2022年6月28日火曜日

野鳥観察のピークです

サムズアップ・アメリカ!
初夏からのバードウォッチング




渡り鳥がこの地域に集まり、留鳥が繁殖の相手を探すため、鳥のさえずりと交尾のダンスが今まさに繰り広げられていたのがつい数週間前。
「4月の最終週から5月の最初の3週間は、野鳥観察のピークでした」と語るのは、環境保護局を退職した専門家で熱心なバーダー、スティーブ・スタン氏です。ご自宅のニューパルツの自宅が野鳥保護区に面していると言うラッキーなベテラン・バードウォッチャーです。
「そしてこれからは巣作りから子育ての初夏に突入します」とスタン氏はその醍醐味を語ります。

4月下旬は水鳥の移動が進んだ移動期でした。カナダガンやウッドダック、さらに「最も美しい水鳥で、おそらくもう少し北に巣を作るであろう」グリーンウイングティールダックがこの北米東部ハドソンバレーにやって来るそうなのです。

ウッドダックは湿地帯が好きで、腐った木や今まさに巣を作ろうとしているキツツキが作った空洞を見つけることができるのだそうです。
この季節、鴨の仲間はこぞってこのハドソン川沿いの飛来します。
「子ガモはとてもふわふわしているので、巣から押し出されて空中に浮かび、母親が水辺に連れて行くらしいね」とスタンは言います。「6月にはたくさんの雛が母ガモの後ろに固まっていることでしょう」。スタン氏がそう予言したまさにその通り、うちの近所の川辺にもたくさんの子連れ鴨一家を見かけました。




雛鳥は本当にふわふわで可愛いです!


さらにレッドウィング・ブラックバードやグラックルも、数週間前からこの地域にやってきており、湿地帯に縄張りを作り始めています。




クロヒヨドリ、シジュウカラ、ノーザンカーディナル、カロライナミソサザイなど冬の裏庭の鳥たちもまだここにいて、仲間を呼ぼうと歌ったり羽をはばたかせたりしています。



ハドソンバレーでは毎年この時期、キビタキ、ヤブサメ、ルイジアナミナミツグミ、シロハラなどの鳥がやってくるのを、愛鳥家たちは心待ちにしています。


野鳥観察の世界では、キビタキは背中が鮮やかな黄色をしていることから、「バターバットムシクイ」と呼ばれることが多い、とスタンは言います。聞きなれない呼び名ですが、この界隈のバードウォッチャーにはおなじみだそうです。

8000エーカーのモホンク保護区の生態研究者メーガン・ナポリ氏は、キビタキはツバメやミソサザイと並んで、この時期によく見られる渡り鳥であると説明しています。

最もカラフルな鳥は?と言うインタビューにスタン氏もナポリ氏も口を揃えてスカーレット・タナガーを挙げました。



それは中型の鳴禽類で、ずんぐりした体格に太くて丸い嘴を持ち、昆虫を捕らえたり果実を食べたりするのが得意だそうです。羽は燃えるような赤で、翼と尾は黒。メスのスカーレット・タナガーはクリームイエローで、翼はオリーブ色をしています。
広葉樹林の混交林で見られる、まばゆいばかりの鳥です。私も一度、雛を見かけましたが、それは本当に鮮やかなオレンジでした。
東部の林冠を高く飛ぶ、スモーキーな青空のような色彩の鳥、と言う例えを聞いたことがあります。オスの首にはセルリアン色の帯があり、脇腹には縞模様があります。メスは青緑色の薄暗い羽を持つのが特徴。とにかく麗しい野鳥なのです。

ナポリ氏によると、「この鳥はオークの森や急な斜面に生息している」そうです。「この界隈だとブレイクネック・リッジやストーム・キングのような、岩場や落葉樹林があり、さらに急な斜面に巣を作る場所で見ることができます」とスタン氏は言います。
我が家のすぐ近くにこんな美しい鳥が来るなんて驚きですが、その気になって山に入らないとなかなか見つけにくいとは思います。



飛来した渡り鳥は水辺や草原に集まる

ボルティモア・オリオール、ゴールドフィンチ、キツツキなどは、春の空高く舞い上がり、羽音を立てながらクレッシェンドし、飛行を止めて地面に滑降します。スタン氏によると「鼻で息をする」と表現するような音を立てて、劇的な求愛飛行を披露するらしいです。

ゴールデンフィンチ



またこの時期は、タカが移動し、グレートブルーヘロンがお気に入りの水域に戻り、小型のアオサギがそれに続いて移動する時期でもあります。
「岩ばった山肌をよく観察してみてください。ペレグリン、アカオノスリ、ハクトウワシなどがよく営巣していますよ」とスタンは言います。しかし現在、絶滅が危惧されるペレグリンの営巣地を乱さないよう、保護区内のさまざまな登山ルートやトレイルが閉鎖されています。バーディングへ行く際は、どこへ行けるのか、または行けないのかを事前にチェックする必要があります。
Blue Herons



土地開発などにより、昔よく見られた生息地でも年々渡り鳥の来訪は減っており、生息地の喪失は、これらのかわいい鳴禽類、水鳥、タカにとって最大の脅威となっています。
ナポリ氏は「どこでバードウォッチングをする場合でも、指定された道路やトレイルに沿って行動することが常に重要であり、営巣地をやたら探し回ることは控えてもらいたいと言います。「本来、鳥は草原、崖、木や低木に巣を作るので、ほとんどすべての野生の生息地で見られていたのです」と警鐘を鳴らします。


バーディングを始める人に、おすすめのアドバイス

スタン氏とナポリ氏は、コーネル鳥類学のウェブサイトwww.allaboutbirds.orgで、素人でもベテランでも、ほとんどすべての鳥類の形、大きさ、色、鳴き声、音、生息地について学ぶことができると勧めています。
ナポリ氏は「スマートフォン用のシブリーやマーリンの鳥類アプリを強くお勧めします」と述べ、保護区では年間を通じて野鳥観察プログラムを提供していることも紹介しています。 保護区のプログラムへの参加申し込みは、https://www.mohonkpreserve.org/events/。


この季節こそ野鳥観察のチャンスです。地元のバードウォッチャーたちは、1日のウォーキングで30種類ほどの鳥を数えることができるそうです。
可愛い野鳥に興味のある方は、ぜひハドソンバレーを訪ねてみてください。



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