2021年9月6日月曜日

アメリカで人気の指圧マッサージ その1

サムズアップ・アメリカ!
欧米で普及する「Shiatsu」



アメリカで暮らしていると、欧米の人からって
「Shiatsu」って何?と聞かれることがあります。
欧米の都市部では80年代ごろから指圧施術を営業する施設が目立ち始め、今では結構知名度だけはあります。しかし実際に施術を受けたという人はまだまだ少なく、興味を持つ人はいいようです。
ことにスポーツ医学が東洋のマッサージ法を取り入れるようになってからは、多くのプロ、アマアスリートが活用しだして、効能が広く証明されるようにもなったのです。知名度だけが一人歩きして、一般のマッサージと指圧はどう違うのか? あるいは中国の伝統的な鍼灸療法との違いは何かなど、欧米人にとってはまだまだ知らないことだらけなのです。

ここでは指圧の基本的な概念と基礎知識をアメリカ人がアメリカ人のために書かれたものをもと再構成してみました。日本発の治療技術として日本人の一人としてもしっかり説明はできるようにしておきたく、記事にしてみました。



「Shiatsu」を簡略に解説してみよう

マッサージの種類の中に「指圧」があることは知っていても、「指圧」がどのようなものかは知らない人も多いでしょう。そもそも指圧とはどのようなものなのか、また指圧マッサージはどのように作用し、施術を受ける人をサポートするのでしょうか。


指圧マッサージとは?

指圧マッサージは、日本で古くから行われてきた療法で、中国の伝統的な医学療法の流れを汲みつつ、独自に開発されてきた歴史があります。中国では、体にはエネルギーの中心があり、気や水と呼ばれる経絡のネットワークを通って流れていると考えられています。この特別なタイプのマッサージ療法は、一般的な身体的および心理的な痛みや凝りを治療するためにツボを使用します。
なお指圧マッサージは西洋式とは違い、オイルを使用せず、薄手の服を着て行うことができます。


指圧マッサージの仕組みは?

指圧マッサージでは、体の中心のエネルギーが刺激され、気の刺激につながり、これにより体のバランスとエネルギーを取り戻すことができます。マッサージセラピストは、それぞれのエネルギーセンターの感覚を知っていなければならず、そうすればあらゆる特定の症状を治療することができます。指圧マッサージ技術は、ホリスティックなアプローチであり、マッサージセラピストは、エネルギーの流れをブロック解除するために、経穴や経絡領域に沿ってリズミカルに指や親指で持続的な圧力をかけます。 また、円運動、補助的なストレッチ、関節操作、モビライゼーション、触診、こねくり回し、揉みほぐしなど、いくつかのテクニックを使用します。このマッサージテクニックで適用される圧力は、お客様の体の訴えに応じて多様になります。これは、ダイナミックに活動している交感神経系を落ち着かせ、血行を良くし、ストレスを軽減し、凝り固まった筋肉をほぐすのに役立ちます。



期待される効果

初診時には、マッサージセラピストがお客様の気(中心のエネルギー)を評価し、どのようなマッサージ技術が必要かを決定します。また、現在の健康状態を知るために、病歴を聴取します。初回のセッションは約2時間ですが、その後の指圧セッションは通常1時間で終了します。

ハンズオンの部分では、お客様は低いテーブルの上か、床に横になっていることが多いです。マッサージオイルは必要ありませんので、クライアントは、マッサージセラピストの指が仕事をすることができるために、軽い快適な服を着ることを薦めています。


資格のある指圧ライセンスマッサージセラピストを見つける

指圧マッサージセラピストを選ぶ際には、NCCAOM(National Certification Commission for Acupuncture and Oriental Medicine)が実施するトレーニングを受け、認定試験に合格した指圧マッサージセラピストであることを確認する事が良いでしょう。






指圧の概念を知る

指圧は、日本の治療的なボディワークの一形態です。もみほぐす、押す、なだめる、たたく、伸ばすなどのテクニックを使い、オイルを使わず、軽くて着心地の良い服を着て行います。

「指圧」とは、直訳すると「指の圧力」という意味です。指圧にはさまざまなスタイルがありますが、すべての指圧のルーツは、1900年代初頭に日本で鍼灸やあんまマッサージなどの伝統的な医学療法が復活したことにより発展した3つのシステムのうちの1つです。指圧は、日本の伝統的な手技療法と西洋の近代医学の知識を融合して発展したものです。

アメリカでは、指圧はアジアン・ボディワーク・セラピーという大きな職業の中で、主要な療法のひとつとなっています。


指圧はあなたの健康と幸福にどのように役立つのでしょうか?

指圧は過度な痛みを伴わない(むしろ心地よい事の多い)フレンドリーな療法であり、ストレスを軽減し、全体的な健康に貢献することができます。支持者は、指圧には予防と改善の両方の効果があると信じています。

指圧は、体内、筋骨格、感情など、幅広い症状の治療に使用できます。筋肉のコリをほぐしたり、皮膚を刺激したり、消化を助けたり、神経系に影響を与えたりすると考えられています。
指圧は、頭痛、PMS(月経前症候群)、消化器系疾患、疲労、不眠症、線維筋痛症、ストレス、不安、腰痛、首痛、関節痛などの筋骨格系の痛みなど、さまざまな慢性疾患の治療に用いられます。

その効果は、セッションの目的に応じて、刺激的で爽快なものと、鎮静的で穏やかなものがあります。







指圧の原理とは何ですか?

中国・日本医学の基本的な概念のひとつに「気」(チー)があります。これは、すべての機能を支える、私たちの体の中の重要なエネルギーです。

気は、経絡と呼ばれる特定の経路を流れます。指圧セラピストは、バイタルポイントと呼ばれる経絡に沿ったポイントを通して気にアクセスします。
健康とは、経絡に豊富な気があり、その流れが妨げられていない状態を指します。
気が不足したり、バランスを崩したり、流れが滞ったりすると、症状が現れます。
例えば、定期的な風邪やインフルエンザ、毎週または毎日の頭痛、体の痛みや筋肉痛、消化器系の不調など、一見すると些細な兆候が現れます。
これらは、気のバランスが崩れていることを示しています。指圧は、体全体の気の流れを刺激し、調和させます。


指圧セラピストは、身体的な兆候が現れる前に、身体の不調和のパターンを認識する訓練を受けています。
単純で微妙な変化は、不均衡の兆候であり、放っておくと症状が出るまでに進行する可能性があります。
適切な診断と定期的な指圧セッションにより、バランスを取り戻すことができます。また、指圧師は、ライフスタイルやアクティビティの提案も行います。


指圧セッションでは何をするのですか?

セッションの最初に、プラクティショナーはクライアントを評価し、現在あるかもしれないアンバランスのパターンを決定します。
施術者が最も効果的な治療セッションを提供するためには、「気の状態」を評価することが重要です。そして、クライアントのニーズに合わせて、最も治療効果の高いプランを作成します。


指圧では、圧迫、もみほぐし、なだめ、たたき、ストレッチなど、さまざまな手技を用いて、身体の重要な気にアクセスします。
クライアントのエネルギーが低かったり不足している場合、施術者は特定のテクニックを使って気を高め、活性化させます。
また、ストレスや傷、不安を抱えている場合は、余分なエネルギーを分散させるテクニックを用います。
このようにして、気は調整されます。指圧は、症状を和らげ、バランスを回復し、健康を促進します。


指圧の定期的なメンテナンスプログラムは、健康を維持し、活力を向上させる優れた方法です。
このスケジュールは各人によって異なります。月に1回の指圧セッションでバランスを保つことができる人もいるでしょう。
しかし、ストレスの多い仕事や家庭の事情、活動的すぎるライフスタイル、運動不足などの理由で、より定期的な指圧セッションが必要になる人もいます。







エビデンス(根拠)はありますか?

指圧は日本の主要な手技療法であり、日本では研究の進捗状況、研究成果などが専門誌やサイトで随時報告され続けています。これらの研究は通常、英語では発表されておらず、アメリカの読者にはまだ提供されていないかもしれません。

アメリカでは、指圧はマッサージ療法や鍼灸の一部と考えられていることが多いため、ボディワークの治療に関する主な研究助成は、マッサージやその他のエネルギー療法に集中しています。

米国でのエビデンスとしては、ほとんどが逸話的なもので、指圧のクライアントやセラピストの経験から得られたものです。
しかし、学校や個人が指圧の研究調査を始めています。現在、ヨーロッパでは、指圧療法の有効性に関する研究が行われています。

しかし、現時点では証拠が限られていますが、リスクが低く、逸話的に報告されている効果が大きいことは注目に値します。


施術者の探し方

指圧とアジアのボディワーク・セラピストを独占的に代表する専門組織は、
American Organization for Bodywork Therapies of Asia (AOBTA)です。
AOBTAのウェブサイトにはFind a Practitionerのページがあります。


指圧・アジアンボディワークセラピスト(ABT)は、アメリカ全土に存在し、多くの場合、学校の近くに存在しています。指圧とABTの最高の資格は、全米鍼灸・東洋医学認定委員会(NCCAOM)が運営するアジア整体療法の国家認定試験です。
この試験に合格したプラクティショナーは、ABTのディプロメイトとなります。NCCAOMのウェブサイトにはFind a Practitionerのページもあります。


さらに、指圧プログラムの卒業生は、すべての要件が満たされている場合、National Certification Board for Therapeutic Massage and Bodywork(NCBTMB)が実施するNational Certification Exam for Therapeutic Massage and Bodyworkを受験することができます。



自分でできる指圧マッサージの方法とは?

指圧とは、日本語で「指の圧力」を意味し、指や手のひらで圧力をかけたり、ストレッチやその他のマッサージ技術からなる代替医療の一種です。
指圧は何千年も前から、ストレス、筋肉痛、吐き気、不安、うつなどの問題に対処し、人々をリラックスさせる方法と考えられてきました。
指圧には大きく分けて2つの流派があり、1つは根拠のある解剖学や生理学の要素を取り入れたもの、もう1つは中国伝統医学に基づいたものです。
しかし、ストレスや体調不良のたびに指圧の専門家を探してお金を払うのは大変ですよね。そこで、自分でできる指圧マッサージの方法を簡単に紹介するグラフィックチャートをご紹介します。
ベッドに寝そべって誰かにやってもらうほどではないかもしれませんが、ストレスや痛み、不安など、様々な小さな健康問題や痛みを軽減するのに有効な方法です。
ぜひご参考にしてみてください。



上記のチャートはアメリカでは指圧に興味のある人の間で、かなりポピュラーに普及しているものです。ちょっとした診療所でも見かけたことがあるので、色々役には立ってるのかもしれませんね。



次回は指圧を職業とする可能性について、記事を編集してみます。



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