2020年7月19日日曜日

1億総アーティスト化時代


デジタルでお絵かき・みんなアーティスト



 タブレットの登場によって、グラフィックデザインの世界は一気に一般に広がりました。
 フォトショップやイラストレーターなど一部の愛好家やプロが使っていたグラフィック・ソフトがとても身近になり、趣味でイラストを描く人や漫画、アニメ・ファンらがこぞってデジタル・グラフィック・アートに親しむようになりました。市場はにわかに活気づき、いまやADOBE やCORELなどの先行メーカーのソフトを追いかける勢いでアプリが急増、使い勝手や親しみやすさをウリにしのぎを削っています。


2020年7月18日土曜日

アメリカでウケる盆栽

世界に広がる盆栽の輪

 

 外出を控えなければならないこの時期、我が家とご近所で俄然注目を集めているのが「盆栽」です。家内が鉢植え好きということもあって、我が家では随時いろんな植物の鉢植えが窓際や軒に並んでおります。私もなにげに4月頃、ウォルマートで買ってきたサボテンの鉢を育てていたのですが、近所のご婦人が庭越しにうちの鉢植えをやたら褒めてくれます。通りがかる度に植木鉢のことを言うので、なにか話をしたいのだろうと、ディスタンスをキープしたまま応対していると、どうやら彼女にも自慢の鉢植えがあり、それを見せたいのだと察しました。

2020年7月17日金曜日

ニューヨークの隠れ家

ウェストポイント鋳造所



 ニューヨーク州は夏になると各行楽地は人で一杯になります。今年は例外中の例外です。それでも行政指導による4月5月の強いロックダウン時期と比べると、観光客の人数は徐々に戻りつつあります。それでもやはりちょっと人混みは避けたい。そんな人のためにあまり観光客にも知られていない、静かな自然を満喫できる場所をご案内します。


2020年7月16日木曜日

アメリカで英語学習

オススメはBOCES

 

 アメリカに長く住んでいても、ただそれだけでは英語は上達しません。なにより自分で貪欲に英語を吸収する意欲が必要です。
 以前、日本人がたくさん住んでいた、フォート・リーというニュージャージの町に仕事でよくでかけました。いまでこそ日本人は激減し、代わりに韓国の人がたくさん住むようになった町です。かつてそこには日本のスーパーや病院、雑貨店や本屋もあり、日本人にとっては住みやすい環境でした。そこで知り合ったお年寄りや主婦の方々の多くが、英語が喋れませんでした。これは環境が日本語で通じる便利さに起因しています。すなわち、英語を使わずとも日常不便なことがなく、日本人同士の会話で毎日暮らせていたからです。


 私も渡米当初は、日系の会社で働いていたため、日本語環境に甘えて、英語の勉強をすることを怠っていました。そのおかげで、英語上達は遅れ、あとから来た後輩の日本人にも追い越されました。
 これはイカンと思い、いろいろ英会話学校も調べたのですが、学費教材費も加えて学習時間の確保など、さまざまなハードルが英語学習の妨げとなりました。
 そんな時、私が借りているアパートの大家が、英語を無償で教えてくれる牧師さんが
いると教えてくれました。ご存知のように、ニューヨークは人種の坩堝で、世界各国から来た人が暮らしています。そんな人のために教会がいろいろボランティアで支援してくれるところがあるのです。食料をサポートしてくれるところが多いのですが、私の近所の教会では、外国人のための英語教育をしてくれる牧師さんがいました。これはとてもラッキーでした。
 行ってみると、週に一度日曜礼拝のあとで、10数人の外国人を集めて英会話を勉強していました。私はここに3ヶ月あまりお世話になりました。非常にやさしい牧師さんで、日本にも行ったことがあり、日本人特有の発音の問題(たとえばLとRの聞き間違いなど)も熟知していました。ここでの3ヶ月は決して無駄ではなかったと思います。しかしここでは基礎の基礎が中心で、なかなかビジネスに役立つところまで行きそうにありません。そこでさらなるステップアップのためにどんなオプションがあるのか、再び模索し始めました。


 仕事をしながらどうやったら、英語力が上達するのだろう?
 悩んだ挙げ句、台湾から来た先輩に相談しました。彼は英語の知識ほぼゼロで渡米しながら、わずか1年あまりでビジネス会話ができるまでになった人です。
 彼はズバリ、BOCESへ行くことを勧めてくれました。
 BOCESは、1948年にニューヨーク州議会が設立した、公的教育機関です。ここのプログラムは、基本が就職支援で、就労に必要な知識や技術を教えてくれたり、学習の場を斡旋してくれたりするところです。ニューヨーク州内37箇所の支援基地があり、それぞれ多少異なったプログラム編成になっています。私が推薦を受けたところには、英語カリキュラムが充実しており、公立学校に引けを取らない授業内容でありました。しかもそれがみんな無料で、身分証明書さえあれば簡単な手続きだけで、いつからでも授業に参加できます。
 当初はそんなうまい話があるのかと疑問も多かったのですが、行ってみると納得します。ニューヨーク州管轄の公的教育機関なので、なにも心配せず参加できたのです。

 ここでは受講のスケジュールもすごく自由で、私も仕事帰りに立ち寄る気分で週に2,3回受講しました。講師の先生は、さまざまなバックグランドを持ったボランティアの人が多く、みんな熱心に英語の基礎から教えてくれます。しかも生徒はみんな就職を目指す真面目な人ばかりなので、教室の雰囲気もやる気を引き出してくれます。
 対面会話式の英語授業は緊張感もあり、即戦力になったと思います。パソコンを使った小テストが随時あり、生徒の進捗状況も把握されるようになっています。普通の英会話学校へ行けば月数十万もかかるところがありますが、内容はそれに匹敵するのではないでしょうか。生徒の中には生活に困窮した必死の難民のような人もいて、そういった人たちともカタコトの英語でいろいろ話をできたのは貴重でした。
 ここの授業は、文法関係は最低限のことしか教わりませんでした。変わりに浴びるほどの例文会話を繰り返します。そして先生からの様々なバリーエーションの質問に臨機応変に答えいていくのが基本講義です。はじめはトンチンカンな会話の多いクラスで始終笑いが起きていました。日本人の「間違ったら恥ずかしい」みたいな感覚は皆無で、みんなあけっぴろげにミスを笑うので、私も気にせず思ったままに発言できました。あらためてこういうオープンな環境こそ日本の中、高校の授業に必要だなと感じた次第です。


 私は事情で家を引っ越すまでの、1年2ヶ月をここで学び、いろんな英語表現を教わることができました。自宅で何をやっても長続きせず、身につかない自分ですが、こうした環境に身を置くことにより、大きく前に進むことができたと思います。
 そういうわけでBOCESは私にとってイチオシの英語学習機関です。(後に私は仕事のことで再びこのBOCESにお世話になることとなります)
 外国人にも大きく門戸を開いているので、ニューヨーク在住の方は、ぜひ最寄りのBOCESにお問い合わせください。


2020年7月15日水曜日

CD カセットプレーヤー

音楽をきく楽しみを教えてくれたオーディオ機器 


 

 長年愛用してきた CD カセットプレーヤーがついに動かなくなりました。去年あたりから CD の読み取りが怪しくなり、音飛びやブツブツ異音が目立つようになってきました。
仕事から帰ってきて、音楽を聴く時間は心身ともに私の心を癒してくれる貴重なリラックスタイムです。なのに気持ちよく聞いていたらプツンと音が飛んでしまったり、不意に聞こえなくなったりするのはどうにも耐え難いものになってきました。聴けば聴くほどストレスが溜まる一方。これでは何のための音楽かわかりません。
 購入してから20年近くが過ぎましたが、もう限定です。ただこのまま即粗大ゴミというのは忍びないので、 CDよりももっと古い、カセットテープのコレクションを聞きまくってから処分しようと思いました。
 年末、物置を整理していて出てきたカセットテープの収納ボックスを 引っ張り出してきて、CD プレーヤーの横に並べてみました。なつかしや、昔私が聞いたたくさんのカセットテープがずらりと並んでいます。もはや死語となった「ラジカセ」全盛時代のカセットがあるわあるわ、こんなに集めていたとは。当時私が聴きまくっていたレッドツェッペリン、ピンクフロイド、ジェネシス、イエス、エルヴィスコステロ、トーキングヘッズ、U2、ポリス、キッス、イーグルス、ヴァンヘイレン、ガンズアンドローゼス、ブルーススプリングスティーン、トムペティアンドハートブレイカーズ、エアロスミス等々。ああ懐かしや。聴く前からあの頃の魂の叫びがよみがえってくるようです。
 ようしこうなったら。
 このマシンをスクラップにする前に、カセットでとことん聴き返してやろう。そう意気込んだのですが。
 ところがなんと。あれれれれ?
 よりどりみどりの中から手に取ったカセットテープ、ローリングストーンズの「Steel Wheels」というアルバムを聴くべくプレイボタンを押したんです。なのにこの10何年前のカセットがいきなりぎゅうぎゅうと音を立てピタリと動かなくなったんです。
そんなまさか。いきなり沈黙かよ。久しぶりに「Rock and a hard place」聴けると思ったのに。
 私は焦りながら次のアルバム、サウンドガーデンの「Superunknown」をかけてみました。
 ああ、しかし。回りはしたのですが・・・。
 イントロからうにゃうにゃとへんなディストーション。歌が始まると、ほひゃへひゃ、わりゃへれ、となんだか脱力する間延びしたクリスコーネルの歌声が・・・。いやもう聴くに堪えません。CDのブツブツよりもっとひどい状況です。こりゃいかんと思ってあわててテープを取り出したら、ぐしゃぐしゃに絡まったテープが見るも無残に出てきました。
長らく使ってない間にテーププレーヤーの部分も相当ガタがきていたようです。なんでもそうですが、メンテの大切さを思い知らされます。
 もうアカン。阿寒湖や。とくだらないだじゃれもそこそこに、CDラジカセの再購入を検討する私でした。

2020年7月14日火曜日

カメラ業界のゲームチェンジャー

CANONのEOS R5



 デジタルカメラの世界でいま、大きな変動が起こりつつあります。スマートフォンのカメラ性能の向上に伴い、コンパクトデジタルカメラが瀕死の状態。カメラメーカー各社は構造的な変動を余儀なくされています。大衆向けのスナップ写真市場は諦め、高付加価値があり、差別化が容易なミラーレス・フルフレーム・カメラを主戦場にする方向に舵をきったのです。もう薄利多売は捨てて、高級路線で生き残りを計るというものです。
 現についこの間、オリンパスがカメラ市場からの撤退を発表し、この業界は大いにどよめいております。フィルム時代からデジタルに移行したときに匹敵するような、カメラ市場の激変が起こり始めているのです。
 そんな中、先日キャノンから一部で先行発売が開始されたハイエンドのフルフレーム・ミラーレス・カメラが俄然注目を集めています。
 開発発表の段階から、そのスペックの高さがハイアマチュアを中心に大いにバズっておりました。蓋を開けてみると、やはりその実力は只者ではないようです。

 透けて見えるのは、まずこのカメラをプロカメラマンに使ってもらいたいという、意欲の現れです。ご存知のように、フルフレーム・ミラーレスの市場はいち早く先鞭をつけたSONYが頭一つリードしており、キャノンはなんとしても独走を阻みたいのです。EOS R5のスペック発表を受けたカメラファンはどよめきました。まさにすげえの一言です。
 このEOS R5、まずは45MPセンサーを搭載した高解像度モデルで、高感度はもちろんあらゆる撮影現場に対応できる余裕のスペックです。プロの厳しい撮影現場の要求を想定した作りが半端ないのです。
 本機は間違いなくこのハイスペックなイメージセンサーを中心に構築されており、8K Rawでのビデオキャプチャをサポートしており、これはキヤノン初のものです。また5軸手ぶれ補正システムの上にイメージセンサーをマウントしているのも特徴です。

 デザインでは、第一世代のEOS Rと比較して、人間工学的にいくつかの歓迎すべき変更があります。操作レイアウトは一眼レフカメラの5D Mark IVを彷彿とさせる配置となっているため、古くからのキャノン愛好者には馴染み深いデザインでありましょう。
 深めのハンドグリップと角度のあるシャッターレリーズは、キヤノンのデザインの特徴です。他のカメラと同様に、電源スイッチはシャッターから離れているので、撮影中にカメラの電源を切ってしまう心配はないありません。背面の操作系も見栄えが良く、フラットなコマンドダイヤルとオートフォーカスコントロール用の専用ジョイスティックが追加されました。
 ボディ自体はキヤノンのプロ基準で作られています。5Dシリーズの一眼レフカメラと同じように、マグネシウム合金製の筐体に耐候性を備えたタフなボディです。タッチ液晶はヒンジ式なので前方を向くことができ、EVFは576万ドットの高精細な解像度を実現しています。
内部の技術も充実しています。モニターの端から端までのフルオートフォーカスを実現し、メカニカルシャッターでは最大12fps、電子シャッターでは20fpsで被写体を追尾できます。
それは、人や動物の顔や目の検出を含む被写体認識をサポートしています。最近のキヤノンは動物検出では、ライバルやニコンやソニーを超えており、今回さらに犬や猫に加えて鳥でも動作すると発表しています。これが本当だと、野鳥撮影好きにはたまらない機能ですね。

 メモリーカードスロットは2基搭載。8K RawキャプチャーにはCFexpressカードが必要で、Rawイメージングバッファを180ショットまで拡張できるそうです。2つ目のスロットはUHS-IIスピードに対応したSDXCで、圧縮された映像や1回のバーストで87枚のRawショットを撮影できるって、これすごい余裕です。画像はHEIFまたはJPG形式で保存することもできるということです。
 このEOS R5、何といっても注目の8K Rawビデオですが、今入ってきた一部情報によると、熱問題が発生してるとのこと。これはちょっと気になるニュースです。
 R5は最大30fpsで8Kを記録することができるとされていますが、8Kはまだ一般的には使途不明です。いらないんじゃないかな。4Kを120fpsにプッシュすることもできるようなのでそちらで十分です。
 キヤノンはEOS R5の出荷はアメリカで今月末に開始する予定だそうです。価格はボディのみで3,899ドル、RF 24-105mm F4 L IS USMズームレンズとのキットで4,999ドルとかなり強気の設定。でもこのスペックならプロは飛びついても不思議ではない価格です。
 あとは批評家ならびにハイアマチュアの反応がどう出るかで、売れ方も大きく変わってくるでしょう。いずれにせよ本機はキャノンの本気丸出しの目玉商品。本機の売れゆき動向に全カメラメーカーいやカメラ業界全体が注目しているのは確かです。

2020年7月13日月曜日

アメリカで売れる日本のSUV

日本車は生き残れるか



 日本車がアメリカ市場に参入して以来、すでに70年近くの月日が流れました。いまどんな日本車が売れているのでしょう。
 まず全体像から言うと、アメリカの自動車市場は堅調ですが、セダン・タイプの車は2014年をピークに売れ行き下降傾向が続いています。入れ替わるようにSUVタイプの車が売上を伸ばし、2018年から販売台数は逆転しています。これはアメリカの自動車史上、画期的な転換期に達したと言われています。日本のワンボックス・カーというカテゴリーは存在しないので、実質上いま一番売れるのはSUV(クロスオーバー含む)です。(厳密にはアメリカでワンボックスカーに相当するカテゴリーはピックアップトラックで、これはSUV以上に売れていますが)
 米国においてミッドクラスのSUVは激戦区で、日本のメーカーは人気、売上ともにリードしているものの、決して予断をゆるさないデッドヒートを繰り広げています。
 とくにこのクラスは競合車がひしめいているのも特徴です。
 
 トヨタ:RAV4 
 日本でも第5世代のRAV4が復活して話題になりました。アメリカでもRAV4は、デビュー以来ずっとトップクラスの人気を維持し続けており、実質SUVのパイオニアにしてブームの牽引役を担ってきました。ひさびさにフルモデルチェンジした最新のRAV4は、スタイルが斬新です。多角形を多用してよりアグレッシブな印象を与えました。4WDで走行中、車が自動でガソリン効率を計算し2WDに切り替わる省エネ設計。ハイブリッド・モデルも発売と同時にこのクラスで一番の売上を記録しました。
 スバル:フォレスター
 この車種も歴代シリーズが売れに売れまくっています。私も過去愛車として使用していました。なんといってもステアリング性能がとても素晴らしい。多くのアメ車を乗っていて気になるのが、このハンドルの切り回し感です。遊びが大きいせいか、大味の調整がどうしても気になります。とくにヘアピンカーブが連続するコースなどだと、その差は歴然です。その点フォレスターは、どんなコーナーリングでもイメージ通り、寸分の違いもなく走行してくれます。このきめ細かさこそ、日本の匠だと感じるのです。
 マツダ:CX-5 
 アメリカでは、現行マツダ車のラインアップはシンプルです。このSUVでは小さいモデルから順にCX-3、CX-5、CX-9。セダンのほうはMazda3、Mazda5。あとはCX-30やハッチバックといった派生バージョンのみです。これまでアメリカの数ある自動車メーカーの中で埋もれがちだったマツダ車ですが、全車種フルモデルチェンジした5年前を契機に、アメリカでも一気にマツダ人気に火が付きました。なんといってもスポーツカーと見紛うばかりのスピード感に溢れたデザインが注目されました。そしてアメリカでも称賛を浴びるあのマツダの赤色です。ソウルレッド・プレミアム・メタリックと呼ばれる独特の光沢をはなつ色彩が、路上でもとても目を引く魅力に満ちています。
 日産:ローグ
 2007年アメリカでデビューするや、売れに売れた商品です。アメリカではサブコンパクトSUVにカテゴライズされるこの車ですが、日本人には普通にミドルサイズです。5人乗り仕様ですが、室内はやや狭めで体格の大きいアメリカ人には後部座席3人は無理。しかし適度な小型感がウケたのか、若い人を中心に支持者層はどんどん広がりました。パワー不足は否めませんが、安定した走行には定評があり、今後もこのクラスの標準車として人気を維持し続けていくでしょう。
 ホンダ:CR-V
 アメリカで道を走っていて、どのSUVが多いかと言うと、このCR-Vに並ぶものはないでしょう。それくらいすごいシェアを誇っています。エンジンの基本性能が素晴らしく壊れにくいのも評判で、4,5世代前の古いモデルが普通に今も走り回っています。一回り小さな弟分のHR-Vもデビューしてすぐ若い世代を中心に大人気となりました。この二台でホンダはアメリカの中、小型SUVの市場をリードしていくことは想像に難くありません。

 さてこれら日本車はすべて人気、売上トップクラスではありますが、そううかうかしてはいられません。アメ車はもとより、ヨーローッパ勢も小型中型SUVに本腰を入れてきています。

 シボレー:これまでEQUINOXはやや大ぶりで、サイズ的に必ずしも日本のミドルSUVと競合しなかったのですが、デザインを一新して新たにこの市場に参入してきました。しかしシボレーはその上のクラスのBLAZERがものすごいスポーティかつ斬新なデザインで再スタートを切ったので、こちらのほうが注目度が高めでしょう。
 ドッジ:かつてDURANGOはガソリン消費率がひどかったのですが、新型は軽量化を図り人気も上々です。JOURNEYは廉価版SUVですが3列シートの強みがあります。
 ジープ:数年前にデザインを一新して以来、これまでのワイルド系おっさん自動車メーカーが生まれ変わりました。デザインではいまアメリカで一番来ているメーカーでしょう。主力商品CHEROKEEは細目のハロゲン・ヘッドライトが精悍で話題を呼び、RENAGADEもユーモラスで独特の箱型スタイルが可愛いと話題になりました。
 GMC:多くの自動車ブランドを傘下に置くアメリカ最大手のGM。TERRAINやACADIAがこのクラスの競合車種となりますが、これまでは大型車主流の販売戦力だたので、いまだ人気車種を生み出すには至っていません。
 フォード:日本車をとても意識したサイズ感のESCAPE。エンジン仕様やパワートレイン、内装に至るまで日本車かなと思わせる出来ですが、売れ行きはいまいちのようです。しかしフォードといえばEXPLORER。こちらはもはや大型SUVの売れ行きナンバーワンの地位を不動のものにしています。なにせ全米の警察が主要パトロールカーとして導入していますから。
 フォルクスワーゲン:ヨーロッパ勢ではスワーゲンのTIGUAN、ATLASが日本車の強力なライバル。燃費も日本のそれと引けを取らず、安定した走行性能でもアメ車を頭一つ先んじています。落ち着いたデザインも日本にはないタイプで評価も別れます。
 ヒュンダイ:侮れないのが韓国産のヒュンダイとKIAです。日本では知られていませんが、アメリカの自動車レビューで影響力のある、US News誌などでは近年、日本車、アメリカ車より高い評価点が付くのが目立ちます。それに裏付けされるように、販売実績も右肩上がり。TUCSONやSANTAFEが売れ筋ですが、気がつくと現時点SUVは7車種も出ています。小型から大型、ハイブリッドに電気と、まさにスキのないラインアップ。いかにアメリカ市場に力を入れているかがわかります。

 以上、中型SUVを中心としたアメリカでの車事情をお伝えしました。依然として日本車の人気および信頼性はゆるぎませんが、今後は間違いなくエレクトリック・カー、そして自動運転が販売戦略のキーポイントとなって行くでしょう。日本車がリードを守っていくのかどうか、今後の動向に注目が必要です。