2022年3月13日日曜日

自分の仕事をやる気にさせる方法

サムズアップ・アメリカ!
どうしてもやりたくないときに、自分を働かせるには




大きなプロジェクトを立ち上げるのは相応の覚悟とエネルギー、準備が必要です。
仕事上、難しい問題があると、つい避けたくて先延ばしにしたくなる心理が働いてしまいます。
学生なら嫌な宿題を後回しにして夜遅くまで葛藤が続く、なんてこともよくありますよね。
アメリカではこれを「先延ばし」= "procrastination” といって、誰もが抱える心の問題です。

これは、やらなきゃいけない、避けては通れないと分かっていても、気持ちがついていかない心理的葛藤です。

もし、本当はやりたくないことを、やらなければならないときにやらせることができたら、罪悪感やストレス、フラストレーションがどれだけ軽減されるか、想像できますか? 
もちろん、どれだけ幸せで、どれだけ効率的になれるかは言うまでもありません。


でもご存じでしょうか? いくつかの適切な戦略を使えば、物事を先延ばしにしないようにすることができるのです。 (どの戦略を使うかは、そもそもなぜ先延ばしにしているかによります。)



先延ばし理由1
何かを先延ばしにしているのは失敗するのが怖いから


解決策:「
予防重視を考慮する」


どんな仕事でも、2つの見方があります。 
今よりも良い結果を得るため、つまり達成感を得るために、何かをすることができます。
このプロジェクトを成功させれば上司に一目置かれる、定期的に運動すれば見違えるようになる、というように。
心理学者はこれを「昇進フォーカス」と呼んでいます。
研究によると、昇進フォーカスを持つと、利益を上げるという考えによってモチベーションが上がり、熱意が増し、楽観的になっていい仕事ができるようになるのだそうです。 
 
しかし、もしあなたがそのタスクで失敗することを重視しすぎると、良い見通しが立ちません。不安や疑念は昇進のモチベーションを低下させ、行動を起こす可能性を低くします。

必要なのは、疑念に蝕まれることなく、やるべきことを見極める方法。
理想を言えば、疑念を生かす方法です。 

リスクを懸念する予防的観測は必要です。しかし予防に重点を置くと、どうすればより良くなるかを考えるのではなく、今あるものにしがみつき、損失を避けるための方法として課題をとらえることができるようになります。 

 予防重視の人にとって、プロジェクトを成功させることは、上司に怒られたり、低く評価されたりしないための方法となってしまいます。 

予防のモチベーションは、実は、うまくいかないかもしれないという不安によって高まることが分かっています。 損をしないことに集中すると、危険から逃れるには即座に行動を起こすしかないことが明らかになっているのです。 

普段から昇進志向の強い方には、あまりピンとこないかもしれませんが、失敗することへの不安を払拭するには、何もしない場合の悲惨な結末を真剣に考えることほど、良い方法はないのではないでしょうか。 
こんな人は一度、自分を思いっきり脅かしてみてください。 ひどい気分にはなりますが、尻をひっぱたかれるような目覚めの効果はあります。






先延ばし理由2 
何かを先延ばしにしているのは「やる気」が起きないから


解決策:「
自分の感情を無視しよう」

朝目が覚めてもすぐに起き上がることができない人。大抵はその日の課題を思い浮かべ、憂鬱になってしまうからです。
何かを始めるのに、『やりたくなる』まで待つのは時間の無駄です。
こんな時はあれこれ考えるのをスパッとやめなければなりません。朝の人間の行動パターンは多かれ少なかれみんな同じです。布団から出て、トイレで歯を磨く、顔を洗う。髪をとく、用を足す。これらの一連のプロセスを、白紙の頭で、あたかもロボットのように自動化してみましょう。
まずはその日待ち受ける嫌なことを切り離し、日常の出発パターンをオートメーション化させるのです。
切り離しが難しい方は、音楽を活用してみてください。私はある時期、起床直後にヘッドフォンをつけ、スマホにダウンロードした好みの音楽をガンガンかけて自分を鼓舞しました。
体験から申し上げれば、好きな音楽はやる気につながります。 
私たちは皆、いつの間にか無意識で、やる気と効果を出すには行動を起こしたいと感じる必要があるという考えがちなのです。 
行動を起こしたいという気持ちが必要だと思い込むのです。 
これは100%ナンセンスです。確かに、あるレベルでは、自分のしていることに専念する必要があります。プロジェクトを完成させたいとか、もっと健康になりたいとか、1日のスタートを早くしたいとか。 しかし、「やりたい」と感じる必要はありません。
やる気を起こすスイッチは音楽だけではありません。知人の一人は、通勤電車の中で落語を聴きながらモチベーションを上げると言っていました。

多忙な芸術家や作家、イノベーターの多くは、どんなにやる気がなくても1日に一定時間労働をするというルーチンが出来上がっているので、いやでも自分を動かしてくれると言っているそうです。 
彼らは特に強い克己心があるのではありません。「やりたくない」などという弱気な感情を排除して仕事をしているだけなのです。余計な感情は足を引っ張るだけなのです。

だからあなたが、そんな気分じゃないからと何かを先延ばしにしているのなら、実はそんな気分は必要ないことを思い起こしてください。 実際あなたを止めるものは余計な妄想に過ぎないのです。





先延ばし理由3 
つらい、つまらない、など何かと理由をつけて先延ばす

解決策 :「if - thenプランを使う」


『if-then Planning(イフゼンプランニング)』は, ハイディ グラント ハルバーソン博士が提唱する目的達成のためのテクニックです。日本では『やり抜く人の9つの習慣』というタイトルで発行。

私たちはしばしば、この特別な問題を意志で解決しようとします。 
次回は、もっと早くから取り組むようにしよう。 
もちろん、実際にそのような意志の力があれば、そもそも先送りすることはないでしょう。 調査によると、人は日常的に自分の自制心を過大評価し、それに頼りすぎて窮地に陥っていることが分かっています。

自分の意志には限界があり、困難なこと、退屈なこと、その他最悪だと思うことを実行に移すには、必ずしも意志の力が及ばないかもしれないという事実を、受け入れてください。 

そのかわり、「もしも」の時のための計画を立てましょう。

if - then計画を立てることは、プロジェクトを完了するために必要な具体的なステップを決めるだけではありません。それはまた、あなたがどこで、いつそれを取ることを決定することです。

例えば、
「もし午後2時なら、今やっていることを中断して、クライアントから頼まれたレポートに取りかかる。」

「上司が会議で私の昇給要求について言及しなければ、会議が終わる前に再度その話を持ち出す。」


何をやるか、いつどこでやるかをあらかじめ正確に決めておくことで、いざというときに熟慮する必要がなくなります。 
 今やらなければならないのか、後回しでいいのか、それとも他のことをしたほうがいいのか。 
 熟慮したときこそ、厳しい選択をするための意志の力が必要になるのです。 
しかし、If-Thenプランでは、重要な瞬間のずっと前に正しい決断ができるようにすることで、意志の力の要求を劇的に減らすことができるのです。
実際、200を超える研究で、If-Thenプランニングは目標達成率と生産性を平均200~300%向上させることが示されています。


まとめ

「失敗したときのことを考える」「自分の感情を無視する」「綿密な計画を立てる」という3つの戦略は、「情熱を持て!」「ポジティブであれ!」といったアドバイスほど楽しいものではないと私は理解しています。 
しかし、この3つの戦略は、実際に効果的であるという実証が確立されたものばかりです。
これらの実践法はアメリカのビジネスクラスの講師などが採用することも多く、ハーバードビジネスレビューの著書「HBR Guide to Being More Productive」などにも詳しくそのことが述べられています。
まずは自分の性格を第三者的観点から分析し、マインドをリセットすることから始めてみましょう。






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