2023年2月25日土曜日

アメリカで運転手の仕事を得る

サムズアップ・アメリカ!
車社会アメリカの必須職業


 

タクシーからウーバーまで

 アメリカで転職、あるいは今後渡米して職業を得ようとしている方。運転免許を取得して、運転の仕事をしてみませんか? 

 私はアメリカでカーサービスという仕事をしています。タクシーでもない、日本のハイヤーとも違います。もともとはリムジン専用の会社から始まったのですが、私が就職した頃には、すでに業務範囲を拡大していて、メディカル・トランスポートの業務ライセンスを有していました。
小さな会社ですが、長年愛用してくださるリピーターを抱えており、新規のお客さんを呼びこまなくてもなんとかやっていける程度の安定した仕事量を保有しています(コロナ問題が起きる前までは)。

 一時は本気でタクシー会社に就職するつもりでしたが、フリーランスでグラフィック・デザインの仕事をしているので、長時間拘束されるタクシーの仕事には無理がありました。
運転業はあくまでも副業としてやりたかったのです。
それともう一つ、マンハッタンはともかく地方のタクシー会社は賃金が安く、仕事量の割に稼げないのが通例だったのです。
パートタイムで数社のタクシー業務をこなしてきましたが、これは自分には向かないと痛感しました。

 そうこうするうちにウーバーが台頭してきて、自分も何度か説明会などに足を運び、仕事用の中古車まで買って準備を進めたのですが、直前でウーバーはやらないと決めました。
周りではタクシー運転手がウーバーに鞍替えするのを見てきましたが、いずれも長続きする人がいないのです。






それぞれ理由はあるのですが、全てを自営業同様にしなければならないウーバーは自由なようで、けっこう車のメンテなどを考慮すると大変なのです。結局もとのタクシー会社に戻ったほうが楽などと言う人もおりました。

 私が選んだカー・サービスというのは、それらと似て非なるものです。
タクシーと違い、顧客を公道で拾えないのが最大の特徴です。あくまでも予約優先での受注業務なのです。
うちの会社には顧客リストがあり、そこからのリムジン予約が6−7割。あとは飛び込みでの電話予約と、医療機関、保険会社を通しての病院ー顧客宅間の送迎業務です。

 リムジンとしてご利用される顧客の多くは空港送迎とその他の長距離移動に使われます。私が担当するプトナム・カウンティ、ダッチェス・カウンティという地域から、ニューヨーク近郊の3大国際空港、ケネディ、ラガーディア、ニューアークへの運転サービスは約1時間から2時間の運転業務です。
あるいはマンハッタン内のどこかへご案内する仕事も多く、これも片道1時間半ほどを予定します。

 フリートと呼ばれる仕事車は、リンカーンとキャデラックが中心です。
ほかにもシボレーやフォードの大型SUV、ミニバンではホンダ・オデセイなども用意しています。
普通のリムジン会社にはベンツやサーブ、レクサス、BMWばどを使用することが多いのですが、うちの社長は、アメリカ・ブランドにこだわっています。せっかくアメリカに来てくださる海外のお客さんに、少しでもアメリカ気分を楽しんでもらうためというのが理由の一つ。
格が同じぐらいのラグジュアリー・カーならアメ車のほうが、経費、維持費が抑えられるということもあります。





 実際、同レベルの高級車を比べるなら、やはり鼻の差で欧州勢が有利かと感じます。それでもしっかり管理されたアメリカのリンカーンやキャデラックは顧客満足度は高く、ほとんどのお客さんは「いい車だね」と褒めてくださいます。
このあたり、タクシーをいろんなドライバーが交代で使いまわしているものとは違います。

 私もある程度仕事をこなし、ボスから信頼を得てからは、一台の車を責任持って管理するよう与えられ、自宅で管理するようになりました。
はじめはシボレーのインパラというバカでかいセダンでしたが、それ以降はリンカーンのMKXやMKTという高級車を預かり、今はキャデラックのSRXというSUVを運転しています。ガソリン代、駐車料金、有料道路等、および車のメンテ代はすべて会社負担。
ウーバーは全部自腹なので、ここで収入にも差ができます。

 タクシーのように客を求めて流す必要もなし。9割の仕事は前日にディスパッチャーと呼ばれる担当者が予定を組んで、一日のスケジュールを与えてくれます。
当日はそれ優先に加え、飛び込みの仕事などを随時追加する形となります。慣れるとやりやすい仕事で、空いた時間を自分の好きなように使ってもいい事になっています。

 タクシー会社によっては行動を厳しく管理され、ノルマを課されることも多いのですが、ウチのようなカーサービスは自由な気風が多くて気分的にも楽でよいです。
本職のグラフック・デザイン仕事にも時間を融通できることが出来、それがなにより有り難いと感じています。

 アメリカのカーサービスの定義は一部あいまいなところもあって、地域によってルールも異なります。
ですが少なくともいくつかのタクシー会社を通過した私にとって、いまのカーサービスがベストなチョイスだと思っております。
ご興味のある方はよく下調べをして、こういった運転の仕事をお選びされることをオススメします。



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