2022年10月2日日曜日

動物撮影の楽しみ方

サムズアップ・アメリカ!
野生動物を撮影する初歩的なヒント





アメリカを旅していると、自然保護区やサファリパークなどでの動物撮影についていろいろなことを学びます。
私も最初は全く何も知りませんでしたが、時間をかけて様々な条件下で撮影を経験することで、いろんな要因に気づき、だんだんコツがあることに気付かされました。
ここでは、初めて動物を撮影する人のために、動物を撮影するためのヒントを紹介します。



● ズームレンズを使う

多くの野生動物は、動物園と違い、人が来ると警戒し逃げてしまいます。
ご存じのように鳥類ならなおさらで、ちょっと近づくと飛んで行ってしまいますよね。
大型の動物であれば、じっとしていることもありますが、その場合、近づきすぎると大きな危険にさらされることもあります。
森で熊を見かけたら、撮影は断念して、まず身の安全を確保しなければなりません。鹿やムースなどの大型哺乳類も北米では見かけますが、生態系を考慮し、あまり接近することはお勧めしません。

ではどうすれば野生の動物を撮影できるのか?
単純な答えですが、最も簡単に動物を撮影できるのが、ズームレンズです。
それもできるだけ焦点距離の長いレンズがお勧めです。
標準域のズームレンズでは、野生動物は指先程度の大きさにしか撮れません。大半のスマホカメラもこの望遠撮影は苦手で、この点においては、やはり高ズーム域をカバーするカメラおよびレンズの方が、圧倒的に有利です。
野鳥撮影の専門家には不足でしょうが、その他の野生生物なら最低300mmの焦点距離がないと満足のいく撮影はできないでしょう。

写真家の中には、このレンジのレンズを使うと写真が粗くなると言う人もいます。しかし、動物を撮り始めたばかりの初心者には、これで十分だと思います。

ズームレンズのもう一つの利点は、必要に応じて簡単にあなたの焦点距離を調整し、迅速にベストショットをゲットできることです。
そして何より頻繁にレンズ交換する必要がないことです。
刻々と動いていく野生動物ですから、せっかくのシャッターチャンスなのに、もたもたレンズ交換している暇はありません。
ほんの少し、画質に妥協しても高倍率のズームレンズを使用した方が、撮影成功率はグッと高まるのです。
ですから、初めて野生動物を撮影される方は、撮影距離の長いレンズをお勧めします。





● シャッタースピードを速くする

動物は常に動いているので、シャッタースピードを速くしたいものです。
シャッタースピードとは、シャッターを開いている時間のことです。
シャッタースピードが速ければ速いほど、短ければ短いほど、動物の連続した動きを1枚の写真に収めることができます。
動物を撮るときは、特に活発な動物や落ち着きのない動物には、最低でも1/500秒以上のシャッタースピードで撮影することをお勧めします。
そうすることで、動物の動きを逃さず、部分的にブレるのを防ぐことができます。



● ISO感度を上げよう

シャッタースピードを速くすると、センサーに光を当てる時間が短くなるので、露出が暗くなってしまいます。
このバランスをとるために、ISOを上げることができます。
これは、カメラのセンサーの光に対する感度のことです。光に対する感度が高ければ高いほど、センサーに光が当たるまでの露光時間が短くなります。

注意点として、ISOを上げると、カメラ内の画像信号が増幅されます。
その結果、写真に写るノイズの量も増幅され、画像が荒くなってしまいます。
幸いなことに、画像のノイズに耐えられない場合は、ノイズを軽減する方法がたくさんあります。多少ノイズが多くても、ディテールがしっかりした露出の写真になるなら、安いものです。
ですから、ISO感度を高くすることを怖がらないでください。撮影を重ねて目が肥えてくるとノイズが気になるでしょうが、初めのうちは周囲のノイズより被写体がブレないよう注力してください。徐々にISOの塩加減もわかってくるし、感度の設定も落とし所が掴めてくるはずです。
センサーによってもノイズの出方が違いますが、露出が足りずディテールが見えない写真(またはボケた写真)よりはましです。






● ゴールデンアワーの時間帯に撮影する

動物を撮影するのに最適なタイミングは、ゴールデンアワーに近い時間帯です。
真上から光が当たっている時に撮影すると、非常にきつい明るい光になってしまい、その結果、写真に暗い影ができます。ゴールデンアワーに近いほど、太陽は地平線に近くなります。そうすると、光が拡散して、被写体に良いアングルを与えることができるのです。
また順光と逆光の使い分けで、写真の味付けがまったく変わることがわかり、状況に応じて使い分ける楽しみが増えてきます。



● エサ場を探す

どんな動物も水分の補給は必要です。よって水辺には多くのシャッターチャンスがあります。もともと水辺に住む亀やカエル、その他多くの両生類も見つかりますし、北米ではビーバーやグランドホッグも池や川の近くに住処を作ります。
特に夏場などは、水を求めて多くの動物が川や池によってくる可能性が高まります。野鳥はもとより、鹿やラクーン、リスも水際の木陰で見つかることがよくあります。
初心者の撮影対象として、撮影しやすいのはアヒルやカモ、ガチョウの水鳥で、彼らは人を他の動物ほど怖がらないので、かなり接近して撮ることができます。
動きも緩慢なので、彼らのストレスにならないよう気を配りながら、しつこくならず、迅速に撮影する手際の良さをマスターしてください。



● まとめ

野生の動物を撮ることは楽しいです。時に目指す被写体がなかなか見つからず、焦ることがありますが、そんなときは民家の人通りで見かける暇そうな猫など(ワンちゃんでもスズメでも結構ですが)で撮影の練習をしてみてください。
動物の動きや仕草に慣れることもできましすし、何より飼い猫は人にあまり警戒心がないので、一定の距離をたもちさえすれば、リラックスした自然体の猫を取ることも難しくありません。あまり遠くへ行くことばかり考えず、まずは身近な小動物から撮影を始めてみてください。






0 件のコメント:

コメントを投稿