2022年6月18日土曜日

写真をデザインに活かす

サムズアップ・アメリカ!
グラフィックデザインに活用できる写真とは





グラフィックデザインに写真を使うのは、プロでないクリエイターには難しいかもしれません。でも、この記事の方法を覚えれば、うまくいくはずです。


グラフィックデザイナーというと、コンピュータで図形やイラストを描いている人を思い浮かべます。しかし、グラフィックデザインは、絵を描いたりスケッチをしたりするだけではありません。

グラフィックデザインにおける写真の活用方法には、どのようなものがあるのでしょうか。
今回は、グラフィックデザインにおける写真の活用法をご紹介します。
これらの方法の多くは、試されテストされており、画期的ではないですが、デザインの世界では定番化したものです。

しかし、あなたがもし初めてこれらを試みるなら、仕事や趣味に新しい活路が開けるかもしれません。



グラフィックデザインにおける写真とは

グラフィックデザインにおける写真は、写真に込められた意図するメッセージをより明確化、あるいはストーリー化する事に役立ちます。

実際の人間、部屋、自然、テーブルなど、あなたのターゲットとするニッチなものであっても、現実の要素が含まれていれば、人々はビジュアルをより良く理解することができます。
メッセージ性だけでなく、あなたの作品に多様性とオリジナリティをもたらします。

ファッションやスポーツ関連の人気ブランドは、グラフィックデザインに写真を使うことを重要視しており、できる限り最先端のアート性を取り入れようとしています。
写真を正しく使うことで、時代を超えた印象的なデザインを生み出すことができるのです。

これらの方法は、写真家、グラフィックデザイナー、あるいはデザインの経験がない人でも、アイデアを生み出すことで、イメージをビジュアル化することができるのです。






● ストーリーを語る

ビジュアルストーリーテリングは、世界で最も有名な芸術の一つです。

一枚の写真は千の言葉に値するし、グラフィックで伝えればもっと価値がある。
このような写真の特技は、グラフィックデザインに使われることで初めて恩恵をもたらします。

そのストーリーをさらに伝えるために、あるいは別のストーリーを伝えるために、あるいはただスペースを埋めるために、グラフィックを作成することができるのです。

グラフィックデザインに使われる写真には、すべてストーリーが必要なのでしょうか。そうではありませんが、必要なものもあります。

ナイキは、ほぼすべてのプロモーショングラフィックにアスレチックストーリーテリングを使用しています。
それは、主に若者をターゲットにした、共通の目標を達成するための葛藤や努力を中心に展開されています。
そして、それはうまくいっています。彼らのマーケティングキャンペーンは、今日に至るまで彼らの成功の決定的な理由の1つとなっています。

まずはアイデアを練って簡単なシナリオを作り、写真の力を借りて、グラフィックでストーリーを伝えるよう工夫しましょう。ナイキのサイトでコンセプトアートをご参照ください。非常にいいお手本となります。



● ぼかした写真を背景にする
ーー
ぼかした写真はデザインに美的な魅力を与える場合があるーー

ぼかしは、神秘的で興味をそそるので、注意を引くのに手っ取り早い方法です。
グラフィックにテキストやロゴなどが含まれている場合でも、下にぼかした写真を配置することで、一般的なグラデーションや色のついた背景にはないオリジナリティを加えることができます。

ぼかした背景は、一般に、見る人に曖昧さを与えます。
特に、その背景が面白い写真であれば、その感覚はより高まるでしょう。
なぜ、写真とメッセージの関連性が必要なのでしょうか?
写真をぼかすことで、ほとんど見えなくなってしまうからです。
そのため、関連性はそれほど重要ではありません。
あなたが目指している雰囲気に合っていれば、ほとんどどんな画像でもぼかしの背景として使用することができます。

無意識のうちに、目は画像を解読しようとしますが、ぼかしのあるデザインだとそれを直接的に解釈することができません。まさにそれこそが狙いで、その曖昧な部分を見るものの想像力に委ねるのです。 -それは必然的に視聴者の注意を引くものとなります。

グラフィック自体に手を加えることなく、グラフィックに神秘性を与えることができるのです。これは、時間をかけずに写真をグラフィックデザインに使用する、手軽で効果的な方法と言えます。




● 画像によるコントラスト

グラフィックデザインの写真において、なぜコントラストが重要なのでしょうか。

コントラストは、画像に異なる次元を追加するのに役立ちます。
補色の配色はその逆で、画像を1つの次元にとどめることができます。
しかし、コントラストは、他の方法では表現できない特定のムードを伝えることができます。
写真は、グラフィックに印象的なコントラストを与えるために使用することができます。
色彩のコントラストだけでなく、次のような他の形態のコントラストもあります。


ハイコントラスト - 白い部分と暗い部分のコントラストを表現するために使用します。

テクスチャーコントラスト - 写真とは異なる質感を持たせて、被写体を強調するために使用します。

コンセプチュアルコントラスト - 論理的に相容れない被写体と背景を組み合わせることで、注目を集めるために使用されます。



アパレルブランドの明るいロゴと濃い色の服の写真を対比させることで、コントラストと色のコントラストを強くすることができます。

環境キャンペーンのバナーと、ゴミが散乱している写真との対比で、コンセプトの対比を表現できます。
対立や違いは、人間にとって自然な魅力であり、だからこそ、競争やスポーツなどを好むのです。

グラフィックデザインにおいて、写真を対比として使うことは、視覚的な差異をもたらし、見る人を惹きつけることができます。

写真がないと、どうしてもコントラストの強いグラフィックになりがちで、暗い印象になりがちです。
だからこそ、写真でコントラストをつけると、とてもセンス良くなるのです。
ただし、コントラストをつけ過ぎないように注意しましょう。







● 被写界深度による超臨場感の付与

グラフィックは一般的に平面的で2Dの表現ですが、必ずしもそうである必要はありません。
3Dグラフィックは、触ったり、クリックしたり、好感が持てるようなビジュアルになります。
写真では、画像に被写界深度を簡単に追加することができます。これを利用して、グラフィックデザインに立体感を持たせることができます。

(ソフトウエアで被写界深度を表現するのは、非常に手間がかかる作業です。一番有効なのはフルサイズ・カメラと明るいレンズの組み合わせですが、必ずしもなくてならない、というわけではありません)

また、プロの3Dグラフィックデザイナーでなければ、オリジナリティやクリエイティビティ、リアリズムの面でも限界があります。
そう、リアルな3Dモデリングは、3Dソフトとデザインを別々に理解する必要があり、まったく別のスキルなのです。

写真で解決できることなのに、なぜそんな面倒なことをするのでしょうか?
写真に被写界深度を持たせるには、ありきたりのカメラでけっこう。ただレンズの焦点距離と絞りを変えて、遠くのものを写すだけでいいんです。

被写界深度をグラフィックと組み合わせることで、デザインに空間性を持たせることができます。その空間は、本来、人間の目には3Dとして認識されます。
したがって、写真は被写界深度を広く、あるいは高くする必要があるのです。
グラフィックデザインでは3Dはあまり使われませんが、だからといって、この手法をとっておくのはもったいないです。
試してみて、うまくいったら、ぜひやってみてください。




● 商品写真で主張する

新しいブランド、企業、店舗は、見る人に売り込み感を与えないために、販促用グラフィックに製品を使うことに抵抗を感じるかもしれません。
でも商品写真は、賢く使えば、グラフィックデザインにおいて大胆な主張をすることができます。
もし、iPhoneのプロモーショングラフィックに、実際の電話機そのものではなく、イラストや色彩が多く使われていたら、iPhoneは人気を博したのでしょうか。
目的は、製品そのものの宣伝である必要はありません。
商品写真の編集によって、イメージにエスプリを効かせるためだけのアイテムでもいいのです。

例えば、本を売るためのビジュアルデザインであれば、本の写真の隅にヘッドホンを置いてみる。これにはいろいろな意味が込められています。
まず、この本は音楽を聴きながら読むことができるということ。次に、オーディオブック版があるのかもしれません。

いずれにせよ、このシンプルなプロダクトを画像に加えることは、ステートメントを作るのに役立ちます。
このステートメントは、解釈の余地があるものであっても、直接的なメッセージであっても、マーケティング戦略に合ったものであれば、どちらでもかまいません。






● 時には対比ではなく補完を

先の話とは逆に、写真は必ずしもグラフィックと対立する必要はありません。

補完的なグラフィックは、高級料理と同じで、適度に楽しむのが一番です。
補色は手抜きに感じられがちですが、そこは注意が必要です。

写真は、グラフィックがそれなりにデザインされていれば、ギミックを感じさせずに記事を引き立てることができます。
例えば、丘陵地のリゾートを紹介するのであれば、コントラストの強い配色を用いるのは適切ではないかもしれません。

安全で家庭的なグラフィックには、好奇心をそそるのではなく、心地よさを感じさせる必要があるのです。
そこで、丘や湖の写真を使い、補色を使ったグラフィックが効果的です。
しかし、スポーツウェアのグラフィックのように、補色を使うのは趣旨に反する状況も生じるかもしれません。そのような場合は、対比に着目しながら、改めて補色の働きが適しているかどうかを確認してください。中心となる商品を活かす配色は必ず隠れて存在します。それを見つけるのが、デザイナーのセンスと腕の見せ所です。


* 補色とは何か?

補色とは何かを正確に理解するためには、それぞれの色がカラーホイールのどこに配置されているかを考える必要があります。
補色は、互いに反対側にある色です。
例えば、赤の補色は緑です。補色は、それぞれの色を明るく見せるために一緒に使ったり、影の効果を出すために混ぜ合わせたりすることができます。
また、混ぜてニュートラルな色合いにすることもできます。


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