2022年8月5日金曜日

最高のポートレートレンズ

サムズアップ・アメリカ!
ビギナーのポートレート用レンズ選び




自分で気に入ったカメラを買ったその次は、早速それに見合ったレンズが欲しくなります。とりわけポートレートに最適なレンズはどれかということになると、色々悩まれる方は多いことでしょう。間違ったレンズを買ってしまってそれを使うくらいなら、実は写真を撮らない方がいい場合もあるのです。
しかしまあ、そこまで極端な話をしなくとも、高価なレンズを選ぶとなれば、いきおい慎重にならざるを得ません。

写真のすべてのジャンルには、写真に最適なレンズがあり、すべての写真家はその範囲内でお気に入りのレンズを持っています。初心者にとって最初のレンズとの出会いは大切であり、その後の撮影ライフにも影響を及ぼしかねません。
ここでは失敗しないポートレートレンズの選び方として、出来るだけ一般的な入門レンズを示しつつも、買って損はしない価値あるレンズ選択を心がけました。



ポートレートに最適なレンズの決め方

どのポートレートレンズを買うべきかということはさておき、ポートレート撮影に最適なレンズを選ぶ際に念頭に置くべき要素を挙げてみましょう。順不同です。


● 撮影場所
● 照明条件
● 被写体の動き
● 被写体がどの程度写り込んでいるか
● 背景のボケ具合
● ズームかプライムか?


では、それぞれの要素について見ていきましょう。






1. 撮影場所はレンズの選択に影響する

上記で述べたように、ポートレートに適したレンズを選ぶには、スペースが大きな決め手となることがあります。
狭い場所で撮影する場合は、焦点距離の短いレンズを使用することになります。
しかし、焦点距離が被写体の印象に与える影響も考慮する必要があります。これはレンズの選択に大きく影響します。

例えば50mmは多くのポートレート撮影において、最小限の焦点距離です。また、クロップセンサーカメラの50mmレンズは、フルサイズカメラの75mmレンズに相当し、ポートレートの理想的な焦点距離である少なくとも85mmに近いです。

無論より短い(広い)焦点距離を使用することができないわけではありませんが、自分が何をしているのか、それが画像に与える影響を知る必要があります。被写体をフレーム内のどこに配置するか、フレーム内のどの部分を占めるか、などです。



2. ポートレートの光条件

ポートレートに最適なレンズを選ぶには、焦点距離だけを考えればいいというわけではありません。自然光で撮影する場合、利用可能な光の量はレンズの選択に大きな影響を与えます。

日中のビーチで撮影する場合、光量が多いので、速いレンズは必要ありません。曇りの日でも大丈夫です。しかし、日没以降の撮影では、光量がかなり低下するため、開放F値のレンズが必要になります。そのため、それらは時に高速レンズとも呼ばれます。

カメラに付属のキットレンズでは、光量が少ないときに開放F5.6で手持ち撮影するには、スピードが足りないかもしれません。これは、シャッタースピードが、手ブレを起こさずに安全に撮影できる速度より遅くなければならない場合があるからです。おそらく、F4、F2.8、またはそれ以上の絞り値にすることをお勧めします。

また、焦点距離が長くなればなるほど、手ブレを防ぐためにシャッタースピードが速くなることも覚えておいてください。もちろん三脚を使用すれば、手ブレは起こりません。その分シャッタースピードが稼げるわけですね。





3. 被写体の動き

被写体の活動状況によっても、最適なポートレートレンズは変わってきます。時には、レンズで相手の顔に入り込んで、その瞬間を台無しにしたくないこともあります。また、ポートレートは一瞬を切り取るためのものではないこともあります。


スナップ・ポートレイト

英語ではよくキャンディッドフォトなどと呼ばれ、被写体がカメラを意識しない撮影を意味します。家族の写真を撮るときも、私はなるべくカメラを意識させないよう配慮して取ります。
自然でポーズのない写真を撮りたいからです。
なので、私にとって70~200mmレンズは、結婚式やイベントでの自然なポートレート撮影に最適なレンズとなっています。


ゲストのポートレート

私は人とのつながりや個性を求めて撮影しているので、知人や訪問客をドキュメンタリー風に撮影するのが好きです。そういったポートレートはイベントと同じようにアプローチしています。
ただし、あまり後ろに下がらないようにはします。幼い子どもたちが外で遊ぶ場合は、彼らが遊んでいる場所に身を置き、子供目線で彼らの輪に入ってよりリアルな撮影を試みます。
その際、邪魔にならないように、70-200mmのレンズを使い、ズームインして近づいたり、近づかれたらズームアウトしたりすることができるから便利なのです。

70-200mmレンズのもうひとつの利点は、背景をぼかすことができることです。
被写体と背景を分離させるのに最適です。被写界深度を浅くして撮影すると、人通りの多い場所や背景がよくない場所でも撮影できます。

70~200mmのレンズはF2.8まで使えますが、私はF4で遊んでいる子どもたちを撮っています。動きが止まらないので、被写界深度に余裕を持たせてシャープな写真を撮ることができるんです。


環境ポートレート

日本で聞き馴染みのない言葉ですが、欧米ではよくenvironmental portraitsという撮影ジャンルを耳にします。例えば、厨房のシェフが働いている姿、校庭で戯れる学生たち、フィールドで競技の合間に一息つくアスリートなど、要するに、被写体と背景がバッチリ馴染んだ情景を撮るものを環境ポートレートと呼びます。
この環境写真では、とりあえず24~70mmのレンズを使用することをお勧めします。
広角なので、被写体の周囲を写すことができ、周囲の状況に合わせて被写体を配置することで、よりストーリーを伝えることができます。

注意点としては、ズームレンズを使用する場合、その場の雰囲気に流され、焦点距離に気を配らないことがあります。注意しないと、広すぎる焦点距離を使ってしまい、被写体が歪んでしまうことがあります。





4. 被写体をどれだけ写せるか

ポートレート撮影に最適なレンズを選ぶ際のもう一つのポイントは、被写体がどの程度写るかということです:全身か、3/4インチか、それとも頭と肩か?


  ポートレートに最適なレンズ

● ヘッドショット

ヘッドショットに最適なポートレートレンズは、85mmと105mmのプライムレンズです。
その理由は主に2つあります。まず、最も重要なことは、被写体の顔の歪みがないことです。焦点距離が短いと、画像が歪んでしまいます。

次に、被写体の頭と肩でフレームを埋めるために、焦点距離が長いと必要になるバックがあまり必要ないことです。そのため、被写体との距離感が保たれ、画像全体の印象を決めるのに重要な役割を果たします。


 ● 3/4インチ写真

四分の三インチの写真には、70mmから100mmの焦点距離のレンズが理想的です。状況や好みに応じて、単焦点レンズでもズームレンズでも構いません。

3/4ヘッドショットとは:
太ももの真ん中あたりから頭の上までが一般的な写真です。ただし、ふくらはぎの辺りから頭の上までの写真もあります。



● 全身写真

全身写真を撮るなら、焦点距離が24mmから200mmの間のレンズが良いでしょう。これもプライムかズームのどちらかです。
ただ、200mmを使うには、遠くから撮影できるスペースと、シャッタースピードが1/200以上になるような明るさが必要なので、注意が必要です。






5. 背景ぼかし

ポートレート撮影では背景のボケが重要なので、使用するポートレートレンズが背景にどのような影響を与えるかを考えておくとよいでしょう。ポートレートで背景をきれいにぼかすには、開放F値や焦点距離の長いレンズが適しています。

背景をぼかすのに最適なポートレートレンズは、絞り開放のプライムレンズか、絞り開放のズームレンズだと思われる方も多いと思います。
しかし、私は70-200mmのレンズで得られる華麗なぼかしが大好きです。ここでは、背景をボカしたポートレート撮影に最適なレンズを紹介します。

  • 85mm F1.4(またはF1.8)
  • 105mm F1.4
  • 135mm F1.8
  • 70~200mm f2.8(長めの焦点距離で使用する)


6. 最適なレンズはズームかプライムか?

ズームレンズよりプライムレンズが良い、あるいはその逆というのは決めつけすぎです。
ポートレートに最適なレンズは、あなた自身とあなたのスタイルに最も適したものです。

確かに、一眼レフは軽くて速く、シャープな写りをすることが多いです。しかし、最高品質のズームレンズも、重くはなりますが、非常にシャープで高速です。

私は、ぶっちゃけ忙しいポートレート撮影ではズームレンズを愛用しています。
なぜなら、私にとって最も重要なのは、撮影を中断したりレンズを交換したりすることなく、状況の変化に対応できることです。

なのでロケ仕事で撮影するときは、基本2台のカメラで撮影します。レンズ交換を極力減らし、サブのカメラでもメインカメラを十分補えるようなレンズを選んで持ち出します。(手持ちにある限りですが。笑)

例えば1台は24-70mm F2.8、もう1台は70-200mmのレンズを装着したりします。似たりよったりの画角のレンズではなく、状況によってより広い選択肢があった方がいい、という考えからです。


まとめ

ポートレートが得意の写真家によってもレンズの好みは分かれるので、これでなきゃダメという縛りはありません。ただ定評あるレンズはカメラとレンズメーカーによって限られてくるので、できれば購入前に、店頭で試し撮りなどしてから自分の好みに合うもの、扱いやすいものを見つけたいです。
また、写りやスペックにばかり気を取られて、操作性を見落とさないことが大事です。重量や大きさも撮影者を選ぶので、後々後悔しないよう、選択基準の上位に意識した方が良いかと存じます。



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