2022年4月6日水曜日

パナソニック:買うならGH5 II か GH6 か?

サムズアップ・アメリカ!
新カメラ LUMIX GH6 vs GH5 II:
その違い




動画中心のレンズ交換式カメラといえば、多くの人がパナソニックのLUMIX GHシリーズを挙げるでしょう。
マイクロフォーサーズのいいところをぎっしり凝縮したGHシリーズの出来栄えには、アメリカでも多くの動画ファンを魅了されてきました。
2022年、そのラインナップの頂点に立つ新たな王者、GH6が誕生しました。そしてそれに先立つ終ヶ月前には名機GH5直接の後継機GH5 IIも華々しくデビューしています。

しかし外野から見ると、なぜそんな似かよった機種を半年も開けずに立て続けに出すのだろうという疑問が残ります。(余談ですが、これは北米市場で発売されているHONDAのSUV車、PilotとPassportの関係にも通じるところがあります。あれも一見似た車で、価格帯も近いので購入には熟慮を要します)
では、このパナソニックのGH6とGH5 IIにはどのような違いがあるのでしょうか。簡単に整理してみました。


 LUMIX GH5 IIは、革命ではないが正常進化 



GH6は、前モデルのGH5 Mark IIからわずか数カ月で登場しました。では、この2つは具体的にどのように異なり、あなたの特定のワークフローにとってどちらが最も理にかなっているのでしょうか?


両機種とも3.68mドットの有機ELビューファインダーを採用

ともに3.0型 1.84mドット バリアングル液晶ディスプレイ

同じく両者、防塵・防滴のマグネシウム合金製

GH5 II:89.1×138.5×87.4mm / 727g(MFTとしてはやや大きめ)

GH6:100.3×138.4×99.6mm/823g(ミラーレスとしては重量級)

GH5 II: 2x SDカードスロット

GH6: CFExpress (Type B) 1x、SD 1x



GH5 IIはマイクロフォーサーズシステムを採用しているため、特に大きなサイズではありません。GH6は冷却用ファンのおかげでかなり嵩張った感はあります。
ただしレンズはどちらにしろマイクロフォーサーズ規格ということで、ソニーやキヤノンの大型システムと比較するとコンパクト。その差は歴然としています。

熱対策で大きくなったGH6ですが、これにより無制限の録画が容易になり、動画撮影の幅は格段に広がるでしょう。
(GH5 IIも無制限記録を提供しますが、その記録オプションはそれほどハイエンドではありません。)

ボディの大きさが異なるだけで、2つのカメラの操作性はかなり似ています。
しかし、GH6では、カメラの前面に2番目の動画記録ボタンが追加され、不用意な調整を避けるために上部にロックスイッチが追加されています。

両機種とも防滴・防塵仕様で、3型バリアングル液晶画面と有機ELビューファインダーを搭載しており、解像度や大きさの点では全く変わりません。


明白な差異

GH5 IIがSDカードスロットを2基搭載しているのに対し、GH6はSDスロット1基とCFExpress(Type B)スロット1基を搭載しているのも大きな違いのひとつです。
これは重要な違いです。
CFEだけが、GH6で提供されるトップエンドの圧縮コーデックとビットレートを記録できるからです(GH5 IIでは、適切なUHS SDカードが必要ですが、そのような問題は発生しません)。


センサー

GH5 II: 2000万画素Live MOS、V-Log Lで12ストップのダイナミックレンジ

GH6: 25MP Live MOS, 13ストップ(V-Log Lのダイナミックレンジブースト付き)

両カメラとも マイクロフォーサーズのセンサーサイズとレンズマウント方式



GH6ではセンサーも一新され、従来のGH5 IIよりも約25%解像度がアップしています。
このことは、このカメラを主に静止画撮影に使用する場合、より高解像度な画像を意味します(ただし、税務上の理由から、どちらのGHモデルもスチルカメラとして分類されておらず、無制限の記録機能がその役割を担っています)。

新しいセンサーは、ダイナミックレンジの可能性を広げ、新しいダイナミックレンジブーストオプションは、最大13ストップ(GH5 IIの12より1ストップ多い)です。
これは、編集に十分な余裕をもたらすでしょう。
V-Log Lは、GH5 IIと同様に標準搭載されていますが、数年前のオリジナルのGH5には搭載されていなかったので、これは指摘しておくべきでしょう(有償のソフトウェアアップデートでした)。

ダイナミックレンジブーストをオンにすると、GH6はISO感度の上部をデュアルゲイン読み出しで使用します(デュアルネイティブISOとは違います)。
通常撮影ではISO800から、HLGやV-Log撮影ではISO2000からとなり、より広い範囲を高画質で撮影するための合成撮影が可能になります。






記録

GH5 IIの最大解像度:4K 50/60p 4:2:0 10ビットLongGOP時

GH6の最大解像度:5.7K 50/60p 4:2:0 10bit時

4K時最大フレームレート:GH5 II 60p / GH6 120p

1080pでの最大フレームレート: GH5 II 180fps / GH6 300fps

両カメラとも 録画時間無制限(どの設定でも)

両方:MOV & MP4 / GH6のみ。Apple ProRes



どちらもよくできた仕様ですが、GH5 IIではなくGH6が欲しくなる本当の理由は、何よりも録画容量が増えたことでしょう。
より多くの解像度オプション(最大5.7K)、より高いビットレートの可能性、より多くの圧縮タイプ(特にApple ProRes)を提供します(そのため、CFEカードスロットは不可欠です)。

GH5 IIは、オプションに関しては貧弱ではありませんが、50/60fpsの5.7Kは得られず、ProResも得られないでしょう。
しかし、どちらを選んでも記録時間は無制限なので、グレーディングや解像度の拡張のための追加のヘッドルームを必要としないのであれば、GH5 IIの4Kは一般的なニーズには十分でしょう。

両機種とも、アナモルフィックからシネマ4K(C4K)、4KからフルHD(1080p)まで、膨大な解像度の録画オプションがあり、GH6は同等のモードで常に少し多めに提供されます。
例えば4Kを撮影する場合、GH5 IIのカードへの4:2:0出力は強力ですが、GH6ではカードへの4:2:2出力に対応しています。

また、両機種ともHDMI出力を備えており、カードとHDMIの両方に同時に記録することが可能です。
しかし、GH6はより高い内部ビットレート(パナソニックは1903Mbpsでピークと伝えている)を持っているので、カメラの外部にキャプチャするためにその最高の品質を得ることができます。もし、あなたが超ハイエンドのデータレートを必要としないのであれば、GH5 IIで十分です。

GH6は将来のアップデートで、USB-C出力によるSSD記録も追加されるとパナソニックは伝えています。実際、GH6は以下のような将来のアップデートを約束しています。



DC1 4K Apple ProRes

FHD Apple ProRes

USB-SSDダイレクト記録

4K 120p HDMI出力(HDMI 2.1経由のみ)

HDMI 4K 120p Rawビデオ出力(ATOMOS Ninja V+)


ファームウェアのアップデートは、それぞれどの程度どのタイミングで追加されるかは分かりません。パナソニックの有力なユーザーたちの声が特定のアップデートを熱望していると思われますが、最初から追加されていないのは残念です。




オーディオ関連

両機種:3.5mmマイク端子、3.5mmヘッドホン端子

GH5 II: 48kHz/16bit // GH6: 96kHz/24bit

GH5 II: 96kHz/24bit XLRアクセサリーDMW-XLR1経由

GH6:4チャンネルオーディオ 48kHz/24bit(XLR1経由のみ)

両カメラ:HDMI出力



HDMI出力に加え、GH5 II、GH6ともに3.5mm端子を1つずつ搭載しています。ヘッドフォンやマイクでのモニタリングが可能です。オプションのDMW-XLR1アクセサリーを使用すれば、XLR出力も可能です。

GH6 では、GH5 II にはない 4 チャンネルオーディオ(2 チャンネルのみ)を使用して、複数のマイクストリームを録音する場合などには、このアクセサリーが必要です。

パナソニックの公式スペックページによると、GH6のデフォルトの3.5mm出力の品質が高いのに対し、2チャンネルと4チャンネルのどちらを録音するかによって、品質も若干異なるそうです。



結論

GH5 IIとGH6、どちらを買うべきかというのはなかなか悩ましい問題です。
結論を言えばまあ、それはあなたのニーズと予算次第ということになります。
GH6はこれだけの高機能を詰め込んでリーズナブルな価格ですが、GH5 IIより高性能であるため、より高額の投資が必要となります。

しかし、どちらのカメラも無制限に録画できるので、GH5 IIの最大4K 50/60pで満足できるのであれば、どちらを選んでも問題はないでしょう。
GH6は、5.7Kでレベルアップし、Apple ProRes圧縮、より高いビットレート、フレームレートのオプションがオプション全体に追加されています。

GH6はコンシューマー向けというよりプロ向けで、業務カメラ並みのデータレート、GH5 IIは自宅スタジオで4Kで撮影するクリエイター向けと言えるでしょう。
これから動画を始める人にとってはどちらを選んでもきっと後悔はさせません。
GH6、GH5 II、いずれもそれくらい優れた動画用カメラです。



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