2020年12月5日土曜日

クリスマス・ツリーの購入

 町はクリスマス・モードに突入



 今年もはや12月。ここニューヨークもすっかり秋から冬へと装いを変えています。カラフルだった樹々はすっかり枯れ落ち、灰色の枝や樹木ばかりが目立ちます。いや場所によってはエバグリーンと呼ばれる針葉樹が鬱蒼とした深い森を形成しています。夏場、気が付かなかった樹木の植生範囲が浮彫に見えてきたりして興味深いです。ニューヨーク郊外はいたるところにまんまクリスマス・ツリーの形をした針葉樹が立ち並び、雪でも降るとそれはもういい風情に見栄えします。

 マンハッタンでは毎年恒例の、ロックフェラーセンターの巨大ツリーの点灯式が行われました。点灯式には毎年数万人の人だかりとなるのですが、今年はコロナ対策で見物は不可となりました。代わりにテレビの全国ネットで式典は放映されましたが、やはり盛り上がりには欠けてしまった模様です。それでも通りの外から光に包まれた25メートルの巨木を見てみると、いよいよ来たかって、やはりシーズンの到来を実感させられます。

 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 いま町のあちこちでは、本物のクリスマス用の樹木が売られています。我が家も毎年、この本物のツリーを買って家の中に飾るのが習わしとなっております。子供のころは組み立て式のプラスチックのツリーで満足していたのですが、渡米し、一度本物を飾り出して以来、もう病みつきとなりました。



 家の中にずっしりとした樹木があるだけで雰囲気ががらりと変わります。部屋にほのかな樹木の香りが漂い、外から帰宅するたびにほっと心がなごむのです。売っている人に聞くと、どうやらそれだけではなく、気分を中和させるイオンが発生するので、心が落ち着くのだそうです。見ても眺めてもやさしい深緑色で目の疲れもいやし、緊張を緩和させてくれるのだと思います。

 一口にクリスマス・ツリーといっても幾種類かあって、私は毎年迷うのですが、今年は香りの強いフレイジャーといいうもみの木にしました。枝ぶりもよく、ボリュームがあって、枯れにくいのが特徴です。ここ数年はショッピング・モールに隣接した駐車場を借りた特売場で購入しています。樹木の大きさや種類によって価格も様々ですが、我が家は天井の高さに合わせて、だいたい二メートル弱のものを買いました。選定にあたって、注意する事はいくつかあります。

1 幹がまっすぐ伸びていること。

2 枝が円錐状に、360度均等に生えそろっていること。

3 葉が乾燥しすぎて枯れかけていないか。ちょっと振ってパラパラ落ちないか。

4 いい香りがするか。

5 てっぺんの枝がまっすぐで、付近の小枝もバランスよくついているか。

6 色合いがほかの木と比べて褪せていないか。

 こんなところを厳しくチェックしたうえで、今年も選びました。店にはまだたくさんの樹々が販売されていましたが、なるべく早めの購入をお勧めします。クリスマス当日直前だと、いい木は売り切れ、どこか問題のある木しか残らなくなります。いい状態のものを買いそびれて後悔した年が何度かありましたので、早いに越したことはありません。



 こうして苗木から育てたクリスマス用の木は、切ってから数週間は鮮度を保てるよう育てたものです。なので買ってすぐ家に飾ってもよいのですが、私はクリスマス当日に木が元気でいてほしいので、持ち帰ったら裏庭の小屋の陰に立てかけておきます。そうしてクリスマスの4-6日前にうちに迎え入れます。その際、のこぎりで幹の末端を5センチほど切ります。切りたての幹部分の細胞が活性化し、水分を求めるようになります。用意しておいたツリー用の土台に水を張ってそこに立てかけると、木は息を吹き返したように、水を吸い始めます。

 2リットルほどツリーの土台に水を注いでも、翌朝には半分ほどに減ります。収縮していたツリーがみるみる精気を取り戻し、枝葉がふっくらとしてきます。香りもふんわり部屋を漂い始め、いやがうえにもクリスマス気分が盛り上がってくるのです。

 我が家ではイブの日に、家族みんなでツリーにオーナメントを飾り付けます。うちはみんな趣味が違って年々デザインが変わります。私は子供のころの思い入れが強いので、金銀輝く玉やラメの効いた綿雪を配するのが好きです。家内はすべて木製の飾りで統一したいタイプで、枝には小さなサンタやトナカイ、雪だるま、森の妖精などを飾ります。クラシックな雰囲気が出て、ちょい地味ですがいい感じになります。子供たちは毎年気分によって、プラスチックのつららを付けたり、雪の結晶を模したオーナメントを手作りしたりしています。

 こうやって毎年オリジナルのクリスマス・ツリーを作るのが我が家、というかアメリカの家族の習わしです。ワイワイ言いながら家族共同で作業する。こんな機会はめったにないので、とても楽しいひと時なのです。

 人工のフェイクツリーもいいですが、一度は本物のツリーを飾ってみてはいかがでしょうか?

0 件のコメント:

コメントを投稿