2020年12月21日月曜日

クリスマスの習慣

 ホリデー・シーズンも様々


 今回は以前アメリカ人に向けて、日本人のクリスマスについて 、英語で書いたものを逆に日本語に訳しなおしたものを掲載してみました。 



 私はクリスマスが近づくたびに思います。日本人はなぜクリスマスを祝うのだろうか。

 それはとても奇妙な事です。日本のキリスト教徒の人口は200万人に満たないのです。人口比で0.8%。これはアジア圏の中でもかなり低い方です。例えば人口2億5千万人で世界最大のイスラム教国インドネシアでもキリスト教徒は2300万人、すなわち10%近くもいるのです。日本人がキリスト教について理解が浅いのは当然かもしれません。


 正直なところ、残念ながら日本人の多くは、クリスマスをイエス・キリストの生誕を祝う行事だとは思っていません。いいえ。訂正します。もちろん知識として、その事実は認識しています。無宗教の日本人でも、クリスマスの基本概念は知っています。

 しかし彼らはクリスマスを、西洋から来た年中行事の一つとして受け入れています。率直に言って、それはお祭り気分を楽しんでいるだけなのです。キリスト教はとても寛容なので、このような日本人の解釈を許容してくれるのかなと思います。


 日本人は、本質を咀嚼せずに取り入れることに秀でた人種です。これは皮肉がこもっています。バレンタインデーやハロウィンも独自の解釈で定着しました。アメリカでヒップホップが流行れば、そのスタイルだけ拝借したアイドルグループが大人気となります。




 クリスマスは本来、救世主がこの世に生誕したことを祝う聖なる祝日です。

 しかしアメリカやヨーロッパでもクリスマスは世俗化して久しいです。それは本来の宗教的慣例から別れています。日本はそれを見て、彼らなりに解釈しました。それは楽しい祝祭行事なのだと。


 日本のクリスマスは基本的に欧米のそれと類似しています。12月になると、街はイルミネーションで華やかに輝きます。様々なクリスマス・イベントが催され、そしてショッピング・セールが始まり、商業が活性化します。しかし異なる点もあります。

 日本では民家でデコレーションを飾りません。その大半が商業施設、公共施設に限られます。クリスマス・プレゼントは小規模で、子供のいる家庭が主流です。

 また、日本のクリスマスには、奇妙な独自性があります。ディナーは骨付きのロースト・チキンが定番です。なぜ日本人はクリスマスにチキンを食べるのでしょうか? その答えは単純です。アメリカでは七面鳥を食べますが、日本には七面鳥がないので、代替品としてチキンを選び、それが定着したのです。

 日本では、クリスマス・ケーキは必需品です。それは巨大なビジネス・マーケットが動きます。聖人の誕生日を祝うのですから、これはとても妥当だと思います。この国の人々は、アメリカ人があまりケーキを食べない聞くと驚きます。

 日本のクリスマス・ケーキは、イチゴを乗せた白クリームのケーキと決まっています。それは雪とサンタクロースのイメージに合わせています。なぜそうなったのでしょうか? それはアメリカのコカ・コーラ戦略と同じです。

 1920年代、日本でクリスマスが定着し始めたころ、大手菓子メーカーが、クリスマス用と称して、白いイチゴ・ケーキを販売したのが始まりです。それは大成功しました。それ以降、クリスマスの日はイチゴケーキを食べるというイメージが定着しました。

 
 この独自性は日本だけではありません。イギリスはドライ・プディングを食べます。ナッツやドライフルーツに入った焼き菓子です。フランスでは、ブッシュ・ド・ノエルという、木の切り株をイメージしたケーキが主流です。ドイツではシュトーレンという、ドライフルーツの入ったブレッドで祝います。イタリアではご存じのように、パネトーネというブレッドを手作りで焼くのが習慣です。

 このように、国によってクリスマスの食事も様々なバリエーションがあるのですね。

 それぞれの国で独自のクリスマス伝統があるのは興味深いことです。
 
 余談ですが、日本の幼い子供たちは、サンタクロースを信じています。しかしなぜ白人のおじいさんからプレゼントをもらえるのか、疑問に思う子供は少ないです。あなたは、それは都合が良すぎると思いませんか?
 







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