2022年6月16日木曜日

写真は絶対RAWで撮るべきか?

サムズアップ・アメリカ!
RAWとJPEGの長所と短所




RAW形式とJPEG形式で写真を撮ることのメリットとデメリットの概要と、それぞれがより有効である場合についてご紹介します。


RAWで撮影するかJPEGで撮影するかで迷っていませんか?


プロを目指すフォトグラファーのほとんどがそうです! 
どちらにも利点と欠点がありますが、主な違いは単純です。
RAWで撮影すると、コンピュータ上で画像を編集するための時間と特別なソフトウェアが必要になりますが、最終的な画像の見え方をクリエイティブにコントロールすることが可能です。
RAW画像を編集するソフトウェアや時間がない、またはとにかく画像を編集しないのであれば、JPEGを撮影したほうがよいでしょう。
JPEGで撮影すると利便性が増しますが、画像を編集できる範囲が限定されます。

RAWで撮影すると、1枚1枚が非圧縮の大きなファイルとしてカメラから取り出されます。RAWで撮影すると、画像は圧縮されていない大きなデータとしてカメラから取り出されます。RAWファイルを閲覧・編集するには、パソコンで処理する必要があります。
RAWで撮った写真をパソコンで編集するわけですから、それなりの高性能なパソコンが必要となります。一概には言えませんが、低スペックのパソコンではRAWファイルは重すぎるので、編集ソフトが動きません。
写真編集を楽しみたくていいカメラを買ったのに、さらにパソコンの出費が必要となると、二の足を踏む方も多いでしょう。

JPEGで撮影すると、画像は小さな圧縮データとしてカメラから取り出されます。JPEGで撮影した画像は、色や露出などの情報がすでにカメラに記録されており、後処理で元に戻すことはできません。
JPEGは基本的に、カメラで撮ったままの方がきれいで、パソコンがなくても見ることができ、ファイルサイズも小さいのですぐに投稿できますが、RAWほど編集はできません。
でも全然手をつけられないのかというと、そうではありません。RAWより許容範囲はかなり狭いものの、全体の明るさや色調を変えることは可能です。





RAWとJPEGの選び方

RAW形式で撮影するか、JPEG形式で撮影するかを決めるには、次のように自問自答してください。最終的な画像と利便性、どちらを重視しますか?

より良い画質、よりクリエイティブなコントロールが必要で、それらを得るためにコンピュータ上でもう少し時間をかけても構わないのであれば、RAWで撮影することをお勧めします。

もしあなたが便利さとスピードを求め、画像の調整を多少犠牲にしてもいいと思うなら、JPEGで撮影すべきです。



なぜプロの写真家はRAWで撮影するのか?

RAWで撮影すると、ファイルサイズが大きくても、スピードが遅くても、コンピュータでの後処理が必要でも、それぞれの画像に対して無制限のクリエイティブなコントロールが可能になります。
RAW画像という真っ白なキャンバスから始めることで、JPEG画像から始めるよりも多くの編集オプションが得られます。

RAWで撮影すると、カメラはセンサーからのすべてのRAWデータを1つのファイルに記録します。絞りやISO、シャッタースピードなどの設定はカメラ側で行いますが、その情報はファイル自体には残りません。その代わり、この情報はサイドカーとしてファイルに付加されます。

カメラで撮影したRAWファイルを編集ソフトで読み込むと、サイドカーの情報は残っていますが、画像には直接適用されていません。
ホワイトバランス、露出、明るさ、コントラスト、色、ノイズリダクション、シャープネス、ハイライト、シャドーなど、RAWファイルの編集項目は無限に広がります。
パソコンに向かいながら、あらゆる美的センスを磨くことができるのです。

ただし、RAWファイルを表示および編集するための特別なソフトウェアと、ハードディスクに多くの記憶容量が必要です。パソコンは少なくとも2テラバイト以上の容量のハードディスクをお勧めします。(もちろんクラウドを使う手もありますが)

JPEGを撮影する場合、カメラは選択した設定をファイル自体に反映させます。
そのため、カメラからJPEGを取り出したときには、すでに何らかの処理が施されています。つまり、カメラから取り出したJPEGは、カメラ内で既に編集されているため、RAWファイルよりも見栄えが良くなる可能性が高いのです。
JPEGで撮影すると、コンピュータでの編集が不要になり、ファイルサイズが小さくなりますが、その分、最終的な画像に対するクリエイティブなコントロールはかなり制限されます。しかし、反面、写真の仕上がりの自由度は低くなります。

(*なお、RAWファイルをJPEGに変換することはできますが、JPEGをRAWファイルに変換することはできません。)



RAW形式で撮影するタイミング

照明、色、明るさ、コントラスト、影、ハイライト、露出が画像の中で最も重要な部分である場合、RAWで撮影することをお勧めします。夕焼け、朝焼け、風景、ドラマチックでムーディーなポートレートなどです。

例えば、目の前に美しい夕日と海辺に浮かぶヨットがあるとします。
太陽は海の彼方に傾き、空は鮮やかなオレンジ色に染まり、手前から沖合に雲の群れが漂っているとします。
空は明るくカラフルなのに、手前の景色は刻々と暗くなり、ディテールが失われていく。ダイナミックレンジの広いこのシーンは、RAW形式とJPEG形式を同時に試し、その違いを確認するのに適しています。


加工前のRAWはこんな感じ


完成ではありませんが、このように少し手を加えると劇的に変わることも


JPEGで撮影する場合、空の露出を決めて数フレーム撮影し、次に山の露出を決めて数フレーム撮影し、その間に露出を変えて数枚撮影する可能性があります。
今度はRAWで撮影し、同じように露出を変えて何枚か撮影します。帰宅後、すべての画像をパソコンにアップロードします。

JPEG画像の方は、色や光、空と山のコントラストなど、すでにカメラ内で最適化処理されたもので、本質を捉えた画像とは言えません。
再現性に限度があり、編集ソフトで露出や明るさ、彩度などをいじってみても、どの画像もその場の雰囲気をうまく表現できません。
また、無理にパラメーターをいじるとJPEGの画質が落ちたり破綻したりしてしまうので、無理な編集はできません。

では、RAW画像はどうでしょう。初めてRAWで撮った写真を見るとがっかりする方がいます。
JPEGに比べて彩度が低く、少しぼやけた印象ですが、編集を始めると、まるで手品のような出来事が起こります。
よりニュートラルな画像からスタートするので、暗い山のディテールを失うことなく、空のハイライトを引き立たせることができるのです。
色合いやシャープネス、ノイズリダクション、明るさなどを、画質を落とさずに調整することができます。
気に入った編集ができるまでいろいろ試して、JPEGで書き出して、JPEGで撮影した画像と比較します。JPEGで撮影した画像は、それなりに見えるけれども、魔法にかかったような美しさはないでしょう。RAWで撮影した画像は、編集に時間がかかりますが、夕日を狙った通りに表現できています。


それでもJPEGで撮影したい場合

JPEGで撮影するのは、時間が限られているときや、照明が均一で、ハイライトとシャドーの少ないときが最適です。
例えば、数時間後に公開される会社のウェブサイト用にポートレートを撮影する場合を想定しましょう。
画像はサイト上に小さく表示されるので、被写体はとにかくはっきり写っていればいいのです。背景はクリーム色で、被写体のライティングはローダイナミックレンジで安定させます。
JPEGで数枚、RAWで数枚撮影し、急いでパソコンに戻り、後処理をします。
JPEGはそのままで十分なので、あまり編集する必要はないでしょう。
RAW画像で色調補正をすると、結果的にRAW画像もJPEG画像と同じような仕上がりになります。もちろん自分好みのメリハリはつけられます。
この場合、RAWで撮影するメリットは、ハイダイナミックレンジ、より多くの色、撮影ミスの修正、クリエイティブコントロールなどですが、いかんせん時間がかかります。限られた時間ではRAWの方が手間暇がかかってしまいますね。
最終画像の顕著な違いにはつながらないはずですので、時間との勝負の場合は、RAWよりもJPEGで撮影する方が断然有利と言えるのではないでしょうか。


プロのフォトグラファーは、ほとんどの場合、JPEGよりもRAWで撮影しますが、RAW撮影のクリエイティブなコントロールよりも、JPEG撮影の利便性の方が重要な場合もあるかもしれません。
プロがやっているからといって、頭ごなしにRAWにこだわる必要はありません。
用途や目的に応じて使い開ける人も多くいるので、そこはあなたの判断次第です。
RAW原理主義のように盲目的に一本化するより、ご自分が写真をどうしたいかによって判断することをお勧めします。
いずれにせよ、編集ソフトが使えるのであれば、さまざまな場面でRAWとJPEGの撮影を試して、両方の性能と限界を確認する価値はあります。



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