2020年11月4日水曜日

大統領決定! はいつ?

 速報を観ながら


 いよいよ本日アメリカ大統領選挙投票日です。

 米国ではこの日、投票を優先にするため、学校や仕事関連の業務を停止あるいは短縮するところが少なくありません。うちの子供の学校も教育者会議を午前中行う名目で、学校は休日扱いです。私の運転業務も、エッセンシャルなものだけ対応する体制で、私は自宅待機となりました。

 さて今この時点で地元の投票所を車で素通り観察したところ、投票所入り口からはみ出した行列は数十人程普度。これが夕方に向け、膨れ上がるのか、それとも史上最大規模と言われる郵便投票の効果で当日投票はそれほどでもないのか・・・。

 最新の調査によると、先回4年前の選挙と比べると、かなり投票率が上がってきている模様です。民主党のみならず、政党に組しない中間層でもアンチ・トランプは多く、トランプの再選だけは阻止したいと思う投票者も多いとみられています。しかしその分、熱烈なトランプ支持者の熱量はすさまじく、何が何でも再選をという強い意気込みを感じます。

 一方、バイデンは反トランプの支持者は集めるものの、キャラクターとしてはカリスマ性に欠け、掲げる政策も魅力に乏しく、投票に積極的なのは民主党の中核層に限られているとみられています。これまでバイデン有利が伝えられてきましたが、ここけきてトランプ勢の巻き返しがすさまじく、状況は混とんとしてきました。

 私は極力中立的な観点からこの選挙を見てきましたが、長い視野で選挙戦を戦ってきたのは現職トランプ陣営です。この日のためにあらゆる努力を惜しまず、言い換えればなりふりかなわず、とにかく再選勝利だけを念頭に4年間準備してきました。このエネルギーは軽視できません。アメリカを守るというスローガンは大統領個人のみの見解ではなく、トランプ支持層の大多数が本気で考えていることであり、いい国にしたい、よりよい生活を守りたいという真摯な気持ちで今の強い(強気な)大統領を担ぎ上げてきたのです。

 4年前、トランプが大統領に選出されたときは、多くのアメリカ国民が失望する姿を目の当たりにしました。あのときトランプが前面に押し出していたのは、アメリカ至上主義であり、国境に壁を作ることが最優先事項と謳う、前代未聞のメッセージでした。そこにはかつてアメリカが掲げた自由・博愛のキリスト教精神から逸脱していく危機感を覚えた人も多くいたでしょう。

 これを聞いた進歩的と言われる人たちはこれを時代の逆行だと受け止め「これでアメリカは終わりだ」「悪夢の4年間が始まる」などと嘆いたのです。

 トランプ政権は発足当初から過激ともとれる敵視政策を打ち出し、ヨーロッパ諸国やアジア、南米、いや隣国カナダまで敵に回す孤立主義ともとれる独走態勢に向かいました。多くの国が反発する中、日本は積極的にトランプ政権にすり寄り、親アメリカに徹しました。トランプがどんなに無理難題を押し付けようとも、「アメリカは同盟国にして共存共栄、運命共同体」そういったスタンスを全うしてきたのです。これを弱腰外交と批判する気持ちもわかりますが、反面、生真面目に見えてしたたかな日本のずるがしこさを指摘した外交評論家の意見もうなずけます。

 トランプのごり押し政策はこの四年、あちこちで物議をかもし、メディアとの対立も激化してきました。互いに「うそつき」呼ばわりが常態化し、聞いていて呆れるほどの幼稚さも感じざるを得ない、そんなときもありました。これが世界の超大国の政治かと思うと暗澹たる気持ちになったこともあります。 

 そうして過ぎ去った四年間ですが、いま振り返ると、トランプ政権は外交で大ナタを振るいつつ、じょじょに国内の経済を立て直してきました、コロナ禍が起きるまでは。

 このコロナが大きな誤算でした。コロナ問題が起きなければ、トランプ政権は四年間で目立った失策はほぼほぼしていないのです。本人が言うように、雇用は少なくとも拡大しました。失業率はこの四年間で減少し、実質最低賃金も大幅に上がったのです。製造業で海外依存を見直し自国の産業を支援する、こういった当たり前のことがそれまで成されてこなかったのです。もちろん当初に公約したほどの大成果というわけではありませんが、4年の短期間で株価も上がり経済も持ち直してきたのは事実です。

 こういった客観的な実績を今回の選挙で考慮にいれる中間層は少なくないかもしれません。確かに人柄という観点からすると、現職大統領は著しく資質に欠けると言わざるを得ません。アンチ・トランプを公言してはばからない人は今もたくさんいます。顔など見たくない、もう声を聴くのもいや、とテレビのニュースを切る人もごまんといます。おそらく史上これほど嫌われたアメリカ大統領はいなかったのじゃないでしょうか。

 それでもトランプ大統領は、ずっと強気でした。マスコミからどれだけ叩かれようと、自己のポリシーを曲げず、ツイッターで低レベルのつぶやきを流しつつ、自分に正直に生きてきました。本音と建て前を使い分ける政治家になかでは、極めて正直な部類にはいる、わかりやすいキャラクターではあります。

 これを今回の選挙でどう見るかです。「やっぱり一国の長たるもの、人格は大事だ」という人もいれば、「いや実績こそリーダーの証だ」と主張する人もいるでしょう。「あんなゲス大統領だが、やることはやるな」この四年間でそう見直す人が出てきたことも否めません。ただ、人種問題や銃規制、人権の問題ではなかなか譲れない人それぞれの考えがあるので、その揺れ方もアメリカならではの抱える問題です。

 でも逆に言えばそれこそが、自由平等、民主の国アメリカの反応です。揺れて悩んでいろいろ議論する。暴力はダメですが、徹底的に議論して思いのたけをぶちまけるのが、4年に一度の国民審判の日なのです。

 異文化のもとで生まれ育った第三者から見ると、今回の大統領選挙はとても興味深いものです。とてつもなく強烈な個性の現職大統領。対するは、影のうすかった副大統領経験者。

 どちらも70台の高齢で、これから4年間の激務をこなせるのか一抹の不安もよぎります。個人的には、四年前ヒラリーを担ぎ出してあれほど悔しい敗戦を喫した民主党陣営が、トランプに対抗しうる若い候補を育てなかったことへの疑問です。日本も似たようなものですが、野党がばらばらでは巨大な相手に勝てないのです。果たしてそのツケは今回の選挙で回ってきてしまうのか。

まとめ

 いま選挙当日を迎え、両陣営はどのような思いなのでしょうか。このコロナ禍が続く不安な世界情勢のなか、どのような政権運営をしていけるのでしょうか。

 アメリカを繁栄へと導く勝者はどちらか。泣いても笑っても、この日投票は完了し、明日から固唾を見守る開票が始まります。どんな結果であれ願わくば、スッキリしたあと腐れのない決着を観たいものです。

2020年11月3日火曜日

アメリカでオススメ洗濯洗剤など

洗濯は面倒だがきれいになると嬉し 

 



 引き続き洗剤関連の話ですが、その前に先回の標準洗剤のベスト5の発表です。

Good Housekeeping Institute Product Reviews
 
 通称「GH」と言って、アメリカの主に主婦層から多大な信頼を置かれている人気の家庭関連グッズのレビュー、紹介サイトです。ここで高評価された商品は、たいてい売れ行きがよくなるのだそうで、私もたびたびチェックしております。先日の紹介アイテムとはまた違うランキングになっているので、参考までに2020年版ベスト9のうち五位までを転載させていただきました。

1. Tide: Plus Bleach Powder Detergent

2. ProClean Stain Fighter Liquid Laundry Detergent

3. Persil: 3-in-1 HE Turbo Laundry Detergent Pacs

4, Gain: Botanicals Plant-Based Laundry Detergent

5, Kirkland: Ultra Clean Premium Laundry Detergent

 やはりここでもTIDE強しの感は否めないですね。お値段高めですが、それなりの結果は出している洗剤と言えそうです。さて、今回の洗濯グッズは別の観点からのご紹介です。


 みなさんお悩みでしょう、食べ物や油などによるシミ。これ本当についたら、ああやっちゃったと頭抱えると思います。私も新しく買ったばかりの服に焼き肉の汁つけたり、運転中のコーヒーこぼしたり、てんぷら挙げていて、フライパンからの跳ね返り油を浴びたりと、失敗ばかり繰り返しております。そんなとき、頼りになるシミ取り洗剤があるといいですよね。ということで選んでみました。


シミ取りの一番はコレ

Tide Ultra Stain Release



 「試した洗剤の中には、特定の汚れに効果があるものもありましたが、タイド ウルトラ ステインリリースは常にトップの性能を発揮し、テストした他のどの洗剤よりも多くの血液、皮脂、ココアを除去しました」

 検査対象になぜココア? ちょっと疑問もありますが、きっとアメリカではポピュラーな落ちにくい汚れの代名詞なのですね。日本ならコーヒーを挙げると思います。

 しかし上には上があるようです。もうひとつ別のところでは、こちらを第一位に挙げておりました。

OxiClean Max Force Laundry Stain Remover Spray



「あなたの人生でシミ取り剤を1つだけ買うなら、OxiClean Max Force Laundry Stain Remover Sprayをお勧めします。この塩素フリーの処方は、色素の多い柄物に使用しても安全で、4-in-1すなわち酵素など四種類の強力な汚れ分解機能があり、衣類に付着し乾燥しきって定着してしまった汚れにも効果的。あらゆるタフな汚れを除去します」

 人生とは大きく出ましたね。それくらい自信のあるおススメなのでしょう。まだ続きます。

「OxiCleanは、グリース、血液、草、油、食品、粘土などに使用することができ、すべての水温で同様の効果があります。あなたがすることはごく簡単。この汚れ除去剤を患部にスプレーし、ファブリックにそれをこするだけ。5〜10分でその魔法が働き、あとは適切な温度設定で衣服を洗えばいいのです」これに賛同するほかのレビュアーも大絶賛。この製品を「ほとんど除去不可能なシミに対抗できる唯一正しい答え」とか「ボトルに入った奇跡」などとと呼んでいます。

 ここまで言われれば、一度試さずにはいられなくなりますね。

 続いて、臭いを除去するのにもっとも効果的な洗剤は、どれでしょう。こちらも評価はいろいろ別れるのですが、実際に、科学的実証的に検証したサイトが共通してベスト10上位に入れていたのは以下のプロダクトです。



OdorKlenz Laundry Additive


「あなたが所有するすべての洗濯可能な生地を守るため、安全かつ効果的に除去できるものを探している場合は、OdorKlenz Laundry Additiveで決まりです。それはあなたの悩みを解決する最善の回答です」

「あなたの洗濯可能な服にしがみつく臭いが香水であれ、汗であれ、グリース、防虫剤、またはペットの尿であれ、あらゆる匂いに対応するOdorKlenz Laundry Additiveは、それらすべてをを削除することができます」

 ううん、実に頼もしい響きです。

「マグネシウム、亜鉛、酸化チタンの組み合わせから製造され、ミネラルが付着し、汚染物質と反応して臭いを破壊したり、中和したりします。この製品には無添加の香りが含まれているので、お気に入りの洗剤と競合することもありません」

「それは、湯にも冷水にも対応し、標準的な洗濯機から最新の高効率洗濯機まで機種を選ばず使用でき、洗濯可能なあらゆるファブリックに対応し安全み使用できます」

「あなたはいつも使っている普通の洗剤にちょう1/4カッ分の本品を追加するだけです。ほぼすべての問題の臭いを除去します。もしあなたが超のつくほど本当にクサイ洗濯物を持っている場合は、事前に本製品を水で溶かしたバケツにつけておくことをお勧めします」

「OdorKlenzは、いくつかの競合他社製品よりも高価ですが、それは正しく使用されるなら、かならず最高の結果をもたらす商品であることが判明します。液体タイプと粉末タイプ、お好みの方から選択することができます」

結論:

長所。環境への毒性のない、染料や香料の自由な、すべての洗濯可能な生地から臭いのすべてのタイプを除去できます。

短所:量販店ではなかなか手に入りません。オンラインでお求めください。


 これを読む限りでは絶対の自信作のようですね。市販製品はいろいろ出回っていますが、臭いに関しては、ほかの香料配合でごまかす製品が多いので、気を付けましょう。日本で人気のオドイーターのように、臭素を根こそぎ、分解または除去できるものでない限り、臭いはなかなか取り去れないものですので、上記の商品には期待が高まりました。

 では最後に、洗濯品をソフトに仕上げる、柔軟剤つまりコンディショナー(アメリカではソフトナーと呼ばれることが多いです)について、お勧めナンバーワンをピックアップしました。


Downy Ultra Liquid Fabric Conditioner


「ダウニー社のリキッドファブリック・コンディショナーは、衣類を柔らかく残すだけでなく、洗濯機のダメージから衣類を保護するのに役立つ製品です。本品は、洗濯プロセス中に引き延ばされたり、引き裂かれたりするのを防ぐのに役立つ作用、すなわち服の繊維を柔らかくする効果があり、衣類の生地を守ることを優先に製品化しました。ちょうどキャップ一杯の量で、競合する他社製柔軟剤を使用した場合よりも、はるかに服のしわを少なく仕上げることができます。この製品は洗濯機を選ばず、どの標準的なマシンにも使用することができます」

 ダウニーの商品は我が家でも一番使用率の高いコンディショナーです。パッケージが可愛くてつい手に取りやすい商品なのです。上記商品のほかに、「お肌に優しい」がウリの、

Downy Free & Gentle Liquid Fabric Conditioner for Sensitive Skin




がうちの家族に好評です。私だけ鈍いのか、イマイチ効果がよくわかりませんが、洗濯の仕上がりにこれを入れると、乾燥した後のごわごわ感が減り、素肌にしんなり馴染むのがいいと、家族は言っています。アマゾンのレビューなどでも、ソフト感が他社製より上だと書かれているものが多く、かつまたケミカルな臭みもない透明感がよいと好評です。

 ぜひお試しください。

 というわけで、アメリカの洗濯洗剤類もあふれんばかりにたくさんあります。いざ選ぶとなるといろいろ迷ってしまいがちです。今回と先回挙げたもののなかから、もしあなたに合ったものを見つけていただければ幸いに存じます。

 

 

2020年11月2日月曜日

ベスト 洗濯 関連 グッズ in USA



アメリカで人気と実力の洗剤と言えば・・・

 


 いよいよ寒くなってきて、衣替えの季節ですね。こんな時、秋物の衣類を片付けるとき、あるいは冬物を出した際に気になるのが、衣類の汚れです。しまったり出したりするたびに、もうちょっときれいにならないかな、そんなことが気になりますよね。でも結局いつも惰性で同じ洗濯洗剤を使い続けていませんか?

 気になる汚れやしつこいシミ、うっとうしい臭いの問題に終止符を打ちましょう。


 というわけで、アメリカで市販されている洗濯洗剤で、どれが一番良いのか、較べてみました。ご参考になれば幸いです。


 アメリカではTIDEがひとり勝ち

 そうなんです。TIDEはもうずっと世間で一番定評があり、売れ行きもダントツの一位です。ちょうど日本では「花王のアタック」が人気、実力ナンバーワンであるのと同様に、TIDEの洗濯洗剤は売り上げ常に上位で業界全体のシェアでも数十年以上トップを守り続けています。まさに洗濯の王様、ですね。

Tide Liquid Laundry Detergent, Original, 64 loads



 うちも長らくTIDEのOriginal Scentつまり一番標準的なやつを使い続けてきました。しかし15年ほど前でしょうか、気づくとけっこう他社より割高であることに気づきました。とくに新興のメーカーから同じ容量のもので、半額近いものがたくさん出るようになってきたのです。ランドリー・デタージェントってそんなに違いないんじゃね?

 素朴にそう思って、倹約も兼ねてほかのメーカーを試してみました。初期のこと使用したのはこの二つ。

SUN Triple Clean

 商品名の字面からすると、3倍キレイになる期待感があったのですが、ごく普通の感想しか言えません。洗濯機の中での泡立ちがイマイチで、洗剤自体がなんだか薄めの印象です。こんなもんかと思って使い続けたのですが、次第にタオルのかび臭いのが消えるどころか助長されたような印象を抱くようになって使用を中止しました。


Extra Scent Sations

 この商品はとにかく、いつもどの店で見ても激安なので、とりあえずないよりはましだろう、試してみるだけの価値はあるはず。そう思って数か月間、使い続けました。ん? なんか変だな。そう気づいたのは、子供がスポーツで使い倒した白いソックスの汚れがいっこうに落ちない、と家内がこぼした一言でした。そういえば、私の白いワイシャツも洗い直したにもかかわらず、次第に白さが失せていくような・・・。

 のちに何かのきっかけで先述のコンシューマー・レポートを読むと、この洗剤に対してこのような酷評が下されていました。

 液体洗剤の中では「普通の水よりもわずかに洗浄力があるだけ」

 おいおい、何という言われ方でしょうか。それじゃあのねっとりした液体はなんだったって話です。速攻で使用を中止して、ほかのものに切り替えました。

 記憶も不確かですが、いろいろ試しました。家内の意向もあって、TIDE中心だったのですが、ときおり私の気まぐれで、小さなサイズの異なるメーカーの商品を買っていました。

 少なくともここ数年で使用してきたのは以下の品々です。

Arm & Hammer Power Loundry Detergent

Purex Fresh Morning burst

All Requid Loundry Detergent

Gain Laundry Detergent

Great Value Blooming Lavender

 最後のグレート・ヴァリューはご存じWalmartブランドのオリジナル商品です。ウォルマーターとしてはやはり一度は使わねばと思って買ったものです。結果、どこと言って特徴はないが、ちょっとイマイチ感がぬぐえず、一回きりで辞めました。(残念)

 でも上記の洗剤はいずれもどんぐりの背比べで、そこそこ洗浄力は認めるものの、油汚れや黄ばみなどには弱く、これぞというものには出会えませんでした。

 そこでやはりTIDEが王様なのか? TIDEに勝る洗濯洗剤はないのだろうか、と思って世間の評判を調べてみました。


 ニューヨークタイムスが運営する商品検証サイト「ワイヤーカッター」では14種類の市販洗剤を検証の結果、Tide Ultra Stain Releaseをナンバーワンに挙げました。

Tide Ultra Stain Release Liquid Laundry Detergent, 2.04 L (36 Loads)



(ああやっぱりね、って感じ)

 いわく、「Tide Ultra Stain Releaseは、科学的によりクリーンな洗浄能力を確認しました。本品の複雑な化学構成は、衣類や洗濯機、肌、環境にダメージを与えることなく、高レベルで布地の汚れやシミ、臭いを除去し、すすぎ流す能力があります。私たちは、冷水で10の一般的な汚れに対してこの洗剤を試したところ、競合製品よりも幅広い種類の汚れを除去するのに効果的であることがわかりました。」などと書かれています。

 やはりここでもTIDE強しなのです。

 対するコンシューマー・レポートではどうでしょうか。コンシューマー・レポートはアメリカでもかなり中立的で権威のある商品分析機関とされているところです。

  こちらではこの洗剤が一押しです。

Kirkland Signature Ultra Clean

KIRKLAND SIGNATURE Ultra Clean Premium Laundry Detergent with 2X Concentrate



 カークランド・シグネチャー・ウルトラクリーンは、PersilやTideの高得点洗剤の約半額です。当サイトのテストでは、汗に含まれる化学物質の1つである体油の汚れを落とすという点で優秀な評価を得ています。しかし、カークランドは、血液や草の汚れにはあまり効果を発揮しませんので、一般的にはどのような汚れに対処しなければならないかを考えてご使用ください。ただし本品は硬水でもしっかりと洗浄することができる、数少ない洗剤の一つという利点もあります。

 リーズナブルで高い洗浄能力が高評価につながったみたいですね。。

 

 もう一つ、アメリカで人気の商品評価レビューサイト、「REVIEWED」での一押しを見てみましょう。ここではこれが一位。

Persil ProClean (パーシル・プロクリーン)

Persil ProClean Power-Liquid Laundry Detergent, Intense Fresh, 150 Fluid Ounces, 96 Loads





 Persilはアメリカでは2015年半ばから販売されていますが、ヨーロッパでは長い間ベストセラーの洗濯用洗剤です。当社の光スペクトロメーターでは、すべてのテストにおいて、パーシルはタイドの洗剤よりも平均で2パーセント多くの汚れを除去していることがわかりました。この差は肉眼でははっきりとはわかりませんが、繰り返し洗濯することで差が出てきます。

 残念なことに、ほとんどの小売店では、Persil は低価格であるにもかかわらず、非常によく機能するタイドよりも高価です。価格差は極端ではありませんが、Persil ProCleanパワーリキッドで1年分の洗濯をすると、それが加算されることがあります。

 当社の社内調査やネット上の意見を見てみると、多くの消費者がPersilの匂いを「甘い」と思っていることがわかります。それでも、シミ抜きが重要であれば、Persilは文句なしの勝者です。

 私は使ったこともないブランドですが、TIDEに匹敵するような良品のようですね。ぜひ試してみたいと思います。シミに関して言及していたので、ついでにみんながお悩み、スポット汚れ、シミ対策に効果的な洗剤を調べてみました。

 この続きはまた明日。








2020年11月1日日曜日

ハロウィン当日は

 ちょっと寂しい、かぼちゃの日

 



 今年のハロウィンは例年になく、小規模のイベントになりました。

 ニューヨーク州では公的に自粛を呼びかけることはありませんでしたが、事前から控えるような空気は漂っていました。恒例だったマンハッタン・ダウンタウンの盛大なハロウィンパレードは早くから行わないとアナウンスがありました。その他の地域でも同様で、三蜜の恐れが高いイベント等はことごとくナシになりました。

 いっぽう地方では自治体によって温度差があって、子供たちが家々を訪ね歩き、お菓子をもらう「トリック・オア・トリート」は任意でやってもよいとするところもあると聞きました。しかしおおかたの市町村では、キャンディの手渡しは、感染リスクをぬぐえないから、やめたほうがいいのではという声が多いのも事実でした。

 

 

 しかしうちの子供が属する学区地域の場合、学校関係者が事前にこどもや保護者にヒヤリングしたところ、例年通り「トリック・オア・トリート」に行く、行きたいとの声が意外に多かったのです。

 さあて、どうするか。困りました。

 お店などではいつもの賑わいで、季節限定ハロウィン・ショップも元気でした。下の写真が売り場のディスプレイですが、相変わらずバケモン関連がよく賑わっていました。




 日本のアニメ関連もなかなかの人気です。NARUTOとか忍者系は息長く売れる商品のようです。まあ商売ですから、控えめなんて言ってられませんわな。



 でもやっぱり今年は安全第一だろうな。

 今日までいろいろ思案してきました。家の玄関前あたりはハロウィンの飾り付けをすでにやってしまいました。これは例年通りです。いやちょっと地味かないつもより。風にゆらゆら揺れる白いゴーストとナイトメア・ビフォー・クリスマスでおなじみのジャック・スケリントンの人形をメインに飾り付け。蜘蛛の巣を張りめぐらせた幽霊屋敷風のデコレーションです。


 うちはまだまだ地味な方で、こんな賑やかなのも近所にありました。



 それからこういうものも。


 うちの町で有名な、ど派手ハロウィン・ハウス・デコレーションをする通りがあります。そこは毎年人で埋め尽くされるほどの賑わいになるのですが、今年は市のほうから、自粛要請があったとのことです。私も毎年楽しみにしていたのですが、昨日そのストリートを下見したとき、ほとんど飾り付けは見られませんでした、一軒を除いて。その一軒が上の写真です。なんとお菓子をチューブで放出する装置を作っていました。すごい。これなら非接触で子供たちにお菓子を配れますね。恐れ入りました。ここまでするのが真のハロウィン・ラヴァーなのですね。 

 子供たちは各家の飾り付け(デコレーション)をお菓子の印とみて訪ねて来るので、派手な飾りつけは(今年に限って)禁物です。共通のルールとして、玄関周りの電灯を消してる家は基本「お菓子ありませんよ」のサインなのですが、しばしばこれは無視されます。うちのように住宅密集地では、夕方5時ごろからピンポン、ピンポンとチャイムが鳴りありっぱなしの時もあります。例年すさまじい数のキッズが押し寄せてくるので、数万円分のお菓子、キャンディを買いだめしたこともあります。それでも午後9時ごろになると、全部なくなってしまうのです。

 我が家は、ここ数年はお菓子を用意して、コブクロに入れて手渡ししたり、バスケットに菓子袋を山盛り盛って、ご自由にお取りください、みたいなことをやっていました。しかしながら、今年はやはり少しでも感染の恐れが出そうな「食べ物のやり取り」はやめたほうがいいということで、お菓子の用意はやめてしまいました。

 本当はやりたかったのです。毎年、ちっちゃな可愛いいモンスターたちが「ちりっくあちゅりー」などと言ってやってくるのを楽しみにしていたのですから。

 結果、今年は例年の一割ほどのキッズしか来なかったです。窓越しから隠れ見ていて、我が家にお菓子がないことを確認して素通りしていく子供たちに申し訳ない気分でした。

 今年は我慢です。でもきっとまた来年、明るい笑顔でお菓子をあげられるハロウィンが帰ってくると信じています。こんな楽しい人と人との交流ができるアメリカの風習は決して失われてはいけないのです。 

2020年10月31日土曜日

困ったときの買い物はココ

Ocean State Job Lot が元気です




 多くの小売業者が売れ行き低迷にあえいでる中、安売り大手のオーシャンステート・ジョブロットがひとり気を吐いてます。
 オーシャンステート・ジョブロットは、アメリカ北東部で最大のクローズアウト小売店です。1977年8月15日、ロードアイランド州ノースキングス・タウンに最初の店舗をオープンしました。ロードアイランドのオフィシャル・ニックネームがオーシャン・ステートなので、それがそのまま店名、会社名になりました。とにかくモノが安いということで評判になり、年々業績を伸ばし続け、今日では140以上の店舗があり、ロードアイランド州以外にも、ニューイングランド、ニューヨーク、ニュージャージー、ペンシルバニアなど米北東部を中心に事業を展開しています。
 
 この店、なにがいいかというと、変に中途半端なところが気に入ってます。例えばウォルマートなら、「なんでも揃う」がウリ。ターゲットは「ちょっと上品、でも格安」というイメージ戦略です。しかし、ジョブロットは店舗を見回してみても、どこかズレた印象があり、そこがまた魅力なのです。日本の百均に対応する「Dollar Tree」という1ドル均一の店がありますが、それをグレードアップした店ともいえそうです。

 いちおう大型に属する店舗で、商品カテゴリーはけっこうあります。とにかく何でも安い。値札を見て高いな、と思ったことはまずありません。青果や生鮮野菜などはないのですが、観葉植物などはあります。食品の品ぞろえは独特で、他の一般のスーパーマーケットはどこも似たりよったりなのに比べ、ジョブロットにはここしかない珍しい商品を見つけることができます。察するに仕入れ先がかなり偏っていて、かなりマイナーな卸しネットワークを使っているようです。その分、同じジャンルの商品を較べても格安となっており、お買い得感があります。
 衣料品もいかにも安もんというものが多いのですが、大手衣料品店にはない独自の商品には「おっ」と思わせるものがときどきあります。

 この時期、どのスーパーや小売チェーンでもハロウィンのセクションを設けてガッと稼ぐものなのに、ジョブロットはどこ吹く風と、マイペースで、ハロウィンにちなんだものは数えるほどしか出しません。
 それよりこの季節、アメリカの各家庭は枯れ葉掃除に追われるので、それにちなんだガーデニング用品などを充実させています。そういえば夏場はこれでもかとばかりに、自宅プール用品を大々的にセールしていました。
 カーペットなどラグ系の品ぞろえも豊富で割安、それ目当てに来店する人もよく見かけます。あと犬猫などペット用品コーナーにも力を入れており、どの店も売り場の10%以上をペット・アイテムに割いています。ワンちゃんのベッドだとか、猫ちゃんの爪ひっかきグッズだとか、ペットショップ並みのものを置いています。

 また食品では1ドルから3ドル程度で、やたら種類のたくさんそろった香辛料が並んでいるもの変に目立ちます。なんであんなに多いのでしょうか。有難いけど。多いと言えば、リーディング・グラス、つまり老眼鏡もなん百種とあり、異常なほど力はいってる印象です。

 その他、洗剤関連、文房具、工具類なども豊富と言えば豊富、なのですが、肝心のアイテムがなにか足りない印象です。なんだろうな。

 などなど、このように書いて説明するのは難しいのですが、とにかくジョブロットはお買い得商品がたくさんあるのですが、行ってみないとわからない、宝探し的なお店なのです。

 おそらく、これが欲しい、と狙いを定めて行っても、いいものは見つかりません。むしろなんでアレがないんだ、と訝しむことになるでしょう。逆に、目的を定めずぶらりと入店して、歩き回っていると思わぬ珍しいものに出会う可能性が大です。

 私の場合は、他店にはない電気スタンドを見つけたこともありますし、こどもたちへのおやつにマンネリ化した時はまずここに寄ってみます。だしぬけにグリコのポッキーがひと箱1ドルで売られていたこともあります。衝動買いした激安の折りたたみ傘は数回使っただけで壊れてしまいましたし、ハズレもたまにあります。
それでもなんだか憎めない店なのです。庶民の味方と言ってしまえばそれまでですが、それプラス、なにか変わったものを求めたい。そんな方々には好適なお店だと思います。
 今度はなにか新しい発見があるかもと、ついつい足を運びたくなる、それがオーシャンステート・ジョブロットなのです。

2020年10月30日金曜日

日本に行きたいアメリカ人

 旅への渇望


 今年の二月から始まった国際航空便のほぼ停止状態。日本のみならず各国の航空業界は悲鳴を上げています。そんな中、ようやくハワイ便が米国内で復活しました。日本からもふたたび行けるようになる日も近いと聞きます。本当にはやく安全を回復させ国際間の行き来が復活してほしいものです。

 残念ながら、日米本土どうしの行き来はまだまだ先の話で見通しすらついていません。先日テレにを観てたら、コロナ問題が解決したらどこに行きたいか、テレビで道行くニューヨーカーにインタビューしていました。ヨーロッパの国々を答えてた人は多いのですが、票が割れてしまいました。ラテン系の人は南米の祖国を上げる人が多かったみたいです。でも集計で日本と答えた人が10パーセント近くもいて、アジアの中ではダントツの人気という結果に。日本に行きたいアメリカ人はけっこういるみたいです。

 ずっと以前からほかのアンケートでも、日本旅行を推薦する内容はよく見かけていました。その推薦文がいろいろ面白いのです。

 たとえば京都を推薦する人が書いたものは、

「風になびく桜の花びら、静寂に包まれたロックガーデンの中を流れる噴水の音、木の茶室の間を飛び交う優雅な装いの芸者の二人組...。京都は、過去の日本、想像の日本です。京都は、西暦794年から1868年まで日本の首都として、日本の文化、芸術、教育の中心地として繁栄してきました。京都の歴史への敬意を考えると、毎年何百万人もの人々が帝国日本のスナップショットを求めて京都を訪れるのも無理はありません。しかし、どこにレンズを向けても、現代の日本がフレームに収まることは間違いありません。何世紀もの歴史を持つ神社や仏塔は、任天堂や電子機器メーカーの京セラなどの企業の本社と街を共有しています。古き良き時代と現代が融合した京都は、過去にとらわれない活気に満ちた街です」

 こんな感じです。日本に行って何を求めているのかがよくわかる文章です。また竹下通りを訪れた人のこういう記事もありました。

とても混んでいました。ごちゃごちゃするのは覚悟しておいてください。一風変わった服やアクセサリーを売っている面白いお店がたくさんあります。とてもカラフルな別世界。ここに初めて来た人は絶対目を見張ることになります。
また、コスプレをしている10代の若者やアニメの衣装を着ている人も多く、見とれてしまいます。ダイソーやカルビー+(新鮮なポテトチップスをその場で焼いてくれる)など、見所がたくさんあります。
そこにあるものは決して安くはありません。お腹が空いてセブン・イレブンに入ったのですが、ここも異次元のセブンイレブンでした。甘いもの好きにはたまらない人気のエンゼルクレープもあります。初めての方は丸一日ここで過ごすことができますよ」

 と町全体がナントカ・ランドみたいなノリです。ほかにも、大阪の道頓堀を訪れた人の感想が愉快です。

「日本人は礼儀正しく、内向的で、必ずしも外向的ではなく、人生を受け入れることができないというイメージを持っている人も多いのではないでしょうか。その特徴の多くは日本の大部分に当てはまるかもしれませんが、大阪ではそうではありません!

日本の楽しさと食の都、道頓堀は日本の首都です大阪というこの大都市は、生きる楽しさと食べる幸せを知る日本の首都であり、道頓堀はそれらすべての震源地です。フラッシュライト、人ごみ、クレイジーな食べ物、騒音、マンガの衣装を着た人々がいくつものメインストリートで押し合いへし合いしています」

 なんじゃそりゃ、と言いたくなりますね。まるで変な異世界に迷い込んだかのような体験談です。でも大阪の街って日本人でもカルチャーショック受ける人がいるくらい、エキセントリックなところ、たしかにありますよね。旅行者にフレンドリーなところは、日本一ではないかとも思います。


  日本人にとって、当たり前のことでも、欧米人にとっては信じがたい異文化体験になることもあります。たとえばこれ。

「初めての日本旅行では、温泉で裸になるのが怖かったのですが、今回は勇気を出して温泉街で数泊することにしました。
伝統的な温泉地で着物を着て温泉旅館に入るのは、日本を知る貴重な体験です。城崎温泉はそれを体験するのに最適な場所です。京都や大阪から数時間で行けますし、運河沿いの町並みは桜の季節にはとてもきれいです。
私たちが泊まった旅館は伝統的な畳の部屋。英語が話せるスタッフがいて、とてもフレンドリー。必要なことは何でも教えてくれるので、初めての人には最適です。お部屋で提供される豪華な食事はファンタジー。見たこともないお惣菜がたくさんの小皿に分けていっぱい出てきます。正体のわからない食べ物でも、喜んでいただきました。
温泉のマナーや裸になる恐怖心を克服する方法など、詳細は城崎温泉ガイドをお読みください」

 そうなんです。外国人にとって初めて温泉に入るのは、「怖いこと」なのです。何回も行って慣れるまで、あの公共の場所ですっぽんぽんになるのは、羞恥と不安に苛まれる恐怖体験でしかない、そういうことをわかってあげなければいけません。案内するときは、しっかり予備知識とルール、マナーを伝えて、安心して入浴できることを説明してください。ひとたび温泉の心地よさを知ってもらえたら、きっと満足してもらえるはずですからね。


 このようにアメリカ人にとって、日本ははるか遠い彼の地のワンダーランドです。それゆえに多くの人は一度は行ってみたいと答える国なのです。一日も早く、コロナの問題が解決して、安心して来日してもらえる日がくるといいですね。





 

2020年10月29日木曜日

ハロウィン:日米の温度差

お祭り気分でGo Go Ghost



 毎年ハロウィンの季節になると、日本での盛り上がり状況などを伝えるニュースに違和感を覚えます。

 日本でも年々ハロウィンのお祭りが拡がってきているというのですが、本場アメリカのそれとはずいぶん似て非なるような気がします。

 実際に自分が日本人のハロウィンを見たわけではないのですが、報道によると、ただの若者のコスプレパレードやパーティに終始しているような印象を受けます。もちろん小さなお子さんたちも仮装を楽しんでいるのでしょうが、一番盛り上がっているのは、ティーンや20代の若者のように見受けられます。これはもちろんアメリカとも重なることは確かです。特にニューヨークなど都市部の若者が仮装してストリートを練り歩くさまは、渋谷で毎年展開される暴走気味のハロウィン騒動と同類の空気を感じます。



 私もかつて面白半分でマンハッタン、ソーホーで盛大に行われたハロウィン・パレードに参加したことがあります。私は顔を白く塗った子供向けのコミカルなピエロに変身したのですが、これが逆効果。同じピエロ被りの集団に囲まれ、押しくらまんじゅうのようなボディ・アタックを受けました。そのピエロたちはいずれもホラー映画かゲームから飛び出したような凶悪そのもののいでたちで、まさになにするかわからんような輩でした。

 当時の現場はモンスターや奇怪な化け物の跳梁跋扈するカオスの世界で、酒に酔った(あるいはクスリでラリッた)怪物たちが好き放題暴れ、踊りまくり、なにが起きてるのかわからない状態でした。それ以来私は都会のハロウィンには近づかないようにしています。

 近年はすこし落ち着いてきたのか、大きなニュースになるほどのトラブルは起きていないようです。



 アメリカと日本のハロウィンの最大の違いは、根底的な意識の違いにあると思います。

 日本人はクリスマス同様、西洋の人間が楽しむお祭り騒ぎを見て、「なんだか楽しそう」と軽いノリで乗っかってきた感があります。単にホラーっぽいものに仮装してお祭り騒ぎをしているだけ、に見えるのです。

 アメリカ人は少なくともハロウィンの本来の意義というものが意識のどこかにあるのでしょう。都会で羽目を外す人たちを除けば、9割以上の国民が、穏やかに万聖節の夜を過ごしています。

 ハロウィンの最大の主役は「トリック・オア・トリート」を楽しむ小さな子供たち。このお菓子目当てで家々を回る行事こそが、現代ハロウィンの最大の特徴です。


 小さい子のいる家庭では、何週間も前から、仮装のアイデアを考え、当日どんな衣装でトリック・オア・トリートを行うのか、家族で話し合って決めていきます。たんに店で売っている衣装をそのまま着込む子から、親の協力で、手作りのユニークなコスチュームを作る子供まで様々です。また仲のいい近所の子供たちとグループで行動することもあり、一つのテーマを決めて統一色を出す子供たちもいます。
 一方で子供がいるいないにかかわらず、多くの家がハロウィンを祝うため、家の周りをハロウィンのテーマに沿って飾りつけします。
 我が家も子供が大きくなったので、もっぱらこっちの装飾に力を入れています。毎年少しづく違った趣向を凝らすのですが、今年はちょっと自粛気味で行きます。でも住民の多くはは町がオレンジ色のパンプキン・カラーに染まっていくのを楽しみにしています。
 
 とにかく時間とエネルギーを割いてでもハロウィンの日に向けて全力で準備する家族が多いですね。当日は地域にもよりますが、人口密度の高い町では、まだ日のあるうちからちっちゃなコスプレ・キッズが大挙して通りに出現します。基本親が同伴する場合が多く、夕方から町はなんだかワクワクする楽しい雰囲気に包まれます。我が町のまわりにもここぞとばかりに、かわいい魔女やゾンビやモンスターが出現し、家々を訪ね歩きます。どの家庭も用意したお菓子を持って玄関を開け、笑顔で子供たちにお菓子を手渡す、これこそがハロウィンのメイン・イベントなのであります。
ここが本場と日本の一番大きな違いですかね。
 残念ながら、今年は知事からの自粛要請もあり、ハロウィン関連のすべてのイベント、催しがキャンセルか縮小になる見込みです。それでも精一杯できる範囲でハロウィンを楽しもうという家族は多いはずです。なんとかトラブルもなく、それなりに盛り上がるハロウィンになってほしいものです。

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 ハロウィンとは:

 まず、アメリカの現代のハロウィンについて、いくつかのトリビアを紹介します。

・年間販売されるお菓子の4分の1はハロウィンのために購入されています。

・アメリカ人は毎年約80~90億ドルをハロウィンに費やしており、クリスマス以外では最大の商業的祝日となっています。

・個人のハロウィンのための平均的な支出は80ドル以上です。

・2020年の子供の仮装のトップ5は、プリンセス、スパイダーマン、スーパーヒーロー、ゴースト、バットマンとなっています。

・毎年、ペットのためにコスチュームを購入するアメリカ人が増えています。2020年に最も人気のあるペットの衣装は、かぼちゃ、ホットドッグ、スーパーヒーロー、猫、バンブルビーです。



ハロウィンの歴史

 焚き火に火を灯して幽霊を追い払う伝統は、古代ケルトのお祭り「サムハイン」(「夏の終わり」の意味で、「ソーウィン」と発音)から始まりました。もともとは11月1日に始まるケルトの新年を祝うお祭りでした。ケルト人は2,000年前にアイルランド、イギリス、フランス北部に住んでいたため、収穫を迎え、「一年のうちの暗い半分」つまり冬はしばしば死と関連付けられていました。

 ケルト人は、新年が始まる前夜に、生者と死者の世界の境界が曖昧になり、死者の亡霊が地上に戻ってくると信じていました。この日は、秋分点と冬至の中間地点で行われました。祝いは祈りでもあり、宗教儀礼の一環として、牛を犠牲にすることもあった。

 8世紀のイタリアでは、教皇グレゴリー3世が11月1日をすべての聖人を称える日と定めたことから、キリスト教の祭典である「万聖人の日」が誕生しました。ブリタニカ大百科事典によると、この日は「異教徒の祝日をキリスト教の祝日に取って代わらせるため」に選ばれたのではないかと言われています。

 メインイベントの前の晩は、オール・ハロウズ・イブとして知られるようになりました。「ハロウ」という言葉は、聖なるものや神聖なものを意味する古英語に由来しており、時が経つにつれて、10月31日のオール・ハロウズ・イブはハロウエン=ハロウィンと短縮されていきました。

 アメリカが最初に建国されたとき、ハロウィンは植民地時代のニューイングランドでは、プロテスタントの厳格な信仰体系のためにかろうじて祝われていましたが、メリーランド州や南部の植民地でははるかに一般的でした。しかし、19世紀の後半になると、新しい移民がアメリカに殺到しました。これらの新しい入植者の流入(特に、飢饉から逃れるためにやってきた何百万人ものアイルランド人)は、現在私たちが楽しんでいるハロウィンの国民的なお祝いを普及させる中心的役割を果たしました。


現代のハロウィンの伝統の起源

 私たちが今でも現代世界でハロウィンと関連付ける伝統の多くは、サムヘインに由来しています。サムヘインを記念して、ドルイド(異教の宗教指導者)が巨大な焚き火に火を灯し、ケルト人の神々への生け贄として作物や動物を燃やしました。

 ケルト人はこの祝典の間、動物の頭や皮を使った衣装を身にまとい、お互いの運勢を占っていました。お祝いが終わり、家に帰ると誰もが神聖なかがり火で囲炉裏に火を灯し、やってくる長い冬に備え、身を守るために焚き火をしていました。

 万霊の日もサムヘインと同様に、大きなかがり火やパレード、聖人や天使、悪魔に扮した衣装を着てお祝いされました。

 アメリカでは、入植者の伝統が最初に形成されたとき、ヨーロッパの異なる民族グループとアメリカンインディアンの習慣が混合したと言われています。
 アメリカ版のハロウィンが始まったのはここからなのです。この初期のお祝いには「プレイパーティー」と呼ばれ、コミュニティは死者の話を共有したり、お互いの運勢を話したり、ダンスや歌を歌ったりするために集まってきました。

 パーティーはヨーロッパの伝統を取り入れ、時が経つにつれ、仮装をして家を訪ねて食べ物やお金を要求することを含むように発展しました。これが今日の「トリック・オア・トリート」の伝統となりました。その後、ハロウィンを幽霊、いたずら、魔術のルーツから切り離すことは難しくなりましたが、これらの特徴を持つハロウィンには破壊行為も含まれていたため、この2つを切り離す動きがあり、時が経つにつれて(1950年代までに)ハロウィンは迷信的で宗教的な意味合いのほとんどを失いました。今のように、パーティーを中心に祝うものへと変化していったのです。