米国在住の写真家+グラフィックデザイナーが、Cameraの話を中心に、撮影にまつわるお役立ち情報を発信します。
2020年7月2日木曜日
和製英語、アメリカでは残念
ニューヨークで犬を飼う事
ま、初めて会う犬というわけではなく、近所の飼い犬なのでときどき庭でうろついてるのを見かけてはいました。けっこう年のいったゴールデン・レトリヴァーで毛並みなんかはもうよれよれしちゃってるのですが、つぶらな瞳がなにかを訴えてるようなやさしい顔をしています。
フェンス越しにハーイ!なんて声をかけるとひょいひょいと無表情で近づいてくる、人なつっこい奴だな、というような印象を持っていました。
今日はたまたまその犬が庭でぼーっとしている所にでくわしたのですが、なんというか、その犬君、仕草がとても可愛かったのです。
かなり遠くから私が近づいてくるのをじっと見つめていたんですね。駆け寄ってくるのかな、と思ったら納屋の裏手に引っ込んでしまいました。
「あ、逃げちゃった・・・」
そう思った次の瞬間、ゴムボールをくわえて一目散に私の所へ歩み寄ってきたのです。
フェンス越しにポン、とボールを落として、鼻面で私の方へパスしようとします。
「なに、ボールで遊んでくれっての?」
私の問いかけに懇願するようなまなざしでじっと見つめ返してきました。
あー、なんていじらしい仕草でしょうか! わたしはもうアイフルのコマーシャル状態でした。(古すぎ!)
「ごめんな、仕事行かなきゃ」
そう言ってワンちゃんの視線を振り切ってその場を離れたのですが、十メートルほど歩いて振り向くと寂しそうに、まだこちらを見ているではありませんか。
「ごめんってば」
私は心でそうつぶやいてさらに歩きました。犬の庭が見えなくなるカーブぎりぎりのところでまた振り返ってしまいました。
豆粒ほどに小さく見えるワンちゃんがまだ私を見送っているのを見たとき、なんともいえない愛おしさがこみ上げてきました。
こんな犬なら一度は飼ってみたい、そう思わずにはいられないひとときでした。
2020年7月1日水曜日
彫るのは自由ですが。
日本で言えば、引っ越しセンターと言うんでしょうか、荷運び専門の業者の3人組がトラックで乗り込んできました。どうひいき目に見ても、あまりガラのよさそうなヒトたちではありません。リーダーらしき年配の男は、グラサンを外そうともせず名乗りもせず、仏頂面で「トラックどこにつけたらいいんだ?」といきなり聞いてきました。
一瞬私と同僚の女性は凍りついたように沈黙しました。うちの仕事場で比較的物腰の低いアランが前に出て、「なにか御用ですか?」と聞きました。
グラサンは「おー、話し通じてねーよ」といかにもかったるそうに仲間の同意を求めます。ふたりの部下も部屋をのぞきながら、放送禁止の4文字言葉でなにやらぶつぶつ言ってます。
みんなははやくも不穏を察して「触らぬ神に祟りなしモード」でだんまりを決め込んでしまいました。なんか気まずい空気のまま、われわれの目の前を機材が横切っていきます。
私も人並み程度に小心者ですから、平静を装いつつも、さっさと仕事終えて帰ってくれんかなー、などど思ていました。
2020年6月30日火曜日
アメリカのパンって美味しいですか?
日米パン食べ比べ
最近アメリカの食料品店に行って気がついたことの1つ。それは店頭に並ぶパンの傾向が変わってきたなと言うことです。
どういうことかというと、やたらにホールウィート(Whole Wheat Flour)のパンが幅をきかせていると言うことです。健康に良い言うことで、少し前から日本でもいわゆる全粒粉パンとよばれるものは増えてきているようですが、アメリカのヘルシー志向はますますエスカレートする傾向にあります。
ちょっと多すぎる気がする全粒粉パン
とにかく食パンの陳列棚を見ると、各メーカーが競うように所狭しとホールウィートブレットを並べています。もうほとんどホールウィートだらけと言ったら言い過ぎでしょうか。でもちょっと前まで明らかにこんなんじゃなかったです。
ひとつには既存の白い食パンに魅力がなくなったと言うことでしょうか。正直言ってアメリカの白い食パンはどれもいまいちです。日本のあのふっくらしっとりした芳醇な甘みをたたえた食パンがとても懐かしいです。そう、食パンも日本に来て日本人の口に合うようにどんどん進化していったのです。当然アメリカではあの味に巡り会う事はできません。きっぱりあきらめて、アメリカで暮らすからにはアメリカのパンに慣れるしかありません。しかしアメリカも今や健康志向。パン業界もどんどん変わってきているのです。
でもわたしゃあのホールウィートのパンはいただけませんね。ホールウィートのパンは味を犠牲にしていると言うのはアメリカも同じ。周りのアメリカ人に聞いてもホールウィートの良さは認めつつも、味を絶賛する人は皆無です。でも売れているのは確かなようで・・・このあたりはジレンマを感じるのです私は。
しかしさも言いながら、健康第一で考えると、やはりこれからの売れ筋はホールウィートとなるのでしょう。私はそれに逆らうわけではありません。ありませんが、どうせ食べるならもう少し味わいのあるもの、と言うことで最近は穀物入りのパンを好んで選んで食べるようになりました。
こっちではマルチグレイン•ブレッドなどと呼ばれてるやつです。これも各メーカー競うように出し合っていて激増中。穀物が十種類、十二種類、中には二十種類かつオーガニックなんていうのもあります。最初は慣れなかったのですがよく噛んで食べていくに従って、その味わいを楽しめるようになりました。近頃はサンドイッチのパンも八種類ぐらい穀物の入ったパンでないと物足りない感じがします。慣れというのは恐ろしいものですね。では日本にもある穀物入りのパンとはどう違うのでしょうか。
日本で人気の山崎パン十二穀ブレッドは、パッケージの成分表によると、ひまわり、ごま、とうもろこし、キヌア、小麦、大麦、ライ麦、大小麦、オーツ麦、きび、玄米、スペルト小麦の12種類の穀物が入っています。
一方アメリカのパンメーカー最大手のひとつアーノルド社のマルチグレイン、十二穀物入りパンはというと、全粒小麦粉、小麦グルテン、ひまわりの種、ひきわり小麦、ライ麦、オート麦、挽いたトウモロコシ、そば、玄米、大麦、亜麻仁、キビ、ナツメヤシ、大豆レシチン、ナッツ、クルミまたはヘーゼルナッツおよびアーモンド。と成分表に記載されています。比較すると、同じ穀物入りパンでも日米では内容がけっこう違っていますね。印象ではナッツの触感が粗くて大粒感があるような気がします。これも好みですね。
山崎パンは手元にないので食べ比べることはできませんが、風味も食感もかなりの差があることは想像できます。
もちろん成分だけではなくイースト菌や砂糖や塩、防腐剤の配分などもちがうだろうし、製法などによっても食べた印象は全然違ってきますからね。どちらがいいとは言えません。ただ、一般的に言って日本人はパンの柔らかくモチモチした食感が好まれますよね。穀物パンでも柔らかさを維持することに力を入れてるのではないでしょうか。
一方でアメリカ人はと言うと、一般的にあっさりした食感を好みます。アメリカ人ももちろん、ふんわりとした食感を好む人はいるのですが、モチモチとした食感はあまり評価されません。納豆食べる日本人とあのネバネバが理解できないアメリカ人の差でしょうか。モチモチと言うのは今一歩完成度が低いみたいな感じかな。
全てがそうと言うわけではありませんが、ことパンに限って言えば、しっとりはいいけどモチモチはちょっとな、という感じですか。どこまでもソフトな滑らかさを好む日本人と、パンはあっさりしてこそ本来のもの、一緒に食べるほかの材料との相性を重視する欧米人との差が如実に出ていると思います。
とは言えパン業界の未来はこれから楽しみです。今後どんな栄養価が高くてなおかつおいしいパンが出てくるのだろうか。そんなことを期待し、楽しみにしながらトーストを食べる毎朝です。
2020年6月29日月曜日
アメリカ式車検備忘録
アメリカの車検、面倒回避
3月の緊急事態宣言以来、ここニューヨークでも、一般の仕事はもちろんのこと、各種公共機関、サービス事業なども一時停止し、様々なところで問題が生じています。今徐々に解除が進んでいますが、米国全体ではまだ収束の見通しはついていません。
かくいう私も、4月にデンティストに歯の治療の予約をしていましたが、先方からキャンセルの通達がありました。アメリカでは保険会社にもよりますが、私の場合は治療一件一件につき、適用可か不可か審査するので、時間がかかります。しかも保険のカバーが確定してから数週間内に治療しなければ、適用を除外されてしまいます。私は余裕で期間内に治療の予約をしたのですが、今回の件で保険の適用期限が過ぎてしまいました。また歯医者に頼んで、再申請しなければなりません。面倒なことこの上ありません。
しかしこの程度のことなら、今のご時世、我慢しなければならないのでしょう。もっと困っている人、とくに深刻な病気にかかっている人などは通院に待ったなしです。
こんなこともありました。
2020年6月28日日曜日
アメリカのゴミ荒らし
こいつらは春先から初夏にかけて、決まって山から下りてきて、住宅街のゴミ箱を漁りにくるのです。
ゴミ箱はかなり大きめなのですが、いともたやすくフタをあけ、ポリ袋をぐちゃぐちゃに破いて荒らしていきます。とくに先週のように生ゴミの多い日は悲惨です。
去年は大きな石をフタの上に乗せて封印したつもりだったのですが、翌朝、信じられない光景を目の当たりにしました。あろうことか、ぎっしり詰まって相当重いゴミ箱を押し倒して中身を全部引っ張りだされていたのです。
しかし体長40センチ前後のアライグマ、いかに手先が器用といえども、そんなことが出来るのでしょうか?
近所の話し好きの物知り老人サンデルさんによると、
「あいつら徒党を組んで仕事をするんじゃ」というのです。
彼は昔から奴らの手口を目撃していたといいます。なんでも二、三匹が人間みたいに立ち上がり、並んで両手でゴミ箱を押し倒すそうです。
ほんとかよ、です。奴らは非常に小賢しくて、共同作業も巧みにこなすそうなのです。さらにサンデルさんいわく、親子で肩車してフタを開ける芸当まで見たというのです。
おいおい、それはサーカスから逃げ出したアライグマじゃないの??(サンデルさん83歳ちょっと記憶が怪しげ)
私も深夜に物音を聞いたり、夜遅く帰宅の際に道路を横切るやつらの姿を見かけるのですが、大きい割に警戒心が強く、撃退はかなり難しい模様です。
ホームセンターなどには、捕獲用の檻なんかも売っているぐらいですから、真剣に悩んでいる人は多いんでしょう。この季節、なんとか知恵を絞ってやつらを撃退しないと、毎週のようにゴミ掃除しなければなりません。キラキラするものが苦手という話を聞いて、ゴミ箱の上にCDを紐で吊るしてみたのですが、効果は皆無でした。
去年は色々頑張ってみたのです。家内が犬のヌイグルミをフタの上に乗せて威嚇作戦に出たのですが、翌朝あっさりごみ屋さんにゴミとして持ってかれちゃいました(笑)。