2022年6月13日月曜日

カメラ入門:被写界深度とは

サムズアップ・アメリカ!
理解できる被写界深度 vs 焦点深度




映画や写真の用語で、「焦点深度」ほど誤解されているものはありません。この用語は被写界深度と同じ意味で使われることが多いのですが、実はこの2つの概念は全く別の意味を持っています。
鮮明な画像を得たいなら、またカメラの操作技術をしっかり身につけたいなら、焦点深度を理解することは非常に重要です。では、焦点深度とは何でしょうか?また、被写界深度とはどう違うのでしょうか?



焦点深度の定義

この用語を理解するには、カメラの細かい技術的な側面を理解する必要があります。一見難しそうですが、ぶっちゃけピントが合っているかどうかが重要なのです。

カメラ事典などによると焦点深度の定義は、ざっとこういうことが書かれています。

「焦点深度とは、レンズとイメージセンサーの間にある、人間の目から見てピントが合っているように見えるスペースのこと。イメージセンサーがレンズから近すぎたり遠すぎたりすると、焦点深度の外になり、写真や映像がぼやけて見えることになる。」


そして写真学校や光学関連の授業でまず覚えさせられる公式があります。
これがカメラの焦点深度の公式です。

t=2Nc(v/f)

この式で、tは焦点深度、NはレンズのF値、cは錯乱円、vは像面距離、fはレンズの焦点距離です。

カメラのイメージセンサーは、光の波を取り込み、撮影する画像に変換する板です。
イメージセンサーは、カメラのレンズという光学機器の後ろにあり、撮影した光をセンサーに集光します。この2つのカメラの部品間の距離が、焦点深度に関係します。






焦点深度と被写界深度

ここまでは、焦点深度と被写界深度はほとんど同じように思えるかもしれません。
被写界深度と焦点深度はどう違うのでしょうか?
被写界深度も、画像内のピントの許容範囲のことではないのでしょうか?

焦点深度と被写界深度の決定的な違いは、前者はカメラのレンズの後ろにピントが合う範囲を指すことです。
被写界深度は、レンズの手前にあるピントの合う範囲を指します。



アマチュアカメラマンやシネマトグラファーは、被写界深度は知っていても、焦点深度を知らないことが多いのですが、これには理由があります。
被写界深度は、しばしば芸術的な目的で利用されます。浅い被写界深度は、フレーム内の非常に特定の領域に注意を向けさせ、深い被写界深度は、レンズから様々な距離で複数の被写体に焦点を合わせることができます。

一方、焦点深度は、クリエイティブな選択のために変更されることはほとんどありません。イメージセンサーが許容範囲外にあると、特定の被写体だけでなく、画像全体がぼやけてしまいます。

このような効果はあまり期待できませんが、もし期待できるのであれば、イメージセンサーを動かすのではなく、レンズのフォーカスリングや被写界深度を調整することで、フレーム全体をピンぼけ状態にすることができるのが普通です。





ではなぜ焦点深度が重要なのでしょうか?

前述の理由から、焦点深度は被写界深度よりわかりにくいいとこであり、カジュアルな写真家や撮影監督のほとんどは、それが何であるかを理解することなく、やり過ごすことができます。しかし、写真や映画撮影に真剣に取り組み、ハイエンドカメラを扱う人々にとっては、重要な概念です。

プロのカメラマンが焦点深度の計算式を使うのは、ジェルやUVフィルターをカメラに装着したり取り外したりするときが多いでしょう。
ジェルやフィルターは、レンズとカメラのイメージセンサーの間に置かれることが多いので、それらを付けたり外したりすることで、プレートとレンズの距離が変化します。
一般消費者向けのカメラでは、フィルターが内蔵されていたり、レンズの外側にフィルターが設置されていることが多いので、こうした計算をするのは、通常、高級機や古いカメラに限られます。

焦点深度は、問題になるまで忘れられがちな用語です。
これは撮影監督であってもしばしば、イメージセンサーが焦点の範囲外にあることに気づかず、フィルターを掃除したり、被写界深度の設定を調整したりして、首をかしげることがある話です。
ですから、この概念は撮影現場に入るときには忘れがちになりますが、心の隅には置いておいた方が良い知識なのです。





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