2022年2月4日金曜日

やさしい洋書で英文に親しもう

サムズアップ・アメリカ!
超要約:『星の王子さま』



洋書を読んで英語に親しみたいと思う方に、まずおすすめしたい本があります。
サンテグジュペリの『星の王子さま』です。
本書は、夢や魔法のような、深遠かつ気まぐれな物語として世界中の人に読み継がれている永遠のベストセラーです。
この素晴らしい小説は、児童書の体裁をとりながら、本当に大切なこと、つまり「心によってのみ人は明晰にものを見ることができる」ということを、読者に優しく教えてくれます。

謎めいた洞察に満ちたエピグラムやたとえ話は、決して説教臭くなく、それでいてなぜか心に引き込まれるものがあります。おそらく筆者の伝えたい真理が小説の随所に散りばめられているからだと思います。
読者はまず楽しいイラストに引き付けられますが、すぐにその背後にある深い意味を考えさせられることになるのです。



『星の王子さま』の紹介

「The Little Prince」は、フランスの飛行士アントワーヌ・ド・サンテグジュペリの想像を描いた中編小説で、「Le Petit Prince」というタイトルで英訳されたのが原作です。
1943年4月、レイナル&ヒッチコック社から英訳され、初出版されました。
しかし当時フランスを支配していたヴィシー政権から、直ちに出版禁止令が出されました。この小説は、サハラ砂漠に不時着した飛行機のパイロットに、若い王子が出会うというもの。
サハラ砂漠に不時着した飛行機のパイロットと出会った王子が、さまざまな惑星で出会った人物たちの物語を語り、彼らの愛や友情、人生における問題や苦悩を語り出します。
子供向けの物語でありながら、人間がこの星で直面している普遍的なジレンマを巧みに提示している奥深い思索に満ちた物語です。


世界中で出版されている英語版はとても読みやすく、欧米では幼児から小学生までの間に、一度は読んだという人がとても多いのです。
日本人でも英語に興味のある方なら、あっという間に読破できる気軽な文体ですので、これから洋書を読みたい方に絶好の入門書です。
以下に、超要約した日本語のあらすじを載せましたので、これを読んでから英語版に進むとよりわかりやすいと思います。
この本は読めば必ず得るものは大きいはずです。ぜひお楽しみください。

なお英語版は、ペーパーバック版の紙の本を購入して読むのがおすすめですが、版権がフリーなのでネットで全文読むこともできます。例えばココ。







『星の王子さま』:あらすじ

飛行機のパイロットである語り手は、サハラ砂漠に墜落してしまいます。


墜落により飛行機は大破し、語り手は食料も水もほとんどない状態に。
その窮状を憂いているところに、金髪の少年リトルプリンスに声をかけられ、羊を描いてほしいと頼まれます。
語り手はそれを引き受け、二人は友達になります。
語り手であるパイロットは、小さな王子が小惑星から来たことを知ります。
小さな王子は小惑星325と呼んでいるが、地球の人々は小惑星B-612と呼んでいる惑星です。小さな王子はこの星をとても大切にし、悪い種が育たないようにし、バオバブの木が生えないようにしました。
ある日、この星に不思議なバラが咲き、王子さまはそのバラに恋をしました。
しかしやがてバラの嘘がばれてしまい、もうバラのことを信じられないと思うようになります。
こうして孤独になった王子は、その星を去ることにしたのです。バラと仲直りしたものの、王子は孤独を癒すため、他の星の探索に出発したのです。


小惑星のそばを通り過ぎたとき、王子様は初めて、奇妙で狭量な大人たちの世界に出会ったのだと、ナレーターは語ります。
最初に訪れた6つの惑星では、王様、虚栄心の強い男、酒飲み、商売人、灯台守、地理学者など、みな一人暮らしで、自分の職業に没頭している大人たちに出会います。
このような奇妙な振る舞いは、小さな王子を楽しませ、また不安にさせました。
彼らは、人に命令し、賞賛され、すべてを所有する必要があるのです。
忠誠心の強いランプ職人を除いては、王子様は大人たちのことをあまりよく思っていませんし、役に立つことを何も学んでいません。
しかし、地理学者から、もう花は永遠には咲かないということを学び、自分が残してきたバラを恋しく思うようになります。


地理学者の提案で地球を訪れた小さな王子は、砂漠の真ん中に降り立ったため、人間を見つけることができません。
そこで出会った蛇は、謎めいた言葉を発し、その猛毒で王子を天界に送り返すことができると暗にほのめかします。
小さな王子はその申し出を無視し、探検を続けます。
3枚の花弁を持つ花に話しかけ、一番高い山に登り、自分の声のこだまを会話と勘違いしてしまったりします。
王子様はバラ園を見つけ、驚きそして落ち込みますが、バラに「この種は自分自身だ」と言われるのです。


王子様はキツネと仲良くなり、大切なものは心にしか見えないこと、バラと離れていた時間がバラをより特別な存在にしてくれたこと、愛とは愛するものに対して責任を持つこと、を教えます。
たくさんのバラがあっても、自分のバラへの愛がそのバラを特別な存在にしていること、そしてそのバラに対する責任が自分にあることに、小さな王子は気づきます。
しかし、そのバラから遠く離れていることに寂しさを感じてやまないのです。
最後に王子様は、鉄道の交換手とセールスマンという二人の男性との出会いを描いて、物語を締めくくります。


砂漠で8日目を迎えた語り手は、王子の提案で井戸を探しに行くことになります。
その水は彼らの心と体を潤し、二人は至福の時を過ごします。
「人生において本当に大切なものが見えていない人が多すぎる」というのが二人の一致した意見でした。
しかし、小さな王子の心はバラに帰ること一色で、ヘビと一緒に自分の星に帰る計画を立て始めます。
王子様が地球に到着して1年目の前日、飛行機を修理することができた語り手は、友人と一緒に王子様が降り立った場所まで悲しげに歩いて行きます。
ヘビは王子に噛みつき、王子は音もなく砂の上に倒れます。


翌日、王子の遺体が見つからなかったことから、語り手は王子が小惑星に戻ったと確信し、安心を得ます。
また、星空からは友人の笑い声が聞こえるようになり、語り手は慰められるのです。
しかし、自分が描いた羊が王子のバラを食べたのではと悲しくなることもあります。
最後に語り手は、砂漠の風景を描いた絵を読者に見せ、もしこの辺りに来たら星の下でしばらく休んで、小さな王子さまが戻ってきたらすぐに語り手に知らせるようにと頼むのでした。



とてもイマジネーションに満ちていて、大人が読んでもつい引き込まれ、童心に帰って楽しめる読み物です。

英文も至って平易です。例えばこんな調子。


Once when I was six years old, I saw a magnificent picture in a book, called True Stories from Nature, about the primeval forest.
私が6歳の時、原始林を題材にした「自然からの実話」という本の中で、壮大な絵を見たことがあります。

 It was a picture of a boa constrictor in the act of swallowing an animal.
それは大蛇(ボアコンストリクター)が動物を飲み込んでいる絵でした。
 
Here is a copy of the drawing.
これがその絵を書き写したものです。




In the book it said: "Boa constrictors swallow their prey whole, without chewing it. 
その本にはこう書いてました。「大蛇は獲物を噛まずに丸呑みします。

After that they are not able to move, and they sleep through the six months that they need for digestion.
その後、彼らは動くことができなくなり、消化のために6ヶ月間寝ます。



いかがでしょうか。
英語の勉強と思わず、英文を親しむ感覚で読んでいけば、何度でも読める奥深さのある物語です。ぜひチャレンジしてみてください。

0 件のコメント:

コメントを投稿