2020年6月19日金曜日

バードウォッチ in USA

アメリカの野鳥:米国東部編


 日本からわざわざ渡米してまで、野鳥観察に来る人はまれです。中にはいるでしょうけど、私が観光案内をした日本人の中にはひとりもいません。9割以上の人がアメリカの自然には無関心で、もっぱら人の作った文化・文明を目当てに観光します。

 もちろんそれは当然のことで、私もそういった方に喜んでいただけるよう、日頃いろんな観光スポットをご紹介しています。



 それでもたまに、「アメリカの自然もいいですよ」と余計なことを言ってしまうことがあります。それほどアメリカの大自然は魅力的なのです。




 アメリカ各州には、国が管理するたくさんのナショナル・パークがあります。

 私が住む地域の「ハドソン・リバー・バレー」Hudson RIver Valley National Heritage Areaというのは、複数の国立公園・州立公園の集合総称です。ハドソン川に沿って渓谷が南北に伸びている地域で、長さはおよそ250キロメートル。東京ー浜松間の長大さです。いわばこの地域の町々は州立公園や国立公園の間に挟まって存在するようなものです。

 特に中心域にあるハドソン・ハイランド州立公園やストームキング州立公園は、マンハッタンから1時間程度で行ける景勝地です。その緑豊かな渓谷は、全米でも有数の美しい公園と言われています。四季を通じ、国内外からたくさんの観光客が訪れ、自然美を堪能します。日本人にもぜひここは知っていただきたい場所です。

 いつかこの近くにお越しの際は、ぜひ訪れてみてください。


 今回はこの大自然の中から飛んできて、私どもの町でも見られる美しい野鳥たちをご紹介します。




 まずはクリスマスのシンボルとも言える、北米が誇る野鳥カージナルです。色鮮やかな赤色と、とんがったヘアスタイルが特徴。このカージナルともみの木を描いたクリスマス・カードは昔ながらの定番です。この近辺では町中でも木々の間でもよく見られ、群れを作らず単独行動ながら、しばしば他の鳥たちに混ざって飛んでいます。


 次の野鳥は、こちらではかなりポピュラーというか、日本の雀と同じくらい町内でもひんぱんに見かける鳥アメリカン・ロビンです。ツグミの一種で胸のオレンジが特徴。いや特徴といえば、写真のように卵が、翡翠のように美しい独特の青色をしていることで有名です。なぜこんな色なのか、諸説あるようですがまだ結論は出ていません。





 こちらはキツツキの一種、Eurasian Tree-Toed Woodpeckerです。日本ではミユビゲラと呼ばれるそうで、広く北方に生息分布する鳥です。この写真撮影時も、一生懸命木をつついて穴を作っていました。




 お次はちょっとコワモテの巨鳥です。顔がうろこ状の黒っぽいシワに覆われ、毛が殆どありません。ハゲタカの一種で、日本名クロコンドルと呼ばれるAmerican Black Vultureです。翼長は大きいやつで70センチに達し、よく上空を旋回しているのを見かけます。





 American Goldfinch。フィンチの中でも特に人気があります。こちらは手のひらにすっぽり収まるほどの小さくて可愛い小鳥です。黒と黄色のコントラストが鮮やかで、この近辺でもまれにしか見られません。散歩していたらちょうど川辺で水浴びをしているところ。用心深くて、目が合うとすぐ逃げ去ってしまいました。





 こちらはオオクロムクドリモドキです。モドキってなんだか不憫な名前ですね。体長は長いシッポのせいで20センチ近くになります。全身黒っぽいのですが、光の当たり具合によって虹色に輝くときがあります。非常に賢くて、群れで他の鳥を圧倒したり、餌を横取りしたりします。





 最後はシジュウカラ科のエボシガラ。写真はまだひな鳥からちょっと成長したばかりの子供です。おとなになると、頭がもっと尖って精悍な顔立ちになります。くりっとした瞳が可愛くて、住宅地でもしばしば見かけます。


 以上、ハドソン渓谷の野鳥のほんの一部をご紹介しました。

5月から6月にかけては、鳥たちの活動がいっそうにぎやかになります。毎朝早くから、色んな種類の鳥の鳴き声で目が醒めますが、これはこれでけっこう贅沢な環境だなと思う事もある今日このごろです。  



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