2022年1月13日木曜日

SONY a7IV 買うべきか?

サムズアップ・アメリカ!
徹底考察:SONY a7 IV


昨年末、アメリカでもついにSONY a7IVが発売されました。
SONYカメラファンならずとも、ミラーレス界隈で最も注目度の高いカメラの新製品と目されていたヤツです。
ところが直前に発売されたNikon Z9のスペックと価格があまりにも凄すぎて、話題をかっ攫われた形です。
とはいえ、発表前から多くのカメラファン注目の最新アルファシリーズということで、私もどうなるのかドキドキしていました。
何せ前機a7 IIIはフルサイズ・ミラーレスの新時代を開幕させた一台と言ってもよく、空前の大ヒット商品となった名機です。
a7 IVは満を持したその後継機ということで、期待はいやが上にも高まっていたのです。

買う買わないはさておいて、このカメラがもたらす業界ひいては一般のカメラファンの反応が気になります。
a7IV自体を買うためではなく、このカメラのリリースは今後のミラーレスカメラ全体の動向を左右するものと目されるからです。
a7IVはエントリーからミドルクラスをカバーできる、フルサイズで最も中枢をなすクラスのカメラということで、人気実力ともに最も充実した一台になるはずなのです。


でもちょっと戸惑ったのがその販売価格です。ソニーがこのカメラの価格を2500ドルに引き上げることで、a7c、Z6II、パナソニックS5などの低価格帯のカメラが、予算内で写真撮影ができるカメラを必要としている写真家にとって、より魅力的に見えるようになりそうなのです。

ところがこの
a7IV、いざ発売が決定し蓋を開けてみると、私が期待していたほど、人々はこのカメラに熱狂していないようなのです。
そのほとんどは価格が高いことに起因していますが、いくつかの競合製品と比較した場合、カメラにいくつかの制限があることも興味深いところです。
複雑なので、改めて分解して説明します。


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ここでは、隠されたスペックに関する情報を含むA7IVの重要な詳細と、なぜ一部の人が失望していると思うのかについて少し説明します。

私はこのカメラを手にしていませんが、事前情報をもとに、このような記事を書いて自分の考えをまとめるのが好きなんです。

全体的に私はこのカメラの位置づけをとても気に入っています。
例えばこんな感じです。


良い点

以下は、新しいソニーa7IVが提供する、私がかなりクールだと思うすべての機能です。私が好きなものがたくさんあります。


新しいポジショニング

ソニーはこのカメラを中級のフルサイズカメラに位置づけたとのことですが、どうやらこのことが多くの人々を戸惑わせていると私は思います。
以前のa7IIIは2,000ドルという価格のエントリーレベルのフルサイズカメラで、発売当初、この価格でこのスペック!? とみんなを驚嘆させたのです。


そしてつい去年のことですが、Sonyは新たなライナップとしてa7cをエントリーレベルのフルサイズカメラとして発売しました。軍幹部をフラットにし、既存の「フルサイズ=大きなカメラ」というイメージを一新する意欲的な一台でした。
このa7cは、a7IIIよりもオートフォーカス機能の改善やメニューシステムの更新など、素晴らしいアップグレードが施されているのです。

競合他社に比べると、ニコンにはZ6IIがありますが、それでも2,000ドルはするカメラです。ソニーa7IVはもはやその価格帯で競争する立場になく、より競合するのはキヤノンR6との比較となります。こうなると、入門機としての役割を果たすよりも、ミッドクラスのライバルを蹴落とすためのキラーマシンのようなギラギラしたイメージかチラついてきます。

一般のカメラ愛好家は、この
a7IVの価格設定の急上昇をスペックに見合うものだと受け止めているのでしょうか?
新しい高解像度EVFが目玉のようですが、こちらも価格を引き上げています。
SONYファンたちはそれだけの価値があると思っているでしょう。でも高い。高すぎる、と唸る人も少なからずいるはずです。

私は今、ソニーのフルフレームカメラのポジショニングがとても気になります。
動画に興味がないフォトグラファーは、a7cや古いa7IIIのようなものを手に入れれば、H.265を含むライセンスに余分なお金を支払う必要がありません。a7R IIIは今でも素晴らしいカメラですが、遠からず第4世代が出てくるでしょう。そうなると、やはりこちらも価格の高騰が予想されます。

どんどん価格が上がっていくフルフレームカメラに、私は写真ファンの二分化が進むのではないかと危惧しています。

風景写真家にはa7IVがあり、スポーツ写真家にはa9IIやA1があるように、すべてをこなせるカメラが出ることはいいことですが、やはり手の届かない人(私も含め)にとっては辛いことです。

また、a7sIIIやFX3は、コンパクトな動画撮影に最適なシステムです。

私の予想ではa7IVの登場はa7sIIIの売上げを大きく落とすと思いますが、それがソニーが発売を長く遅らせた理由でしょう。
a7sIIIの売れ行きが鈍り始めたので、ようやくa7IVを発売したのでしょう。
a7sIIIは非常に高いカメラだったので、今後大幅な値引きが予想されます。暗所にめっぽう強い高感度カメラがお望みの方は、今後数ヶ月は価格の変動に要チェックですぞ。







スペック

a7IVは新しい33MPセンサーが導入されました。これは大歓迎です。
また新しいダイヤル、新しいグリップ、新しいメニューシステムなど、多くの新しいボディーのアップグレードがあります。少し大きめのボディは、普通の大きさの手を持つ人に適しています。

EVFは3.68mドットと120fpsのリフレッシュレートを持つ、新しく改良されたEVFです。

期待通りのバリアングルモニターです。
Vloggerはこれらを好み、Vlog撮影に便利です。

オートフォーカスシステムを新たに改良され、磨きがかかっています。
視線検出によるリアルタイムトラッキングが可能になりました。これはかなり嬉しいです。a7IIIにはこれがなかったんですね。

新しくなった動画機能。このカメラが追加した大きな要素で、これほど大幅な価格上昇の原因となったのは、きっとこのビデオ機能でしょう。

a7IVは内部で10bit 4:2:2 H.265、外部で4:2:2、最大600Mbpsのビットレートで撮影できるようになりました。YouTuberやVlogerにとってこの差は大きいです。
カメラは7Kセンサー全体をサンプリングして4Kファイルを生成するので、キヤノンの4K HQモードと同レベルのものになります。

また、新しいクリエイティブルックやフォーカスブリージング補正と呼ばれる新機能も搭載しています。
ソニーのレンズの多くは、クロップの代償としてカメラ内でデジタル補正を行います。
これはかなりクールなアイデアです。
7kのセンサーデータを引っ張ってくるのか、4kの生成ファイルをクロップして、それをスケーリングするのか、どちらなんでしょうね。
4K画像をクロップしてスケーリングしているように思えますが確かではありません。そのうちユーザーの誰かがはっきり判別してくれるでしょう。
(ちなみにa7IVは4k60pを撮影しますが、1.5倍のクロップが行われます。)

最新のAFとトラッキングモードは、すべて動画撮影でも利用できるようになりました。積層型センサーではないので、a9IIやa1のような読み出し速度にはならないです。

カラーブロックを使ってピントが合っているところを知らせる新しいフォーカスマップ機能も付きました。
動画の記録時間が無制限なのも素晴らしい。そしてフルサイズHDMI接続。
時代の最先端をゆくこれらの使用はまさにフルサイズのパイオニアSonyならではです。



残念な点

このカメラにはあまり良くない点も
いくつか報告があり、それらが期待されたほど盛り上がっていない原因であります。

まず第一に、繰り返しになりますが、とにかく高すぎる。
2,500ドルという価格は、まさに中級クラスのカメラと言えるでしょう。
今までのようなエントリーレベルのカメラではありません。より高解像度のセンサー、より良いEVF、より良いボディ。ただしこの新しい価格設定はインフレの影響も考慮に入れてあげなければならないでしょう。(でもNikon Z9は頑張ってくれましたけどね)

ソニーはもはや、誰もが期待していたような、2,000ドル前後の入門機は出さないでしょう。出たとしても、かなり差別化で制限の多いものになるでしょう。
a7IIIを現代風にアレンジして、新しいマーケットに押し込む代わりに、アップグレードしたそれがa7IVです。

a7IVはキヤノンR6の価格帯に位置しており、キヤノンR6は1年前のモデルでありながら、Rからより多くのことを改善しています。
a7IVはよくできたカメラですが、みんなが期待した最新最強の入門機ではなかったということです。
(しかも付け加えれば、この価格帯のカメラではかなり標準的なGPSがなしとはどういうことでしょうか)

不評のローリングシャッター。
7kフルセンサーからサンプリングすると、4kローリングシャッターがかなり悪いと報告されています。これはa7IIIからのダウングレードと取られかねないです。

ロスの多い圧縮RAWでは10fpsのバーストのみ。
10fpsはa7IIIと同じですが、14fpsで撮影するNikon Z6 IIよりも劣り、電子シャッターで20回撮影するCanon R6よりもずっと後塵を拝しています。

次にソニーの動画モードでのIBISによる手ぶれ補正は、あまり良くないというレポートを聞きました。
a7IVにはこれを助けるアクティブスタビライゼーションというものがあり、これは素晴らしいそうですし、またカタリストを使うこともできます。
しかし、より高速なシャッターが必要であり、さらに最悪の場合、大幅なクロップを導入することになり、これは間違いなくがっかりさせられることです。

とまあ、不満を上げれば、チョロチョロ出てくるカメラではありますが、誤解しないでください。a7IVは間違いなく先代a7IIIから長足の進歩を遂げた、新しい次世代機です。
Sonyの持てる技術を凝縮した意欲作であることには変わりなく、今後撮影レポートなどが出回れば、評価はどんどん上がる可能性があります。

今年前半のカメラ販売実績で、Nikon Z9とどのような比較が出てくるのかも、注目しながら見守っていきたいと思います。




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