SONY vs Panasonic
今回は先日購入したパナソニックのコンパクト・デジカメ Panasonic TZ70の試写レポートです。このカメラと、これまで約2年半使ってきたソニーのコンデジ HX99との比較で、どのような違いがでるのか検証してみました。
いずれもできるだけ同じ条件下で撮ろうと思ったのですが、まずはそれぞれのカメラの特性を知ろうという事で、今回はすべてオートでJpeg撮って出しという事にしました。
SONY HX99 1/320 sec. f値3.5 ISO80 |
この一枚目にソニーとパナソニックという家電系カメラメーカーの特色が出ているのではないでしょうか。パナソニックの方はコントラスト抑えめで細部まで再現しようとするあまり、白飛びがちな部分が出てしまっています。
ソニーのほうはややこってり目の色乗りで、絵画調ながら見た目に近い印象を受けます。
こちらははじめの写真と同じ位置から最大ズーム720mm相当で撮ったものです。驚異の超望遠で、肉眼では判別できないトンネル直前のレールの描写を狙ってみました。上がパナソニックTZ90で、ソニーよりもしっかりレールの細部が映っています。いずれも手持ちのためさすがにすこし手ブレしていますが、30倍、720㎜という超望遠倍率を勘案すると驚異的な作画性能と言えるでしょう。
ただ逆光気味のところで撮ってみると、色調は逆転することもありました。上がその例です。樹木の背後に太陽があるのですが、若干暗めの被写体を中心に据えると上の作例のパナソニックはコントラストが高めとなり、メリハリが出てきます。ソニーの方はどちらかというと、見た目に近い写りとなっています。この辺りも好みの分かれるところで、やはりオート任せにするより、自分で絞りを変えたり、ISO調整した方が、より納得のいく写真になるでしょう。
もろに逆光で植物などを撮るとこうなります。下のソニーの方が抜けがよく、緑に透明感と赤っぽい実の周りの産毛みたいな植物繊維がいい感じで浮き上がってきました。これは一眼レンズでも狙って撮らないと、思い通りにはできない質感です。ただしコンデジなりのゴーストはしっかり出てしまいます。対してパナソニックの写真は全体に光がかぶっていて、もやがかかったような印象。写真上半分は光に押し切られた感じになってしまいました。
夜間の撮影はどうでしょうか?
拡大するとさすがに両方とも全体に粒状感たっぷりのノイズが出ているのですが。このブログをパソコンで見る程度ではまったく気になりません。色調はどちらかというと上のパナソニックの方がデジタルっぽい印象で、絵として淡白な印象を受けます。ソニーの方は、この暗さでかなり頑張って彩度を上げてくれていると感じました。
Panasonic TZ70
SONY HX99 |
さらに別の夜間撮影です。
同じ場所からの広角端と望遠寄りの写真です。こちらもパナソニックは明度を引き上げているのですが、全体にくすんだ色合いとなっています。ソニーのほうは暗いなりにも現場の光源をよく拾ってバランスよく表現しているように見受けられます。
もう少しわかりやすい写真でと思い、曇天下で撮った自動車です。
これだと優劣はつけがたいほど写真自体の解像度は拮抗しています。色再現に関しては、わずかにパナソニックの方が、実物に近いと感じました。
こうやって見ていくと、Panasonic TZ70のほうは、どちらかというとオート設定の場合、実物よりも被写体をよく見せようという、どこかに引っ張っていこうとするような意図を感じたりします。ときにはあまり無理しすぎて、人工的ないわゆるデジタルっぽい写真が出てくるようです。対してソニーのほうは再現色重視というか、見たままの印象をいい感じでろ過しているような印象を感じました。
ソニー単体で撮っていた頃には気づかなかった、こういったカメラ固有の特性というものが、今回改めて浮き彫りになったような気がします。
新しく買ったばかりのパナソニックTZ70ですが、オートに関してはちょっとイマイチな描写が散見されました。決して破綻した写真というわけではないのですが、色乗りや、ISOオートでの反応は私の意図とは少し違うなと感じます。
もちろんこれだけでカメラの優劣を判断することはないので、これからもっと本格的に使い込んで、意に沿う写真が撮れるのかどうか、確かめていきたいと思います。
ではもう少し、撮り較べた写真がありますので、そちらをご覧いただければ幸いです。
Panasonic TZ70 |
SONY HX99 Panasonic TZ70 |
SONY HX99 |
Panasonic TZ70 |
SONY HX99 |
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