2020年6月28日日曜日

アメリカのゴミ荒らし

ニューヨークにも出没するならず者



 そろそろ蒸し暑い季節になってきました。
 この時期になると、うちの町内でいささか厄介な出来事が持ち上がります。
 じつを言うと先週、我が家も被害に遭っていました。
 月曜日の一般ゴミを出す前夜でした。外でごろごろと異音がしたなと思って見に行くと、ものの見事にゴミ箱がひっくり返されていたのです。高さ80センチほどのプラスチック製の大きなゴミ入れボックスが沿道に横倒しになり、中身が散乱していました。ビニールの包まれた生ゴミも撒き散らされ、バナナの皮や野菜の切れ端があちこちにぶちまけられていました。もう思わず頭を抱えました。
「アイツラが帰ってきた・
 思わず西部劇でならず者が引き返してくるシーンを思いうかべてしまいました。
 ええ。もう犯人はわかっているのです。この界隈で悪名高いアライグマ一家の仕業なのです。
 近所の人もみんな口を揃えてそう言いますから、まず間違いありますまい。
 こいつらは春先から初夏にかけて、決まって山から下りてきて、住宅街のゴミ箱を漁りにくるのです。
 ゴミ箱はかなり大きめなのですが、いともたやすくフタをあけ、ポリ袋をぐちゃぐちゃに破いて荒らしていきます。とくに先週のように生ゴミの多い日は悲惨です。
 去年は大きな石をフタの上に乗せて封印したつもりだったのですが、翌朝、信じられない光景を目の当たりにしました。あろうことか、ぎっしり詰まって相当重いゴミ箱を押し倒して中身を全部引っ張りだされていたのです。
 しかし体長40センチ前後のアライグマ、いかに手先が器用といえども、そんなことが出来るのでしょうか?
 近所の話し好きの物知り老人サンデルさんによると、
「あいつら徒党を組んで仕事をするんじゃ」というのです。
 彼は昔から奴らの手口を目撃していたといいます。なんでも二、三匹が人間みたいに立ち上がり、並んで両手でゴミ箱を押し倒すそうです。
 ほんとかよ、です。奴らは非常に小賢しくて、共同作業も巧みにこなすそうなのです。さらにサンデルさんいわく、親子で肩車してフタを開ける芸当まで見たというのです。
 おいおい、それはサーカスから逃げ出したアライグマじゃないの??(サンデルさん83歳ちょっと記憶が怪しげ)
 しかし彼らが並外れた知能と力の持ち主なのは確かです。
 私も深夜に物音を聞いたり、夜遅く帰宅の際に道路を横切るやつらの姿を見かけるのですが、大きい割に警戒心が強く、撃退はかなり難しい模様です。
 ホームセンターなどには、捕獲用の檻なんかも売っているぐらいですから、真剣に悩んでいる人は多いんでしょう。この季節、なんとか知恵を絞ってやつらを撃退しないと、毎週のようにゴミ掃除しなければなりません。キラキラするものが苦手という話を聞いて、ゴミ箱の上にCDを紐で吊るしてみたのですが、効果は皆無でした。
 去年は色々頑張ってみたのです。家内が犬のヌイグルミをフタの上に乗せて威嚇作戦に出たのですが、翌朝あっさりごみ屋さんにゴミとして持ってかれちゃいました(笑)。
 そのときは「アライグマが笑ってるぜ」と妻を茶化した私もいまはマジ。今年こそ、なんとしてでも奴らの撃退法をあみださねばなりません。
 人間対アライグマの知恵比べ、そろそろ真剣モードに突入です。

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