写真スタジオの始め方 その２

サムズアップ・アメリカ！

自分に合ったスタジオ環境を考えよう

写真スタジオに最適な写真機器と機材

最近では、スマートフォンで素晴らしい品質の写真を撮影することができます。しかし、写真スタジオを経営するのであれば、クライアントの写真撮影のために投資する必要がある必需品があります。

ここでは、基本的なカメラ機材とアクセサリー、そして写真撮影の種類に応じて必要な追加アイテムをご紹介します。

プロのフォトグラファーが自分の道具箱に入れておく必要があるもの、カメラに加えて、ビジネスの成長に合わせて追加で購入するものがあります。

それらは皆、プロフェッショナルな仕事に不可欠なアイテムです。例えば複数のカメラ、バッテリー、メモリカードを持っている必要があります。

写真撮影中にカメラの電源が切れるのはいつでも嫌なものですが、ポートレート写真のセッションのためにお金を払って写真スタジオに来るお客さんがいる場合、カメラ用の予備のバッテリーが見つからなかったり、SDカードの容量が予想外に不足していたりすると、非常にプロらしくない印象を与えます。


絶対に必要というわけではありませんが、撮影時にカメラにテザリングできるコンピューターが手元にあれば、長い目で見ればあらゆる時間を節約できます。

デジタル一眼レフカメラの小さな画面に頼らず、ライティングや構図を瞬時に大きな画面で確認できるのです。商品撮影の撮り直しや、自分では気づかなかった問題点の編集に余計な時間を費やすこともなくなります。

また、ポストプロダクションのために信頼できる写真編集ソフトウェアに投資する必要があります。有料・無料を問わず、様々なソフトがありますので、事前に調べて、ソフトの機能を理解しておきましょう。 

写真スタジオは、多くの電力を必要とするので、おそらくいくつかの延長コードと電源バーが必要になります。バッテリー駆動でない照明は、ノートパソコンやカメラのバッテリーチャージャーに加えて、プラグが必要になります。

フォトスタジオに大きな窓があれば、自然光は素晴らしいものですが、天候に左右されることもあります。自然光だけを利用すると日中のみの作業に限定されます。ここでは、写真スタジオにある一般的な照明の種類と、その用途について説明します。

LEDランプ

LEDランプは、連続した光源を提供し、構図を均一に照らすことができます。様々な色のフィルターでカスタマイズでき、クローズアップ撮影に有効です。


スピードライト

フラッシュ撮影に使用し、被写体に強い影をつけることができます。他の照明器具に比べ、比較的小型・軽量で安価なため、これから始める方にもおすすめです。ただし、撮影目的によっては、十分な明るさが得られない場合があります。


スタジオフラッシュ
フラッシュ撮影に使用する、より強力なライトです。スピードライトに比べると高価で、重量もあり、頑丈なライトスタンドが必要です。スピードライトよりも高価で重いため、頑丈なライトスタンドが必要です。


ビューティーディッシュ
ポートレート撮影を多く計画している場合、ビューティーディッシュは、ヘアメイク業界のビューティー撮影用に設計されています。

アンブレラとソフトボックスの中間のような柔らかさがあり、被写体の目元を強く照らすことができます。ただし、ビューティーディッシュは細かい部分まで光を拾うので、肌の凹凸が目立ちますので、扱うタイミングには注意が必要です。

ライトのほかに、フォトスタジオを成功させるために必ず必要なのがライトモディファイアーです。

スポットライトのように光源が直接被写体に向かないように光を拡散させ、よりニュートラルで均一なライティングを実現するために使用します。

一般的に、大きなライトモディファイヤーは、よりソフトな(したがって弱い)ライト効果をもたらします。写真スタジオに必要な標準的なライトモディファイアをいくつか紹介します。


リフレクター
光源からの光を被写体に反射させ、均等に拡散した光を得ることができます。


アンブレラ
ライティングアンブレラは、半透明の反射材でできており、ソフトで安定した照明を作り出すのに役立ちます。ライティングアンブレラは、最も安価なライトモディファイアです。ポートレート写真に便利ですが、光のこぼれ具合はあまりコントロールできません。


ソフトボックスとオクタボックス
より小さな面積に光を広げることで、背景を照らさずにモデルを照らすために使用されるものです。アンブレラよりもソフトなライティングが可能で、光をよりコントロールできる分、値段は高めです。


スクリム
スクリムは、光を分散させる平らな反射スクリーンで、持ち運び可能なオプションです。


ジェル
他のライトモディファイヤーは、スタンドで被写体の周りに配置したり、スタジオアシスタントが保持する必要がありますが、ジェルは安価で、光源に直接貼り付けることができます。半透明でさまざまな色や形があり、さまざまな光の効果を演出することができます。

ジェルを使ったディレクショナル・ライティングを使えば、背景などの一面の色を変えるだけで、他の写真に影響を与えることなく撮影することができます。


フラッグ
旗（フラッグ）は、レフ板と逆の働きをします。黒いものであれば何でも旗のように使うことができ、光を遮断してフォトスタジオ内で光が移動するのを防ぎます。レフ板はどういった撮影目的かで使い分け、一般的に片側が黒仕様のものが用意されています。

自分の写真スタジオを運営し始めたばかりの頃は、さまざまな種類のライトやライトモディファイアーのすべてに全予算をつぎ込む必要は全くありません。

ただし最初はマニュアルスピードライト1～3台から始め、使用するライトごとにライトスタンドが必要であることを忘れないでください。

重いライトにはより頑丈なライトスタンドが必要であり、ここは手を抜かず信頼性の高い機材を選びましょう。

また、撮影時にライトスタンドが倒れないように固定するための土嚢（あるいはそれの代わる重し）も用意しておきましょう。

背景設定

もう一つ重要で考慮しなければいけない項目は、背景です。

あなたが幸運なら、多分あなたの写真スタジオは、中立的な背景として使用することができる白い壁でしょう。しかし、もし別の色であるならば、白い背景を用意しなければなりません。

スタジオスペースの構成と配色に配慮することは大事です。

ときに、そのスペースを素早く設定変更する必要も生じるので、特に小さなフォトスタジオでは汎用性を配慮して設定します。

背景には、紙、布、ビニールなどがあり、それぞれに様々なオプションがあるので、あらゆる異なる状況に合わせて、写真スタジオを完全にパーソナライズすることを考慮しましょう。なお紙の背景は、一般的に最も安価なオプションです。

写真スタジオでは、撮影機材に加えて、家具や小道具を揃える必要があります。

どのような写真を撮るのかによって必要なものは異なりますが、どの写真館にも少なくとも、どんなタイプのポートレート写真にも使える簡単な椅子やスツールは必要です。できればゆったり座れるファーニチャーも用意したいものです。

家族写真や新生児写真なら、ソファ、肌触りの良い毛布や枕、小さな子供用のおもちゃやコスチューム・アクセサリーといったものに投資する必要があるかもしれません。

静物撮影の場合は、照り返しの少ない材質のテーブルやカウンター、静物の構図を決めるための様々な小道具が必要です。また、クライアントから提供された商品を撮影する場合でも、商品撮影のための個別のアイテムが必要となってきます。

料理写真なら、大きなダイニングテーブルと椅子、そしてテーブルセッティングが必要です。また、料理本やレシピの調理風景を撮影する場合は、機能的なキッチンが必要です。 

明るい照明で撮影する場合は、スタジオの温度が上がりやすいので、扇風機で温度調節をすると、撮影者も被写体も快適に過ごせます。また、扇風機を使えば、ポートレート写真に動きをつけることもできます。
欲張ってなんでも取り揃えることは得策ではありません。（とくにビギナーは）
カメラ、照明、照明器具、そしてシンプルな家具など、必要なものだけを揃えましょう。

最初のクライアントを取得する方法

さて、ここまでであなたのビジネスをセットアップ、準備ができているとしましょう。

ここからは、大切なクライアントを見つけることにあなたの注意を向けることになります。

様々な方法がありますが、ここでは最も効果的な顧客開拓の方法と、あなたのフォトスタジオが顧客に適していると納得してもらう方法を紹介します。

あなたが自分の写真スタジオを開くことを追求したいと決めたらすぐに、あなたのInstagramのプロフィールを設定することをおすすめします。

あなたの連絡先が簡単に見つかるようにし、あなたの写真館が提供するものは何か、誰のためのものなのか、そしてどのようなサービスがあり、予約するための連絡法を明確に説明します。

写真を投稿し続け、地域特有のハッシュタグを使用することで、地元の顧客があなたを見つけることができるようにします。ソーシャルメディアはあなたの新しいビジネスを有効に宣伝するための最適且つ基本に抑えるべきプラットフォームです。

次にホームページの作成です。デビューしたてでも結構です。プロのカメラマンとしての自己アピールの場として、新たにフォトスタジオ用のウェブサイトを開設します。あなた自身の魅力的な写真を厳選し、どんな仕事ができるのかを明確に伝える必要があります。

クライアントを見つけるのに苦労していたり、自分のサービスを売り込むのに十分な作品例を持っていない場合は、早めにポートフォリオを充実させることを考えましょう。

収益性の高い写真スタジオを運営する方法

写真スタジオのビジネスを立ち上げ、クライアントを獲得する方法を理解できたら、あなたはビジネスを成功させるための第一歩が完了です。

しかし、そこから収益性の高い写真スタジオにすることは、新しい潜在的な顧客や協力者があなたを見つけることができるように、あなたに必要なマーケティングを考えなくてはいけません。実際はここからが勝負で、あなたのアイデアと工夫がものを言うステップになります。

ここでは、フォトスタジオのマーケティングに関して留意すべき点をいくつか紹介します。

先述の項目と重複しますが、あなたのビジネスが成長するにつれて、あなたが写真家として認知されるよう、よりプロフェッショナルなWebサイトのポートフォリオを持つ必要があります。

仕事が優先で、サイト作りに時間を割けない場合は、外注してでも最高のコマーシャルサイトを作成してください。

さらなる展開

スタジオに留まっているだけではありません。ニッチな分野によっては、イベントや展示会に参加し、あなたのr得意分野の写真を展示することも視野に入れてください。使えるものはなんでも使うのです。

写真撮影を提供するだけでなく、オンラインでプリントを販売したり、ストックイメージサイトで写真を販売し、ユーザーがあなたの写真をダウンロードするたびに少額の支払いが発生するようにすることも可能です。

自分の写真スタジオを作り、運営するには多くの要素がありますが、すぐにすべてを完璧にしようとストレスを感じる必要はありません。

あなたのスキルと知識（そして収入）が増えるにつれて、何が必要かをよりよく理解できるようになります。

あなたの経験レベルに合わない余分なものにお金をつぎ込むのではなく、賢く投資することができるようになるはずです。

慌てず騒がず、コツコツと実績を重ねれば、必ず結果のついてきます。途中で諦めることのないように、初めの土台作りを着実の進めて、あなたの夢を叶えてください。

ご健闘をお祈りします。