2020年10月8日木曜日

マスクめぐる対立

 マスク警察か、自由優先か


 先日ニューヨークで80歳の老人が、店でマスクをしない客と口論の末、押し倒されて死亡する事件がありました。多くのメディアが取り上げ、マスク論争に拍車がかかっています。

 ニューヨーク・タイムズの記事によると、酒場で店員に対し無礼なふるまいをしていた男に対し、80歳の老人が我慢ならず、注意をしたことから口論がエスカレートしたとのこと。加害者の男性はマスクをしておらず、そのことを指摘され逆上して暴力に訴えてしまったようです。

 このようなトラブルはここ数か月で全米各地に広がり、ウイルス予防に関する認識や受け止め方にも、人によって大きな隔たりがあると感じました。今回は死亡事故にまで発展したため、より深刻な社会問題として、マスクのマナーがクローズ・アップされた形です。

 日本ではこれほどマスク一つで論争になるほどのことはないかもしれません。以前、中国でもマスクをしない女性客が店側に注意され逆上、店を破壊するビデオが話題になりましたが、総体的にアメリカも、個人の主張が日本よりずっと強く、大手マスコミが「マスク大事!」と連日報道しても、いや私はいらない、と思えば世間の風潮に流されることなく、「私はできるかぎりマスクはしない」ぐらいの態度は平気でする人がいます。

 同調圧力の強い日本とは立ち位置が違うのです。わが町はリベラルが強いのですが、トランプ支持派の住人が街中でマスクを無視するのを見て、SNS上で激しく非難しています。現状、室内に限り公共の場でのマスク着用は義務付けられています。しかも店の責任者が明確に「マスク着用でなければ入店お断り」などの意思表示を張り紙などで示しているのですから、それに従うのがルールです。

 しかしうちの町だけでもこの半年で、マスクをしないで入店しようとした人を罪人のように扱ったなどの訴えをよく聞きます。マスク警察などと揶揄される人たちは、けっこうずけずけと店の入り口などでマスク着用を促すようです。日本のようにこっそりビデオに撮ってネットに流す、「みなさんこれひどいでしょ」的非難法はとらないんです。直です。直言が基本なのです。

 今回死亡事故にまで発展したマスクがらみのトラブルを受け、ネット上でもマスクの是非についての論争が再燃しています。おりしも大統領が感染して、わずか数日で退院という異例の事態もあり、マスク支持派と否定派が改めて激しく主張し合っています。

 大統領がマスクをしないのを盾に、支持派の人達は、強制力のない人通りの多い街中では基本ノーマスクです。いっぽうマスクの重要性がわかっている人たちは、かたくななぐらいどこででもマスクを着けています。うちは片田舎なのでメインストリートといえど、人が密集することはまずありません。それでも道行く人は10メートル以上前から来る人を見かけるとさっとマスクをしてからすれ違います。私もその習慣が身についてしまいました。

 否定派はそれを見てあざ笑います。そんなのまったく非科学的だ。外の風吹く大通りで、5メートルも6メートルも離れていて、どうやってウイルス感染するんだ。できるものならやってみろ、というわけです。

 私はどちらも一理あると思いました。必要以上に距離をとりすぎる必要はないだろう、でもみんなが規律をまもる町中で、あえて喧嘩を呼び込むようなアピールっぽいノーマスクもおとなげないよね、と思うのです。

 もう一つの対立構図は高齢者対若者です。ウイルスで重症化しにくいキッズの間では、コロナ恐るるに足らず的な風潮が漂っています。それに対し、高齢者の認識は、コロナ感染したら重症化=命なし、の方程式が確立されています、この温度差が人々を分断します。

 そして最後の一番厄介なマスクをめぐる分裂。そいつをこの間、私は目の当たりにしました。

 仕事で行った先の中規模の町のコンビニ的なガソリンスタンドでした。店の入り口でなにやら大声がすると思って見ると、マスクをした白髪の老人が、マスクをしない黒人の若者を指さして、「マスクをしないなら店から出ていけ」と叫んでいるのです。

 すごい堂々とした態度だったので、はじめはこの爺さん、店のオーナーかなと思っていました(ただの客でした)。黒人の若者ははじめ言い逃れしようと抵抗していましたが、爺さんの剣幕が強烈、しかも正論なのでまったく太刀打ちできません。黒人はなにやらぶつぶついいながら退散し自分の車に戻っていきました。

 おお、爺さんの貫録勝ちーーーー。と思いきや、しばらく車のなかで誰かと電話していたその若者が、泣きそうな顔でマスクをつけて再び入店してきました。そしてさっきの老人をつかまえて、「あんたはおれが黒人だからノーマスクを非難しやがった。ほかにもマスクをしない白人のガキがいただろ。これは人種差別だ!」などと抗議を展開したのです。

「わしゃ、なにもそんな・・・」こんどは老人が周りの視線を意識しながら、抗弁し始めました。黒人はなおも泣き顔で、「おれは今マスクをしてる。もうあんたの指図は受けない。買いたいものがあるんだ。差別はやめろ」論点が違うので、老人はあきれたように「あんたの人権の話じゃない。マスクのルール違反だと言ってるのじゃ」「おれはもうマスクをしている。あんたも蔑視を取り下げろ」もうなんだかわけがわかりません。

 この険悪な空気を見かねた店員がようやく間に割って入りました。

「ああ、もういいからお二人とも。喧嘩は外でしてください」

 それでこの一件はうやむやに落着したのですが、こういったささいな小競り合いはそこかしこでくすぶり続けているのでしょう。マスクひとつでこれだけ見解が違ってくるのですから、自由の国アメリカと言っても一筋縄ではいかないわけですね。この先これ以上やっかいなトラブルや悲劇が起こらないよう、はやくコロナ騒動、集結してほしいものです。

 


2020年10月7日水曜日

英語も習慣化せよ

 洋書絵本で「ひとり」読み聞かせ



「習うより慣れよ」という故事がありますが、それは英語の学習にも当てはまります。

 とにかく、英語と親密に付き合うことが英語上達への近道です。いやそうはいっても、いろいろ試すがうまくいかない。とか、いつもいい教材を見つけては意気込んで始めるが、長続きしない。その繰り返しではありませんか? 

 はい、だけどそれはあなただけの問題ではありません。私も含め、じつに多くの英語学習者がおんなじ壁にぶち当たり、悩んできました。多かれ少なかれ、語学というものは熱意と根気、粘り、しつこさがないと前へ進めません。しかし誰もが望むのは「楽しんで学んで実になるやり方」です。はたしてそんな虫のいい英語学習法があるのでしょうか?

 受験勉強にはタイムリミットがあって、狭き門に対して鎬を削る強烈な競争心理が働きます。だから短期決戦でいい結果も出しやすいのです。

 しかしただ漠然と英語がうまくなりたいなあ、では勉強するための動機、モチベーションといったものが決定的に不足しているのです。ゴールの明確でない長距離走と一緒で、根源的なやる気が出てこないのは当然のことでしょう。

 そこで私が推奨するのは、「習慣化」というメソッドを英語学習に応用する、というやり方です。習慣化に関しては、いろんな人が著作で強く勧めていて、かなりメリットのある実践法なので、これはまた機会をみて、まとめてみたいと思います。

 今回は、「とにかく英語とうまく付き合いたい」人のために、英語を生活の一部として習慣化させる方策をご紹介します。

 これは私がデザインの勉強をしていたころ、ある先生から私のデッサンに偏りがあることを指摘され、それを直すためのトレーニングを受けたことから知った方法です。

先生「君はデッサンの練習量を増やしたほうがいい。君の絵はある角度からの描き方が不正確なんだ。気づかないのかい?」

私「はい、斜め上からの視点で描く人物がどうもうまく描けないです」

先生「素材は何でもいいから、毎日ペンや鉛筆でスケッチする習慣をつけなさい。そのとき必ずトレーシング・ペーパーを使うこと。描いたら裏返してみてごらん。歪んでいるのがわかるはずだ」

 言われた通りトレーシング・ペーパーで鏡を見ながら自画像をスケッチしてみました。裏返すとなるほど、なんかいびつな自分が描かれています。そう私は正確に自分を見ず、思い込みで勝手に目や鼻の角度を変えてしまっていたのです。ひごろ漫画のようなイラストの落書きばかり描いていたので、実物を見て描いたつもりでも、顔のパーツは不正確な位置関係になっていたのです。

                                     

 それ以来、観察の重要性を肝に銘じ、それまで軽視していたデッサンを徹底的に見直す練習を始めたのです。でもがむしゃらなやり方では長続きしませんでした。はじめは「いつでもどこでもスケッチしよう」のスローガンを掲げ、小さなメモ用紙とペンを持ち歩いたのですが、なかなか実践には移れませんでした。

「先生、ぼくは根気がないので、どうしてもデッサン練習を継続できません」そう悩みを打ち明けると先生は、「習慣とくっとけてごらん」とアドバイスしてくれました。はじめは何のことかわからなかったのですが、読んで字のごとし、やってみると割と簡単でした。デッサンを習慣するなら、すでに日常で習慣化したものの直前か直後にセットとしてスケッチを組み込むというやり方です。

 たとえば、だれでも朝晩歯は磨きます。私は就寝前、歯磨き後に、洗面所に置いたメモ用紙に想像上のキャラクターを描き、そのあと裏がえして、ゆがみをチェックする、そんなことを始めました。わずか5分程度の作業です。しかしこれがけっこううまく続きだしたのです。視界の範囲にある歯ブラシや、ヘアドライヤー、シャンプーの容器など、目につくものをスケッチ、スケッチ。数か月続けると、メモ用紙の裏も表も均等な絵が描けるようになってきたのです。スケッチ・トレーニングを、すでに習慣化された歯磨きとセットにすることで、挫折せずに続けられたわけです。

                                  

 英語学習にこれを応用してみてください。たとえば歯磨きあとに単語を覚えるべく洗面所内に単語帳などを常備しておくのです。一回につき10単語とか、歯磨きの後3分間発音練習する、とか習慣化しやすい超短めなもので結構です。それがだんだん定着しだすと、1 0単語が20,30単語に、3分だったものが、5分、6分と伸びてゆくのです。

 こういった初歩的なものでもいいのですが、より効果を確実に高められるものと言えば、私の一番のお勧めは、就寝前の「ひとり読み聞かせ」です。これは私の娘が幼いころ、私ではなく家内が実践していたものです。とにかく家内はほぼ毎晩、娘を寝かしつけるために、絵本の読み聞かせを続けていました。娘はそれがないと眠れなかったのです。

 これを英語学習に応用していただきたいのです。就寝前のほんの10分か20分でいいのです。読みやすい絵本を枕の上に常備しそれを声を出して、自分自身に読み聞かせてください。あくまでも人に聞かせるように、やや演技的読み方で英語を発声するのです。(もしその部屋にお休み中の誰かがいる場合は、リビングのソファに戻るとか、トイレに引きこもるとか、臨機応変にお願いします。ささやき程度でもいいですが、とにかく声を出すことが重要なので)

 もちろん活字だけの本でもいいのですが、習慣化しやすいのは絶対絵本です。はじめはかならず絵本にしてください。視覚に訴えるぶんだけ理解が深まり、脳内にイメージが定着しやすいのです。イコール継続も容易ということになります。さらに絵本の利点は、早く読み切れるので、達成感が得やすいということ。次々と読みこなし、またローテーションで、なんども読み返すことで、「慣れ」が自信にもつながっていきます。

                                      

 この「習慣セット法」を試してみて、三か月でも続けられればしめたもの。あなたはそのとき、英語との付き合い方を会得したという自信をつかめるはずです。

 実践あるのみですので、ぜひお試しください。

 以下に、「英語で読み聞かせ」にちょうどいい絵本をリストアップおきました。ほんの一例ですが、まずは読んで楽しい、やさしいものからという観点からのリストです。




声に出して読みたい「読み聞かせ英語絵本)


Where the Wild Things Are (Maurice Sendak)


Goodnight Moon (Margaret Wise Brown)


3Cloudy With a Chance of Meatballs (Judi Barrett)


The Very Hungry Caterpillar (Eric Carie)


The Lorax (Classic Seuss) (Dr. Seuss)


6  Brown Bear, Brown Bear, What Do You See?. by Bill Martin, JR.


The Going-To-Bed Book (Sandra Boynton)


8  Don't Let The Pigeon Drive The Bus! (Mo Williams)

2020年10月6日火曜日

北米も紅葉の季節

 紅葉、お勧めスポット in New York



 ここニューヨーク州周辺もめっきり秋らしくなり、野山は赤や黄色の美しい紅葉の季節を迎えました。そこで今回は、ニューヨーク周辺のこれからが見ごろとなる、紅葉狩りおススメスポットを挙げてみました。

 アメリカでは紅葉の季節のことを、Autumn Foliage, Fall Foliageなどと呼びます。日本ほど紅葉に関心を示さないといわれるアメリカ人ですが、いえいえこの季節は、美しい紅葉スポットを目指す旅行者が各地から押し寄せます。昔は日本人ののようにカメラで紅葉を背景にパシャリ、とはしなかったのですが、スマホ・カメラの隆盛とともに気軽にスマートフォンで風景写真を撮る人が激増しました。そんな中、気軽に行ける秋の観光地付近で、今が一番見ごろの紅葉と言えば、以下のところはガチでお勧めです。



1 Ro
ckwood Hall Trail (Westchester County, New York)



 ロックウッドホールトレイルは、ニューヨーク州スリーピー・ホロウのロックフェラー保護区の西端に位置する、3.5マイルの人気のトレイルです。秋景色のハイライトは、ハドソン川を見下ろす壮大な眺望。特に崖から眺める豪華な夕日はドラマチックに映えることで有名です。趣のある木製の歩道橋のある小川のせせらぎ、秋には白樺の木々も優雅に輝きを増し、 散歩、ランニング、家族でのお出かけや自然写真の撮影にうってつけの地です。



2 Nyquist-Harcourt Wildlife Sanctuary (New Paltz, New York)



 足の穂が生い茂るウォールキル川とその周辺は自然保護区に指定され、バード・サンクチュアリ(野鳥の聖域)としても知られています。散歩に最適な緑の小道は秋になると燃えるようなオレンジの木々に包まれ、秋の虫たちの合唱を聞きながら、珍しい小鳥たちを探し歩くのが楽しい場所です。近くにはこの10エーカーの国定歴史建造物地区ヒューグノット・ストリートがあります。1700年代の歴史的に貴重な建造物が並ぶこの一帯は、多くの考古学者や歴史研究家が訪れる有名な地域。アメリカの歴史を知るうえでぜひとも押さえておきたいスポットです。



3 Old Croton Aqueduct (Croton on Hudson, New York)



 Aqueductは水路という意味ですが、ここではその水路に沿ったハイキング・トレイルという意味です。オールド・クロトン・アクエダクト州立歴史公園は、南はブロンクスのヴァン・コートランド公園から遥か北のコートランドのクロトン・ダムまで、1840年代にニューヨーク市に淡水をもたらした水道システムの軌跡をたどっています。20マイル以上に及ぶ木々に覆われた小道は、歴史的な景色や水道橋システムの特徴を通り過ぎてみることができます。とても長い森の細道なので、紅葉の季節は自転車で駆け抜けると爽快です。もちろんゆっくり歩くハイキングやジョギングもよし。どこからスタートしても楽しめます。



4 Walk Way on Hudson (Poughkeepsie, New York)



 ポフキプシーとハイランドを結ぶ全長1.28マイルの橋からは、ハドソン川のまばゆいばかりの景色を眺めることができます。紅葉のピーク時には、川の両側の木々が鮮やかな帯を作り、まるでパレードの中を歩いているかのような気分になります。紅葉のピークは通常10月中旬ですが、葉は11月上旬まで続く傾向にあります。



 これら以外にも、ハドソン川沿いの自然公園や森林地帯はどこを切り取っても絵になる場所ばかり。とくのにこの秋のわずかな紅葉の季節を見逃す手はありません。車でのドライブで思わぬ発見をする醍醐味もよし、ハドソン・ラインという電車で、途中下車した町のそこかしこで、秋の風情を見つけるのも一興でしょう。10月の半ばまで紅葉を楽しめるこの地域をぜひ一度訪れてみてはいかがでしょうか?

2020年10月5日月曜日

車に常備すべきアメリカ・モノ

 これがあると便利



 毎日クルマを運転していると、あんなものがあればいいな、こんなものが役に立つかもといろいろ考えるものです。今回は、私が使ってみて、役に立ったなと思うものをご紹介します。

クルマの窓が曇ってよく見えない! そんなときは、

Rain-X 630046 Interior Glass Anti-Fog - 12 fl. oz.

 これは窓の曇りよけです。寒くなってくると、車の暖房と外気の温度、湿度との差ができて、つい窓が曇りがちになります。朝の出勤などの際生じるこの曇りは実に厄介です。こんなときは理論上、外気と車の中の温度を等しくすれば、窓に結露がなくなり、曇りが取れるわけですが、寒い季節に窓を開けて寒気にさらされるのも嫌なもの。そんな時は、このRain-X Interior Glass Anti-Fogで車のガラス曇りを防止してはいかがでしょうか。

 窓の曇りはガラス表面のコンディションで付き方も違ってきます。まずはこのRain-X Interior Glass Anti-Fogをきれいな布に塗布して、何度か拭くのがコツです。窓に刷り込むような気持で何度か拭いていくと、定着した無色透明の液体が湿気をはじき、窓を曇りにくくしてくれます。安全運転のためにも役立つので、ぜひ一度お試しください。


タイヤがパンクした! そんなときは、

 タイヤの空気漏れ対策で、いざという時に役立つのがコレです。パンクの症状で一番多いのは、釘など鋭利なものが刺さってタイヤにめり込んでしまう症例です。この場合は、空気は漏れるのですが、すぐさまタイヤがぺしゃんこになるわけではありません。走っている間に徐々に空気が漏れる場合がほとんどです。

 そんなときこれがあれば、とりあえず空気をいれなおして、最寄りのガソリンスタンドや、メカニックのいる場所までたどり着くことができます。注入はわずか2ー3分。誰でも簡単にできます。わずかな空気漏れ程度なら、これで1時間くらいは走行可能です。スピードを落とし安全を確保しながら、タイヤを直せる場所まで行けるはずです。私はこれのおかげで、面倒な予備タイヤの交換もしなくて済みました。これを常備するだけで安心感も得られますので、ぜひトランクの中に備えておいてください。

スマホをカーナビ代わりに使いたい! そんなときは、

SCOSCHE MAGWDMB MagicMount Universal Magnetic Suction Cup Mount Holder for Mobile Devices in Frustration Free Packaging, Black

 


 スマホをカーナビ代わりにする人にはとても便利なグッズです。私はこの手のものにはこだわりがあって、もうなん十種類も買い換えました。結論から言うと、このマグネット式のものが一番優れていて、使い勝手が最高です。スマホを左右から挟み込むタイプのものも使用しましたが、挟んだり取り外したりがちょっと面倒。

 なんといっても利便性の点でマグネットがダントツ一番です。着脱を片手で済ませられるのはこのマグネット式だけ。またとてもコンパクトで柔軟性があるので、車のどの位置にでも自由に置き換えることが容易です。スマホとスマホケースの間に付属の薄い磁石シートを張るだけで準備完了。とても役立つグッズですよ。


クルマのことでトラブル発生! そんなときは、




 最後は安全対策キットです。あなたは車のバッテリーが上がっちゃって、立ち往生したことはありませんか? コンパクトなバッグの中には、車のトラブルでいざという時の助けになる、必要最低限のサバイバル・グッズがぎっしり詰め込まれています。
 このキットには、反射警告トライアングルと安全ベスト、作業用手袋2個、LEDフラッシュライト、レインコート、ジャンパーケーブル、ハンドウォーマー2個、ミニ蛍光棒、緊急用ブランケットが含まれています。さらに、バンドエイド、包帯、消毒布、ハサミなどの救急用品も付属しています。普段必要なくても、小さなバッグですので邪魔にならず、トランクの片隅にあるだけでも実用的なお守りになります。ことが起こってからでは遅すぎますので、非常時のために、これだけはご用意しておくことをお勧めします。



2020年10月4日日曜日

アメリカの野鳥

 野生を撮影する楽しさ



 私の住むニューヨーク州郊外の森はいずこも野鳥の宝庫です。鳥が好きな方なら一度は訪れることをお勧めしています。

 今日は1インチ・コンデジ、CANON G3Xを片手にちょっとした自然公園に出向いたのですが、思わぬ珍客に出会えました。

アオサギ君(Grey Heron)です。

 このアオサギ君はとってもスリムで背が高く、体長1メートル近くはありました。じっと池の水面を眺め、ほとんど動こうとしないので、五メートルぐらいまで近寄ることができました。どうやら池の魚を狙って狩りの最中だったようです。やがてアオサギ君は大股で池のヘリを横切り、いきなり首を池に突っ込みました。一瞬の動作でカメラに収めることはできませんでしたが、確かに小魚を咥え、瞬く間に飲み込んでしまったのです。


 じつに優雅で落ち着いた雰囲気。やがて翼を広げて飛び去りましたが、そこには王者の風格さえ漂っていたのでした。


 私がよく散策するハドソン・バレーという地域。近くにはふだん一般人が入ることのできない、イオナ島の野生生物保護区があります。年間を通して鳥の渡りや生息状況を定点観測し、環境の変化に気を配っています。ベア・マウンテン・ブリッジの南に位置するこの島のツアーは、5月から10月の間に年に6~8回、3時間のツアーを実施しています。ここは現在はベア・マウンテン州立公園の一部となっています。初期の頃は、ネイティブアメリカンの野営地やオランダ人の入植者が住んでいて、ブドウ畑や果樹園を営んでいました。ここはアメリカの国鳥ハクトウワシの生息地としても有名で、遠くから鳥類学者やバードウォッチャーが観察に訪れます。

 希望者は上記のような予約制で年間数回しか入るチャンスはありません。最近は学術研究者や招待客、団体優先と制限されていますが、この保護区に入れなくても、周辺地域は野鳥の宝庫で、気軽に車で訪れる観光客が絶えません。

 この地域に生息する鳥類は、越冬するハクトウワシのほかに、ミサゴ、ノーザンハリアー(チュウヒワシ)、クーパー・ホーク、オオタカ、黒ハゲタカ、七面鳥などが渡ってきます。またカワセミ、オオムクドリ、ウグイスなどもよく巣作りをしています。近頃ではニューヨークでは珍しいケンタッキーウグイスなども発見されています。

 たまたま一日だけ訪れたその日にハクトウワシに巡り合えるとは限りません。そんな人のために、必ず会える場所も用意されています。ベア・マウンテン動物園です。イオナ野生生物保護区からそう遠くないところにある小さな動物園ですが、そこにハクトウワシやイーグル、フクロウ、七面鳥など、この地で保護された鳥や動物が棲んでいます。その多くはけがなどで生命の危険に遭い助けられた動物たちです。そこでも大自然の息吹は十分に感じられるので、ぜひ立ち寄ってみてはいかがでしょうか。

 こういった貴重な野鳥の生息状況を多くのボランティアや研究家の尽力によって保護されているこの地域は、よそと比べて路上にゴミも少なく、地域住民の環境に配慮する意識も高いので、カメラの撮影にはもってこいです。どこを撮っても美しく映える景色ばかりで、その中で珍しい野鳥を撮影出来たら、本当に撮影者冥利に尽きる喜びとなります。

 私が最近知り合った近所のジミー・チャン氏もそんな自然の美に魅せられて、引っ越してきた一人です。彼はニューヨークの都心部ブルックリンに住んでいたメディア・カメラマンですが、休暇でこちらに訪れた際に、その野生美に惚れこんでしまったのだそうです。ジミーは中国系の若いカメラマンで、それまで都会で人物や事件ばかり撮ってきた人です。それが今は暇さえあれば森を訪ね、トレイルを散策するようになりました。

 このような人は特に珍しいというわけではありません。私もマンハッタンのアパート暮らしを経て、徐々にこの地域にのめり込んでしまった一人です。それまでは写真と言えば家族の記録係としての役目しかありませんでしたが、ひとたび野生のスナップ撮影にハマると、もう病みつきになります。仕事との兼ね合いで、しょっちゅう森に出かけることはできませんが、家からそう遠くない場所に美しい自然が満ち溢れているのは、幸せというほかありません。

 先日プロ・カメラマンのジミーと、カメラの話をしていたら、私がコンデジで野鳥を撮っていると知り、苦笑いされました。それで撮れないことはないけど、もっといい機材ならより素晴らしい写真を撮れるよ、とアドバイスされたのです。

「いやそれはわかってるけど・・・」私は口ごもりました。

 確かに大自然との付き合いに、ちゃちなカメラでは本気で向き合えません。しかし軽量小型だからこそシャッターチャンスを逃がしにくいのも事実なのです。その日ジミーか担いでいたのはニコンD780というプロ用フルサイズ・カメラに300ミリのバズーカ砲のような巨大望遠レンズ。いや確かにあれなら自然の本当の素晴らしさをダイナミックに写し撮れるでしょう。それはそれで素晴らしい、すごいなと思いつつも、そこまで気合が入れられるかな、と自問してしまいます。

 ともあれ、これからも暇さえあれば野鳥や野生動物など森の美しさを撮り続けていくことに変わりはありません。その中で気持ちに変化があれば従うまで。それまでは気楽にコンデジで美しい自然と付き合っていきたい、今はそう思っているのであります。

 

2020年10月3日土曜日

レストランのデリバリー

 新時代の食事習慣


 昨夜の夕食は、ピザ・レストランのデリバリーでした。「ルート9ピザ」という名の店ですが、ここのメニューは大抵期待を裏切りません。我が家は最近はもっぱらここの出前で夕食を済ませています。

注文した品目は、

・Chicken Parmigiana

・Eggplant Parmigiana

・Chicken Alla Vodka Roll

・Antipasto Salad

・Lentil Soup

 


 油っこくって、かなりハイカロリーなメニューですが、これが美味しくて病み付きにある味でして・・・。気が付けば、最近めっきりこのような外食に頼る日々が多くなりました。

 数えてみると、もはや週に2,3日は当たり前となった夕食のデリバリー。毎回どこにしようかと迷いながら、これでいいのだろうかと自問する日々が続いています。

 自炊が激減したのは、コロナ騒動が始まって間もないころ。外出が怖くなって、おちおちスーパーにもいけなくなったことがきっかけでした。はじめは近くのピザ屋さん、中華料理店などデリバリー可能なところを頼っていました。そのうち、レストランをはじめ外食店すべてが一時閉店し始め、否応なくマスクをしてスーパーに買い物に行きだしました。家内はそれがストレスになったようで、原因不明の片頭痛と肩こりに悩まされるようになりました。

そうこうするうち、今度は外食店が、どこも生き残りをかけてこぞってデリバリー・サービスを開始し始めました。これは消費者にとっても店側にとっても、明るい希望となりました。自宅でレストランの食事がいただけるのはありがたいことです。家内もスーパー恐怖症になりかけていたので、渡りに船です。

 いち消費者としても、レストランが閉店されると困るので、今は外食産業への応援の意味も込めて、積極的にデリバリーを利用するようになりました。

 結果的に自炊の日が減り、デリバリーに頼る日が多くなったのは自分でも驚きです。しかし問題がひとつ。これが習慣化するとなかなか元には戻れなそうなのです。

 アメリカの裕福な家庭では毎日外食するところもあり、かつてわれわれ平民はそんな金持ちを、料理もしないで楽して食べる自堕落な人たち、などと揶揄していたのです。しかし今は貧しい我々も外食に頼る方向に傾いてしまいました。一度このデリバリーという便利なシステムに慣らされると、自炊に戻るのが面倒になってしまうのです。しかも悔しいことに料理の多彩さ、味のバラエティは、自炊の比ではないのです。いろいろ選べて、しかもおいしい。この誘惑にはなかなか勝てません。

 いや、うちの家内の料理がどうこうというのではありません。家内自身も、じつは毎日の献立を考えるのが悩みの種であったことを告白しています。いまこういう事態になって、率直に楽になった現実と、これでいいのだろうかという矛盾する気持ちの間で揺れ動いるらしいのです。

 レストランの食事は確かにおいしいのですが、栄養の面では偏りがちです。塩分もカロリーも家で作るものより倍増します。また家族間で好みが分化するというのも問題です。家庭料理ならいつも家族そろって同じものを食べていたから気づきませんでしたが、デリバリーとなると、それぞれで違うものを注文するので、好みに差ができ、好き嫌いを助長してしまうのです。

 この数か月で我が家の食生活はかつてない大変化を遂げました。家内も少しづつスーパーに買い足しに行く頻度を回復させていますが、まだ以前のように毎日夕食の献立を検討するまでには至ってません。彼女にとって夕食を作る時間とエネルギーから大部分解放されたことは大きな変化です。いまはその分を掃除やアクセサリーの創作作業などに費やしています。それはそれで有意義なことなのですが、今後、昔のような日常を取り戻せたとき、家庭の手料理中心の生活パターンに戻れるのか保証はありません。いちど習慣化したデリバリーの味はなかなか捨てられそうにないのです。

 今日も、もはや当たり前のように家族みんな、今夜はどこのレストランにしようか、などと考えているかもしれません。外食偏重は経済的にも決して楽なことはないので、そろそろ考えを改めなければいけない、そんな時期に差し掛かっている我が家なのです。

 

2020年10月2日金曜日

アメリカで料理を学ぶ



もう一つのCIA



 ニューヨークも各大学が再開されて一か月がたちますが、今も大半がオンライン時授業主体で行われています。そんな中、今日はコネチカット州から車で二時間半、お客さんを乗せてニューヨーク郊外にあるCIAのビルディングへご案内しました。

 CIAといっても、あの政府の調査機関とは関係ありません。
 The Culinary Institute Of America(カリナリー・インスティテュート・オブ・アメリカ)といって、アメリカの私立料理専門学校です。

 本校は料理専門の教育機関では世界唯一の4年制学位を取得できる全寮制の大学および専門学校です。生徒は約3,000人あまりいて、二年制コース、四年制コースに分かれます。
 四年制つまりBachelor’s Degree Programでは料理の実践教育のほかに、レストラン経営に必要な経済学、管理学、心理学なども学べ、将来一流のレストラン経営者を目指す学生たちが全米から集まってくるのです。

 今回、こちらに訪問されたのは、ここで料理を学んで将来はパン屋さんになる夢を抱く学生さんとそのご両親です。
 いまこの学校もコロナの影響で、生徒たちはオンライン主体の授業を余儀なくされています。せっかく料理人になる夢を抱いて入学したのに、今、実践的な授業が受けられない状況はとても残念なことです。この日、数か月ぶりにキャンパスを訪れた生徒さんは、カウンセラーの方と進路相談をされるためだったそうです。せっかく行くのだったら、両親も一緒に連れていってキャンパスを案内する予定だったそうです。




 ところがいざ行ってみると、学内は生徒以外立ち入り禁止とあり、保護者といえども学舎の中には入れない旨を守衛さんから言われました。
 せっかく遠路はるばる来たご両親が外で待つのはかわいそうです。私は何度かここには来ていたので、お子さんだけビルの入り口で下ろし、ご両親を屋外の駐車場に案内しました。そこから一緒に歩いてぶらぶらキャンパスを見て回りました。

 キャンパスはハドソン川沿いにあって美しい景観が評判の場所です。レンガ造りの歴史あるビルディング群もとても風情があり、コロナ以前は多くの人が訪れる観光名所でもありました。
 ご両親はキャンパスを見て回りとても感銘を受けていました。うちの子がこんな立派な学校で学んでいるのは名誉なことだとおっしゃるのです。なにせ、この学校は世界トプレベルのシェフやレストラン経営者らを生み出してきた料理学校界の名門なのです。アメリカ人ならその名を知る幾多の名コックやプロデューサーが卒業生として名を連ねているのです。

 ビル内にはおしゃれなカフェやワインの醸造所まであり、さらにアメリカン・バウンティ・レストランという有名な料理店も入っています。普段は一般の人でもお食事を楽しめるようになっていますが、今は残念ながら休業中。再開を持ち望む人は少なくないでしょう。

 


 学校側としては、今学期内に新しい教育プログラムを再編成し、生徒たちがより実践的な授業を受けられるように対策を講じているとのことです。生徒さんもいろいろ不安を抱えて大変そうでしたが、カウンセリングを受けてなんとか光明を見出せたようです。ご両親も、「今日は来た甲斐があった」とおっしゃってましたし、なんとか卒業まで頑張って、将来の夢、パン屋経営まで邁進していってもらいたいものです。

 おりしも、マンハッタンでは今月からレストランが条件付きではありますが、再開を許可されました。外食産業は今回大変な大打撃を被りましたが、その再起を待ち望む声は、日増しに高まっています。安全を確保したうえで、なんとかかつての活気を取り戻してほしいと願うのが私だけではないでしょう。
 
 ともあれ、このカリナリー・インスティテュート・オブ・アメリカ、さきに申し上げましたように、観光地としてもとても満足度の高いところなので、早く以前のようにレストランを再開し、たくさんの人に知ってもらいたいおすすめのスポットであります。