2020年11月4日水曜日

大統領決定! はいつ?

 速報を観ながら


 いよいよ本日アメリカ大統領選挙投票日です。

 米国ではこの日、投票を優先にするため、学校や仕事関連の業務を停止あるいは短縮するところが少なくありません。うちの子供の学校も教育者会議を午前中行う名目で、学校は休日扱いです。私の運転業務も、エッセンシャルなものだけ対応する体制で、私は自宅待機となりました。

 さて今この時点で地元の投票所を車で素通り観察したところ、投票所入り口からはみ出した行列は数十人程普度。これが夕方に向け、膨れ上がるのか、それとも史上最大規模と言われる郵便投票の効果で当日投票はそれほどでもないのか・・・。

 最新の調査によると、先回4年前の選挙と比べると、かなり投票率が上がってきている模様です。民主党のみならず、政党に組しない中間層でもアンチ・トランプは多く、トランプの再選だけは阻止したいと思う投票者も多いとみられています。しかしその分、熱烈なトランプ支持者の熱量はすさまじく、何が何でも再選をという強い意気込みを感じます。

 一方、バイデンは反トランプの支持者は集めるものの、キャラクターとしてはカリスマ性に欠け、掲げる政策も魅力に乏しく、投票に積極的なのは民主党の中核層に限られているとみられています。これまでバイデン有利が伝えられてきましたが、ここけきてトランプ勢の巻き返しがすさまじく、状況は混とんとしてきました。

 私は極力中立的な観点からこの選挙を見てきましたが、長い視野で選挙戦を戦ってきたのは現職トランプ陣営です。この日のためにあらゆる努力を惜しまず、言い換えればなりふりかなわず、とにかく再選勝利だけを念頭に4年間準備してきました。このエネルギーは軽視できません。アメリカを守るというスローガンは大統領個人のみの見解ではなく、トランプ支持層の大多数が本気で考えていることであり、いい国にしたい、よりよい生活を守りたいという真摯な気持ちで今の強い(強気な)大統領を担ぎ上げてきたのです。

 4年前、トランプが大統領に選出されたときは、多くのアメリカ国民が失望する姿を目の当たりにしました。あのときトランプが前面に押し出していたのは、アメリカ至上主義であり、国境に壁を作ることが最優先事項と謳う、前代未聞のメッセージでした。そこにはかつてアメリカが掲げた自由・博愛のキリスト教精神から逸脱していく危機感を覚えた人も多くいたでしょう。

 これを聞いた進歩的と言われる人たちはこれを時代の逆行だと受け止め「これでアメリカは終わりだ」「悪夢の4年間が始まる」などと嘆いたのです。

 トランプ政権は発足当初から過激ともとれる敵視政策を打ち出し、ヨーロッパ諸国やアジア、南米、いや隣国カナダまで敵に回す孤立主義ともとれる独走態勢に向かいました。多くの国が反発する中、日本は積極的にトランプ政権にすり寄り、親アメリカに徹しました。トランプがどんなに無理難題を押し付けようとも、「アメリカは同盟国にして共存共栄、運命共同体」そういったスタンスを全うしてきたのです。これを弱腰外交と批判する気持ちもわかりますが、反面、生真面目に見えてしたたかな日本のずるがしこさを指摘した外交評論家の意見もうなずけます。

 トランプのごり押し政策はこの四年、あちこちで物議をかもし、メディアとの対立も激化してきました。互いに「うそつき」呼ばわりが常態化し、聞いていて呆れるほどの幼稚さも感じざるを得ない、そんなときもありました。これが世界の超大国の政治かと思うと暗澹たる気持ちになったこともあります。 

 そうして過ぎ去った四年間ですが、いま振り返ると、トランプ政権は外交で大ナタを振るいつつ、じょじょに国内の経済を立て直してきました、コロナ禍が起きるまでは。

 このコロナが大きな誤算でした。コロナ問題が起きなければ、トランプ政権は四年間で目立った失策はほぼほぼしていないのです。本人が言うように、雇用は少なくとも拡大しました。失業率はこの四年間で減少し、実質最低賃金も大幅に上がったのです。製造業で海外依存を見直し自国の産業を支援する、こういった当たり前のことがそれまで成されてこなかったのです。もちろん当初に公約したほどの大成果というわけではありませんが、4年の短期間で株価も上がり経済も持ち直してきたのは事実です。

 こういった客観的な実績を今回の選挙で考慮にいれる中間層は少なくないかもしれません。確かに人柄という観点からすると、現職大統領は著しく資質に欠けると言わざるを得ません。アンチ・トランプを公言してはばからない人は今もたくさんいます。顔など見たくない、もう声を聴くのもいや、とテレビのニュースを切る人もごまんといます。おそらく史上これほど嫌われたアメリカ大統領はいなかったのじゃないでしょうか。

 それでもトランプ大統領は、ずっと強気でした。マスコミからどれだけ叩かれようと、自己のポリシーを曲げず、ツイッターで低レベルのつぶやきを流しつつ、自分に正直に生きてきました。本音と建て前を使い分ける政治家になかでは、極めて正直な部類にはいる、わかりやすいキャラクターではあります。

 これを今回の選挙でどう見るかです。「やっぱり一国の長たるもの、人格は大事だ」という人もいれば、「いや実績こそリーダーの証だ」と主張する人もいるでしょう。「あんなゲス大統領だが、やることはやるな」この四年間でそう見直す人が出てきたことも否めません。ただ、人種問題や銃規制、人権の問題ではなかなか譲れない人それぞれの考えがあるので、その揺れ方もアメリカならではの抱える問題です。

 でも逆に言えばそれこそが、自由平等、民主の国アメリカの反応です。揺れて悩んでいろいろ議論する。暴力はダメですが、徹底的に議論して思いのたけをぶちまけるのが、4年に一度の国民審判の日なのです。

 異文化のもとで生まれ育った第三者から見ると、今回の大統領選挙はとても興味深いものです。とてつもなく強烈な個性の現職大統領。対するは、影のうすかった副大統領経験者。

 どちらも70台の高齢で、これから4年間の激務をこなせるのか一抹の不安もよぎります。個人的には、四年前ヒラリーを担ぎ出してあれほど悔しい敗戦を喫した民主党陣営が、トランプに対抗しうる若い候補を育てなかったことへの疑問です。日本も似たようなものですが、野党がばらばらでは巨大な相手に勝てないのです。果たしてそのツケは今回の選挙で回ってきてしまうのか。

まとめ

 いま選挙当日を迎え、両陣営はどのような思いなのでしょうか。このコロナ禍が続く不安な世界情勢のなか、どのような政権運営をしていけるのでしょうか。

 アメリカを繁栄へと導く勝者はどちらか。泣いても笑っても、この日投票は完了し、明日から固唾を見守る開票が始まります。どんな結果であれ願わくば、スッキリしたあと腐れのない決着を観たいものです。

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