2023年1月4日水曜日

2023年のカメラ業界展望

サムズアップ・アメリカ!
今年のカメラ業界を予測する





本記事は、2023年、カメラメーカー各社の次なる展開についてです。


フジフイルム

まずはいきなりですが「XPRO-4が出る」と予想しています! 
XPRO-1、2、3はすでに出ているので、これからもこの数字が伝統的に積み重ねられるだろうというのが私の希望的観測です。フジフィルムファンならみんなそう期待しているのではないでしょうか? そしてそんなファンの期待に応えてくれるのがフジフィルム。とても楽しみです。

また、中判という大きなセンサーを持つカメラは写真専用機として使われる可能性があり、ハイブリッド型ではなく、今後写真とビデオのラインアップに分ける展開も考えられます。
そうすることは、莫大な資金や大規模な製品チームを持っていないこの会社にとって理にかなっています。
本来写真とビデオ撮影は完全に互換性があるわけではないと思うので、そのようなアプローチを期待しています。
私見ですが、写真とビデオ撮影の大きな違いは、やはり解像度でしょう。
ビデオでは色味とダイナミックレンジが重要です。写真でももちろんそのようなことに気を配りますが、質感やレンズのレンダリング方法の詳細にもかなりのこだわりが必要です。

映像はストーリー、写真は瞬間を伝えることができますが、そのほとんどは画像の使い分けを必要とします。スチルカメラの進化の中で、動画もキレイに撮れるようになったのは歓迎すべきことですが、カメラメーカーに課せられた重圧は大きくなりました。
素晴らしい写真、動画はともに私たちを引きつけながら、更なる進化を求めていくこととなります。


Nikon

ニコンに関してはあのZ9の大成功にも関わらず、今年も絶ちがたい不安がつきまといます。
カメラのアップデートを絶え間なく続けるニコンの律儀さは好きだし、事実今年もさらなるアップデートが見られるでしょう。
今後Z5 II、Z6 III、Z7 IIIのアップデートを提供することで、ニコンは改善を続けることを期待しています。(誠実なメーカーなので今のところ着実にアップデートしていいます。次のアップデートも期待してますよ)
にも関わらず、(申し訳ありませんが)私はある日突然ニコンが潰れる悪夢も否定できません。
ニコンには製造メーカーとしての様々な不安材料があります。まず、昨年あたりからすべてのプロレベルDSLRを含むDSLRラインナップのほとんどを減産しています。(あの素晴らしい資産をどう扱うのですか?)
次に、かつてニコンは企業として消費者向け写真にあまり力を入れないようにしたい、とのコメントをしています。
ニコンがカメラ市場から完全に撤退することはないでしょうが、メーカーがこのような言葉を口にしたという事実は衝撃的です。
ニコンは大規模で多角的なビジネスを行っているので、おそらく、多くの人が知っているカメラ会社でありながら、他の収益源を追求する余地があるのでしょう。





Canon

キヤノンはRFのラインアップにあまり穴がありません。ほとんどすべての価格帯のカメラを持っています。
もちろん、デジタル一眼レフカメラのラインナップも充実していますし、ミラーレスのラインアップも成熟しています。
R10、RP、R7、R、R6 mk II、R5、R3がすでに発売されていますが、次はどうなるのでしょうか?
多くのファンは、1シリーズのカメラが欠落していることに気づかれるでしょう。
では、R1カメラはいつ出てくるのでしょうか。

まず、このカメラがどのようなものであるかについて予測しましょう。
R3とどのように差別化するかがポイントです。
R3は撮影速度が非常に速い素晴らしいカメラですが、いくつかの弱点があります。
まず、R3は電子シャッターモードでの読み出し速度が遅すぎること。
次に、R3の解像度はトリミングするには低すぎる2000万代の画素ということ。
フラッグシップ機にはこれらを克服したオールラウンド性能が要求されます。またニコンのZ1との差別化という課題もあります。
技術的には可能でしょうが、コスト面、他メーカーとの兼ね合いも含めて年内はせいぜい制作発表ぐらいに止まるのではないでしょうか。(でも僅かにサプライズの匂いもしていますが)

キヤノンのレンズについては、常に噂が飛び交っています。 キヤノンの24-105mm F4 Lレンズは堅実な手応えでしたが、基本的に同じものを3つ作っており、何か違うことをするのは、キヤノンが向かうべき自然な方向だと思うのですが。

それに加えて、35mm F1.2プライムの噂はもう何年も前から流れています。
2023年にはキヤノンのF1.2ラインアップに新たなレンズが加わることになると思います。
35mm f/1.2, 50 f/1.2, 85 f/1.2 は、シビアなレンズ通のためのトップエンドレンズで、実現すればキヤノンの優位性は再び際立ってくることでしょう。 



SONY

今年もSONYの躍進は止まらないでしょう。
なんと言ってもフルサイズミラーレスへの取り組み方が、他社を圧倒しています。
強みの秘訣は隙のないラインアップ。
a7シリーズにはいい間隔で更新される普及機、高画素機、高感度機が足並みを揃えており、それに加えて、a1、 a9などのプロ志向の高機能機が充実しています。しかもいずれもSONYお得意の動画性能の良さが好評で、動画世代からもますます注目が集まっています。

その始まりはa7 IIというのが私の見解。ソニーがミラーレスのライバルになり得ることを多くの人に示した人気のカメラでした。
このカメラの成功に続いて、膨大な数のカメラがリリースされました。
そして今、ソニーはプロシューマー向けカメラの大きなラインナップを揃えています。
ただ2023年は、ソニーファンにとって久しぶりのややスローダウンする年になるかもしれません。
a9 IIのアップデートを口にする識者もいます。でも私はそれが実現するとは思っていません。私見ですがa9シリーズはちょっと時代遅れになりつつあります。
売上において、去年キヤノンはエントリーレベルからトップレベルまで、少なくとも4種類のカメラでa9の座を脅かしました。
実際、a9の高いバーストスピードは、当初は他と一線を画していましたが、2022年、競合他社に肩を並べられ、追い越された感は否めません。
ソニーはa9をもっと良くすることはできますが、ソニーのラインナップの頂点に位置するa1の足跡と被ることになりかねませんし。
仮にa9 IIが4,500ドルで、a1のセンサーを搭載していないa9 IIIを想像するのは難しいでしょう? a9 IIIの課題は、a1の下に位置しながら、キヤノンのR6 mk IIとR5を打ち負かす方法を見つけなければならない、ということです。
それともa1はキャンセルされて、a9 IIIはソニーのラインナップの最上位にふさわしい場所になるのでしょうか?動向が気になるところです。






ライカ

ライカがこの時点で何か新しいことをするのは、無理があるように思えます。
彼らは良いセンサーを搭載した良質のカメラをいくつか持っていますが、次にどこに行けるかを言うのは難しいです。
ライカのやり方は、シンプルなカメラで素晴らしい画質を実現することであり、彼らはそれを着実に達成しています。
ライカの撮影者の多くは、ライカ流がオールドスクールであることを知ってか知らずか、オールドスクールな人たちです。
あのライカのプライムとマニュアルフォーカスが全てなのです。イマドキの余計な付加価値など誰も期待していません。
しかし、少なくとも1台のライカカメラが更新され、筋金入りのライカファンのために様々なライカの新しいコレクターズエディションが市場に出回ることは間違いないでしょう。現時点、どんな機種かは明言を避けておきましょう。



パナソニック

パナソニックは、キヤノンがS1Hから王座を奪うことに満足したままなのでしょうか?
S1Hが4,000ドルで買える最もプロフェッショナルなビデオカメラとしてしばしば引用されたのは、それほど昔のことではありません。確かに動画にはいいカメラです。
しかし、キヤノンがR5とR5Cを発表すると、S1Hは少し霞んでで見られるようになりました。S1Hは堅実なカメラであり続ける一方で、おそらくアップグレードが必要でしょうが、パナソニックが悩むとは思えません。
一つは、パナソニックが2022年初めにGH6のアップデートをリリースしたとき、多くのカメラファンは圧倒されました。マイクロフォーサーズもここまでできる! 
これまでもそうでしたが、GH6以後、おそらくパナソニックはより動画に注力した絵作りのカメラを作っていくことでしょう。個人的にはもっと軽量小型で、G100を改良した普及型Vlog機を出し続けて欲しいです。
極端な話、パナソニックがフルサイズでマウントを取ることを諦めた場合、私はS1Hの後継機は出ないだろうと予想しています。

とはいえ、パナソニックがシネマレンズをLマウントに持ち込もうとするという噂があることも知っています。
キヤノンのEFレンズは十分に良いので、シネマ界は多くのシネマカメラに標準としてEFマウントを採用した。Lマウントは同じことを成し遂げたいが、ハリウッドでEFマウントが受け入れられたのは、シネマレンズではなく、通常の映画用ラインナップであった。




OM System

OMシステムは昨年フラッグシップ機OM-1を出し、二番手のOM-5も出したので、ちょっと一休みしたいところでしょう。しかしマイクロフォーサーズというフォーマットの立場は2023年ますます微妙なものとなりつつあります。
一つには小型軽量の利点が失われているということ。キャノンやフジフィルムのAPS-C機と大差ないボディとレンズでは、画質においての優位性は見出せません。
画素数も2000万で頭打ちの現状、目指すべきは機動性とVlog分野での携帯性ではないでしょうか。オリンパス時代の動画性能も決して遅れを取るものではありませんでしたが、競争が激化するこの分野では、さらなる進化が求められます。
個人的にはオリンパスPENを土台にした超小型のVLogカムの登場ですが、今のところそのような兆しはありません。
加えてOM-1も発売当時こそ脚光を浴びましたが、ライバル機と目される他社APS-C機の台頭で、今年早くもその座は微妙になってくるでしょう。
新しいメーカーなのですから、レンズでもなんでも、とにかく先進的なものを期待したくなります。



まとめ

2023年のカメラ市場には、良い展望と悪い展望があります。
キヤノンは多様な製品を提供し続け、ソニーも同じことをしようとすると予想されます。
ニコンは、既存機種のうち1~2機種で自社を牽引できればいい方でしょう。それ以外のメーカーは気の抜けない一年となるでしょう。
スマホカメラがハイエンドからローエンドまで高性能化すれば、カメラメーカーの生き残りはますます難しくなります。
カメラの光学的な優位は変わりませんが、電子的な処理技術にはまだまだ発展の余地がありますので、遠からず豆粒センサーでもキレイに撮れる驚くような技術開発が進み、カメラ業界再編性の動きもさらに加速されることが予想されます。
願わくば、どのメーカーであれ、ガジェットとしての所有欲を満たしてくれるような、永く愛せる素敵なカメラを作っていただきたいものです。



0 件のコメント:

コメントを投稿