのCR-V、マツダのCX-5、フォルクスワーゲンのティグアンなどのセグメントリーダーに対してはよく売れていましたが、車自体の総合評価は厳しい論評が多く、ランキングではかなり下位に位置していました。どこが突出して悪いというのではありませんが、乗っていて退屈さを覚える車の筆頭だったらしいのです。今回のモデルチェンジでは、日産の収益源であるローグの魅力を高め、これまでの凡庸さを払拭しようとしていますが、これは比較的成功していると考えています。


2021年型の特徴

2021年モデルは、日産ローグにとって新世代のスタートとなります。このコンパクトSUVは、デザインを一新し、よりハンサムでちょっとピックアップトラックのような外観を持つボックス型の新しいスタイリングを採用しています。


中核モデルの「SV」は、価格に見合った機能を備えています。18インチアルミホイール、運転席は八方向パワーアジャスタブルシート、360度カメラシステム、日産の半自動運転モード「プロパイロットアシスト」などの装備が追加されています。さらに、パノラミックサンルーフ、電動リアゲート、ルーフレール、フェイクレザーなどを追加した「SVプレミアムパッケージ」もお勧めです。前輪駆動が標準装備されていますが、全トリムに全輪駆動がオプションで用意されています(追加料金1400ドル)。寒冷地ではこちらが絶対のおすすめです。



エンジン、トランスミッション、パフォーマンス


2021年モデルのエンジンは、先代Rogueと同様、2.5リッター4気筒エンジンを搭載していますが、出力はわずかに向上して181馬力となりました。CVT(無段変速機)と前輪駆動が標準装備され、全輪駆動はオプションとなります。
先代のローグは、加速が鈍く、ハンドリングもぎこちないと指摘されてきましたが、2021年モデルではその点が改善されています。
試乗テストレポートでは、時速8.2秒の加速を記録しましたが、まだ満足できるものではありませんでした。他車にはもっと優れた俊足の車がごまんとあります。
また、ハンドリングに関してはかなり自信が持てるようになり、クルージング時の室内の静粛性も向上しました。また、日産は1.5リッター3気筒ターボエンジンをオプションで導入するとしていますが、その時期は不明です。これが実現すると、唯一弱点と言われるパワー不足も解消させるかもしれません。


燃費と実測値のMPG

EPA(米国環境保護庁)の試算によると、2.5リッター4気筒エンジンを搭載したローグの前輪駆動車は、市街地で最大27mpg、高速道路で最大35mpg、全輪駆動モデルでは市街地で最大26mpg、高速道路で最大33mpgとなっています。時速75マイルの高速道路での燃費は、全輪駆動の試乗車で32mpgでした。新開発の3気筒エンジンは、前輪駆動との組み合わせで、市街地で30mpg、高速道路で37mpg、全輪駆動モデルでは高速道路で36mpgという高い燃費性能を実現しています。
これは現行の同セグメントのライバル車ら(トヨタRAV4、ホンダCR-V、マツダCX5など)と比べても遜色のない出来です。もちろんフォードやGM系のSUVにも勝ります。



インテリア・快適性・カーゴエリア



ローグの新しいインテリアは、ファミリーセダンのアルティマと、最近モデルチェンジしたコンパクトセダンのセントラからスタイリングのヒントを得ています。
余裕ある収納スペース、2段式のダッシュボード、角ばったシフトノブなど、使い勝手を向上させるとともに、モダンな雰囲気を醸し出しています。布製のシートを標準装備していますが、中級モデルのSVにはオプションでフェイクレザーを、上級モデルのSLとプラチナローグには本革を採用しています。
また、3ゾーンオートマチッククライメートコントロール、シートヒーター、ステアリングヒーターなども装備されます。室内の広さは現行モデルとほぼ同じですが、リアシート後方の荷室容量は39立方フィートから37立方フィートに若干減少しています。


インフォテイメントとコネクティビティ

ダッシュボードには、タッチスクリーン式のインフォテイメントシステムが搭載されています。2021年モデルのRogueには8.0インチのユニットが標準装備されていますが、SLとPlatinumモデルにはより大きな9.0インチのスクリーンが用意されています。
「Apple CarPlay」と「Android Auto」はいずれも標準装備で、インダッシュナビゲーションやBose製ステレオシステムなどのハイエンド機能はオプションとなります。12.3インチの組み替え可能なデジタルメーター・クラスターはPlatinumモデルに特有のもので、10.8インチの大型ヘッドアップ・ディスプレイやワイヤレススマートフォン充電パッドがバンドルされています。


安全性と運転支援機能


米国連邦道路交通安全局(NHTSA)と米国道路安全保険協会(IIHS)は、2021年型Rogueの衝突試験を実施していません。しかし、両機関は近いうちにこのSUVの安全性について意見を述べるものと思われます。2021年型Rogueには、トヨタRAV4やスバルフォレスターなどの装備の充実したライバル車に対抗するために、多数の運転支援機能が標準装備されています。また、日産の半自動運転モード「プロパイロット・アシスト」は、「ローグSL」にオプションで、「プラチナ」には標準装備されます。主な安全装備は以下の通りです。

・歩行者検知機能付き自動緊急ブレーキを標準装備
・ブラインドスポットモニター(リアクロストラフィックアラート付)を標準装備
・アダプティブ・クルーズ・コントロール(半自動運転モード付)を設定



最終インプレッション

日産ローグはアメリカで最も人気のある車のひとつであり、2021年のモデルチェンジでもそれは変わらないでしょう。実際、新たに洗練されたスタイリングとインテリア、追加された快適性と利便性、アップグレードされた安全性とインフォテインメント技術、そして劇的に改善されたドライビング・ダイナミクスを考えると、ここで足りないのはより大きなパワーだけです。
結論となりますが、新型ローグは若いカップル(いや若くなくてもいいですが)や小さなお子さんのいるにファミリーに最適の車です。パワー重視のアメ車が必要ないならこれほど新機能満載で安全重視の車はなかなか得難いです。今後他社のライバル車も同様のパッケージを搭載してくるでしょうが、2021年に新しいSUVが欲しい方にはこの日産ローグはかなりお勧め度の高いクルマと言っていいでしょう。


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